音楽と本

僕のカルチャーセレクトショップ

kindle unlimitedで『バーナード嬢曰く。』でゴセシケ

 キンドル・unlimitedが1月と2月でそれぞれ99円というセールをやっていたのでそんなに安いならと、以前から少々興味があったのも手伝って利用してみました。アマゾンプライムに加入していれば、Prime readeingなるサービスがあって、ある程度の電子書籍をサブスクで読むことができるんだけれども、unlimitedは一気に読める冊数が増えるのだ。ただ、電子書籍のすべてが読めるというわけではなく、アマゾンが指定した
書籍の範囲内だけど。お試し期間が終わると980円になるが、それでもサービスを続けてもいいかなと思う僕はまんまとアマゾンの術中にはまっているようだ。


 では僕はこの一か月でどんなものを読んだかというと、活字のものよりは短時間で読める漫画や雑誌がほとんど。一回ダウンロードすれば、冊数制限はあるけれど、WIFI環境がないところでも読めるのはうれしい。サブスクは使えば使うほど元が取れる仕組みだから、例えばちょっと高い雑誌やムックを購入すればもうそれで元が取れる(気がする)。特に僕のよく読むアメカジ系雑誌「Lightning」や「2nd」がほぼすべての号に渡って読めるのでコスパは良いと思います。買えば一冊2千円くらいする別冊も過去の号も、いとも簡単に読めるので暇つぶしにベストな仕組みですな。

 

 また、普段ならきっと買って読まなかったり、読もうとすら思わない漫画なんかも、トライしてみると意外に面白かったものもあり、重宝してます。まずその筆頭がバーナード嬢曰く。だった。

怒涛の全六巻

 つっても読んだの1巻だけなんですけどね。
 お金を出して読もうとは思わないちょっと雑な感じがする絵柄が、読んでいくうちに気にならなくなっていく。内容が様々な図書に関する蘊蓄に溢れており、それもまた僕の琴線に触れたのだ。読書漫画ってなんか嫌味になりがちなんだけど、絵柄とギャグがそれを完全に打ち消している。

 

 図書館にいつもいる女生徒町田さわ子は一見読書家に見えて、実は一冊も読んでいない。そしてそういう彼女がなんとなく気になる遠藤君と、図書委員の長谷川さんそして唯一の本気の読書家神林さんが織りなす日常系文学ギャグ漫画である。

この子がさわ子

 特に僕に刺さったのが、突っ込み役でサデスティックな性格の神林さんが重度のSFファンであるというところだ。こんなにSFに詳しい女子高生いないでしょ!と思うのだが、そこはファンタジーとして機能している。僕も彼女ほどではないが、SFを少々嗜みそこそこ図書館に通っていた高校生だったから、余計にこの漫画がいとおしく思えるのだな。スターウォーズブラックホール(いつの間にかディズニープラスから消えたらしい。すぐにディズニーはブラックホールを観られるようにしろ!)でSF映画に熱中し、映画雑誌「ロードショー」のブレードランナーの記事にしびれ、中2で映画「ブレードランナー」を渋谷の劇場で見るというラッキーな体験をしております。

   何度見ても素晴らしいオープニング。ダグラス・トランブルの神業

 TVスポットのスピナーが飛ぶ様子に度肝を抜かれた僕は確か正月に世田谷のおばあちゃんちに行って、バスに乗って東急のでかい劇場で鑑賞した。そしてその後本屋で見つけたディックの『アンドロイドは電気羊の夢を見るか』(当時はブレードランナーの表題で発売していた)を購入したのが本格SFとの出会いだった。

漫画でも触れられているディックの新装版。表紙がカッコイイね

そしてこの記事

 機動戦士ガンダムの小説版も読んだし、スターウォーズのノベライズやアラン・ディーン・フォスターの「エイリアン」のノベライズ(これは中1だった)を読んでいた。あれ、そういえば「2001年宇宙の旅」も読んだはずだけれどいつだったかもう覚えてないなあ。


 そうだ、中2で筒井康隆に出会ったのも大きい。あの頃本屋に売っていた筒井康隆の文庫本は全部買って読んでたっけ。そうして高校生になって全集が刊行され、それが毎月高校の図書館に配本されるのでしょっちゅう図書館にいたのだ。ガンダム流れでハインラインの「宇宙の戦士」も読んだんだけど、このころのハインラインはまだ僕には敷居が高かった。一応全部読んだと思うんだけど、クモ型宇宙人とパワード・スーツの闘いという印象しか残っていない。


 あっ、今思い出したけど、僕高校生の時図書館で旧約聖書を借りて読んでいた。なんでかっていうと、当時SOFT CELLが出した傑作アルバム「This last night...in Sodom」

今やCDはプレミア。レコードは何故か安い。つうかアマゾンミュージックで聴ける

               

を聴きまくっていて、其の出典であるソドムに対しての興味がわいたからだ。堕落と淫蕩の限りを尽くした都市、ソドムとゴモラは神の怒りによって滅ぼされ、その様子を見たものは塩の柱となるという話だった。

  上記の曲、「サレンダー」では歌詞に「sodom and gomora come tomorrrw I want know you from Adam & Eve」というくだりがあり、それをヒアリングできたとき、妙に感動したもんだ。冒頭の歌詞、「独りだ・・・僕はコーヒーに溶けてしまいたい」というところも最高。

 妙に旧約聖書に興味を持った僕はその後「はじめに言葉ありき・・・」から頑張って半分くらいは読んだ気がするんだけど、これって宗教的興味よりかは古事記を読む感覚に近いと思うな。あとどちらの本も人の名前や神様の名前多すぎ。

 十代の僕は結構好きなミュージシャンに感化されて本を読んでたなー。キュアーの「Killing an Arab」

このころのロバートカッコいい!あとなぜかタイトルが「killing another」って

カミュの「異邦人」をモチーフにしていると知るや、頑張って読み、テレビでやっていたマルチェロ・マストロヤンニ主演の映画「異邦人」をビデオに録画して見るくらいにハマってたっけ。当時、感化された僕は何かにつけ「太陽がまぶしかったから」とか言って誰にも理解されなかった。

監督はなんとヴィスコンティ



 ここから不条理文学という世界を知り、カフカにたどり着いた。当時僕は運動が苦手で、特に柔道の時間が嫌で仕方がなかった。そういう運動に対する劣等感をこういう文学作品を読むことで「運動がなんだ。僕はカフカを読んでいるんだぞ」という意識が生まれ、自尊心のバランスをとっていたのだ。なんだかなー。体育のある前の日夜中の2時くらいまで『審判』を読んで、寝不足で学校へ行き、文学青年を気取っていたがバレーボールでは全くのボンクラでした。

 
 『バーナード嬢曰く』の話に戻ると、ああその通り!と思う部分が結構あって、特にグレッグ・イーガンの作品に登場する科学的記述のくだりが全く意味不明だという話で、SFファンの神林は「実は私もよくわかっていない」と告白し、さらには「イーガン本人にすらわかっていなのでは」という仮説をぶち上げる。そうして最後には
「ハードSFを読むうえで求められるリテラシーとは「難しい概念を理解できる知識を持っているか」ではない
「よくわからないままでも物語の本質を損なわずに作品全体を理解するコトが可能な教養のラインを感覚で見極められるかどうか」
「でもグレッグ・イーガンはすごく面白い!」
という言葉で締めくくられるのだが僕のSFを読む姿勢もこれに通じるよな。


 そのほかこの神林さんはSFこども図書館シリーズも読んでおり、なんとそこで出てきた作品が『合成怪物』!

高!9280円というプレミア価格

 ああ!僕これ小学校のとき読んだぞ。多分4年生くらいだと思うんだけど、教室の後ろにこのシリーズが全巻そろっていてそれで僕全部読んだのだ。他にも『宇宙家族』とかがお気に入りだったっけ。たしか子供の一人の名前が「マイク・マローン」で、しかもその名は自分でつけたということだけを覚えている。

 

 Sfこども図書館のことについてはこちらに昔書いています。SFこども図書館シリーズが刺さったあなたは是非どうぞ。

 

そうして記憶を呼び起こされたあなたは、こちらでさらに呼び起こしてください。

 とにかくこういうところからも僕の現在の趣味嗜好が形成されているのだな。そして『合成怪物』からの極めつけのキーワードがゴセシケ
 あったあった!ゴセシケ!合成神経細胞群塊、略してゴセシケ 

 僕も漫画の神林さん同様に少し興奮してしまった。しかしながら漫画の他の登場人物にはピンとこない。そりゃそうだろう。しかもここで新版・旧版の話になるのだが神林さんは新版の『合成怪物』(改題)を読んでおり、真の旧版は『合成脳のはんらん』だったという事実が判明する。僕は年齢的にこの『合成脳のはんらん』を読んでいるはずだ。ちなみに今のタイトルは『合成怪物の逆しゅう』だそうです。
 ゴセシケなんてこの漫画読まなければ一生思い出さなかった。


 さらにはこの漫画、絵本の話に触れており、僕が結構はまっていた凶悪スプラッターバイオレンス童話三びきのやぎのがらがらどんが紹介されていた。

僕の絵本記事。最後に少しがらがらどんに触れてます

 

 こちらは結構有名なので知っている方も多いでしょう。僕は娘にこれを買って何度も読み聞かせたっけ、最後のえげつない場面も含めて。

 

 この『バーナード嬢曰く。』、すごく面白いけど、キンドルunlimitedで読めるのは一巻だけなんだよね・・・。この後6巻まであるが、買うのはナー。そう、unlimitedに対する不満はこれで、一つの作品が中途半端な巻数までしか読めないのだ。どうせなら全巻にしてほしい。

 

 さてまた新たな作品を探しに行きますね。

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「あなたの人生の物語」(メッセージ)を読んで

 ブックオフでハヤカワの青背(いわゆるハヤカワSF文庫のこと。こう言うと通っぽい)を物色していたら、珍しく100円コーナーに数冊あるのを発見。
 その中で映画「メッセージ」の原作になったあなたの人生の物語を発見。これが300円という安値がついていたのでやった!と即座に購入。基本、早川文庫は高めなのでありがたい。同時に昔のカート・ヴォガネットの「タイタンの妖女」とアンダースンの「エラスムスの迷宮」も購入したけれど、こちらはまだ未読です。

  

 

「あなたの~」は短編集で、どれもアイディアに満ちた内容の佳作が詰まっていた。
まず「バビロン」。いわゆる「バベルの塔」を建設中のバビロンにやってきた石工の視点から物語が展開される。最初は史実に基づいた現実的な物語だと思ってたら、次第に不思議な味わいになっていく。そのあまりの塔の高さに人々はそれぞれの階層で生活し、食料もその階層で自給自足をしているのだ。だから、階層ごとに文化や生活様式が異なり、地面を踏んだことのないものも登場するようになる。あれこの感じ、昔の筒井康隆氏の作品であったなあ。なんだっけなあ?「家」かと思って調べたら違うし、などとあれこれ考えていたらあ!思い出した!確か「座敷」に関連する話じゃなかったけ、と調べたら「座敷ぼっこ」(これはまたこれで傑作)が出てきたが、それとは別に「遠い座敷」という短編であることが判明。そうそう、これだよ。

 とある山奥に巨大な座敷でがつながる家があって、そこには無数の家族が住んでいる。そこに住むある少年が自分の住んでいる部屋から遠く離れた友人の家からその座敷を伝って一人で帰らなけらばならないという不思議な話だった。結末も含めてこの「バビロン」となんとなく通じるものがった。
 
 二話目は「理解」。ある薬品の作用でどんどん脳細胞が活発化し、際限なく知能が発達していく男の物語。これってアイディアとしてはすでに「アルジャーノンに花束を」があるし、映画だとスティーブン・キング原作(本人はそのあまりの出来に原作者クレジットを削除とのこと)「ヴァーチャル・ウォーズ」がある。

これはこれで味わい深いものがある。相当昔に観たが、ほぼ忘れた

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 当時はこのCGのレベルでVRだったんだな。ピアーズ・ブロスナンがまだまだ若い!今のPS5とかの画像のレベルは驚嘆に値するが、これもいつかは古臭く感じられるのだろうな。

 「理解」では加速度的に能力が高まった主人公が一瞬ですべての出来事や状況を理解できるようになり、あらゆる学術分野に精通していく。その過程で当然自分が実験対象を超え危険人物としてみなされることを予見した男はいとも簡単に政府を出し抜く。このあたり、ジェイソン・ボーンシリーズを倍速で展開しているようだ。ところが神の如き知力を得た男はある日もう一人の自分と同等の能力を持つ人間を見つける。最後は二人の対決になるのだが、凡人には到底理解できない、まるで一流棋士のせめぎあいみたいな展開。数十手先まで一瞬でお互いに相手の手の内を読みあうスリリングな展開である。思考が瞬時にテキスト化され展開して行くんだけれど、こういう表現は小説でなければ成立しない面白さでもある。


 三話目は「ゼロで割る」。天才数学者のレネーは1=2は成立しないことを証明してしまい、数学に対する根本が崩れた彼女は絶望の淵に立たされる。その証明の内容の説明はある程度されているのだが、全く理解できませんでした。でもそんなこと知らなくてもSFは読むことができます。要は、SFに登場する科学的・物理学的理論ってどれだけその話にリアリティを持たせられるかという道具立ての側面もあるから。とにかく、天才の見ている世界はすげえんだな、くらいの感じです。


 四話目は表題作あなたの人生の物語。映画「メッセージ」の原作だが、僕は映画を見た後なので、その印象が小説を読むときに干渉してあまり没頭できなかった感じ。

映画見た感想

宇宙船がお菓子の「ばかうけ」とコラボしてたっけ

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 SF短編の映画化って時に全然違う内容になっていることが多いが、この話も大筋では同じものの、当然映画的にスケールアップして改変もしくは水増しされている部分が結構あった。主人公の女性言語学者ルイーズの娘の死因とか、エイリアンに対するテロとかがそうだね。そして中国艦隊やその長官がストーリーの絡んでくる部分なんかは明らかに中国を商業的に意識している展開だった。映画を観ずにこれを読んだら全然印象が違っただろうな。
 ヘプタポッドと呼ばれるエイリアンの目的も明示されない。映画だと三千年後に人類が彼らを助けるからみたいなことが言われていた気がするが、小説だと言語学者だけがその秘密を理解できるという結末になっている。というのは、ヘプタポッドの言語表現は時間を超越しており、彼らの言語を理解することは未来を知ることができるということに他ならない。そしてその未来は改変可能であるにかかわらず、理解者はその未来を忠実に実行していく。わかっているこれからの人生を演じるってむしろ嫌だな、と思いました。


 五話目は「七十二文字」。僕はこれが一番面白かった。産業革命直後のイギリスが舞台になっているのだが、歴史上のイギリスではない。そこでは名辞(物事の概念を表す言葉。事物の本質を言語化したもの?ほぼ呪文である)を物理的に物質にスタンプしたり、紙で挿入したりすると、その概念が実現するのである。
 例えば陶器の人形に「歩く」名辞をスタンプすると、その人形は歩き出すのだ。この世にはあらゆる名辞があり、それを発見したり、組み合わせたりすることで様々な分野に応用することができるのだ。その名辞を発見し駆使するのが「名辞師」である。スチームパンク的な展開になると思いきや、思いもよらない陰謀やサスペンス展開が繰り広げられ、短編ながらも印象的な作品でした。「七十二文字」はとある真実を表す名辞の数のこと。「あなたの人生の物語」といい作者のテッド・チャンは相当に言語学についての造詣が深いことが分かる。


 六話目は「人類科学の進化」二ページ程度の短い内容。小説というよりは世界観の説明で、現人類よりも進化した超人類が現れた世界で、現人類の科学は彼らの前では何の意味も持たなくなったということが報告されている。


 七話目は「地獄とは神の不在なり」。タイトルがいかにもSFっぽい。いかなる状況に置かれても神を愛することができるかというテーマだが、この小説世界では神の存在は自明のものとなっている。各地で神の奇跡や天使の降臨があり、時には地面の下に地獄を垣間見ることができる。天使降臨の際には死者が出ることもあり、妻を失った人間が出たり、体の一部を失ったり、逆に欠損していた部位が復活したりという奇跡も起こる。奇跡に翻弄される人間たちが、神の真意を探り、神への愛に向き合うというかなり宗教的なテーマをSF的に扱っている。一読しただけだと西洋的な「神」になじみのない僕にはあまり響かない作品でした。やはり古事記に代表されるアミニズム的な神々のほうがしっくりきます。


 最終話は「顔の美醜について」という、ルッキズムをテーマにした作品。「カリー」という人間の顔の美醜に対する感覚をフラットにする処置が実現した世界で、美を肯定する側(そこには美をビジネス的に活用する広告会社などの産業も含まれる)と、ルッキズムによる差別がなくなる世界を望む側との対立が描かれる。ストーリー仕立てではなく、数人の人間のインタビュー形式によって物語全体がまとめられている。実際、ポリコレ全盛の現代、これに近い問題って色々あるよね。ゲームの主人公が変に不細工になったり、ディズニーに代表されるどこか違和感を感じる登場人物の配置とか。

 

 「三体」のことを書きたいのですが、あまりのスケール感に書きあぐねています。それと比べると、この短編はちょうどいい塩梅でした。SFは面白いなあ!

 

メタルファンタジー

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我遂読了中華的大河空想科学小説『三体』

 刊行されて以来、各方面で絶賛されていた中国発のSF大作『三体』をとうとう読み終えたぜ!去年の10月くらいから、図書館で借りて毎日コツコツと読み続け、年を跨いでついに全五巻読了!

キンドル版もあるけどやっぱハードカバーでしょ!買ってないけど

 世界で2700万部、日本で60万部ってすごいよね。

 巻数としては一巻・『黒暗森林(上下)』・『死神永生(上下)』の全五巻という壮大なスケール。そこに描かれる出来事も数百年に渡るのです。であるからして、それぞれの巻数で物語を動かす人物もそれぞれ違うのだ。ただ、SF小説なので「冬眠」(いわゆるコールドスリープ的なもの)を使い人物は時代をまたぎ、その時代ごとに様々なドラマや出来事、文化が展開される。その想像力はすさまじい。

 

 読む前のイメージとしては若き女性研究者が大活躍するファーストコンタクトものだったのだけれど、とんでもない、ゴリゴリのシリアスハードSFだった!とはいえ、エンタメ性は十分にあり、特に『黒暗森林』で描かれる宇宙の場面はものすごい映像となるに違いない。

 

  注意!ここからは『三体』のネタバレの嵐です!

 

 まずは一巻を僕なりにご紹介。はじまりは文化大革命のさなか。暴力的に自己批判を要求され、多くの文化人が弾圧される時代。目の前で大学教授である父が糾弾の末殺され、自身もまた不遇な環境にあった女学生葉文潔(イエ・ウェンジェ)はその経歴を買われとある山奥にある、秘密の巨大な通信施設で働いていた。彼女はその壮絶な経験から人類に対して絶望しており、地球人とその文化は滅びるべきだという信念を密かに持ち続けていた。

 施設では異星文明に対しメッセージを送るプロジェクトが極秘裏に進められていたが、特に進展もないこの計画はいつしか忘れさられようとしていた。しかしある日、ついに異星からのメッセージが届く。まず最初にそれを発見したのは葉だった。しかしその内容は意外にも

「このメッセージに応答するな。すれば必ずそちらの位置が特定され、ただちにお前の星は滅ぼされるろう。応答するな!」

というものだった。しかし文潔は即座に「すぐに来て!そして地球を滅ぼして!」という内容を返信したのだった。実はこの送られてきたメッセージの内容自体が「三体」世界のある真実を語っているのだが、これはまた「黒暗森林」編でそれが響き合うことになる。凄い。

 

 そして数十年後の現代、話を動かす人物は汪森(ワン・ミャオ)という科学者になる。彼の研究は極限まで細く強いナノ金属の研究で、もしそれが実現すれば、将来宇宙エレベーターの実現に深く寄与することになると考えられている。

 ある日彼は当局に呼ばれ、「科学フロンティア」と呼ばれる団体に潜入し、その実態を探ってほしいと依頼される。ここで登場する史強(シー・チアン)が非常に魅力的である。史はベテランの刑事で、数多くの修羅場を潜り抜けた経験豊かな人物であるが、一方で型破りな行動も多い。その粗野な史にボディガードをされた汪は、科学フロンティアのルートで奇妙なVRゲームに参加することになる。その名は「三体」。

 ここでゲーム世界の描写になるのだけれど、ログインすると大空にでっかく「三体」の文字が浮かんでいる。

    この場面、中国で映像化されたドラマの予告編の中で登場しており、結構な迫力である

 

 わあ、この絵かっこいいなあ!

 さてこのゲームではプレイヤーはとある惑星に置かれることになる。そしてその惑星を三つの太陽が巡っており(これが三体の由来となる)、時にその重力バランスから三体惑星を激しい環境にさらす。プレイヤーは三体惑星の比較的安定した「恒紀」と呼ばれる環境的に穏やかな時期に文明を発展させ、なおかついつ訪れるか分からない「乱紀」(凄まじい寒さや嵐が襲い掛かる)に備え、民を脱水と呼ばれる避難形態にする必要がある。脱水って面白いなあと思ったよね。よくわからないけれど、その状態になった民はピラミッドに格納され、次の恒紀まで眠り続けるのだ。

 「恒紀」と「乱紀」を正確にシュミレートし、その間に三体世界の文明を発展させるのであるが、三つの太陽の軌道の予測は困難で、あらゆるプレイヤーが失敗し、文明を滅ぼしてしまうのであった。

 ここに登場するプレイヤーは秦の始皇帝とか、確かアリストテレスだとかニュートンなどの歴史上の人物をアバターとしてまとい、それぞれが我こそはという意気込みで乱紀を予測し文明を延命しようとするのだが、皆ことごとく失敗してしまう。汪は世界観に圧倒されながらも、このゲーム内でコペルニクスという名を名乗り没頭していく。そうして彼の考えた方法がついに成果を上げた!・・・と思いきや、結局は三体世界は滅亡し、彼のシュミレートは失敗に終わってしまう。

 実はこのゲームでは三体世界の三つの太陽の動きを完全に予測・シュミレートするのは不可能であることが明かされる。ではどうすれば三体人は生き残れるのか?それには自身の故郷以外の移住可能な惑星を発見する道しかなかったのだ!そしてこのゲームの目的と全貌が徐々に明らかになっていくのだ。

 

 一方現実世界では物理学者の自殺が相次いでおり、その中には三体世界へメッセージを送った張本人の文潔の娘、冬景(ヤン・ドン)もいた。汪は美しかった冬が自殺したことにショックを受けたが、ある朝自身の視界に正体不明のカウントダウンが現れたことに気が付く。恐怖に憑りつかれたは科学フロンティアのメンバーにそれを相談すると今度は宇宙が明滅する瞬間を目撃すると告げられる。果たして予告通り宇宙は明滅し、そこに人類にはとても太刀打ちできない力が働いていることを悟る。

 

 この科学フロンティアは実は「地球三体協会=ETO」と呼ばれる組織の一部であった。ETOは、葉と同じように人類は滅びるべきだという考えを持った人物たちが、来る三体星人を迎えるために三体世界とコンタクトをとり、その指示を仰いでいた集団であった。はそのETOの集会に参加することに成功する。そして、驚くべきことにそのETOの中心人物はであった!そのさなか、のチームが会場を襲撃し、ETOを一網打尽にすることに成功する。

 ここで逮捕された葉は、恐るべき事実を報告する。すなわちすでに三体惑星より艦隊が出発しており、450年後には地球に到達するというのだ。そしてETOはその受け入れを容易にするため、様々な工作を行っていたのだ。

 

 しかし、ETOにはもう一人の牽引的人物、マイク・エヴァンズがいた。彼は森林保護運動に身を投じた富豪の息子であったが、自然破壊に対する人間の姿勢に幻滅していた。たまたま彼が中国で葉に出会い、三体世界の秘密を打ち明けられる。彼は直ちに行動に移り、ジャッジメント・デイという名のパラボラアンテナを備えた巨大タンカーで世界中を航行していた。これは当局にもし三体世界とのつながりが露見した場合に、彼らとのやり取りのデータをすぐに消去できるための措置であった。

 マイク・エヴァンズのコンピュータを手に入れる必要を感じた各国の連合は、しかし無傷でデータを手に入れる方法を見つけられないでいた。そんな中、史強がとんでもないアイディアを提案する。それは、汪森の研究するナノ金属繊維を船の進路に50センチ間隔単位で張り、スライスする、というものであった。こうすれば乗組員全員を絶命させることができる一方で、パソコンのハードディスクは確保できるという訳だ。古箏作戦と名付けられたこの作戦がこの小説のスペクタクルである。

 パナマ運河を通り過ぎるときに全く何の引っ掛かりもなく、いとも簡単に船がスライスされていく様子はすさまじいが、あれ、なんかこれどっかで見たことあるなあと思ったら、昔のホラー映画「ゴースト・シップ」でほぼ同じ場面があった!映画冒頭でワイヤーが客を上半身から真っ二つにするというかなり凄惨な描写で、今YOUTUBEで確認したけどやっぱすごかった。気持ち悪!

    このシーン、中国製作のドラマ版の予告編に一瞬登場します。イメージ通り!

 小説読了後に、この予告のこのシーンをみて思わず「おお!すげえ!」と言ってしまいました。

 こうして人類はエヴァンズのコンピュータから三体世界の秘密を知ることとなる。

 三体人は450年後、地球の文明が進化し彼らの技術に対抗できないよう「智子(ソフォン)」と呼ばれるナノ・スーパーコンピュータを地球に送り込むことに成功していた。智子とは陽子を11次元から2次元に展開し、そこに手を加えてどんなに離れた場所でもそれを操作し、相手に干渉できるようにされた智恵のある粒子だそうな。

 この智子は難しいことはよくわからないが「量子もつれ」(光速をこえる移動が可能な理論)を利用し地球に投入され、地球のあらゆる物理学基礎理論研究を妨害し、技術の発展を阻止していたのだった。物理法則の異常を知った科学者のあるものは自殺し、またETOの手によって殺されていたのだった。

 汪の目に見えていたカウントダウンもこの智子の影響だったのである。

 面白かったのはこの智子を作る過程が描写されていたことだ。三体世界の科学者たちは陽子を二次元展開するためにあらゆる手を尽くすが、最初は失敗の連続であった。特にその失敗の中でも不気味なのは、巨大な目が空に現れたという描写だ。なんで目?

 とにかく試行錯誤の末、智子を完成させた三体人は数個の智子を地球に送ることに成功し、それを通じてETOに指示を出していたのだ。またその智子は地球のあらゆる場所に存在することができ、地球人が立てる計画を全て見透かすことができるという。

 ジャッジメントデイが拿捕されたことにより、地球と三体世界との通信は途絶えた。最後のメッセージは

「お前たちは 虫けらだ」

という内容のものだった。

 ちなみに智子は後々人間の女性の姿としても登場し、最後の最後までストーリーに絡んでくる。ある意味、この小説の裏主人公はこの智子でもあるな。

 

 さて、三体星人が地球に到着するまでの450年、人類はそれに備えなければならない。しかし、智子に技術発展が阻まれた今、絶望的な状況である。

 汪は三体人が言うように、我々は虫けら同然だと史強に漏らす。しかし史は汪をとある農場へ連れ出し、そこに飛来した大量のイナゴを見せる。我々は虫けらだが、このイナゴのように生き抜くんだ、と汪に語り、一巻は幕を閉じる。

 

 いや、もっと簡潔に梗概を書きたかったけど、やはりこのボリュームを簡単には紹介できないっすね。あとの四冊分、どうしようかな。気が向いたら書きますね。

 発表されたのは10年以上前の作品だけれど、明らかにSFの歴史を変える一冊でありました。しかし、これはまだ始まりであり、この後の「黒暗森林」「死神永生」がとんでもないスケールで展開するのですよ。

 

 中国ではドラマが放映開始されているようで、予告編を見る限り、かなり忠実に三体の世界を再現しております。登場人物もイメージ通り!

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アマゾンかディズニープラスで観られないかなあ!

 そしてなんとこのドラマとは別にネットフリックスでも製作するんだってさ。

 以下の動画の31:00あたりから三体の紹介がされてます。


中国版に比べると映像は少ないけれど、智子のキャラクター姿が少し映る!それにしてもネットフリックス限定か・・・これのために入るのもな。とにかく映像サブスク多すぎ!見たいがキリないよ。アマゾンとディズニーだった持て余してるのにさ。

 それにしても同一作品を別の国で同時期に製作とかあまりないよね。それほどこの作品は訴求力があるということだ。

 SFには興味があるが、どんな作品から読んだらよいかわからないという方、まずはこの「三体」をどうぞ。単行本の単価は高いけれど、ベストセラーなので大抵の図書館には収められているはずです。ぜひ一読を。

 

 もう続巻の内容半分忘れかけてる

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2023初頭100円CD購入リポート2ジャズトロニックとかCapital Citiesなど

ここ二三か月で買った20枚のCDリポート続き。

 

 

 まずはこちらの4枚。

 向かった左のベースを持った女性のジャケットはEARL GREYHOUND。ストレートなヘヴィロックで平均点以上の内容です。流して聴くには最適な感じ。こういう面白いバンドに出会えるのが100円CDの醍醐味。

          

その右隣り、爬虫類の目玉の前でギターを構える男女二人組「ロドリゴYガブリエラ」。日本盤のタイトルは「激情ギターラ!」だって。

あんまりジャケットが変なので思わず買ってしまったが、内容は想像通りのギターインストものだった。メキシコ出身とのことで、調べるとそれなりに人気があるようなのだけれどまあこんなもんだろうなと思って聴きながら曲名を見ていたら「ORION」というのが目に入った。あれ、ひょっとしてこれ、メタリカの「ORION」かな?、と思い聴いてみたら果たしてその「ORION」だった。

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基本原曲に忠実なアコースティックのカヴァーといった趣でそれ以上の感想はなし。もう少しアバンギャルドな感じがあってもよかったなあ。このBrushy One Stringみたいなのがさ。

               USERというどうしてそんな名前を付けたのか理解に苦しむが、北欧系のロックンロールバンドとのこと。ダットサンズみたいな泥臭い感じかと思いきや、メタル寄りのハードロックだった。ただ、一曲目のイントロ後、入ってきたのが美声女性ボーカルでバッキングの荒々しさとのミスマッチが強烈な違和感を生んでいる、僕の印象ですけど。このバンドの音にはもっとダミ声系の男性ヴォーカルが似合うと思ったよ。

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 こちらはジャズトロニックを中心としたハウスアルバム。

 左端のDefected in the HOUSEのコンピシリーズはアマゾンとかで結構な安値で出ていた、さらには二枚組だったり、三枚組だったりすることが多いのでお買い得です。このシリーズは安定感があって王道のハウスサウンドを聴くことができる。

 ジャズトロニックは昔よく聴いていて、久しぶりに聴きたいなと思いアマゾン検索したところ安かったのが残りの三枚。女の子のジャケットはフルアルバムで、残りはDJアルバムかな。ジャズトロニックがDefectedシリーズから出ていたのは知らなんだ。まあ、とにかくハウス系のコンピで大きく外すことはないです。

 

さらさらっと紹介して、残りあと4枚でーす!

うわ!今間違ってこの四枚に関して書いた記事を全部消してしまった!ショック!

それゆえ、僕は今半べそを書きながら書き直しております・・・。マメに保存しなきゃだめだね。アーもう面倒くさいなあ!

 

 左端はジミーイートザワールド、右端はジェイソンムラーズで期待通りの内容です。もう落ち込んでいるため記事も投げやりです。YOUTUBEも省略。すいません。

 白黒で煙がもくもくはブラックパシフィックなるバンド。ブラックつながりでブラックキーズみたいなサウンドかと予想しながら聴いてみたらこんなのでした。

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メロコアですな。いやいいよ!こういうの好きです。もう適当。

 

しかし!最後のこのバンドはお気に入りなのでもう一度頑張って書くよ!

アマゾンでエレクトロミュージックのカテゴリを安い順からチェックしていくと、評価が高いこのCapital Citiesを発見した。そしてこの曲を聴いた直後すぐに注文!ちょっと変わったポップ好きのあなた!すぐに買った方がいいですよ。4円で売ってるよ!

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収録時間は結構短めだけれど、優しいエレクトロポップで随所に散りばめられているトランペットが良いアクセント。飽きのこない良質なアルバムだと思いますよ。ちなみに今、アマゾンでセカンドアルバムを購入しました!

 

 というわけで、こんな感じで今日も僕は音楽を聴いて明日に備えます。さよなら!

 

いやー嫌寒いですな

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年末年始100円CDまとめ買いリポート、KORNにマンソン、ジョンスペンサー他

 近所の中古屋のCDコーナーを久しぶりにチェックしたところ、100円CDが補充されていた!やった!これでしばらくは楽しめるぜ。そして去年後半に買っていたものも含めてのリポートとなります。

                                                 20枚ありました    

 

   まずはオルタナ系から。

  

向かって一番左、90年代にMTVを観ていた人なら必ず見たことがあるでしょう311(スリーイレブンと読みます)のベストアルバム。彼らの曲を初めて聴いたときはなんかチャラいな、なんかやだな、と思っていたんだけど、繰り返し刷り込まれた結果、結構いいかもしれないと思い始めアルバムは持っていたような気がする。

              ウワー!!懐かしい!あったなこのビデオ!

        

そんで久しぶりに聴いたらやっぱいいね。あのチャラさはラガやレゲエの要素によるものでしょうか。レスポール&SGのぶっといギターサウンドが強烈!あの頃のバンドは様々なジャンルをクロスオーバーさせて今までにない音楽を次から次へと生み出してたからね。サブライムなんかも311ほどメタル寄りではないけれど、同じ匂いを感じてた。 

 左から二番目はKORN、2003年のアルバムだが、この時期にはもう僕あまり彼らを聴かなくなっていてこのアルバムは初聴きだったが、すばらしくKORNしているアルバムだった。もう二十年前なのか!

              アンジェリーナ・ジョリーも応援

       

ギタリストのHEADが抜けてからも独自の路線を突き進んでいた彼らだが、なんか僕はしっくりこなくていわゆる「コーン1ST2Nd信者」であったのです。スクリレックスとかといっしょにやったアルバムとかもう聴く気も起らなくて(でも当時スクリレックス自身のアルバムは無茶苦茶聴いてた)、それでも最近の作品を数枚持っているのだけれどやっぱ聴かないんだよね・・・。


 思えば90年代のいわゆるニューメタル界隈はすごくて、あれをリアルタイムで体験できたことは幸せだったなあ。いまでもデフトーンズは頑張っていい作品を出しているし、リンプビスキットもたまにライブで観る。今知ったんだけど、リンプビスキットって去年ストリーミングでアルバム出してたのね。後で聴いてみるか。
 隣はマリリン・マンソンでありますが、一回聴いたらもう聴かないかな・・・。こんなこと言うとあれだけど、彼らの曲から音楽的興奮を感じたことはほぼないんだよね・・・。「BEAUTIFUL PEOPLE」のインパクトはすごかったけどなー。好きな人、ごめんなさいね。

                          今見てもスゲエな!

               

このクオリティの曲がまだ何曲かあったら大ファンになっていたけど、どうにも小粒なんですよ(個人の感想です)。あとはマトリックスのサントラに入っていた「ROCK IS DEAD」か。どちらの曲も三連どっとたったどっとったったのリズムですな。

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 一番右は安定のナパーム・デス。いつもの元気なグラインドコアをリスナーの期待を裏切ることなくぶっちぎっておりました。

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次の四枚へ。ジャンルバラバラすぎ。 

 一番左のコーヒー豆のジャケットはアマゾンで何となく買ったブラジリアンハウスのコンピ。当たり障りのない、聴き心地の良い曲が満載なのだが、途中の何曲目かで突如

「ハッ!オヂンヂンヤ!ハッ!オヂンヂンヤ!」

と女の人が絶叫する曲があって最初耳を疑ったが其のまま聴き続けると再び

「ハッ!オヂンヂンヤ!ハッ!オヂンヂンヤ!」

とか歌っており、爆笑。おぢんぢんじゃないでしょ。

この曲がかかるたびに、クルマの中で運転しながら笑っております。

 左から二番目はオッドポップなどと呼ばれ、一時期話題になっていたフージアーズ、セカンドがあったのか!日本版で帯には「今度はレインボーポップ」とか書いてある。僕当時1Stがお気に入りでこのバンドすげえな!などと思っていたが、セカンドはそのインパクトは得られませんでした。

              この曲久しぶりに聴いたらいいねえ

  

佳作ではありますが、もっとよく聴きこめばいいのかもしれない。でも1Stは一発でこちらの心をつかむ曲が目白押しだったんだよなー。まあその分飽きは早かった。ナンカクラクソンズとかを連想するな。1St負けしている感じのバンド。

 右から二番目はジョンスペンサー・ブルース・エクスプロージョン。見つけたとき、やった、ジョンスペンサー見っけ!買い!とホクホクしてたら、聴いてみてなんか聴いたことあると思ったら僕これ持ってた!確認したわけではないが、絶対このアルバム、CDラックのどこかにあるぞ。この曲とか一時期擦り切れるほど聴いたし!

          とにかく無条件でカッコイイ!こんな人になりたい!

   

 そうして今再びよくこのアルバムを聴いております。ジョンスペンサーイエァ!そういえば、ドラムのラッセルはチボマットの人たちとバター08とかやって日本との関係性も深いよね。

 一番右のカラーグラデーションがかった正体不明のジャケットは「AFRICA HITEC」というテクノ系ユニット。

これを見つけたとき、ジャケットの感じからして気になったが、どんな音楽を奏でるのか全く想像ができなかったのだ。しかし裏側に「WARP Record」の文字を見つけ、買いを決意。Warpといえば、エイフェックスツインを筆頭としたテクノ系レーベル、ハズシはないだろうと踏んだのだ。

 そんで聴いてみたところ、最初の数曲はあまり起伏のないアンビエントなテクノが続き、うーんなんかイマイチ!聴くのやめかねえ、と途中でイジェクト。そうしてしばらく放置していたのだけれど、これ実は日本盤でライナーが付属しており、そこでこのアルバムを絶賛しているわけ。まあ当然なのだけど、そんなに褒めるならまた聴いてみるかと思い、クルマで流していると、なんだか昔のアンビエント時代のエイフェックス・ツインを連想。こんなもんかな、と思っていたら11曲目のこの曲に痺れた!

                こういうしんみり來るテクノ、大好き

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 この曲を聴けただけでも元は取れたぜ!こういう心に響く曲ってなかなか巡り合えないのだ。ああ、CDバカ買いしててよかったなあ。こういうのはサブスクとかYOUTUBEとかでは絶対にない出会いである。よかったらあなた、聴いてくださいな。

 量が多いので続きマス!

 

僕の知らないところで評価されてたことに驚き

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リーバイス501ブラックは90S懐古の味

 以前何かの雑誌で見た記事に、これからはブラックデニムだ!みたいなのがあった。まあその雑誌が言うほどブラックデニムは流行っていないと思うんだけど、その文言は僕に刺さったんですよ。というのは、今から三十数年前、僕はリーバイス501のブラックを愛用しており、その記憶がその記事によって蘇ったからなのだ。


 当時も今もデニムの王道アイテム、リーバイス501。僕がよく見ている古着系YOUTUBEチャンネル、『古着屋パンダ』でもちょうど当時のデニムを履くという動画があがり、非常に楽しく見ることができた。

      ふんわりとした雰囲気もとっつきやすいので古着に興味のある方はどうぞ

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 今も僕は501を愛用しているが、持っているのは定番のレギュラーのインディゴのみ。だからブラックが懐かしくも新鮮に思われたのだ。そこですぐに検索してみるとないのですよ。どうやら黒の501って90年代独自のラインらしい。


 ではユーズドで探すかと思ったが、現在中古市場は高騰の一途をたどっているので、90年代の黒の501の状態が良いものは結構な値段がするのである。ああ、そうなると逆に欲しくなるよ!
 僕がそもそもその黒の501を買ったきっかけは、当時やっていたバンドのヘルプに来てくれたギタリストが黒の501を履いていたからだった。それを見てへえ、こんな501があるんだ、無茶苦茶かっこいいじゃん!と密かに思った僕は丸井のメンズ館あたりで見つけ買ったはずだ。この辺は記憶が曖昧なのだけれど、とにかく速攻で入手して履いていた。

 

 黒の501には染め方が二種類あって、糸を先に黒に染め、繊維を織っていく先染めと、プレーンな状態で後から全体を染める後染めというものがある。僕の履いていたのは先染めだ。先染めは裏地が白くインディゴ系と同様履いているうちに徐々に色落ちがするのだ。この先染めは生地感がものすごくよくて、いわゆるネップ(毛羽立ち)が少しあって独特の雰囲気を醸し出していた。ちなみに後染めは生地感の違いから僕はいまいちな印象です。なんかつるっとした印象なのですよ。


 あ、そういえば思い出した、確か新宿アルタに入っていた今は無きDEPTという古着屋に、紺色の特殊な染料でコーティングされた501が売っておりそれを買って僕履いていたなあ!

こういうやつですね。古着としてまだ存在していた!

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今思えば変なパンツなんだけど、その頃はそれがお気に入りで後輩に「これからはコーティングっしょ!」と訳の分からない主張をしていたっけ。あと初めてリジッド(一回も洗っていない状態)で501を買って洗濯して縮んだことにびっくりしたっけ。そのデニム今残っていれば90Sの501としてそれなりの市場価値もあるはずだけれど、あの頃着ていた服は殆どどこかに行ってしまった。
 本当にいったいどこへ行ったんだろう。お金がないとき後輩にまとめ売りとかしてたからそうやって失ったんだろうけど、今思えば取っておけばよかったよなあ。NINとかナパームデスとかスレイヤーとかメタリカのバンドTも持っていたのにそれも見当たらない。それも今人気あるんだよね。モノってどこで価値が生じるかわからないねえ。

 

 閑話休題、黒の501の話。
 そういきさつもあって、僕は古着屋に入ると努めて黒の501を探し、なければ別のブランドの黒デニムをチェックしていた。まれに見つかることは見つかるんだけど、かなり退色してほぼグレーになってしまったものや、後染めのものしか見つからない。

 一方、並行して楽天でチェックしているとどうやらレギュラーでもブラックがあることを発見した。

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 リジッド(未洗い)の状態で今も買える・・・。でもどうしようかな・・・。


 話は変わるが良いデニムの一つの判断基準としては、裾をまくったときにセルビッジと言って生地の端っこが縫い合わされている状態がある。

                     こういうやつですね

           

 これだと裾を折り返して履いた時に、縫い代の糸の色(多くの場合は赤)がチラ見えしておしゃれなんすよ。一時期ユニクロがセルビッジデニムを安価で出して話題になったんだけど、実際履くとやっぱりなんか安っぽかった・・・。なんでだろう、ユニクロという先入観なのか、それともやはり生地のコストダウンがそこに現れているのか。あとやっぱ微妙にシルエットも野暮ったい印象だったな。


 ちなみに90Sの黒の501に赤耳はないので、裾はすべて脇割というロックミシンで縫った味気のないものである。でも僕当時そんなことはよく知らなかったので裾を折り返さずにジャストで履くものだと思っていたので問題なし。そんで今もこのパンツに関してはジャストで履きたいという思いもあってレングス30が欲しいのだ。

 その後たまたま寄ったオフハウスで半額投げ売りラックにこのLEEのデニムを発見。

   


 お、ブラックデニムが700円!買いっしょ!と僕はこれで黒デニム欲を満たそうと目論見ました。そこそこ色落ちしているが700円ならな。
 丈はジャストサイズ。股上は浅く、形は細身のテーパードで一昔前のデザインだが、スタイリッシュではある。


 ファッションの潮流って数年前からビッグサイズに傾いていて、よく知らないけどきっとヴェトモンとかがウルトラビッグサイズの服を展開していたあたりがきっかけなんでしょう。しかし僕はどうもビッグシルエットやダボついた服は馴染めないのです。この辺はやはり90Sからのジャストサイズ文化やピタT文化が染みついており、ナンバーナインとかディオール(もちろん持ったことはないが)なんかがスリムでカッコいい
服を作っていた時代が好きだからなんだろう。それは時代の感覚と結びついていて落とすに落とせないのだろうな。何言ってるのか良くわからないね。

 

 さて、一応ブラックデニムを手に入れたはいいが、それはやっぱりなんちゃってデニムであって、本物ではない。そんなところにあなた、先日近所の古着屋に行ったらしれっと黒の501が新品で売っているじゃないか!しかも値段7000円!やっぱり探していると巡り合うものですね。

 何気なくパンツのラックを見ていたら新品のレギュラー501が並んでいてその中にブラックがあったのです。メイドインメキシコではあるけれど、先染めで生地感も当時に近い。ポリエステルが1%混合されていてストレッチが効くらしい。コットン100%ではないけれど、90Sでもないけれど僕の欲しかった黒501に極めて近いではないか。そしてサイズも32×30が二本もあるじゃない!早速試着するとこれがもう素晴らしい履き心地とシルエット。ああ、懐かしい!そうそうこの感じだよ。鏡に映った黒の501を履いた僕の心は22歳に戻っていた。


 本来なら直ちにレジへと赴くのだけれど、どっこい今月は結構出費がかさんでいる。コペンは車検、オメガの修理代が莫大な金額に上る。加えて大量の服購入・・・。よし一旦家へ帰って金庫を確認しよう。パンツは二本あるし、ここで黒の501に価値を見出す人は明日までにはいないだろうと思い帰宅。金庫には思いのほか余剰金があったので買うことを決意し、とうとう手に入れました!

                 フラッシャー付きです。新品です。

      

 

        

 

                内側が白いのが先染めの証

        

ポッケのアーキュエイトステッチは黒。僕の持っていた501はオレンジだったような気もするけど、これはこれでカッコイイよね。

           



    着用写真がこちら。いやー、ブラック501、素晴らしい!イイネ!

   

 

 こんなに字数が行くとは思わなんだ

 

B級古着ディグダグ@ゾゾ&セカスト

 前回に引き続き、昨年末と年明けにかけて購入したいわゆるレギュラー古着を紹介する暇つぶし記事です。

         

 ニットやシャツ、パンツをまんべんなく購入したそのあとは、巻物&帽子。

    

 ストールはどこのか忘れたが、友人に「これエトロ?」と聞かれた。いや、そんな高いものは買えません。でも確かにデザインは似た感じなのでそうしておくか。マフラーは僕大好きギルドプライムだが、届いたものはあまり状態が良くなくてイマイチだぜ。でもあったかいけどね。

 さてこのあいだ久しぶりに実店舗でカンゴルの帽子を見つけて懐かしくなって、三十年ぶりくらいにハンチングを購入。ゾゾで1200円くらい。

                このマーク、みんな知っているでしょう

              

 僕が大学生の頃、もう三十五年くらい前!周りの友達も僕もみんなこのカンゴルを愛用していた。僕はフェルトのオーソドックスなグリーンのものと黒、そしてピンクのモヘアを持っていたが、すべてどこかに行ってしまった。一体どうしたのだろうか?捨てるってことはまずないんだけど、後輩に売ったか、古着屋に持って行ったか・・・。

 いずれにしてもカンゴルは僕の青春の記憶と結びついている。いかにも90Sライクなアイテムだな。そうそう、タランティーノの映画でもサミュエルLジャクソンが被っていたな。確かジャッキー・ブラウンだった。タランティーノ自身も被っていた写真を見たような記憶もある。カンゴルはアパレルも展開しているがそっちはあんまりですな。やっぱりこのブランドは帽子がアイデンティティだよね。それにしても久しぶりに被ったが、鏡の中の僕の顔の老けたこと!もうおじいさんがベレー帽をかぶっているだけじゃん!

 

 せめて精神が老けないように、こうやって若かりし頃着ていた服を再び着て頑張っていきます。そうそう、ラルフのシャツもそうなんだけど、一周回って90Sの頃着ていた服が懐かしいのよ。まあ、そのことについてはまた後で記事にしますね。

 

 さて、こちらのかっこいいジャケット!

 

 いわゆるノーフォークジャケットというやつですかね。これは厳密には違うのかもしれないですが、ここ一年くらい僕はこういうツイード素材のカントリー系のジャケットをずっと探していたのだ。ようやくこういうジャケットが似合う年齢になったからね。     チンストラップ、エルボーパッチは必須!    ブランド名はなく、テーラーメイドらしい

 

 これ結構家から離れたところのセカストで4290円で発見。試着したところ、ジャストサイズではないか。でもな、今月だいぶ買ったしな・・・あれ!第二・第三ボタンがない!あとわきの下破れてますけど!

               しかも両脇

 

 ということで、やっぱりやめた、と一度は家に帰ったのですよ。

 しかし、やっぱりあのジャケットが欲しいという気持ちがふつふつと湧いてきて止まらない。古着あるあるですな。あーやっぱり買っとけばよかった!ってなるパターンも結構あるのよね。とういことで、三日後の朝イチで遠くのセカストに再びGO!あった!もう買うよ!わきの下も縫うよ!

               見よ!男の手縫いを!

        

 あと革のくるみボタンも楽天で探して注文しました。早く届かないかな。

 

 さて僕はこのジャケットの前に楽天で別のジャケットを注文していた。

 

 ブランドは一時期の勢いが全くないプレッジ。僕はこれを見つけたとき、これだ!と思ったが、すぐには注文せず何度もお気に入りのページを確認していた。なぜすぐ買わなかったかというと、身幅に問題があったのだ。記されていた身幅は48センチ。うーん微妙なところだな。Tシャツなら着られるけどジャケットはどうかな・・・手持ちのプレッジのサイズと比べるとほぼ同じ46だったので大丈夫だろう、と思って買ったのですよ。届いて開いた時、これが欲しかったんだよ!というジャケットがあった。

    エルボーパッチにヘリンボーン           チンストラップも

   

 

           ところがだ。実際に着てみると!

 

        パンパン!           パンパン!

 

 ギギギ・・・さすがに着られません・・・。

 身幅を削るしかないがそんなのムリ!

 このワンサイズ上ならよかったのになあ!

ということでノーフォークジャケットへの憧れが消えなかったわけ。そこへきて、セカストで出会ったので、ああ、これは僕に着られるためにここで待ってたんだなと解釈し、遠くのセカストへ迎えに行きましたよ。

 

 そうそう、あとこのパンツも買っていた!ディッキーズ×ギルドプライム。

     

 これゾゾで見つけたら千円だったので即注文。僕このディッキーズ×ギルドプライムのシリーズ好きなんですよ。この他にもグレーと、ブラックのスキニーバージョンを持っている。ディッキーズの武骨さにギルドプライムのおしゃれ成分が注入されて素晴らしい出来なのです。


 服は楽しいな。そしてあともう一本パンツを買ったのだけれど、そちらは特別なものなのでまた別記事で書きます。お楽しみに(誰が)!

 

 いくら使ったか考えないようにしています

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