音楽と本

僕のカルチャーセレクトショップ

忘れ得ぬ友人、ぶうちゃんのこと

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       小学生の僕と弟。めちゃくちゃおしゃれ。服は母親の手作り。

 

 僕は高校に入学して吹奏楽部に入った。本当は軽音楽部に入りたかったのだが、僕の高校はそんなものはなくて、そもそも学祭でバンドなど許されない教育方針の学校だった。仕方がないので小学校でのトランペットの経験もあったし、音楽に触れていたいと思ったので吹奏楽部の戸を叩いたのだ。しかし、すでにトランペットの定員はオーバーしており、同じ管楽器ということで僕はいきなりトロンボーンを担当することになった。ホルンの先輩に連れて行かれた練習場所の教室には、僕より先に入部した「ぶうちゃん」がひとりぶぅーぶぅーとトロンボーンを鳴らしていた。

 

 ぶうちゃんというあだ名だが、別に彼は太っているわけでなく、むしろ痩せぎすで、ひょうろりひょろりとした感じの、まるで葦のような物腰だった。本人もそのあだ名の由来はよくわからないらしい。

 彼はとても優しい性格で、なおかつナチュラルにユニークだった。物事をすべて自然に受け入れるという感じだった。僕はどっちかというと理詰めでモノを考える性格だが、逆にその違いがよかったのか、ぶうちゃんとはすぐに仲良くなった。

 

 ぶうちゃんのその頃の口癖は

「意味ねー」

 だった。

 ことあるごとに色々なことを言ってはその後、「意味ねー!」を連発していた。意味のあるようなことでも「いみねー!」と言っていたから特にその言葉自体には重みはないのだが、そのイミネー!が独特なフレージングだったので、みんなのあいだで結構流行った。

 「この曲、トロンボーンのパート少ないけど、ラッパのところも吹いちゃう?イミネー!」

 とか

 「あっ、今日英語ないのに英語の教科書持ってきちゃった!イミネー!」

 みたいな感じだった。ちなみにぶうちゃんは全ての教科書をとりあえずカバンにぶち込んでいたのでいつもカバンがパンパンだった。

 

 かなり仲良くなって、結構遠かったにもかかわらずお互いの家を行き来して遊んでいたのだが、彼の趣味がまた強烈だった。

 ぶうちゃんはオカルトマニアだったのだ。

 本当に信じているのかどうかはよくわからなかったが、彼の愛読書は学研の「ムー」。かの有名なオカルト雑誌だ。

ムー 2017年7月号 [雑誌]

ムー 2017年7月号 [雑誌]

 

 こうやって今でもまだ出版されているのだから人気は根強い。

 

 当時その記事を見て僕は結構たまげたものだ。特に読者のお便りコーナーには

 「バーマヤーナ・・・この言葉に共鳴した人は私にご連絡ください」

 「私は前世妖精の○○でした。心当たりのある方はご連絡ください」

 などと書いてあり、住所が記載されていた。共鳴した人はいたのだろうか。

 

 初めてぶうちゃんの家に行った時に、彼の勉強机のとなりに何やら方眼紙で作られた一辺が30センチくらいの三角錐が置いてあるのに気づいた。形はいわゆるピラミッド型である。

 「ぶうちゃん、これ何?底に輪っかみたいのがついてるけど、これどうするの?」 

 「これはさー、勉強するときにこうやって頭にかぶるんだよー」

 と言いながらぶうちゃんはスポンと方眼紙のピラミッドを頭に装着。間抜け。

 「わははははははは」

 それを見た瞬間、僕は大爆笑。ぶうちゃんも大爆笑。

 「わらうなよー!ピラミッドパワーが出てるんだぜー」

 と弁解がましくぶうちゃんは言う。

 彼は本気でそれをかぶって勉強していたらしかったが、結局浪人した。

 

 他にも彼はムーの広告を通して怪しげなグッズに何万もお金を使っていた。

 例えば、超能力が込められたカセットテープ。それを再生すると、ふわふわとしたシンセの音が漂ってきて、おじさんがしゃべりだす。

「いま、から、わた、しの、パワーを、あな、たの、もと、へ、注入しまーすー」

たしかこんな感じで始まった。そうしてあとは片面30分延々と

「うぁー!うぉ!うふうーうぉっ!」

という超能力を注入する声が流れ続ける。

 我慢して聞いていると最後は

 「終わりましたーうぁー・・・・」

 うぁー・・・じゃないよ!僕があんまりのことに

 「なにこれ?すげーインチキじゃん!こんなのに一万円も払ったの?」

と言うとぶうちゃんは 

「馬鹿にすんなよー、馬鹿にするとエネルギーが薄れるんだからさー」

と少し悲しそうな顔で言った。薄れるって何?

 カセットテープを裏返すと、無音状態がこれまた30分続くのだが、この無音にもパワーが込められているとのことだ。そしてまた

 「こんなん、嘘に決まってんじゃん!意味ねー!」

 「馬鹿にすんなよー」

という会話が繰り返される。楽しかった。

 

 この怪しげなカセットテープシリーズは他にもあって、多分新興宗教がらみかもしれないけれど最初に

 「ありーがーとうーござーいまあーすー」

というフレーズの合唱が流れたあと、宇宙人が憑依するおばちゃんが登場するというものもあった。

 それがまたなんというか不思議な内容だった。男性の質問者が二人いて、そのおばちゃんに憑依した(たしか)オリオン星人?だかに、色々と聞くのだ。

 

 質問者

「ひょっとしてアメリカが押し付けた、6・3・3・4の教育制度も、オリオン星人のせいですか?」

 おばちゃん

 「あーもちろん、そうだよ。ぜーんぶわたしたちがやった」

 質問者

 「なるほど・・・やっぱりそうだったのか」

 

 どういう質問だ。僕がうろ覚えの質問はこんなものだったが、他の質問とて大差なかった。もっと宇宙の真理について聞くと思えば、実に形而下の内容ばかり。そうして最後には突然おばちゃんが

 「たーんたかたん!たーんたんたん!」

とヘンな歌を歌ったと思ったら突然、ドシン!と倒れる音がするではないか。

 

 質問者A

 「逃げたか?」

 質問者B

 「いや・・・多分・・・抹殺」

 

・・・どういう結末ですか。

しかし僕はこの部分があんまりインパクトがあったので何度もぶうちゃんに再生させては大笑いしていた。その度に彼は

 「馬鹿にすんなよー!」

と言いながらも聞かせてくれたっけ。

 

 ぶうちゃんの思い出はあまりに濃いので、明日に続きます。

 

この小説がですね、悲しいほど人気がないのです。面白いはずなんだけどなあ・・・

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一方こちらはじわじわとPVが増えています。面白いと思うんですよ、一部の方には。

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続 バンドと共にあった、僕の服飾変遷史 

 大学生になり、ようやくファッションステージが上がった僕。

 バーゲンになればマルイを筆頭に色々なファッションデパートを回っては服を買いまくった。また、一方で古着屋にも通うことになる。デプト(まだあるんだね!)とかシカゴとかサンタモニカとかそういうお店へ行って安いリーバイスやTシャツをたくさん買った。当時お気に入りだった、デプトの赤Tシャツ。デニムは多分リーバイス501だろう。

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でもやってる曲はソドムのパーセキューションマニア!

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僕の使ってるベース、ヤマハのBB-X。これは大学進学が決まったとたんに、二ヶ月間、とある工場で働いて得たお金で買った。ヤマハの名器。なぜか今弟の手元にある。貼ってあるシールはメタリカ

 そうして冬になり、あこがれのレザーライダースを入手。  

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 この頃は友人がみんなSCHOTTのライダースをこぞって着ており、サークルの溜まり場にいた僕ら、まるでいんちきロンドンパンクス集団だった。ちなみにこれはSCHOTTではなく、知らないブランドで、後で友人に売ってしまった。ライダースは今でも何着か持ってます。ロック野郎には欠かせないアイコン。

 

 そういえば冬、寒いのでライダースを着たまま友人の家に4人くらいでコタツに入って宿泊することがよくあったのだが、就寝後にそれぞれのライダースがゴワゴワとこすれる音がして、暗闇でだれかがボソッと「革がうるせえ」と言い出し、みんな笑っていたっけ。

 ちなみに下に着ているパーカーが例のスクープで買ったパーカー。ロンTはたしかフランドル(懐かしい)で買ったサイの絵がプリントされたもの。デニムは古着の505かな。かぶっているキャップはレッチリ。これ場所は多分ライブハウスの新宿JAMだと思う。一生懸命バンドやっていた頃。

 

こちらは番外編で野外ステージで僕のオリジナル曲をやった時のもの。白ワイシャツをよく見てください。わかるかなー、よく見て、血がついてるでしょう!

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まあ、血じゃなくて絵の具なんだけど、この衣装はレザーフェイスをイメージ。

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 当然、誰にも理解はされなかった。ちなみにエプロンはバイト先のおばちゃんに借りたもので、「WAN WAN」とか書いてある。

 

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     KORINに憧れて買ったアディダスのジャージ。

 後ろは就職して初めて買った車、セリカ。後日、当て逃げされ、かなりブルーになる。

 で、KORNにはだいぶ憧れていたのでギターのHEADみたいな格好がしたくてご覧のとおり(右が僕)。どちらかといえばラーメン屋の店員。    

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で、このヴェトモンを先取りしたダブダブの服で何をしているかというと、

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             釣りです。しかも釣り堀。

 

 次にグランジの波に飲まれる。ネルシャツにダメージジーンズ、まんまカート。でもなんかダサい。シャツのサイズ感がダメなんだな。 

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                   で、最後はこう。

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 ネルシャツ着てるけど、演奏しているのはドイツのスラッシュバンド、「クリエイター」の「BLIND FAITH」。

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どういう経緯か忘れたけれど、僕はこの黄色いエクスプローラーを持っていた。このギターについたあだ名は「イエローモンスター」。でもどっかいっちゃった。僕何本もギター持っていたんだけど、行方不明のものがある。どういことだろう。

 

 服に金使ってるとか言っておいて、出てくる写真、全然ファッショナブルじゃないね。いずれ僕のおしゃれ哲学について語るよ!

 

小説の中でたまにファッション的なことも書いてました。

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バンドと共にあった、僕の服飾変遷史

 僕のお金の使い道、本、服、CD。これが基本。それはもう二十数年来変わっていない。

この中で、服飾に関してはかなりかけてきたと思う。ファッションブロガーとまではいかないけれど、興味のない人からすれば、そんなにかけたの?とか何着持ってるの?というくらいのレベルではあると思う。たとえば以前の記事ではカーディガンだけに特化して書いた。

otominarukami.hatenablog.com

実はここからまたさらに3着ほど増えてます。

 で、どういう経緯で僕は洋服に興味を持ち始めたのか。そのきっかけはやっぱりバンド。バンドとファッションは多くの場合結びついている。あこがれのミュージシャンにせめたカッコだけでも近づきたくて、あれこれと試してみるのは当然だろう。

 僕が洋楽に興味を持ち始めたのは中2の時、デュラン・デュランを聴いた時からだった。

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 特に僕はベースのジョン・テイラーが好きすぎて、ベースを始めたのもそれがきっかけ。今でもデュラン・デュランは思い出したように聴きたくなる。

 その当時、唯一の洋楽好きの友人S君としょっちゅう遊んでいたものだ。二人していろいろなイギリスのバンドを聴いた。

ある日何を血迷ったか、二人して「デュラン・デュランぽく写真撮ろうぜ」ということになり、もう一人の友人にとってもらったのがこれ。

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ダッセー!ダッセー!絶望的にだっせえ!僕右側のグレーの中坊。

当時おそらくヨーカドーみたいなところで買ったグレーのおっさんブルゾンをおしゃれだと勘違いしていたのだ。しかも、別の日にも同じような企画をしていた。

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なんのメッセージ性やねん!どういう気持ちで見ればいいの?

ネズミ色って。しかも、当時髪を染めてみたくて、でもそんなことしたらドロップアウト必至だったのでできなくて、じゃあどうしたかというと、絵の具を使って髪に黄色をメッシュ!当然思った通りにいかず、絵の具だけだ髪の毛に浮いてすぐにパリパリになって剥がれ落ちた。リアル中坊の発想おそるべし。

 

その後も白いジャケットを着てみたり、高校生になってはキュアーみたいになりたくてグレーのジャケットを探してみたり。理想は高かったが、現実は、こう。Tシャツをタック・イン!靴もなんだこれは。どこで買ったのだろう。

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               そして大学一年生。

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相変わらずヒドイ。サスペンダーにバッジでどういうこと?

結局お手本なしにおしゃれはできないということだ。大学に入り、いろいろな人と知り合う中で、だんだんとそれが分かってきて、メンズノンノとかを買うようになる。やや修正された時期。ちなみに帽子の裏側にはマジックで「INJUN」と書いてました。

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といってもダサいことには変わりはない。そのタックインやめなさい。このころ、この写真のようなブリーチジーンズやケミカルウォッシュとかが流行っていた。すばらしき80S。

 

 そのうちにメンノンで学習した僕はついに新宿マルイで服を買う決意をする。当時はDCブランドが全盛だった。確か初めて買ったブランドの服は「スクープ・ボーイ」。今あるのかね?7500円くらいの緑のパーカーだった。僕はその値段にびびり、(散々高い服も買ったけど、やっぱり今でも7500円のパーカーは高いと思う。)思わず店で店員に「高いっすねー」と言い、「いや、別に普通ですよ」と言われ辱められたものだ。高いよ!買ったけどさ。

 とにかく、これをきっかけに色々と服を揃える楽しみを覚えた僕、服を買うためにバイトも始める。月5万円くらい稼いで、ほとんど全部服を買っていた。で、あるとき革ジャンがどうしても欲しくなり、これを買ってしまう。髪、超長い。人生で一番伸ばしていた時期。

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 これ、いくらすると思います?100、000円です。シェビニオンというフランスのブランドもの。一目惚れしたものの、さすがに一気に十万は払えなくてマルイの分割で買った。当時友達はよくマルイのキャッシングで苦労していたが、僕もあぶなくそれにハマるところだった。

 で、さすがにこの革ジャン目立つのでバンドサークルの人に色々と聞かれるのだが多くの場合「これで十万円もするの?バカじゃない!」という反応だった。その反応は、正しい。しかも「マンジュウコート」とかあだ名がついたし。

 でもたまにこのマンジュウコートの価値が分かる後輩に「スゲエ!シェビニオンだ!」と驚愕されたこともあり。とにかくこの革ジャンは着倒した。最終的にはスゥエットのうえにマンジュウコート。

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キャップは「EXODUS」!どこに行ってしまったんだろう。

で、マンジュウコート、最終的には父親に譲りました。多分、実家のクローゼットにまだ、ある。

 

 続きは明日です。

盛り上がってはいませんが、書き続けます。

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一昔前のホラー映画サウンドトラック、いい曲多い説

 僕が高校生~大学生にかけての頃、やたらとホラー映画、特に血しぶきが飛び散るスプラッタ映画が大ブームとなっていた(一部の好きな人達で)。ぼくもそれにハマり、あまつさえ、ホラー映画の監督になろうとして日大芸術学部を受け、落ちた。次の一年間頑張って勉強しリベンジ。当時狭き門だった監督学科に一次も二次も合格したのだが、すでにその熱は覚めており、別の第一志望の大学へ進学した。もし日芸に進んでいたら、まるっきり違う人生になっていた。

 ああ、そちらの人生も見てみたい気がするが、どうにもならない。

 

 ただ、ホラーを含めた映画への興味は尽きることなく、当時出版されていた雑誌を片っ端から購入しては隅々まで目を通していた。だからこんな大人になったのだろうか。

きちんと今もその雑誌はとってある。何冊かは捨ててしまったかもしれないが、数冊引っ張り出してみたよ。スターログ、懐かしい。今見ても密度が濃い。ちらと見てみたら、ボバ=フェットの表記がボーバ=フェットだった。       

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 当時からヘンな映画ばかり観ていたなあ。昔はとにかくスプラッタ系ならなんでも見ていたんだけど、今のホラーはあんまりもう観てない。リアルを追求しすぎているというのもあるしね。だから僕は80~90年代のゴミスプラッタ映画に関してはいくらか詳しい。

 古本屋街を中心に僕は御茶ノ水には当時足繁く通っていて、だいぶ散財したけれど、その中には500円くらいで投げ売りされていたZ級バカスプラッタ映画なんかも含まれている。そういうビデオを友達と見ては「こんなの買って見る奴いねえ!」と大笑いしていたものだ。

 

 さて、本題。表題のとおり、ホラー映画は意外と名曲ぞろいです。まずは有名なエクソシストの「チューブラ・ベルズ」

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このビデオで「エクソシスト」の大まかな内容が分かる。今見ても怖い。

メイクアップアーティストのディック・スミスを知ったのもこの映画。「カラス神父」というヘンな名前の神父の最期がなんともいたたまれない。

マイクオールドフィールドの傑作だけど、本来はこの映画のために作られた曲ではなかったはず。

 

 「決して一人では見ないでください」のキャッチコピーが流行った「サスペリア」。

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演奏は言わずと知れたホラー映画御用達のイタリアのプログレバンド「ゴブリン」。監督のダリオアルジェントは音楽に造詣が深く、メタルも好きらしい。ジェニファーコネリーを主演に据えた「フェノミナ」ではアイアン・メイデンまで映画に登場させていた。

 

 ゴブリンといえば、もうこれでしょう。あまりにも有名すぎる「ゾンビ」(DAWN OF THE DEAD」。これはダリオアルジェントバージョン。ロメロ版のはやたらと重い。同じゴブリンだけど、こちらの曲の方は軽快。サントラ買ったなあ。      

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 その続編である「DAY OF THE DEAD」。邦題「死霊のえじき」。当時このタイトルにびっくりした。なんでも「死霊」つけるのが流行ってたもんな。それにしても満をじして公開されたゾンビ三作目の邦題がこれではあんまりだ。

 それはともかく、僕は当時、渋谷の東急劇場っだったかへ見に行って、その後ビデオダビングして死ぬほど見た。曲は恐ろしい雰囲気を持ちながらもなぜか爽やかな印象を受ける。それにしてもこの映画はトム・サビーニの人体破壊メイクアップ技術のひとつの頂点を示している。    

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そんで当時サウンドトラックが欲しくてたまらなかったんだけど、発売されたなかったんだよね。今はもうYOUTUBEで聴くんでいいや。 

 

 引き続きロメロ作品は「クリープショー」。    

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 いかにもホラー然とした曲調。コミック調のオムニバスのホラー映画なんだけど、スティーブン・キングが主演していたり、ゴキブリが何万匹と出てきたりと当時何かと話題になった(一部の人々のあいだで)。

 

 確か中学生くらいの時にFMラジオでチェックした曲、「ザ・ショック」。これもプログレ系。

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 映画は見たことありません。でも未だにこのリフが突然脳裏にひらめくことがある。

 

 一体何作作られたのかも知らない、ジョン・カーペンターの「ハロウィン」

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 カーペンターは「遊星からの物体X」のオープニングも捨てがたい。

 

こう聞いてくると、あれだね、大体高音でピコピコと美しいメロディを奏でるパターンが多いね。

 

 まだまだあります。このブログで実際に音を聴ける環境でご覧になっている方、ぜひ全曲聴いていただきたいです。

 

 こちらは少し古いけれども絶大な人気を今だに誇る「ファンタズム」。

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 ちなみにベテランデスメタルバンド、「エントゥームド」の1STアルバムの一曲目でこのメロディが演奏されます。初めて聴いたとき、「ワオ!ファンタズムだ!エントゥームドすげえ!」と意味もなく感動した記憶がある。

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 一曲目、3:50秒目あたりから、それまでのデスメタルが急にファンタズムになり、マジ感動!エントゥームド、音が独特で好きだったなあ。分裂したりしたけど、まだ頑張っていて嬉しい。

 

 最後はルチオ・フルチの亜流ゾンビ映画「ZOMBI」(邦題サンゲリア)。

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安っぽいシンセの音が哀愁たっぷり。ちなみにこの映画、最後にニューヨークがゾンビであふれるという設定になっていて、橋をゾンビが闊歩している絵で映画が終わるのだけれど・・・(グロテスク多少注意)

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低予算B級映画のために交通規制とかできなかったらしく、ガンガン両レーンに車が走っている。なんだかゾンビたちが朝、通勤するみたいな間抜けさだ。なんとも言えない悲しさが漂い、さらには曲の雰囲気と相まってやるせない。

 

この話、もう少し認知されたいなあ。読んでくださいな。

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エントゥームドは出ないけど

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僕の80S メン・アット・ワーク

 今日、セブン系のスーパーに行ったら、普通にカール売ってたよ。

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なんだったんだろう、あの騒ぎ。まあ、また買ったんだけど。

 

 中学~高校生にかけて、僕は近所に住んでいたオーストラリアへ留学経験のあるお姉さんに英語を教わっていた。

 ある日、休憩時間になったときそのお姉さんが、「ぼくは、(中学生なのにぼく、とよばれていた)どんな音楽好きなの?」と聞いてきた。僕はジャーニーとか、デュランデュランとかと答えたと思う。ちなみにその人はさすがオーストラリア留学生、メンアットワークが好きだと言っていた。そのころオーストラリア勢が大ブレイクし、インエクセスとかムーヴィングピクチャーズなどがヒットを飛ばしていた。

 僕も丁度メンアットワークもテレビで「ダウンアンダー」を何度も見て、聴きたいと思っていた頃だった。

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ああ、いい曲だなあ!

この曲を聴くたび、あの頃を思い出す。ビデオもバカ丸出しでよろしい。

お姉さんはセカンドアルバムの「CARGO」のテープを持っていたので、それをさらにテープにダビングしてもらった。 現物がある。       

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 この、FM雑誌に付いているカセットレーベル、ある程度年を召した音楽好きの方はご存知ですよね。懐かしいでしょ。FMレコパルとかFMステーションなどをよく買ってチェックしてたっけ。

 このアルバムは結構はまった。しかも4~5曲はシングルカットされた大ヒットアルバムである。特に好きなのは2曲目の「オーバーキル」

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で哀愁を帯びたイントロから後半のオクターブ上がりのヴォーカルラインがよかった。その後半部分でのプロモにおいては、ボーカルのコリンへイがベッドの上でやたら暴れて歌っていたのが面白かった。

 B面(今B面といって通用するのはレコード愛好家の若者か、年配者だろう)の一曲目の「イッツアミステイク」

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も好きだったし、ほとんどインストの「アイラクトゥ」もよく聴いた。後になってファーストアルバムを聴いたが、こちらも「ノックは夜中に」

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や、前出の「ダウンアンダー」など名曲揃いだった。


 ある時何かのテレビでメンアットワークのライブをやっていて、当然ビデオに撮ったのだが、コリンヘイの顔をよく見ると目玉が変である。どうやら斜視なのだが、当時はそういうものを知らないから不思議だった。それで、英語のお姉さんが結婚したあと、その代わりに交換留学生だったジェシーという人がちょうどその人の家にいたので引き続きジェシーと英語でトーク的なことをしていたのだが、ふとコリンヘイの目のことを思い出して、「ヒーハズストレンジアイ、ホワイ?」などとつたない英語で聞くと、「メイビードラッグ?」という答えが返ってきた。当時はそれで納得したが、全然違うじゃん。
 結局その二枚以降、メンアットワークは聴かなくなって、いつの間にか解散したようだが、大学生の時思い出したようにコリンヘイがソロで来日しコンサートをした。自分は行かなかったが、大学の友人が見に行って「いまいちだった」らしい。

 

メタルもね

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古代人になる 

                 ビヨンド!         

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         マンハッタン・ベイビー!  

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 ルチオ・フルチの名作ホラーのタイトルを絶叫しながら我々親子が降り立ったのは、天ざかる鄙にある群馬県前橋市の大室公園。

 本日なんでわざわざここまできたのかと言うと、こちらで古代人の格好をさせてくれたり、勾玉や土偶をを作らせてくれたりするという情報を入手したからである。

 僕はこの手のイベントが結構好きで、例えば埼玉の稲荷山古墳なんかではやっぱり古代人の格好をさせてくれたりもするんだけど、いかんせんそれが僕の休みではない土曜日だったりしてナカナカ行けない。

 しかし、ここは日曜日にイベントをやっていたので古墳見学も兼ねてやってまいりました。さーて、どこでやってるのかな・・・。広くてよくわからん。丘かと思ったら古墳だし。

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    おっ、今度はわかりやすい古墳だ!しかも埴輪が密集している!

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この公園にはいくつかの古墳があり、それが埴輪でデコレートされたりしている。いったい、誰がどこで作っているのだろうか。あれ?なんだこれ、足元を見ると・・・

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 なんとヘビイチゴだ!なつかしい。昔これ食ったなあ。よく大丈夫だったな。

 娘はクラスの友達がこれを食べていたところを目撃したそうだ。それにしてもあまりにこの公園は広すぎて(池まである)どこで古代人コスプレやっているのか皆目見当がつかない。しかたないのでホバリングをしたまま野原を走る娘。

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  あとでこの写真を見直したらメロイック・サインをしていた。娘おそるべし!

 そのうちに何やら建物を発見。

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 何かと思ったら竪穴式住居だった。よく作ったな。結構ボロボロ。   

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 中に入るとこんな感じ。

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「ええ!昔の人、地面に寝てたの・・・」

絶句する子供。たしかにそれは嫌だ。ふと上を見ると

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        めっちゃ穴があいてますけど、大丈夫ですか?     

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 明り取りなのだろうか。煙を逃がす穴なのか。雨降ったらびしょ濡れじゃん。古事記にはわりと詳しい僕だけど、このあたりの住宅事情には少々疎い僕です。そういえば、今まで何回かこういう竪穴式住居を復元したものに遭遇してきたけど、十数年前に行った栃木の湯西川にある「平家落人村」で見たヤツは強烈だった。そもそもその施設自体B級スポットマニアには有名なのだが、どうにもカビのにおいがひどくてしばらく気分が悪かったもの。

 さて、隣には高床式倉庫も再現されていた。   

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         浮くのに夢中で倉庫はよく写ってませんね。

           途中、ネコちゃんに会ったりして。

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     ようやくたどり着いたのは民家園。おお、服が飾られているぞ!     

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     マッハで衣装にかけよる僕。物色し、着るこども。わくわく。    

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     冠と杖という小道具も充実している。それっぽい。

     この出で立ち、娘を「イヨ」と呼びたい。     

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 本当はこういう貫頭衣(かんとうい)ではなく、裳や、甲冑(下のリンクでさきたま古墳群で着られる服が掲載されています)がいいんだけど、       

www.sakitama-muse.spec.ed.jp

    これはこれで味があって、いいかな。埴輪の前で写真も撮れます。     

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            そうしてその父親も負けじと登場!

              ますらをの雄叫びを聞け!

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         メタル・アップ・ユア・アス!

      ここに来る途中の車内BGMがメガデスだったので・・・つい。

           ホントはメタリカのキャッチだけどね。

      両手に杖を独り占め。頭の冠には勾玉が無数についており、重い。

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     こんなに調子に乗っている人はいなかった。はしゃぎすぎ。      

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           係のおじいさんに、記念に撮ってもらう。 

       

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 僕の服、なんだか幼稚園児の落書きみたいだな。でも良い経験ができた。目的達成!

 ここではスタンプラリーもやっていたのだけれど娘は

 「こんなに暑いのによくやるね」

 と冷ややかな目で見ていた。勾玉作りもやろうと思ったんだけど、すでに定員オーバー。無料だからみんな飛びついたのかな。ボクら親子、実はもう3回くらい勾玉は作っているので今回はパスです。ちなみに過去、こんなのを作った。       

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 左二つは娘作、右のトンガっているのは子供そっちのけで僕が尖らせました。

 さて、さんざん公園で遊んだので、そろそろ帰る時間となったぼくら。 

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 このあと猛スピードで宇宙へ飛んでいく、という体でこの写真を見てください。

 それでは、ごきげんよう

 

古代人に憧れて 

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ARIGATO!『ヘビーメタルと文芸少女』批評 ついでにKORNとコーネリアスの新PV

 ホントに僕のブログや小説に良くしてくれている鯱狗さんがまた、こういう記事をかいてくれた。ARIGATO!シナジー効果

orcadawg.hatenablog.com

きっとそのおかげに違いない、PVがこのところ久しぶりに伸びていて、今現在で3263PV。ありがたいです。もっとメタルと文学と青春を愛する人に読まれたい。

 

 それにしてもなんと精緻に読み込んでくれたことか!書いた僕でさえ気づかないところに言及されてこちらが「なるほど」と思ってしまいました。

 作品って完結すると、自分が書いたものにもかかわらず、それが独立した世界を持ち始める。僕のような素人が書いたものでさえ、そう思えるのだ。不思議なものである。

 たとえばこの『ヘビーメタルと文芸少女』、恥ずかしながら最後のライヴのシーン、特に「ONE」を演奏するシーン、たまに読み返すとなんだかじいいんとしてしまうのだ。

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 ぜひ曲をききながら読んでいただきたいものです。僕は何度もメタリカのライブや曲を聴きながら各曲のシーンを書いた。

 

 確かに鯱狗さんが指摘しているように、ライヴシーンはある意味ファンタジー。僕が成し得なかったことを彼女たちに叶えてもらったともいえる。

 僕という人間の経験や感性をすべてぶちこんだ作品なので元ネタはたくさんあります。たとえば、バナナフィッシュというバンドが出てくるんだけど、当然人によってはこれがフィッシュボーンだということに気づくはずだ。いつ見ても彼らはスゲエ。レッチリと同時期に頑張っていたのに、今や細々活動、という感じが寂しい。

ちなみに僕の大好きな「モヤさま」を見てると、魚が出てくる場面では必ずフィッシュボーンがかかるし、操り人形がでてくるシーンではマスターオブパペッツが流れる。好きな人が音楽をつけているんだね。

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 僕には弟がいて、彼もこのブログや小説を読んでくれているのだが

「小説、フィッシュボーンが出てきたところまで読んだよ」

とか言われたし。そして僕、若い頃こういうバンドやっててトロンボーン吹いてた。知っている人は知っている。

 とにかくこういうふうに、読まれるたびに作品は生気を取り戻す。それが僕の力になり、次の作品を書こうという気にもなるのだ。なかなか大変だけれども。

 『ヘビーメタルと文芸少女』、メタリカアンダーグラウンドで名を広めたように、じわじわと好きな人に浸透してほしいな。

 

 さてさて、ついでにこちらも。YOUTUBE先生がどんどん僕に情報を与えてくれるよ。コーネリアスの新PV

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イイ!途中のギターソロ、久々にロックなコーネリアス!音の洪水なのに、溺れない。まるで高等数学のような音楽。どうやらこのアルバムは前作よりも抽象性が少なくなっているようですね。

それからKORNのニュービデオ

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フライング・ロータスのジャケットかと思った。ジョナサンの頭髪、だいぶ後退してるな。どうでもいいけど。

KORNもデビュー当時から聴いているけど、多くの人がそうであるように、中期、特に四人組になったあたりからあんまり聴いてません・・・。でもこの曲、久しぶりにやっぱKORNカッコいいじゃん!と思えた。新譜買ってなかったけど、買おうかしら。

やっぱどうしても僕はKORNといえばこの2曲をTVKの「ビデオ星人」という番組で知った時の衝撃がデカすぎて。あまりに有名なBLIND

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そしてSHOOTS AND LADDERS

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これをリアルタイムで聴いていたことは幸せだ。なにせ当時のオルタナティブロックは革命的なバンドが次々と出てきてものすごく刺激的だった。いわゆるニューメタルを中心とした動きだけど、枚挙にいとまがない。

当時、僕の周りではみんなこぞってKORNを聴いていた。僕もアディダスのジャージを着てたりしたっけ。

「男ならやっぱアデイダスでしょ!」

とか主張したりして。しかし、しばらくして彼ら急にPUMAに鞍替えしててビビった。

 そうそう、後輩が法事でお坊さんを車に乗せることになって、でもそんなことは関係なしにいつものように大音量で「TWIST」

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をかけて坊さんがびっくりしていたという話には笑ったものだ。突然大音量で

「ゆなくわくわくーうーわお!

とか言われりゃあねえ。

 

 

 それにしても、いまだに聴き続けている大大大好きなデフトーンズ、ナインインチネイルズ、スマパン、リンプビスキッズ、TOOL、プライムス、ミニストリーニルヴァーナを筆頭としたグランジロックバンドたち。このあたりのバンドはまたいずれじっくりと語りたいデス。

 

今はこちらに注力中。

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