音楽と本

僕のカルチャーセレクトショップ

リンプに八十八ヶ所巡礼が僕の最近よく観てるMV

 おすすめにこのサムネイルが出た瞬間、「おお!新曲」と速攻視聴した八十八ヶ所巡礼の新MV『泥春』

      www.youtube.com

 相変わらず素晴らしい曲を生み出している彼らは常に期待値を超えてくる。

 決して派手な展開で無いのに、複雑に絡み合ったベースとギターのリフ、そして八十八ヶ所独特のヴォーカルメロデイ。もう何度も再生しては聴いてます。次の新譜はいつなのだろうなア。

 そうそう、タイトルが『泥春』であるが、これあれかね、江戸川乱歩の小説『陰獣』に出てきた大江春泥からですかね。最初タイトル観たとき僕一瞬、『春泥』かと思ったもんね。

 

 さてもう一つはリンプ・ビスキットの新MV『Out of style』。

www.youtube.com

  ディープフェイクによってメンバーの顔が全員各国の指導者へと変わっている。ヤバすぎでしょ。そうして何故かニセトム・クルーズがソーセージを焼きながら変なエプロンを着てノリノリだ!

 ムチャクチャ政治色が濃いヴィジュアルだが、曲はいかにもリンプ!といった、オールドスクール・ニューメタル。つうか、ギタリストのウェス・ポーランドの奏でるリフは相変わらずヘヴィでカッコよく、いつまでも耳に残る。

 僕,、メタルギタリストの中でもこのウェスが一番好きかもしれない。とにかく彼の作るリフは変態度が高く、それでいてオリジナリティとアイディアに満ち溢れインパクトがものすごい。そしてその音作り。

             ウェスのコスプレすげえなあ

   www.youtube.com

 この曲変な曲なんだけど、好きなんだよね。ペラペラの変な音からの轟音パターンがカタルシスばっちり。

 一時期彼が抜けて別のギタリストでアルバム作ったけど、ショボかったもんなあ。このバンドはやはりウェスの音作りとフレッドのヴォーカルのケミカルなんだなあ。

 

 今日はこんなところです。

 

STILL SUCKS [Explicit]

STILL SUCKS [Explicit]

  • Suretone Records
Amazon

 

このアルバムCD出てないのがさみしい

kakuyomu.jp

オメガ・スピードマスターOHおいくら

 25年ほど前、独身で割と可処分所得のあった僕は、一本の時計を購入した。それがこちらのオメガ・スピードマスター。

      

 スピードマスターにはたくさんの種類のモデルが存在するが、僕の買ったのはスピードマスター40周年記念モデルの「マーク40コスモス・トリプルカレンダー」だ。ストプウォッチはもちろん、日付・曜日・月まで教えてくれる機能てんこ盛りスピードマスターです。そんでもって他のモデルに比べて少し小ぶりで、やや手首の細い僕の腕にはバランス的にも丁度良い。加えて黒字に白文字という視認性の良さは、時計雑誌の記事でナンバーワンとされていた。

 

 当時毎晩寝る前に世界文化社から出ていた時計雑誌を何冊も眺めては、自分が買えそうな時計を吟味していた。そうして何百本という時計の中から徐々に自分の好みを固めていき、このモデルにたどりついたのだ。あの頃の僕、ムチャクチャ機械式時計に詳しかったなあ。

 

 この腕時計で頭の中がパンパンになっていた時、偶然出かけた大型ホームセンターの輸入時計コーナーで衝撃の出会い!値段は確か13万8千円だった。しかしさすがにおいそれとその金額を出して買う勇気はなく、一度家に帰って熟考し、「やっぱり買う!」と決意し、次回の休みにセンター開店と同時に入店。

 買う気満々で胸を高鳴らせて売り場へ行ったものの、あれ!ない!ない!

 なんと売れてしまっていた!がっくりと肩を下ろし、しょぼくれて帰途につく僕だったが、別の系列店舗があることに気づき、もしかして!とそちらへ行ったところ、見事発見。ものすごいドキドキしたっけ。モノを買うときにあんだけドキドキしたのはこの時だけだ。

 当時は円高でこの値段で買えたのだが、それでも僕はローンで購入し、結果的に支払った額は16万を超える額だった。今思えば一回払いにしておくべきだったな。

 ちなみに現在のこの時計の相場は大体22~26万円くらいのようだ。

☆美品 【OMEGA】オメガ スピードマスター マーク 40 コスモス トリプルカレンダー 3520.50 自動巻き メンズ_733366【中古】

価格:252,780円
(2023/2/23 16:07時点)
感想(0件)

 

 さて爾来僕はこの時計をほぼ毎日使い続け、色々なところへ行き、色々なことを経験した。いわゆる一生ものというやつですね。

 

 オメガの技術力は素晴らしく、25年間ノンメンテナンスで全く狂うこともなく毎日時を刻み続けていたのだが、去年突然時計内部の風防が曇ってしまった!腕に巻いていると内部がうっすらと曇ってしまうのだ。体温によって時計内部に侵入した水分が暖められてそうなったのだろうか。しかしこの時は数日たつと曇りもなくなり、いつも通り動いていたのだが、とうとう12月に入って完全に止まってしまったのだ!

 最初は巻き上げが足りないと思ったのだが、いくらぜんまいを動かしても動かず、僕もいよいよ故障を認めざるを得なかった。

 

 機械式時計というのは、定期的にオーバーホールをしないと調子が悪くなるのだが、そのオーバーホール代というのは結構な値段がかかる。大体三万円以上するのです。三万円って、僕の現在の経済状況からすればとんでもない大金だ。大体、そのお金で新しい時計が何本も買えるじゃないか。うーん・・・。

 

 いや、しかし、迷ってる場合か!この時計はもほや僕の一部となっているじゃないか。それをケチってどうする。死ぬまで使うよ! 

 ということで自宅近くのショッピングモールに入っている時計修理を請け負ってくれる時計屋へ持っていき、修理を依頼。そうして数週間後、とうとう僕のもとへ戻ってきたこのスピードマスター!

                      なんと美しい

 

 

 

 

 

   さて、この時計のオーバーホール代と修理代はいくらでしょう。こちら!

 

 

 

 

 高いなあ・・・。でも見積もりの時点では5万4千円と言われていたので、逆にあれ、安くなったじゃん!と思ったよ。高くついたけど、やっぱり直してよかった。店で受け取った時すげえ嬉しかったもんなあ。あんまり嬉しくて店員さんに「ありがとうございます、また何十年も使いますよ!」と、そうですかとしか言いようのない困った会話をしてしまいました。

 

               これが修理内容ですね

     

 電子機器のそばに置いておくと、「磁気帯び」という状態になり時計的に良くないらしいので気を付けよう!

 

あんまりおもしろい記事ではないですね

kakuyomu.jp

 

 

デニム糊付けチャレンジ

 今僕の履いているデニムの中で、育成中の一本がある。

        ダルチザンSD301。お尻に豚と鯉と笹という意味不明の取り合わせの図柄

       

 育成というのは、つまりはできるだけ履きこんで、自分なりに色落ちをさせていい味を出すという主にデニム好きの男性が嗜む趣味です。

 このデニムは古着で購入したけれど、結構色が濃い状態でまだヒゲなどのアタリがそんなには出ていなかったのです。それで僕は家での起居を中心に、時にはこれを履いて寝るという結構な頻度でこのパンツを育てていたのです。

 その甲斐あってか、最近多少イイ感じにシワがより、アタリも出始めて「お、これイイ感じになってきたな」と先行きを楽しみにしていたのだ。

 そんで先日古着系のYOUTUBEを見ていたら、糊付けをするとゴワゴワになって、アタリが出やすいという情報を得たのですよ。糊付けは非常に簡単そうだったので早速買ってチャレンジしてみました。

 今回揃えたグッズはこちら。

         

 100円ショップで売っている洗濯糊と、風呂洗い用ブラシです。税込み220円。特に糊の種類にはこだわりなし。

 まずはデニムを一回洗い、裏がえす。

    

 デニム洗わない問題というのがありまして、徹底的にこだわる人は毎日履きこみ、一切洗わないというストイックな生活をしているようです。僕はそこまではハマっていないので適度に洗うことにしています。まあ、洗わないとやっぱり膝が出てきてちょっとシルエットも崩れたりするので。

 さて、裏返したら、躊躇なくドバドバと糊をこぼすよ!ドボォ!

     

 このとき糊を広げるのに手でやるのが常道らしいけれど、色々なサイトで調べてみたら別にその必要はないとのことで、僕は手がべたべたになるのを嫌ってブラシでやりました。 

     

 そうそう、作業は屋外です。それぞれに住宅事情があるでしょうけれど、風呂場とかでやってベタベタになるのもな・・・と考え、天気も良かったのでちゃちなピクニックシートの上にジーパンを広げてやってます。

 

 

 矢印の内股縫い代部分には糊をつけません。つけると乾いた時にちくちくするということなので。それから、裾のロールアップ部分にも塗らない。その部分に糊を付けると、擦れて破れることがあるというのですね。

 

 さて、両面に塗ったところで、干していきますよ。

 

 楽しみだな。早く乾かないかな。

干すときの向きは、裾からにしたよ。股の部分の方が重いから、その重量で筒部分が伸びて、パンツがスン!となるんだって。これ、確か昔雑誌『bigin』(ビギン)に載っていた、デニムの干し方はこうだ!みたいな記事から得た知識。

          

 干す際にもぺったんこに干すのではなく、このように筒状にして干します。何故かというと、これが乾いた時に、自立できるほどゴワゴワになるというから。デニムの自立見たいよ!早く乾け!

 

 

 

 

 ・・・さて数時間後。今日は陽気も良く、風もあったので数時間で乾いたよ。さあ、自立ごわごわデニム、カモン!

 

 

 

 

 

 

 

 

                じゃーん

    

 

        わははは、なんだこれ。おもしろ。

     

 立ったよ!デニムが立ったよ!

ごわごわ!ゴワゴワ!ゴワ・ゴワガールス!

 元ネタが解る方はそれなりのホラーマニアです。ぜひ友達になりたい。

ただ、これ裏返したらもう自立できなかった。残念。

 ゴワゴワガールスのままではシワが寄っているのでアイロンをかけます。僕はピシっとしてなるべく膝が出ていない状態が好きなのだ。

 

 なんということでしょう。よれよれだったあのデニムが、糊付けパリパリに復活しました。じゃあ早速履いてみるよ。

                    部屋で土足

 

 ・・・まあ、こんなもんです。いい色になったかな。

またガンガン履きこんでいい感じに育てるぜ!

 

バンドしりとり記事動画貼りすぎで重い

kakuyomu.jp

 

 





 

 

ひとりバンドしりとり

 家にずっといて、あまりにヒマなので自分の昔の記事とか見ていたらこれを発見。

 大学時代友人とバンドしりとりをやっていた思い出なんだけどひょっとしたら、これ一人でできるんじゃないか、とかなりどうでもよい発想が湧いてきて、やってみました。僕のバンド教養が今花開く!

 一応ルールとして30秒以内に答える、まあできれば即答が望ましいという形でやってみました。

 

 さて、じゃあまず最初、大好きなメタリカ

「カ」か・・・か・か・・・・カニエウェスト!

 カニエは一回も聴いたことがないのだけれど、咄嗟に思い浮かんだので初めてここで聴きました。いいじゃないですか。でもあれか、今色々問題起こして干されてるんだっけ。あとファッションアイコンとしてのカリスマがすげえ。

次は『ト』か。ト、ト、ト・・・・トーキングヘッズ!

いいよねえ、トーキングヘッズ。この頃からディヴィッド・バーンは急速にブラジリアンミュージックに傾倒していくんだよね。それも好きだったなあ。さて『ズ』かあ。

ズ、ズ、ズ、・・・・あれ意外に思い浮かばないぞ。やばい、制限時間だ。爆発する!ず、ず、ず、ズットズレテルズ

 ズットズレテルズ、ベースがハマ・オカモトなんだよね。って、また『ズ』じゃん!

ここでルール変更。濁点なしでもOK!『ス』ならあるでしょ。考えろ考えろ考えろ!

思い浮かんだ!スペシャルズ

テリーホールは本当に素晴らしいシンガーでした。夭折といえる。それにしても今見てもカッコいいなあ!

 あ!また『ズ』じゃないか!即答も考え物だ。しかし早くしないと爆発する!す、す、す、スーパファーリーアニマルズ!

 この曲を含むアルバム『ゲリラ』は、当時ロッキングオンで断トツ1番人気だった。

 あれ!また『ズ』かよ!

つうかバンドなんだから必然的に「~ズ」が付くのは当然だとこのあたりで気づき始める。しかしスか、ズで考えろ!あ!思い浮かんだ!

      スライ&ファミリーストーン

     

・・・って終わりじゃん!

 自分でやっておいて笑ってしまった。あなた、これ本当に僕ひとりで口に出してやってましたからね。メモしてあるんだから。さすがにこれはないだろー、と思い、もう一度仕切り直しです。

 

 教訓。まず、「~ズ」のバンドを出さない。「ン」がつくバンドは言わない。

 じゃ、「ス」からやり直しだよ。スレイヤー!

      ドラムがポール・ボスタフかな?このころの彼らもまたすげえな。

ヤか・・・ヤードバーズ

                     

 ジェフベックがでてきて、やっている曲がシーナ&ロケッツの「レモンティー」の原曲って、なんか因縁めいてますね。最近大物ミュージシャンの訃報が多かったな。 

つって早速『ズ』だし。じゃスマッシング・パンプキンズってまたズ・・・

 この曲、ベースはダーシーじゃないけど、スマパン解散前の大打ち上げ花火って感じだよね。ギターの音が結構えぐい。

 それはそうと、最後が「ズ」にならないバンドを思い浮かべろ僕!・・・

いた!スーパーカー

当時良く聴いてたなあ。今聴きなおすと、シューゲイザーの匂いがぷんぷんするな。さて、カ、カ、カですか。

 なんか思いつかないぞ!そうだ、バンドじゃなくったって、シンガーはいないか?

いた!カールスモーキー石井

www.youtube.com

 まあ、ソロの時「石井竜也」なので駄目な気がするが。それと今考えれば「カーズ」とかもいるのだが、結局「ズ」だからなあ。

さて、「い」ならいくらでもいそうだぞ。

イースタンユース


 この曲をフジロックライブバージョンで聴いた時すげえバンドが日本にいるな!と思ってすぐにCD買ったなア。つうか、もう「ス」から離れたい。それでも今度はすぐに思いついた、ストーンテンプルパイロッツ

「ツ」か。あれ!ツがなんも思い浮かばない。

ツイスター、は映画でしょ。ツー何とかってバンドいないっけ?ツリー?それはスクリーミングツリーズだ。ツール?いや「トゥール」だろう。「ツ」?

ツ?ツ?

ー30秒経過・・・駄目だ!思いつかん!僕の負けだ!

 

 二回目の教訓は、「ツ」のバンド名は僕にとって鬼門だということ。次はもっと長持ちさせるぞ。つうか、ここまでみなさん、ついてきていただいていますか?自動連想によるゴリゴリのバンド記事になってますが、これこそが「音楽と本」ですよ!

 

 しかし意地でも「ツ」のバンドを思い浮かべるぞ。フル稼働しろ!僕の灰色の脳細胞!あ、そういえば昔適当に買ったテクノCDユニットに「TSUNAMI」っていうの持ってたぞ!ツナミ!

いまこのユニットの音楽聴いているの、世界でも僕か、この本人くらいだよね。

「ミ」行くぞ!ミスター・ミスター!

ビバ!80S!いい曲だなあ。

シンガーのリチャード・ペイジがこのPVで弾いているベース、ヤマハのBBというシリーズ。おそらく彼の弾いているのはBB2000という上位モデルだろう。このベース当時人気があって、高校の同級生がメタルバンドでエントリーモデルのBBーXというモデルを弾いているのを見て、カッコいいなあと思ってた。あと、ディオの「キングオブロックンロール」でもベーシストがこのBBを弾いており、ますますBB欲しい欲が高まったっけ。

           黒ボディに金の縁取りのピックアップが素晴らしい

                      

 高校生の僕はそのころ安物(と言っても3万円位した。高校生には大金)のプレジョンベースを持っていたが、晴れて大学受験に成功し、入学までの二か月間みっちりバイトして11万円のBBーXを購入。その後そのベースでメタルバンドをやって最終的には弦を引きちぎったりととんでもない暴挙を働いたっけ。

 そうそう、このBBモデルは名機故、あのビリー・シーハンも愛用しているのだ。

               

 当時このビデオを入手した僕は毎日このフレーズをコピーして毎日練習していた。彼がヤマハの招へいで来日してベースショウをやったのも見に行った!ラッキーだったなあ。

 

 しりとりはよ!まだやるよ!

なんだっけ、「タ」でしょ。

タンジェリンドリーム!

このバンドに関しては殆ど知りません、すいません。

そんで「ム」かあ。ムーンライダース

 ユキヒロ氏が・・・。この曲作詞がサエキけんぞう氏なんですな。

 ムーンライダース、僕が小学生の頃からやってるんだよねー。あの頃ってテクノポップがもてはやされて、YMOを筆頭にプラスティックス、ヒカシュー、そしてこのムーンライダースも一括りにされていたが、全然違うよね。

 

 そんでまた「ス」でしょー。

スミス!

言った後後悔した。正式には「ザ・スミス」だよね。それにしてもス関連のミス、もういい加減にしてほしい。スチュワートコープランド

 

「ド」?「ド」って、、、あぶねえ、今「ドーン(DAWN)」って言いそうになった。

ド、ど、ドッジー

               

よく出たなドッジーブリットポップ感すごいな。

「ジ」はねえ、ジャクソンファイブ!

調子がいいぞ。「フ」でもいいよね。

「フー!」

よく考えりゃこれも「ザ・フー」なんだけど、その時は気づかずオッケーと思ったのでいいでしょ。このライヴ、音圧凄そうだな。

じゃ次は「ウ」です。ウド・ダークシュナイダー!

                 

アー!ドコドコドコドコ!やっぱりウドはこれだよな!

だ・だ・だダンジグ!

ダンジグだったら、「マザー」よりも僕はこの曲だな。さて・・・「グ」?

グゥオー!」がいるじゃないか!


 グゥオーぶっ飛んでんなー。みなさん、ちゃんと全部見てくださいよ!さて「オ」かあ、おっと一瞬「オジー・・・」と言いかけた。あぶねえ!

オワリカラ

この曲聴いて当時すぐにCD買ったんだよな。キーボードの人の奥さんは「水中、それは苦しい」のPVとかでベース弾いてましたね。

ラ、ラッシュ!

 ラッシュ、YYZだけでなく、この曲もPV作ってたんだね。

ユ、ユーリズミックス

 

ユーリズミックスと言えば当然あの曲でしょうが、僕はこちらの曲だな。

またス!スタン・ゲッツ


この曲は僕ギターで弾けます。誰か歌ってくれはしませんか。

「ツ」が出たのでおしまい!ああしんどかった。もう風呂入って寝まーす。

 

自宅療養つらい

アイコン用写真 往年のなるかみ

 

メイズランナー全見

 とうとうコロナウィルスに罹り、この数日間難儀しておりました。

 熱はなく無症状と言えるのでしょうが、検査してからの3日間はさすがに全身倦怠感マックスで辛かった・・・じゃ無症状じゃないじゃん。まあ、でもワクチンを接種していたおかげか、インフルエンザにかかった時のあの感じとはまた違い、一日中熱にうなされるということはなく現在はかなり健康状態良好です。食欲もあるし、味覚もなくならなかった。

 会社の人たちにはだいぶ迷惑がかかっているので、復帰したら何とか取り戻していきたいと考えていますが、復帰はまだ来週なのですよ。そんでそうなると昼間無駄に時間があるじゃないですか。それではと久しぶりに映画をまとめて見ようと思い、ディズニープラスをチェックしたところ、『メイズランナー』あたりが軽く観られそうだし、三部作構成だから結構時間もつぶせるだろうと思い、観ました。今回参考動画多めですが、見ていただくと僕の言いたいことも伝わりやすいかと思いますので夜露死苦

 

 僕この『メイズランナー』と『ハンガーゲーム』がごっちゃになっていて、あれ、弓矢持って迷路の中で戦うんだっけ、などと思っていたら違いました。

 冒頭いきなりエレベーターで、同年代の若者たちが暮らす集落に強制的に送り付けられた記憶喪失の主人公トーマス。

 そこは周りが超巨大な壁に囲まれており、一つだけ大きな扉があった。そしてその扉は巨大な迷路(メイズ)の入り口だった!

       

 基本的には上の動画を見れば大体わかります。要はなぜこの迷路が存在し、そこをどうやって抜け出すかが映画の見どころとなりますね。

 まあ少々SFとしては雑なところも感じられて、例えばグリーバーズという機械と生物が融合したモンスターが出てくるのだけれど、これなんかもう完全に映画的こけおどしのために作られたキャラクターでしょ。普通に機械でよくないですか。そもそも何の生き物だ?あれかな、人間が操作するよりも、生物的本能で相手を襲わせる意図があるのですかね。

 そのグリーバーズに対して少年たちは杭で非力に抵抗し、何人もやられていく。

www.youtube.com

 まあ映画的に当然迷路は脱出できるのでめでたしめでたし・・・ではなかった。ラストで少年たちは謎の武装集団に確保され、ヘリで別の場所に連れ去られて、おしまい。

原作が三部作とのことでまだ映画もあと二作あるのです。

 それなりにお金をかけて作ってあるし、世界観も良くできているので楽しめるのですが、それよりもキャストの顔の個性が強く、そちらの興味も尽きない。特にこのギャリー役の俳優の人の顔は、一度見たら忘れられない。眉毛すご!

     www.youtube.com

 彼は迷路から出る危険を冒すことに懐疑的で、トーマスたちを止めようとするのだが、トーマスは有志を募って迷路に入ってしまう。それまで三年間危険ながらもぬくぬくと迷路暮らしをしていたギャリーはトーマスを逆恨みし、最後は上記のクリップのように槍でぶっ刺されてしまう。

 あとは、韓国系俳優の演じるミンホ。彼がとにかくいいやつ。そして髪型もどうやってセットしているの?というくらい前にとんがっている。

   そして、実は彼こそが本物のメイズランナーだ!三年間くまなく迷路をその俊足を駆使して駆け巡り、迷路の全体像をつかむことに成功しているすごいやつ。

 

 さて第二作の「メイズランナー2 砂漠の迷宮」です。

       メイズランナーと言っても、もはやメイズは出てこない。副題として『砂漠の迷宮』とつけてあるが、苦肉の策でしょう。タイトル詐欺だ!とか野暮なことは言わない。面白いから。

 打って変わって2はゾンビ映画になっていた。しかも21世紀型、いわゆるバイオハザードとかの、ザック・スナイダー的な走って襲ってくる凶悪で厄介なタイプですね。

 快適な施設で保護されたトーマスたちだったが、実は彼ら若者は謎のウィルスに対する免疫を持っており、その抽出のために毎日数名が呼び出され、消えていく。その事実を知ったトーマスとその仲間たちはWCKD(この世界の絶対的な組織。すべての迷路やその他を取り仕切っている)から必死に逃げる。

       

 迷路での試練を乗り越えた若者たちは、戦闘スキルや逃走スキルが無駄に上がっており、プロの大人たちを簡単に出し抜きます。

 そうして数人で砂漠をさまよい、RA(ライトアーム)と呼ばれる正義の抵抗者たちを探して山を目指す。途中のディストピアっぷりは結構凄くて、イイ感じです。まあ、感染者が出てくるあたりは既視感をぬぐえないのですが。若者から血清を作ろうというのはラスト・オブ・アスと同じ。

    現段階での最新アップデートゾンビドラマ。もうすごすぎ。エリーはあまり似てません

   

この始まり方、つまり学者が語り合うっていうのはやはり本家『ゾンビ』へのオマージュだろうか。主演のペドロ・パスカルはノりにノってる。3月にはいよいよマンダロリアン3がやってくるしね!

             大量のマンダロリアン!ボ=カターンとの対決か?

   

 砂漠横断途中で仲間が減り、ヒーコラとようやく山のふもとの施設が見えてきた時に、背後から迫る凄まじい嵐と雷!走れ!ランナー!

 って施設に入る直前、ミンホを落雷が直撃!

 え?落雷直撃して生きてるの?

 と思ったんだけど、昔観たこれ思い出した。

              同じ人に、雷が連続で直撃!

                 

生きてるんだよねえ、これが。二回も直撃されて、うーん、じゃないでしょ!これこの人には悪いけど笑っちゃう。助かって良かったよね。

 

 脱線しましたが、雷に負けなかったミンホと施設の中へ入ると、謎の女性ブレンダが登場。この映画の第二ヒロイン。ブレンダは彼らをここのリーダー、ホルヘに引き合わせるが、全員宙づりにされる。この辺りのホルヘの行動原理がよくわからないのだけれど、見直すのも面倒なのでスルーして先に進むと、追手が迫り、ヤケクソになったホルヘは施設を爆破!

 離れ離れになったトーマスはブレンダとともに地下のゾンビ地帯を走り抜け、廃墟となった高層ビルへ逃げ出す。このシーンはかなり緊迫感があって観ごたえありですよ。特に、傾いたビルのガラスに叩きつけられてガラスが割れれば数百メートル下へ落下というシチュエーションは高所恐怖症の人にはゾクゾク來るものがあるだろう。東京タワーとか、スカイツリーとかにある、下を見られる窓があるけど、あそこに全身ゆだねてピシピシと割れ目が入る恐怖。そこにこちらの思いなど無視して襲い掛かるゾンビ!

 まあ、映画なんで切り抜けるんだけど、ブレンダがその際に感染してしまう。

 そんで色々あってとうとうRAに出会い、ブレンダはトーマスの血から作った血清で見事に回復する。RAはWCKDの横暴なやり方(若者を拉致して迷路に入れたり、体液を搾り取ったりする人権ガン無視の行為)に抵抗しており、そこにはかつて他のメイズに幽閉されていた若者たちも沢山参加していた。つかの間の安らぎを得たトーマスたちだったが、同行していたテレサ(彼女はもともとWCKDの職員だった)の裏切り(彼女からすればこのまま逃げ回るよりも、研究してワクチンを作るのが正義)により、RAは戦闘機で蹂躙され、トーマスたちはほうほうのていで逃げ出すのだが、みんな大好きミンホだけが拉致されてしまう。さあ、どうする、トーマス!つづく!

 

             そうして最後の迷宮だよ

  

 つづきだよ。『メイズランナー 最後の迷宮』(と言っても相変わらず迷宮は出てこないが)冒頭から007のようなアクションシーン。もはやトーマスたちは特殊部隊並みのスキルを獲得しております。列車に乗せられていると思われるミンホを助けるために、襲撃&大胆にも列車ごと持ち去りという大雑把な計画を実行。しかし、その列車の中にはミンホはいなかった・・・。なにそれ!ただの間抜けじゃないか。あんだけ苦労して命かけていませんでしたって・・・。

 仕方なく彼らは最終的に列車が向かったラスト・シティなる巨大な都市へとミンホ救出に向かう。この都市がなんか急にサイバーパンクっぽくなるんだけど、エネルギーはどこから来てるの?結構な人口を擁しているのだけれど、食料とかどうしているの?その辺の説得力がないのでちょっと気になってしまうが、まあそういうものなのだろうというスタンスで鑑賞を続けていると、なんとコイツが再登場!

                 あの特徴的な眉毛は健在

  

まあ映画を見ていない方にコイツとか言っても伝わらないんですけど、この人はパート1のラストでトーマスを撃とうとして別の仲間を撃ち、その報いでミンホに串刺しにされたギャリーです。でも色々あって生きており、このラストシティの前にあるスラム街の偉いやつの右腕として活動していた。都合よすぎでしょ。まあ、この手の映画ではよくある感じの展開なのでそういうものとして鑑賞するスタンスです。

 一方ミンホはシティでいろんな精神的拷問を受けながら体液を搾り取られまくっていた。ウィルスの脅威はこのシティにも迫っており、裏切り嬢テレサはなんとかワクチンを作ろうと必死の努力をしていた。ミンホワクチンをある患者に注入すると一時的に症状が緩和されたがすぐに効果は薄れ落ち込むテレサ

 そのテレサを秘密の通路から侵入し拉致するトーマス軍団。生きているギャリーに驚くテレサがだが、もっと驚いたのは感染したはずのブレンダがピンピンしていること。トーマスの血清がそうさせたと気づいた彼女は密かに彼の血の付いた包帯を入手する。

 テレサに案内させ再びシティに潜入したトーマスたちはミンホを必死に探す。もはやここまで来るとスパイ映画です。迷路でハアハア逃げ回っていた少年たちはたくましく成長した。そうそう、この映画数年にわたってシリーズ化されたから俳優たちも徐々に年を取っていくハリーポッター形式です。だから1ではどこかあどけなさが残る彼らも立派な見てくれになっています。ミンホに至っては撮影時ほぼ30歳だとか。

 

 さて、最後はもうムチャクチャで、どうやったのか知らないが、シティの防御システムをハッキングしたスラム街のリーダーがシティに正面から特攻し、シティは混乱の極みに陥る。ビルが崩れたりしているんだけど、いくら何でもそれはないでしょと思いながら観る僕。だって、彼らの装備、せいぜいRPG(ロケット砲的なもの)レベルのものなのに、都市のほぼすべてを壊滅させるんだぜ!まあこれも映画的誇張演出で、カタストロフィをじっくり味わえます。そのどさくさの中、ついにトーマスたちはミンホと再会!ここはアツい!ちょっと目頭が熱くなったよね。男の友情っていいよね。

 そんでその後トーマスは敵の一番強いやつと闘って腹を撃たれてしまうが、機転を利かせてゾンビにそいつを食わせることに成功。テレサと一緒に燃え盛るビルの屋上へと逃げる。もうエイリアン2のラストみたいになってるなあ、と思ったらその後の展開、つまり飛行機に乗って仲間が助けに来るっつう展開まで一緒だった!結局テレサは裏切り者の報いなのか、ビルの崩壊に飲み込まれ、瀕死のトーマスはギリ助かって目が覚めたら海岸に展開するキャンプにいた。そこには生き残った仲間やブレンダがおり、予定調和的なラストを迎えます。

 最後にトーマスはポッケの中に自分の血から作った唯一の血清があること気づく。海を見ているトーマス。あれ、まさか投げたりしないよな!意味わかんないよ!と思っていたら投げませんでした。そりゃそうだ。

 

 久しぶりにこの手の映画を三本立て続けに観たけど、面白かったなあ。まあ何度も見返すような映画ではないけれど、少なくとも退屈はしませんでした。

 そうそう、映画を観た後って、他の人の感想とかも気になるじゃないですか。そんで僕も御多分に漏れずネット検索して他の方のブログとか観てたんだけど、とある方が酷評していたのを見つけたんですよ。まあそれはいいとして、その方のブログはどうやら書き込み自由でかなり辛辣な反論がいくつも書かれていたのです。すごいのは、明らかに反論の方が筋道の通った主張であり、けっこうボロクソ言われていたのにすべてリプライを付けていたところ。それも決して感情的になるわけでもなし、かといって受け入れるわけでもない。でもそのメンタルはすごいな、と思った。

 僕なんか書き込みがある時点でうわ、なんか変なこと僕書いたかななんてビビっちまう。たいていそんなことなく、皆さんありがたいことばかり書いていただけるのですが、昔オープンに書き込める機能で運営していた時に少し不快な書き込みがあってそれっぽちで落ち込んだりしたのでこのひとすげえなあ、と思った次第です。どうでもいいか。

 

 さて今週まだ自宅療養が続くので色々と家庭内文化活動にいそしみたいと思います。皆様もご自愛くださいませ。

 

娘の高校受験直前で、お父さんかなりナーバス(娘は元気)

kakuyomu.jp

 

メイズ・ランナー (吹替版)

メイズ・ランナー (吹替版)

  • ウィル・ポールター
Amazon

 

kindle unlimitedで『バーナード嬢曰く。』でゴセシケ

 キンドル・unlimitedが1月と2月でそれぞれ99円というセールをやっていたのでそんなに安いならと、以前から少々興味があったのも手伝って利用してみました。アマゾンプライムに加入していれば、Prime readeingなるサービスがあって、ある程度の電子書籍をサブスクで読むことができるんだけれども、unlimitedは一気に読める冊数が増えるのだ。ただ、電子書籍のすべてが読めるというわけではなく、アマゾンが指定した
書籍の範囲内だけど。お試し期間が終わると980円になるが、それでもサービスを続けてもいいかなと思う僕はまんまとアマゾンの術中にはまっているようだ。


 では僕はこの一か月でどんなものを読んだかというと、活字のものよりは短時間で読める漫画や雑誌がほとんど。一回ダウンロードすれば、冊数制限はあるけれど、WIFI環境がないところでも読めるのはうれしい。サブスクは使えば使うほど元が取れる仕組みだから、例えばちょっと高い雑誌やムックを購入すればもうそれで元が取れる(気がする)。特に僕のよく読むアメカジ系雑誌「Lightning」や「2nd」がほぼすべての号に渡って読めるのでコスパは良いと思います。買えば一冊2千円くらいする別冊も過去の号も、いとも簡単に読めるので暇つぶしにベストな仕組みですな。

 

 また、普段ならきっと買って読まなかったり、読もうとすら思わない漫画なんかも、トライしてみると意外に面白かったものもあり、重宝してます。まずその筆頭がバーナード嬢曰く。だった。

怒涛の全六巻

 つっても読んだの1巻だけなんですけどね。
 お金を出して読もうとは思わないちょっと雑な感じがする絵柄が、読んでいくうちに気にならなくなっていく。内容が様々な図書に関する蘊蓄に溢れており、それもまた僕の琴線に触れたのだ。読書漫画ってなんか嫌味になりがちなんだけど、絵柄とギャグがそれを完全に打ち消している。

 

 図書館にいつもいる女生徒町田さわ子は一見読書家に見えて、実は一冊も読んでいない。そしてそういう彼女がなんとなく気になる遠藤君と、図書委員の長谷川さんそして唯一の本気の読書家神林さんが織りなす日常系文学ギャグ漫画である。

この子がさわ子

 特に僕に刺さったのが、突っ込み役でサデスティックな性格の神林さんが重度のSFファンであるというところだ。こんなにSFに詳しい女子高生いないでしょ!と思うのだが、そこはファンタジーとして機能している。僕も彼女ほどではないが、SFを少々嗜みそこそこ図書館に通っていた高校生だったから、余計にこの漫画がいとおしく思えるのだな。スターウォーズブラックホール(いつの間にかディズニープラスから消えたらしい。すぐにディズニーはブラックホールを観られるようにしろ!)でSF映画に熱中し、映画雑誌「ロードショー」のブレードランナーの記事にしびれ、中2で映画「ブレードランナー」を渋谷の劇場で見るというラッキーな体験をしております。

   何度見ても素晴らしいオープニング。ダグラス・トランブルの神業

 TVスポットのスピナーが飛ぶ様子に度肝を抜かれた僕は確か正月に世田谷のおばあちゃんちに行って、バスに乗って東急のでかい劇場で鑑賞した。そしてその後本屋で見つけたディックの『アンドロイドは電気羊の夢を見るか』(当時はブレードランナーの表題で発売していた)を購入したのが本格SFとの出会いだった。

漫画でも触れられているディックの新装版。表紙がカッコイイね

そしてこの記事

 機動戦士ガンダムの小説版も読んだし、スターウォーズのノベライズやアラン・ディーン・フォスターの「エイリアン」のノベライズ(これは中1だった)を読んでいた。あれ、そういえば「2001年宇宙の旅」も読んだはずだけれどいつだったかもう覚えてないなあ。


 そうだ、中2で筒井康隆に出会ったのも大きい。あの頃本屋に売っていた筒井康隆の文庫本は全部買って読んでたっけ。そうして高校生になって全集が刊行され、それが毎月高校の図書館に配本されるのでしょっちゅう図書館にいたのだ。ガンダム流れでハインラインの「宇宙の戦士」も読んだんだけど、このころのハインラインはまだ僕には敷居が高かった。一応全部読んだと思うんだけど、クモ型宇宙人とパワード・スーツの闘いという印象しか残っていない。


 あっ、今思い出したけど、僕高校生の時図書館で旧約聖書を借りて読んでいた。なんでかっていうと、当時SOFT CELLが出した傑作アルバム「This last night...in Sodom」

今やCDはプレミア。レコードは何故か安い。つうかアマゾンミュージックで聴ける

               

を聴きまくっていて、其の出典であるソドムに対しての興味がわいたからだ。堕落と淫蕩の限りを尽くした都市、ソドムとゴモラは神の怒りによって滅ぼされ、その様子を見たものは塩の柱となるという話だった。

  上記の曲、「サレンダー」では歌詞に「sodom and gomora come tomorrrw I want know you from Adam & Eve」というくだりがあり、それをヒアリングできたとき、妙に感動したもんだ。冒頭の歌詞、「独りだ・・・僕はコーヒーに溶けてしまいたい」というところも最高。

 妙に旧約聖書に興味を持った僕はその後「はじめに言葉ありき・・・」から頑張って半分くらいは読んだ気がするんだけど、これって宗教的興味よりかは古事記を読む感覚に近いと思うな。あとどちらの本も人の名前や神様の名前多すぎ。

 十代の僕は結構好きなミュージシャンに感化されて本を読んでたなー。キュアーの「Killing an Arab」

このころのロバートカッコいい!あとなぜかタイトルが「killing another」って

カミュの「異邦人」をモチーフにしていると知るや、頑張って読み、テレビでやっていたマルチェロ・マストロヤンニ主演の映画「異邦人」をビデオに録画して見るくらいにハマってたっけ。当時、感化された僕は何かにつけ「太陽がまぶしかったから」とか言って誰にも理解されなかった。

監督はなんとヴィスコンティ



 ここから不条理文学という世界を知り、カフカにたどり着いた。当時僕は運動が苦手で、特に柔道の時間が嫌で仕方がなかった。そういう運動に対する劣等感をこういう文学作品を読むことで「運動がなんだ。僕はカフカを読んでいるんだぞ」という意識が生まれ、自尊心のバランスをとっていたのだ。なんだかなー。体育のある前の日夜中の2時くらいまで『審判』を読んで、寝不足で学校へ行き、文学青年を気取っていたがバレーボールでは全くのボンクラでした。

 
 『バーナード嬢曰く』の話に戻ると、ああその通り!と思う部分が結構あって、特にグレッグ・イーガンの作品に登場する科学的記述のくだりが全く意味不明だという話で、SFファンの神林は「実は私もよくわかっていない」と告白し、さらには「イーガン本人にすらわかっていなのでは」という仮説をぶち上げる。そうして最後には
「ハードSFを読むうえで求められるリテラシーとは「難しい概念を理解できる知識を持っているか」ではない
「よくわからないままでも物語の本質を損なわずに作品全体を理解するコトが可能な教養のラインを感覚で見極められるかどうか」
「でもグレッグ・イーガンはすごく面白い!」
という言葉で締めくくられるのだが僕のSFを読む姿勢もこれに通じるよな。


 そのほかこの神林さんはSFこども図書館シリーズも読んでおり、なんとそこで出てきた作品が『合成怪物』!

高!9280円というプレミア価格

 ああ!僕これ小学校のとき読んだぞ。多分4年生くらいだと思うんだけど、教室の後ろにこのシリーズが全巻そろっていてそれで僕全部読んだのだ。他にも『宇宙家族』とかがお気に入りだったっけ。たしか子供の一人の名前が「マイク・マローン」で、しかもその名は自分でつけたということだけを覚えている。

 

 Sfこども図書館のことについてはこちらに昔書いています。SFこども図書館シリーズが刺さったあなたは是非どうぞ。

 

そうして記憶を呼び起こされたあなたは、こちらでさらに呼び起こしてください。

 とにかくこういうところからも僕の現在の趣味嗜好が形成されているのだな。そして『合成怪物』からの極めつけのキーワードがゴセシケ
 あったあった!ゴセシケ!合成神経細胞群塊、略してゴセシケ 

 僕も漫画の神林さん同様に少し興奮してしまった。しかしながら漫画の他の登場人物にはピンとこない。そりゃそうだろう。しかもここで新版・旧版の話になるのだが神林さんは新版の『合成怪物』(改題)を読んでおり、真の旧版は『合成脳のはんらん』だったという事実が判明する。僕は年齢的にこの『合成脳のはんらん』を読んでいるはずだ。ちなみに今のタイトルは『合成怪物の逆しゅう』だそうです。
 ゴセシケなんてこの漫画読まなければ一生思い出さなかった。


 さらにはこの漫画、絵本の話に触れており、僕が結構はまっていた凶悪スプラッターバイオレンス童話三びきのやぎのがらがらどんが紹介されていた。

僕の絵本記事。最後に少しがらがらどんに触れてます

 

 こちらは結構有名なので知っている方も多いでしょう。僕は娘にこれを買って何度も読み聞かせたっけ、最後のえげつない場面も含めて。

 

 この『バーナード嬢曰く。』、すごく面白いけど、キンドルunlimitedで読めるのは一巻だけなんだよね・・・。この後6巻まであるが、買うのはナー。そう、unlimitedに対する不満はこれで、一つの作品が中途半端な巻数までしか読めないのだ。どうせなら全巻にしてほしい。

 

 さてまた新たな作品を探しに行きますね。

kakuyomu.jp

 

 

「あなたの人生の物語」(メッセージ)を読んで

 ブックオフでハヤカワの青背(いわゆるハヤカワSF文庫のこと。こう言うと通っぽい)を物色していたら、珍しく100円コーナーに数冊あるのを発見。
 その中で映画「メッセージ」の原作になったあなたの人生の物語を発見。これが300円という安値がついていたのでやった!と即座に購入。基本、早川文庫は高めなのでありがたい。同時に昔のカート・ヴォガネットの「タイタンの妖女」とアンダースンの「エラスムスの迷宮」も購入したけれど、こちらはまだ未読です。

  

 

「あなたの~」は短編集で、どれもアイディアに満ちた内容の佳作が詰まっていた。
まず「バビロン」。いわゆる「バベルの塔」を建設中のバビロンにやってきた石工の視点から物語が展開される。最初は史実に基づいた現実的な物語だと思ってたら、次第に不思議な味わいになっていく。そのあまりの塔の高さに人々はそれぞれの階層で生活し、食料もその階層で自給自足をしているのだ。だから、階層ごとに文化や生活様式が異なり、地面を踏んだことのないものも登場するようになる。あれこの感じ、昔の筒井康隆氏の作品であったなあ。なんだっけなあ?「家」かと思って調べたら違うし、などとあれこれ考えていたらあ!思い出した!確か「座敷」に関連する話じゃなかったけ、と調べたら「座敷ぼっこ」(これはまたこれで傑作)が出てきたが、それとは別に「遠い座敷」という短編であることが判明。そうそう、これだよ。

 とある山奥に巨大な座敷でがつながる家があって、そこには無数の家族が住んでいる。そこに住むある少年が自分の住んでいる部屋から遠く離れた友人の家からその座敷を伝って一人で帰らなけらばならないという不思議な話だった。結末も含めてこの「バビロン」となんとなく通じるものがった。
 
 二話目は「理解」。ある薬品の作用でどんどん脳細胞が活発化し、際限なく知能が発達していく男の物語。これってアイディアとしてはすでに「アルジャーノンに花束を」があるし、映画だとスティーブン・キング原作(本人はそのあまりの出来に原作者クレジットを削除とのこと)「ヴァーチャル・ウォーズ」がある。

これはこれで味わい深いものがある。相当昔に観たが、ほぼ忘れた

www.youtube.com

 当時はこのCGのレベルでVRだったんだな。ピアーズ・ブロスナンがまだまだ若い!今のPS5とかの画像のレベルは驚嘆に値するが、これもいつかは古臭く感じられるのだろうな。

 「理解」では加速度的に能力が高まった主人公が一瞬ですべての出来事や状況を理解できるようになり、あらゆる学術分野に精通していく。その過程で当然自分が実験対象を超え危険人物としてみなされることを予見した男はいとも簡単に政府を出し抜く。このあたり、ジェイソン・ボーンシリーズを倍速で展開しているようだ。ところが神の如き知力を得た男はある日もう一人の自分と同等の能力を持つ人間を見つける。最後は二人の対決になるのだが、凡人には到底理解できない、まるで一流棋士のせめぎあいみたいな展開。数十手先まで一瞬でお互いに相手の手の内を読みあうスリリングな展開である。思考が瞬時にテキスト化され展開して行くんだけれど、こういう表現は小説でなければ成立しない面白さでもある。


 三話目は「ゼロで割る」。天才数学者のレネーは1=2は成立しないことを証明してしまい、数学に対する根本が崩れた彼女は絶望の淵に立たされる。その証明の内容の説明はある程度されているのだが、全く理解できませんでした。でもそんなこと知らなくてもSFは読むことができます。要は、SFに登場する科学的・物理学的理論ってどれだけその話にリアリティを持たせられるかという道具立ての側面もあるから。とにかく、天才の見ている世界はすげえんだな、くらいの感じです。


 四話目は表題作あなたの人生の物語。映画「メッセージ」の原作だが、僕は映画を見た後なので、その印象が小説を読むときに干渉してあまり没頭できなかった感じ。

映画見た感想

宇宙船がお菓子の「ばかうけ」とコラボしてたっけ

www.youtube.com

 SF短編の映画化って時に全然違う内容になっていることが多いが、この話も大筋では同じものの、当然映画的にスケールアップして改変もしくは水増しされている部分が結構あった。主人公の女性言語学者ルイーズの娘の死因とか、エイリアンに対するテロとかがそうだね。そして中国艦隊やその長官がストーリーの絡んでくる部分なんかは明らかに中国を商業的に意識している展開だった。映画を観ずにこれを読んだら全然印象が違っただろうな。
 ヘプタポッドと呼ばれるエイリアンの目的も明示されない。映画だと三千年後に人類が彼らを助けるからみたいなことが言われていた気がするが、小説だと言語学者だけがその秘密を理解できるという結末になっている。というのは、ヘプタポッドの言語表現は時間を超越しており、彼らの言語を理解することは未来を知ることができるということに他ならない。そしてその未来は改変可能であるにかかわらず、理解者はその未来を忠実に実行していく。わかっているこれからの人生を演じるってむしろ嫌だな、と思いました。


 五話目は「七十二文字」。僕はこれが一番面白かった。産業革命直後のイギリスが舞台になっているのだが、歴史上のイギリスではない。そこでは名辞(物事の概念を表す言葉。事物の本質を言語化したもの?ほぼ呪文である)を物理的に物質にスタンプしたり、紙で挿入したりすると、その概念が実現するのである。
 例えば陶器の人形に「歩く」名辞をスタンプすると、その人形は歩き出すのだ。この世にはあらゆる名辞があり、それを発見したり、組み合わせたりすることで様々な分野に応用することができるのだ。その名辞を発見し駆使するのが「名辞師」である。スチームパンク的な展開になると思いきや、思いもよらない陰謀やサスペンス展開が繰り広げられ、短編ながらも印象的な作品でした。「七十二文字」はとある真実を表す名辞の数のこと。「あなたの人生の物語」といい作者のテッド・チャンは相当に言語学についての造詣が深いことが分かる。


 六話目は「人類科学の進化」二ページ程度の短い内容。小説というよりは世界観の説明で、現人類よりも進化した超人類が現れた世界で、現人類の科学は彼らの前では何の意味も持たなくなったということが報告されている。


 七話目は「地獄とは神の不在なり」。タイトルがいかにもSFっぽい。いかなる状況に置かれても神を愛することができるかというテーマだが、この小説世界では神の存在は自明のものとなっている。各地で神の奇跡や天使の降臨があり、時には地面の下に地獄を垣間見ることができる。天使降臨の際には死者が出ることもあり、妻を失った人間が出たり、体の一部を失ったり、逆に欠損していた部位が復活したりという奇跡も起こる。奇跡に翻弄される人間たちが、神の真意を探り、神への愛に向き合うというかなり宗教的なテーマをSF的に扱っている。一読しただけだと西洋的な「神」になじみのない僕にはあまり響かない作品でした。やはり古事記に代表されるアミニズム的な神々のほうがしっくりきます。


 最終話は「顔の美醜について」という、ルッキズムをテーマにした作品。「カリー」という人間の顔の美醜に対する感覚をフラットにする処置が実現した世界で、美を肯定する側(そこには美をビジネス的に活用する広告会社などの産業も含まれる)と、ルッキズムによる差別がなくなる世界を望む側との対立が描かれる。ストーリー仕立てではなく、数人の人間のインタビュー形式によって物語全体がまとめられている。実際、ポリコレ全盛の現代、これに近い問題って色々あるよね。ゲームの主人公が変に不細工になったり、ディズニーに代表されるどこか違和感を感じる登場人物の配置とか。

 

 「三体」のことを書きたいのですが、あまりのスケール感に書きあぐねています。それと比べると、この短編はちょうどいい塩梅でした。SFは面白いなあ!

 

メタルファンタジー

kakuyomu.jp