僕は北関東の片田舎に住んでいる。家の前は崖で、その下には川が流れており、夏は大変涼しく眠ることができる。崖といってもきちんと国土交通省が護岸工事をしてくれたので崩れる心配はない。
どうです、この何もなさ
ただ、そういう工事がされる前は本当にただの崖で(上記の写真の時は工事以前なので草ぼうぼう)、アカシヤの木が伸び、雑草は生え放題で夏になると鬱蒼と茂る草木を大汗かきながら切らなければならなかった。
そういう環境であるからして、植物だけでなく様々な生物が日々生を営んでいた。家を建てた当初はまだ先住民である虫たちの勢力が強く、いろいろな不快な虫が家の中で発見されたことがあった。ムカデなんて何度も大きな奴が出た。妻からメールが来て何かと思えばムカデ出現の報告で、ブルーな気分で帰宅したことも何度もあった。
ハチがやけに飛んでいるなと思うと、ひさしの下に直径10センチくらいのアシナガバチの巣が作られてビックリする。
コオロギが僕の布団の上にいたからという理由で僕の布団がくるくると丸められていたのには笑ったが、ムカデ退治に窮した妻が家の周りに散布する遅効性の殺虫剤を部屋の壁にぶちまけていたのを見たときはさすがに驚愕。粉まみれのムカデの死骸は僕が片付けた。
まあ、この手の話には枚挙にいと間がないのですが、あんまり気持ちのいいものでもないのでやめておきます。そうして、虫だけでなくいろいろな動物も出てくるのです。
数日前には、玄関の柱にアオダイショウが巻きついているという報告を受けた。
蛇は今まで何度も出ており(雀が屋根に巣を毎年作っているのでそれを狙うのだ)、その都度ホウキとかデッキブラシとか高枝バサミで退治してきた僕。家に帰ってみると既にその姿は玄関にはなく、蛇が巻きついていた跡がうっすらと木の丸い柱に残っていた。そして、今日えらい悲鳴がするので飛んでいくと、勝手口のドアにアオダイショウ君がぶら下がっていた。
蛇は家の守り神とか縁起物だなどというけれども、実際こうしょっちゅう出てこられても困るので仕方なく僕は軍手を嵌め、ヘビを鷲掴みにした(箒とかブラシを用意するのも面倒だったので)。一瞬蛇は僕を噛む素振りを見せるが、その首が届かないことを悟ると急におとなしくなった。
僕は蛇を掴んだまま家の前の川に向かって蛇を放り投げた。
アオダイショウはくるくると円盤のように回転し放物線を描いて僕の視界から消え失せた。きっと着水し、スイスイと泳いでいることだろう。
そうそう、家の前の林に鹿を目撃。もうなんでもアリ。何年か前にも夜11頃、僕の車の数十メートル先を大型の動物が二頭横切ってびっくりしたことがあったが、それも鹿だった。人間が動物たちの生活圏を脅かした結果なのだろうか。
タヌキなんかもたまに道路で轢かれていたりするのです。
田舎自慢、おしまい
こちらのお話は少年時代僕が蛇をやっつけた場面が反映されています