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シン 少しは役に立つ中之条ビエンナーレガイド2021:I❚

2021年の中之条ビエンナーレに行った話のさいご。


 さて、映画の撮影にもよく使われる、こちらも廃校を再利用した伊参スタジオがルートのラスト。ここも当然、四年前に訪れております。四年間に遊んだこちらの作品はいまだ健在。

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ちなみに四年間の経年変化と人間の成長を見るとこう。

         10歳                   14歳

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 下の部分の白いコンクリがはがれております。そうして、四年たっても、やることは基本的に同じです。

        50歳                      54歳

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 こちらは、すわ遺跡がここで発見されたのか?と思いきや、大がかりなインスタレーションだった。

         フェイクの遺跡を作るという発想と行動力がすごい

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   建物の中へ入り、階段を上ったところで現れるこの作品、一体なんだろう?

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              この人専用の板だった。

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こんなん笑うでしょ。しかも、隣の部屋にはこれでもか、とでもいうように型を取った板が展示されていた。おもしろ!

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 あとはいくつかの部屋で展示されていたものをダイジェストでご紹介。

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 それにしても正直、何か所もこういうイベントや展示を見てきたので、僕はだんだん作品の形に慣れてきて、やや食傷気味であるというのも事実。しかしだ。最後の最後で、とてつもない展示に遭遇。

 

 この建物には旧体育館があるのだが、その入り口から聞こえてくる「ドーンドーンドーンドーン!」という四つ打ちビートの爆音!なんだなんだ、凄そうだと思いながら中へ入ると

                 ドーンドーンドーンドーン!

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 このようにスクリーンが並べられ、インダストリアルテクノともつかない、重低音とビートが爆音で鳴らされている!群馬の山奥に突如クラブが出現!なんかすげえ!

 作品は20分前後のものがループされているようで、僕ら親子は残り数分の所で入場したため、いきなりクライマックスを体験したのだ。あんまりすごかったので、もう一度最初から体験しなおしました。

         あまりのおもしろさに、感に耐へざるにや妙な踊りを踊る父親

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 映像の内容は「潜水士」が海底で作業する様子の映像コラージュなのだけれど、音響と相まってトランス感がすげえ。娘そっちのけでスピーカーの真ん前で映像に没入する54歳。

      この後、画面にとりこまれていきます。ビデオドロームじゃないんだから!

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 娘はもう飽きたのか、しゃがんでた。でも最後まで父親の酔狂に付き合ってくれました。よし、帰りは回転寿司だ!

 少しは役に立つ中之条ビエンナーレガイド2021 

           終わり

 

 

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少しは役に立つ中之条ビエンナーレガイド2021 Q

中之条ビエンナーレ2021の話の三回目。


  足湯に浸かって足元がぽかぽか。

 ビエンナーレチケットを買うと、地元の博物館もタダになるというので、つむじから歩いて1分の博物館へと赴く。「ミュゼ」というしゃれた名前が付けられたこの建物は昔の小学校を改築したものらしい。そして正面にはどでかい作品。卵か。

         奥にひっそりと佇む像は若山牧水。白鳥は悲しからずや

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                 うまれた!

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 しょうもな。そうして何の博物館かもよくわからないまま入ると、入口にはいきなり忍者の道具が誇らしげに飾られている。どういうこと?

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 なんでも真田忍者との関りがあって云々・・・とのこと。小学生の時、学研漫画の「忍術・手品のひみつ」を愛読していた僕としては多少食指をそそられるが、今日はビエンナーレを見に来たので軽くスルー。だが二階へ進むと予想外のカオスな展示が広がっていた!

                   急に猪

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                                                           かめ、でか!

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 昔からの郷土博物館がコレクションしていたのだろうか、色々なものが所狭しと展示してあり、余りの情報量にこちらが困惑してしまう。ここ、ビエンナーレとは別の機会にくるところでしょ。この建物単体でゆっくり見たら二時間近くかかるんじゃないか。本来の目的とは違うので、ざっと見るにとどめるが、それでも小一時間はかかっただろうか。

                 やたらとはく製が充実している

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          中之条の古代から中世、近世、近代のすべてが網羅されている

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 そういえば、ここに来る道すがら、「日本のポンペイ」という看板があり、娘が

ポンペイって何」

と聞いてきた。記憶の底からポンペイを呼び出す僕。

「確か古代ローマ時代にベスビオス火山つう山が噴火して、そのふもとにあるポンペイって町が溶岩に飲み込まれたんだよ。そんでこの辺は昔浅間山が大爆発してやっぱり同じようなことがあって、それで日本のポンペイにしたんじゃない。」

「へーなんかやだね」

あとポンペイっていう映画は観たよ。あーあと確か有名な博物学者がそこで風呂に入って最期の時を待ったはずなんだけど、名前が思い浮かばないよ。あー誰だったけな!」

スマホを持たない僕はググることもできず、帰宅して風呂に入っているときに

プリニウスだ!ユーレカ!」

と叫びました。

 

 ようやく博物館から次の会場へと向かう。結構な勾配の坂道を車でえっちら上り、着いたところは四年前にも来た、廃校を利用したイサマムラと呼ばれる建物。

入口には木造カマキリが「おう ちかよるな おれは げんきだぜ」工藤直子の「のはらうた」バリに威嚇。

          するどい かまも どきどきするほど ひかってるぜ

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 さて、下の写真、一見颯爽と歩いている僕ですが、実は喉カラカラ。この建物って自販機一つないので、水筒持参かコンビニでペットボトル等を買っておいた方が良いです。

     ちなみに入り口前には有機コーヒー的な売店がありますが、コップ一杯400円

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 図書館だった部屋には「いらないもの」が大量に集められ、部屋ごと作品のような空間を形成している。

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こちらはまるで筒井康隆原作の映画「パプリカ」にでてくる悪夢の中の行進にでてきそうな、大量の雛人形であふれた船。

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      www.youtube.com

 廊下にはインタラクティブなアートが展開されている。中之条の人々に書いてもらった様々なリレー形式の文言が飾られている。

             「ひみつだからね!」って何が?

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 このようなタイプに色々なことが好き勝手に書いてある中には、ごくまれに吹き出してしまうものがある。

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「今日は友達の頭にサッカーボールがあたったのでうれしかったです」

まあ、これだけでもちょっと面白いんだけど、そのあとの

「友達は犬みたいにほえてないた」

 が妙に詩的で気に入りました。

 

 各部屋には様々なインスタレーション作品があり、訪れる人は皆楽しそう。

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            作品の一部となったポンコツおじさん

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 沢山の作品を堪能した後、外に出て公民館として使われている建物へ行くが、作品はこの布だけ。さて、僕はこの作品を見てある有名なロックバンドのジャケットを思い出し、そのポーズをとっています。なーんだ?

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正解:レイジアゲインストザマシーンの「バトルオブロスアンジェルス」でした。

 

 学校を出て、道路を挟んだ小屋に展開されていた作品は、暗室の中で不気味な音や輝きを放っているマシン。

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最初は意図がよくわからなかったが、球体のガラス部分をよく見ると中には大量の埃がたまっていた。どうやら静電気を発生させ、球体の中にホコリを集めているらしい。なんで?作品名は「ホコリ・コンピューティング」だった。

 しかしそれよりも謎だったのは、室内にある戸棚に何故か大量のトロフィーが飾られていたこと。

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これ、作品じゃないよね。さらには娘が別の発見を。

「おとうさん!このふすまの取っ手の穴見て!中にまた大量のトロフィーがあるよ!」

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 何なに?どういうこと?とりあえずのぞいてみると・・・

             ホントだ段ボールに無造作につっこまれてる!     

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 野球大会やらのトロフィーぽかったのだが、行き場がなく、ここに集められたのだろうか。せっかく獲得されたトロフィーも最早無用の長物。いったい誰が、どんな努力をしてこれらの栄冠を手に入れたのだろうか。

 

明日へ続きます

 今日はかなり長めの記事でした

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少しは役に立つ中之条ビエンナーレガイド2021 破

 2021年11月現在開催中の中之条ビエンナーレに行った話の二回目です。


 酒蔵の展示を見た後は、四年前にもギャラリーになっていた「小池薬局」へ足を向けた。今回こちらの薬局は、すべての商品や調度類が全て梱包されていた。クリストか。

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      あ!奥に梱包されているライド、なんか覚えているぞ。

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 四年前に来たとき、このライドは外に出されており、四年生だった娘が座ることができたのだった。

               お金を入れても動かなかったけど

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 数年ごとに訪れる楽しみがどんどん増えるのもこのビエンナーレの良いところだ。特に僕の場合は娘の成長とリンクしているので二年後が待ち遠しいぜ。その時娘は高校二年生。一緒に来てくれるだろうか。

 そんなオヤジのささやかな心配をよそに、このような下らない写真のリクエストに応えてくれる娘を持てて幸せですな。

             中のドリンク類もすべて梱包済み

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 裏口やバックヤードのモノもすべて梱包され、壁には謎の写真が飾られている。

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 次に少し離れた場所にある骨組みだけの小屋へと行ってみる。

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 ここは町の西側に位置し、歩いてこの辺りに来るのは初めて。壁を全て取り除いたスケルトン状態の家が作品として鎮座している。

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 この家はいずれ取り壊されるとのこと。しかしその姿を失う前に、こうして有終の美を飾ることができたのだから家としての幸せを全うしたのではないか。

 

 さてこのように作品として人々に記憶される稀有な建物がある一方で、ほとんど顧みられることなく朽ちてゆく建物もある。それがこれだ!

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 町全体が芸術作品を抱えていると、もうそこにあるだけで何かしらのアートとして錯覚してしまう。あれ、これも作品!?という時があるのだ。この物件なんかはその一つ。前出の作品と同様に中がスカスカになっている。

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ただ、手前の柱をよく見ると何かしらが書いてある・・・

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             「ここをおしてください」

 なんだろう、この謎のワード。ひょっとしてこの建物は数年前には作品として公開されていたのかもしれない。芸術がもうなんだかわからない。

 ところで娘が「あ、おとうさん、なんかここに貼ってあるよ!」と嬉しそうに呼んでいるので行ってみると・・・

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読みづらいかもしれませんが

「偶像から真の神」

という含蓄の深いお言葉。

「どういう意味なんだろうね、お父さん」

「どういう意味だろうね」

などと内容のない会話を交わしながら歩いてゆくと、作品としてこのようなものがごく近くにあった。

            「縁石(まるいし)神社」という作品

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 まあ、勝手に作った神社なのでこのような形なのだろうけれど、ご神体らしきものがむき出し。

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                 偶像から真の神!

 娘と二人、不思議なシンクロに大笑いしてしまった。さてこのエリアにはもう一つこんなものがありました。

         このガレージの中にあるものは、すべて回転しております         

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 田舎のおじいちゃんが作るようなビールの缶に切り込みを入れたやつが何となく物悲しい。

 そうそう、とある通りに差し掛かった時、娘が「わあ!感動!」と声を上げた。

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 あれ、なんかこの通り、同じような構図で昔写真撮ったぞと思い四年前のブログを確認すると、やっぱりありました。まだ壁の色が鮮やか。「止まれ」の表示が書き足されている。あと、やはり娘がちいさい。

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 こうして一通りの町中の下側の展示をみた僕らは、いったん道の駅「つむじ」に戻ります。ちょうど11時になり、ジェラート屋さんでアイスを食べるよ。

             僕が食べたのは「温泉まんじゅうジェラート

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 そうして歩き疲れたので足湯につかり、HPを回復!

     結構人出はあるのに、誰も浸かっていなかった。今度は町の博物館へ行くよ!

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あと二回くらい書きます

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少しは役に立つ中之条ビエンナーレガイド2021 序

 今年も群馬県中之条町ビエンナーレが開催されている。


 僕は過去二回こちらへ訪れており、今年も世がやや落ち着いたので現代アート大好きの次女と三たび訪問いたしました。

こちらは四年前に来た時の記事

 

 前回のガイドは期間後の記事で役に立ちませんでしたが、今回は会期中の記事なので多少はこれから行こうと思っている方への役に立つのではないでしょうか。

 

 関越自動車道の渋川・伊香保インターからR353を40分ほど進むと自動的に中之条町へ到達いたします。山間の街なので、基本車で行くのが良いでしょう。駐車場は各地にありますが、僕は毎回「つむじ」と呼ばれる街の中心部にある道の駅に停めます。ここからは町の各所の展示場所にアクセスがよいのだ。ただ、駐車場は狭く、停められる台数に限りがあるのでなるべく早い到着を心がけましょう。僕は九時半前についてギリギリ一台停められました。運がいいと入れ替わりで停められる時もあります。

 

 さてまずはその「つむじ」の前で中年アート愛好者としてご挨拶。

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 ちなみに前回訪れたのは、娘が小学校四年生の時だった。下はその時の写真。娘はあどけなく、まだ幼い。

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      さて四年たつと、人間はこんなに成長するのだ。

          身長は150を超え、学校の成績がすこぶるよい

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 自分が年取るわけだ。娘はどんどん大人らしくなってゆくが、僕は老化の一途である。時たま車の後部座席の黒ガラスに自分の顔が映り、異様に老けて見える時があり、ギョッとすることがある。もう金貯めて顔面リフトアップの手術するしかねえ!でも金ないから無理!

 

 さてビエンナーレは美術展示会であるからして、お金がかかります。高校生以下は無料だが、大人は1500円でパスポートを買いましょう。つむじの販売所で購入可能。

       こちらで買います     パスポートは右側のもの。首から下げている人が多かった

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 まずは毎回会場となる旧酒蔵へ向かう。つむじからは歩いて五分くらい。

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 酒蔵の中は薄暗いので、光と影を扱う作品が多い。

   影絵で動物かぐるぐる回るよ!             風の具合ですだれが動くよ!

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金属でできたオオカミがカッコイイ

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 この酒蔵は二階にも展示があるのだが、今回はそれほどインパクトが感じられなかった。多少奇抜な服を着たアーティストの方が実際にいらしゃって、来る人ごとに挨拶をしていた。

 まあこんなもんかな、とインスタレーションずれしてしまった僕は外に出て別の蔵の前で呑気に娘と記念写真。

               のどかでとても良い日

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 しかしだ!この後その蔵の中にある作品を目の当たりにし、度肝を抜かれる!

                      なんだこれは

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「実存」というアーティストの作品。無数の足がびっしり空間を埋め尽くす。こういう数で攻めてくるものはやっぱインパクトあるよね。これぞビエンナーレの醍醐味。

 この足は壁面に貼ってある人々がそれぞれ作成したものらしく、写真には本人と作品が映っている。すげえプロジェクトだな。

 

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 老若男女に制作を依頼したようで、とにかくいろんな足があって二つと同じないものがないことに人間というものの面白さを垣間見た。

         とりあえず今日はここまで。まだまだ先は長いよ

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とにかく写真を撮りまくって整理・加工がたいへん

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「ボバ・フェット」の予告編とディズニープラスがなんかすげえ

 つい先日ディズニープラスで配信される「ボバ・フェット」の予告編が流れた。

www.youtube.com

 予告編のド頭に登場するのがいきなりクモの形をしたボマー・モンクであるあたり、相変わらずのプロデューサー兼監督のジョン・ファブローからのSWファンへの目配せが感じられる。

 「マンダロリアン」で復活し、ロバート・ロドリゲス監督回では派手な立ち回りを演じファンの喝采を浴びたボバだが、満を持してのシリーズ開始だ。マンダロリアンの満足度が非常に高かったので今回も予告を見た時点ですでに期待値が上がるのだが、僕がまず思ったのは

 テムエラ・モリソン、痩せたじゃん!がんばったな!

だった。

 一応知らない方のために書いておくと、テムエラはボバを演じている俳優です。そもそもボバに興味がない人からすればどうでもよい話なのだが、ボバ・フェットとはもともとは凄腕のバウンティハンターであるジャンゴ・フェットの純粋なクローンで、ジャン後に小さいころから様々な戦いのスキルを仕込まれた生粋の殺し屋でもある。そうしてSWエピソード2「クローンの攻撃」でそのジャンゴを演じたテムエラがそのままボバを演じているのだ。まあ当然と言えば当然か。

 ただ、「マンダロリアン」でボバが復活したのはよいが、多くの人はある違和感を感じていたのではないだろうか。それはなにかというと

「ボバ、そんなにハラ出てないでしょ」

という違和感だ。

 

 「帝国の逆襲」で初登場したボバを見れはわかるのだけれど、むしろボバの体形はきゃしゃといってもよいほどで、筋肉粒々のゴリゴリ系というよりは、敏捷さや射撃のpうまさ、そして奸智に長けた賞金稼ぎといったイメージだった。

www.youtube.com

 しかるにマンダロリアンに登場したボバは肥大し、せっかく取り戻したアーマーもパンパンで腹がはみ出し、なんかみっともない感じがしたのだ。憶測だが軍パン系のズボンではなく、スカート状のコスチュームを履いていたのはその体型を隠すためだったのではないのか。

 しかし!今回の予告編を見る限りは、だいぶスマートになっているようだ。テムエラは格好よいボバを演じるために減量に励んだのかな。ああ早く見たいな。

 

 そんでそのディズニープラスだけど、20世紀フォックスの映画を取り込んで、コンテンツか膨大な量になっているではないか。

 僕がアマゾンプライムで購入したグランドブダペストホテルとかエイリアンコヴェナントとか、犬が島とか、全部観られるじゃないですか。なんか損した気分。

 そしてうれしかったのはついに配信でこの「ブラックホール」が観られるようになっていたことだ!

          ディズニーの黒歴史とされていた問題作

     www.youtube.com

 

 この映画についてはかなり昔にこちらの記事で書いていますので、よほど僕のブログに興味がある方だけ読んでください。くだらないです。

四年前だってさ

www.otominarukami.tokyo

 

 それにしてもディズニープラスやアマゾンプライムのすべての作品、一生かかっても観られなさそう。

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読んだ本、これから読む本

 一応「音楽と本」を謳っているので、読んだ本や本に関する最近の出来事をば、記しておきます。

 かなり長い間本棚にあって、しかも読んでいなかった本をようやく消化。

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 「日本の幽霊」は小説ではなく、随筆。民俗学的に伝統的な日本の幽霊を解読しており、「場所に現れる幽霊」と「人を目指す幽霊」などと考察していた。こういうのって結構僕途中で飽きる傾向があるのだけれど、不思議と最後まで読み通した。でももうほぼ内容を覚えていない・・・。

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 「交歓」は倉橋由美子の円熟の筆致が味わえる佳作。主人公は夫を失った40がらみの「桂子さん」。ただ倉橋由美子なので自然主義的な悲壮な作品ではない。そもそも桂子さんは親から譲り受けた出版社を経営する美人である。ハイソサエティの人で、生活には困らない優雅な生活を送っている人である。そうして多くの知的な会話を交わすことができる人々と様々な交流を通して「歓び」を交わしてゆく。最終的には将来は首相クラスを目指す有能な金持ちの男性と交歓し、一緒にその人とお風呂に入っておしまい。変な終わり方。

 会話の端々に文学的ペダンティズムが散りばめられており、読者を試す。特に漢詩漢文学に関する会話が多く、興味がないとつまらないだろう。しかし逆に知っていれば理解がより深まるという面白さがこの小説にはある。例えば広瀬淡窓の「桂林荘雑詠」が出てくるけれども、この「桂」の字に関しての桂子さんとの共通点が語られたりする。

 そんで今ウィキで倉橋由美子を調べたら、「桂子さんシリーズ」「桂子さんの物語」と称される筆者の他の作品群があることを知った。『ポポイ』『シュンポシオン』などがそうらしいが、僕どちらも持っていて、しかも読んだが全然知らんかった。後で読み直そう。『アマノン国往還記』も持っているのだけど、幻想色が強く、なんか途中でやめちゃった記憶がある。

 倉橋由美子は初期の『蠍たち』とか『悪い夏』・『雑人撲滅週間』みたいなアンモラルで残酷な作品が好きだったけど、中期・後期の作品も味わいがあってよろしいです。

 

                次の二冊。

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 いつ読もうかと思っていた『芭蕉』は少年少女向けに書かれた分かりやすい内容であっという間に読めた。芭蕉忍者説とか怪しげな話もあるが、実際はこの中に描かれたひたすらに自らの道を究め、旅にさすらう姿が本当の芭蕉に近いのだろう。そういえば昔

           行く春や鳥啼き魚の目は泪

の解釈に関して考えたことがあった。特に「魚の目は泪(なみだ)」の部分は、よく「泳いでいる魚が泣いているのだ」みたいに解されていてどうも腑に落ちなかったのだけど誰かの本で「芭蕉が出立前に食べた白魚の目の潤みをみて泪にした」という説がしっくりきたことを思い出した。

 水上勉の『男色』(だんじき)はもうかなり前に買ったと思うのだけど、本棚の上の方にあって忘れていたのをふと見つけて取り出したのだ。まず昔の本は装丁がいいね。

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 僕はあまりに著作の多いこの作家をそんなに読んだことはない。確か『五番町夕霧楼』『霧と影』『越後つついし親不知』くらいだろうか。特に『越後つついし~』はあまりに悲惨な展開で暗い気分になったことを覚えている。他の小説にもこの作品と同じような展開があって、一体どういうことなのだろうと思った記憶あり。

 『男色』は作者を髣髴とさせる作家が主人公で、彼が博多の街で久しぶりに雅美という20歳ほどの若者と再会するところから始まる。以前はバーテンダーをしていた雅美であるが再会した時には彼はゲイであった。作家は雅美の人生に興味を持ち、雅美が各地を転々とするようになっても彼の店へ足しげく通うようになる。とはいえ作家はノンケであるのでゴリゴリの男色ストーリーではなく、むしろ雅美と、それを取りまくゲイたちの生活に好奇心をそそられていく。

 私小説の体裁をとってはいるが、そこは太宰治のようにフィクションとの境界をあいまいにしているのだろう。ひとはそれぞれに自分の物語があり、それぞれ精一杯生きているということを確認させられる小説だった。

 

 そういえば、江戸川乱歩の貴重な資料が焼けてしまったというニュースが最近あったけれど、奇妙なシンクロニシティでたまたま僕は乱歩の『緑衣の鬼』を読み終えたところだった。これもたまたま本棚に会った乱歩全集からピックアップして読んだのであったけれど、今読んでもトリックのセンスが素晴らしく、犯人は何となく見当がつくものの今読んでも十分に楽しめる怪奇推理小説であった。

 

 さて、仕事場の図書館へふらりと立ち寄った時に、書庫からの放出品が段ボール何箱かで置いてあり、何の気なしに見たところ宝の山だった!とりあえず持てるだけもらってきたのが15冊。

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 風呂で読む本がそろそろなくなって、またブックオフで200円くらいの本をたくさん買おうかなと思っていた矢先、なんという僥倖。

 僕の住んでいる地区の図書館もたまにこういう放出品セールをやっているのだけれど、本当にしょうもないビジネス本とかが中心でなにも得るところがないのだけれど、この度は大豊作だった。太宰治津島佑子の親子で置いてあったり、遠藤周作筒井康隆などメジャーな作家がポンポンあるではないか。

        これなんか買う気にはならないが、ただならもらうよ!

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 さてとりあえず風呂に入る前にひょいと抜いた本はこちら。

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 『御隠居忍法』という秀逸なタイトルであるが、内容も充実。短編の連作であるがそれぞれに関連性がありご隠居(とはいえ40大後半)のスーパーマンっぷりを楽しむとすぐに読めてしまう。風呂で読むにはちょうど良い面白さ。他にもシリーズ化されているようで、ひょっとしたらまた放出されているかもしれないので見に行こう。

 

 ようやく二度目のワクチン接種が終わったのですが、なんとなくだるい(熱はナシ)のでここまでです。これが副反応か。一回目は大丈夫だったんだけどなあ。

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手作りダースベイダー

 一か月ぶりくらいの更新になりますが、死んだとか思われてませんかね。思わないか。

 

 時期的にハロウィンでありますが、僕、最近とあるごく小規模なハロウィンイベントに参加しました。子供相手のお菓子を配ったりするタイプのホントにささやかなパーティ(というほどのものですらない)という程度のものです。

 

 主催側に僕はいたのだけれど、各人でブースを作り、そこで何かしらのゲーム的なものをやってからお菓子を子供にあげるとう企画です。そんでせっかくそういうことをするなら何か仮装するだろ、と考え、まず最初に思い浮かんだのは家に放置したまま、ホコリをかぶっているダースベイダーのマスクだった。

 

 しかし、ただマスクをかぶってお菓子を上げるのはつまらないので、それなりの準備をすることにした。それなりの準備というのは段ボールを加工し、それらしいコスチュームを作ってしまおぅということです。

 数日前からゾゾタウンの黒い段ボールを使い、胸当てやベルトをグルーガンやガムテープで作成。もうそれは夢中になってやったのでした。そうして天井裏に転がっていた対象年齢3歳以上のベイダー専用セイバーや、手袋を装着し、ここにその雄姿をあらわした手作りダースベイダー!

    dont make me destroy you!                       luke,it is your destiny.     

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 どうです、この手作りクオリティ感。僕って暇だなあ!

 気合の入り方が明らかに他のメンバーと違い、違和感バリバリで過ごしております。そんでもって、僕は「ひもくじ」を担当した。ちなみにこのひもくじも、僕が一から手作り。段ボール箱に色々な部品をくっ付けてスターウォーズ感を出した力作です。まあ内容は紐を引っ張ってお菓子をゲットするというものなのだけれども、あーあ、写真撮ってないじゃん!

        かろうじて端っこだけ写っていたひもくじボックス。苦労したのに!

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 タイトルとして「ぎんがていこくひもくじ」というものを掲げ、ハズレの場合はお菓子ではなくキ=アディ=ムンディプロ・クーンといったジェダイのマイナー騎士たちの写真が引っ張られるという、参加者には一切理解不能な仕様です。

       どうしても時間を持て余している人だけ見よう!僕は見ません

  www.youtube.com

 

 しかしこういうのって大抵出オチじゃないですか。

 だから最初は何となくもの珍しがられるけれど、すぐ飽きられるわけ。子供に向かって「私がお前の父親だ!」(「帝国の逆襲」におけるベイダーの有名なセリフ)と言ったところで頭おかしいと思われるだろう。

               いやー、マスク苦しいいいいぃ

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            最終的にはスリッパを履いた、でくのぼう       

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 報告は以上です。

 そうそう、ディズニープラスがすごいことになっている。スターチャンネルというものが加わり、20世紀フォックスの映画が見放題じゃないか。アマゾンプライムで購入したエイリアン・コヴェナントとか、最近レンタルしてまだ観ていないターミネーター・ニュー・フェイトなんかもラインナップしてるではないか。金返せ!100円だけど。

 

PVが二万をちょっと超えたところで止まってます。暇な人は読んでみては!

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