ランダムにYoutubeで変なメタルとか観ていたからか、最近AIが僕にこのビデオを勧めてきた。ああ!もっと早く知りたかったよ!
イントロがゴリゴリのメタルで始まるのに、キャラクターがヒゲのお腹が出たおっさん!しかもヴォーカルはヘタ!
なんだこの面白いおじさんは!曲名が「More metal than you」というのも素晴らしい。歌詞は数々のメタルバンドへのリスペクト(ディオとかメイデンとかレミー、アンヴィルなどチョイスが結構古め)にあふれており、笑ったのは「俺のネコの名マノウォー!」つうフレーズ。伝わりますか?
他にも4:02くらいに、いんちきヒーローのスタイルで「アイムスーパーファッキンメタル(そのあとなんとラムオブザゴッドのギタリスト、マークが同フレーズを絶叫)」というのにも笑ってしまった。
この人はブライアン・ポゼーンという俳優/コメディアンで、メタル系のバンドとの親交もかなり深いようだ。日本での知名度はほぼゼロじゃないですかね。メタルバンドつながりでロブ・ゾンビの傑作映画「デヴィルズ・リジェクト」なんかにも出てるらしいのだが、僕全く覚えてないよ。
そうして次に出てきたビデオを見てたまげた。
何気なくつけたテレビに映る、音だけはメタルだが、明らかにポップである(架空の)バンドのビデオを見て唖然とするブライアン。「お前らはメタルじゃねえ、アホンダラが!」とマイクを取るブライアンの直後に映るギタリストがアンスラックスのスコット・イアンじゃないか!ベースはアーマード・セイントのジョーイ・ヴェラ!ドラマーは多分ホワイト・ゾンビのジョー・テンペスタ(着ているTシャツはHELMET)という豪華すぎる布陣。すげえ人脈!
何やってんのスコット!?僕の知らないところでこんな凄面白いバンドをやっていたのか。ああ、僕の知らないことってまだまだたくさんあるなあ!
曲やビデオ自体はメタルのパロディみたいなところもあって、マジとギャグがないまぜになった不思議な曲に仕上がっている。途中のモッシュパートはおそらく当時大流行りのメタルコアに必ず出てくるいわゆる「ブレイクダウン」のパスティーシュ。足元に散らばったコインを集めるのにキッズが必死だ。そして唐突に挿入されるメタルを馬鹿にする父親と息子のショートコントを挟んだのち、ギターソロのパートではソロを弾くギタリストの姿を一切映さず、たるんだ腹丸出しで暴れるブライアンの姿に、ザクザクというスコットの16分音符のカッティングをインサートで映し続けるというバカバカしさ。
色々調べたらブライアンはストーナーロックの雄、Red fangのビデオにも店員役で出てたりした。
ビデオ制作費無駄遣いの極み
こんな素敵なおじやんのアルバムを買うしかねえ!すぐにアマゾンで注文したぜ!
僕はCDを280円で買えましたが現在は3399円からとなっております。得した!(何が)
さて10年も前にこんな面白いことをしていたブライアン、なんと去年再び錚々たるメンバーでアルバムを作っていた!
スリップノットのコリィも参加
そんでもってこんな曲やってる
いわずと知れたA-haの大ヒット曲をアホみたいな解釈でカバー。しかも参加ヴォーカリストはエクソダスのスティーヴ・ゼトロサウザー!ソロの後に一発で彼だと解るあのダミ声を披露してくれている。つうか、曲終わりとか絶叫とツーバスとギターフレーズの嵐で混沌として終わる。なんかスゲエ!
そして極めつけはこの「New music sucks!」
具体的に何組かのアーティストを名指しでディスり、ニュー・ミュージックは最悪だぜ!とサビで連呼。あんまりしつこいんで笑ってしまう。そこまで言うか!そして過去の有名なMVのパロディを散りばめ、アルヤンコビックまで引っ張り出して悪ノリ。
別に音楽は個人の好みの問題なんだからいーじゃないか、とも思うのだけど、それをあえて今風のトラックとヴォーカル(一瞬ヴォコーダーで声を変えるあの手法)で訴えてくる。なんという幼児性。最高。最後にはフォールアウトボーイのジョーが出てきて会話をした直後、結局メタルになるっつう身も蓋もないエンディングを迎える。さすがのモアメタルザンユー野郎だ。
自覚的・確信犯的なパロディをしているところはなんか岡崎体育みたいだとも思ったね。ちょっと手法は違うけど、スーサイダルテンデンシーズにも「Pop spngs」という曲があったっけ。
すぐにスラッシュ化するけど
去年7月、コロナ真っ最中に作られたビデオではズームあるある(あの丸がクルクルと回ってイライラさせられたやつ。途中でフリーズする)が出てくるんだけど、そのフリーズする人物はサウンドガーデンのギタリストのキム。キムの無駄遣い。
スコットがおじいちゃん役
僕もがんばっておじいちゃんになってもメタルを聴き続けたいと思いました。
ペトロフがお亡くなりになったそうです。RIP
ペトロフ僕より若かったのか!