最近このオンライン漫画を発見し、よく読んでいる。
全話無料!さあ、イッキ読みしよう
「中年コピーバンド漫画」というキャッチコピーが、10代からバンドを趣味としてきた、現在53になった中年の僕の感性をわしづかみだ!
なんとニッチな漫画だろう。いや、漫画として充分に面白いのだけれど、やはり40歳以上くらいの人間でないとこの漫画のリアルな面白さは伝わらないんじゃないか?さらに言えば、80~90年代にかけておこったバンドブーム、あの時代を体験した世代のみが共感することができるエピソード満載。
まず主人公が45歳のおっさん。地方(おそらく作者が住んでいる新潟県)の家電量販店勤務で、同年代の仲間と80~90年代の日本のバンドを中心にコピーしている。そしてなぜかその主人公に好意を持つ若い女子社員に「どんなバンドやっているんですか」と聞かれ、恥ずかしそうに「パーソンズとか・・・プリプリとか」と答えるのだ。
パーゾンズって若い人どれくらい知ってるのでしょう?
僕がパーソンズを聴くきっかけは、19の時大学のバンドサークルで先輩たちが演奏しているこの曲だった。
元気
このころバリバリのジャパメタ野郎だった僕は、他のジャンルの音楽に対してあまり寛容ではなかったのだけれど、ああ、こういうバンドもいいじゃないか、と思うきっかけの一つになったバンドだったのだ。
先輩にカセットテープにダビングしてもらった2枚のアルバムを、時折聴く程度の思い出だが、彼らについてむしろ印象的なのは当時の友人がくれた
「パーソンズのボーカルのジル、ライブハウスで腹を刺された」
という情報のインパクトだった。本当かどうか知りませんよ!あくまで噂だから。
漫画の話に戻ると、まあ読んでもらった方がてっとり早いのだけれど、あれこの漫画俺が描いたんじゃないよね?みたいな回があるのですよ。
主人公のバンド、「信濃リバーサイド(この名前も超テキトーでいかにもコピーバンドっぽい)」のレパートリーは基本バブル期に流行った日本のバンド、例えば前出のパーソンズやレベッカ、バービーボーイズとかなんだけれど、実はベースの土沼は重度のロックマニアだったりする。
作者、僕の趣味と近いな
当時日本はバンドブームであったが、アメリカや欧州ではニルヴァーナを筆頭にグランジバンドがロックの一時代を築いていたのだ。そして僕もその流れにどっぷりとつかっていた。
この回での土沼はまさに僕だ。女の子に「本当に好きなバンドはなんですか」と聞かれて、「いろいろ好きだから」と言って答えられない。
僕もたまに職場とかでバンドが趣味だということを知られ、どんなのやってるの?とかどんな音楽が好きなの?と聞かれて結局「色々・・・」みたいな抽象的な答えになってしまうことがある。だって極端なこと言えばデスメタルとかテクノとかクラブジャズとか言っても、それほど音楽に興味のない相手の想像力に訴えることってできないじゃないですか。具体的に「カンニバルコープスが・・・とかダットサンズとか・・・デジタリズムとか・・・」とバンド名を挙げても「ふーん、へーすごいね」みたいになるでしょ。こんな僕、偉そうですかね?
しかもバンドやっているというと「すごいね、ロッカーだね!」とかわけのわからない評価をいただくのですよ。ロッカーってなんだ。
だから結局のところ妙なはばかりを出してしまい、「色々聴きます・・・」になっちゃうのよ。
さて、そこでこの漫画。酒の勢いもあり、執拗に好きなバンドを聞かれた土沼は堰を切ったように自分語りを始めるのだ。
ソニック・ユース、スワンズや、ニルヴァーナなどのサブポップ勢から始まり、特に好きなのがマッドハニー!渋い、渋すぎる。グランジバンドはかなり当時流行っていたけれど、僕の周りにマッドハニーとか聴いているやつはいなかったなあ。僕はこの曲が大好きだった。
サビのたったか、たったかというスネアのリズムが新鮮だった
あとはスクリーミング・ツリーズとかいたなあ
こういうのを貼るとそれこそ土沼のようにキリがなくなるんだけど、この後も彼の独白はヒートアップし、スラッシュメタルのバンド、すなわちメタリカ・メガデス・アンスラックスの名前が出て、ミクスチャーバンドへと話は飛ぶ。ジェーンズ・アディクションとか
ギターのデイヴ・ナヴァロはレッチリにも一時在籍してたんだよ!
しまいにはリンボーマニアックスって言いだす。
やたらとカラフルでデカい帽子とかヘンな衣装を着ていた
あのころレッチリを筆頭にミクスチャーロックが全盛で雨後のタケノコのごとくこういうバンドが出てきたもんだ。ほかにもスキャターブレインズとか
リフのクイズ大会みたいな曲
くだらないビデオがたまらなく素敵だったグリーンジェリーだとか
キングオブザヒルとか
レッチリの粗悪コピー品という認識だった
まあキングオブヒルまでは出てこないけれど、土沼の熱い語りに女の子は圧倒される。そして次の話では車の中で・・・まあそれは読んでいただくとして、この回はやはりロック回なのだ。基本この漫画は曲のタイトルがそのままサブタイトルなのだけれど、この回は「The wagon」が冠されている。
「Wagon」つったら、もうダイナソーJrの「ワゴン」に決まっているじゃないか!
現在僕のドラム練習課題曲
ライブバージョンも聴きなよ!
ダイナソー大好き!
ダイナソーJrの最高傑作(と僕は思っている)グリーン・マインドをこれほとフューチャーした漫画がいままであったろうか!いや、ない!これからも!
ぜひ聴きましょう!
現在もこの漫画は連載中で、コロナ渦中でも活動の様子もリアルに描写されている。最近は話が展開していったいどうなってしまうのだろう!?
もう一度貼っておきます。全話無料なのでぜひどうぞ。
ああ、僕も久しぶりに友人と音楽の話をしたいなあ!でもそれができないので思わず今回のような記事を書いたよ!さあドラムの練習でもするかな!
僕は音楽を小説で表現しようとしていた時期がありました