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大人になって作る悲しき雪だるま

 ニュースを見ていると今年の積雪がかなりの量だということが伝わってくるのだが、僕の住む関東平野北部はほとんど雪は降らず、身を削るような風ばかりが吹いている。  

 しかし先日仕事に行こうとして外に出たら、結構な勢いで雪が舞っているじゃん。そうしてみるみるうちに積もってゆき、会社に着くころには10センチほども積もっていた。雪国の人からすればこんなの大したことないだろうが、ここいらに住む人間としては2~3年に一度くらいの積雪なのだ。そんで事業所の前を雪かきしているうちに、「そうだ、久しぶり雪だるま作ろう」

という考えにとらわれてしまった!

 わざわざダイソーで作業用手袋を買い、同僚の若い女の子に手伝ってもらいながら、えっちら雪玉を転がして完成させた雪だるまがこれ!

                  できるだけ顔を気持ち悪く作った

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 大きさからして140センチくらいなのだけれど、何十年ぶりかに作る雪だるまに妙にテンションが上がる僕。これはこれでよいのだけれど何か物足りないな。ということでバケツの帽子を追加。

                雪だるま感アップ

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 思ったよりも大きいものができたのでうれしくて空を飛んでしまいました。

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 事業所の窓から見える日陰に作った雪だるまを見ながら、少年の日の思い出を僕は語る。

 小学校中学年の頃、前夜から降る雪に気分が高揚した僕は学校へ行く前に早起きして、少年なりの力で雪だるまを庭に作ったのだった。

 さてその出来に満足した僕はそのまま朝ご飯を食べるために家に入ったのだが、いつも一緒に登校している隣の家の英ちゃんが雪のため早めに迎えに来てしまった。僕は彼に急いでご飯を食べるから少し待っていてくれという旨を伝え、慌てて朝食をかっこんでいたのだが、突如聞こえてくる「アチョー!」というブルースリーばりの英ちゃんの声!

 まさかと思い庭に出て目の当たりにした、英ちゃんが僕の力作に飛び蹴りを食らわせ、無残に砕け散る僕の雪だるまの頭部は今でも思い出せるステキな少年の日の思い出。

 

 そんなノスタルジーに浸る中年だったが、しばらくすると気温が上がり、日陰に作ったにも関わらず雪だるまの元気がどんどんなくなっていくではないか!

               あーなんかハラいてえ

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                 もう疲れた

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 名作絵本「スノーマン」は少年と雪だるまの一晩の交流を切なく描いた傑作だけれど、中年と気持ち悪い雪だるまの間にファンタジーはなく、ただただ消えゆく人生の残り時間を想起させてなんか悲しい。

                 勘弁して

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久しぶりに記事書いてこれ

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