僕に限ることではないだろうけれど、ほとんどの大人たちは何かしらの問題を抱え、毎日を過ごしている。仕事だったり、人間関係であったり、病気であったり。
ここ最近僕は様々なストレスのために(おそらく神経性の)頭痛に悩まされている。医者で薬をもらっても、半日ほどの効果が切れれば再びズキズキとした痛みが頭をもたげるのだ。
薬は対処療法にすぎず、根本的な解決にいたらない。原因とすれば主に仕事関係によるものだ。とにかく寝ても覚めても仕事のことが頭にかかってモヤついてどうにもならない。今もそうだ。いろいろ大変なんすよ。
しかしそうかと言って簡単に「もうやめる!」という訳にもいかない。言いたいけどさ。子供はまだ中1と小学4年生。先が長い!そういう不安やプレッシャーで毎日をやり過ごしている。そういう中でなんとか正気を保つためには現実を一時でも忘れなければ精神衛生上よくないよね。
それでまあ、本を読んだり、映画を見たりするわけですよ。その時、その世界の中だけは自由に居られる。だからこそ、文学や映画には価値がある。
余計な前置きすいません、ホーガンの『巨人たちの星』、続きですよ。

- 作者: ジェイムズ・P・ホーガン,池央耿
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 1983/05/27
- メディア: 文庫
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地球を監視している勢力の報告によってガニメアンの子孫であるテューリアンたちは地球人たちが野蛮な生物であり、いずれは銀河の脅威になると考えた。
そこで話し合いを設けるために国連へとメッセージを送ったのだが、いっこうにはかばかしい返事が得られない。テューリアンたちはこの時点で太陽系をある種のブラックホールで囲み、そこだけを閉じた世界にする計画を発動しようとした。
しかし間一髪でアメリカが木星を介して通信を届けたのである。
その話を聴いていた生物学者のダンチェッカーは言った。
どうやら地球を監視している勢力は地球人とテューリアンの交流を望んでいないようである。むしろ仲違いをさせようとしているようにも見える。とすればその勢力が次に起こす行動は何か。おそらく地球を飛び立ったシャピアロン号の破壊ではないか。それを地球人のせいにすれば決定的だ。
『星を継ぐもの』でダンチェッカーが最初に登場したときは、四角四面で自分の意見を絶対的に押し通すひねくれものとして登場した。しかしハントやガニメアンとの交流を通して彼は変わってゆく。なんだか鼻持ちならないやつだなと思っていた読者はいつの間にか彼が愛すべきキャラクターになっていることに気づく。僕もこのダンチェッカーというキャラクターがお気に入りだ。
さて月ではスェーデンの国連代表であるスヴェレンソンが不穏な行動を起こしていた。たらしこんだ女性通信係を通じて月から信号を送らせたのである。
月基地のソ連国連代表のソブロスキンはこのスヴェレンソンをかなり怪しい人物と睨む。しかも彼はスヴェレンソンがソヴィエトの宇宙通信の権威であるヴェリコフと連絡を取っているのも不審に思う。ソブロスキンはアメリカ国連代表のペイシーと接触し、状況を話し合う。どうやらテューリアンとの友好を望まぬ一派がソ連にいることはここでも明らかになる。そしてその首謀者はヴェリコフである。ペイシーは女性通信係の話からシャピアロン号が破壊されるのではないかという懸念を抱き、ソブロスキンと協力してスヴェレンソンに気づかれないようにハントへ警告する。
ヴェリコフという人物がここで登場するのだが軽く読み飛ばしてしまった僕はあとでこの人物がかなり重要な役回りであることをのちのち気づく。いや、外人の登場人物を把握するのって大変だよね。ましてやSF。
警告を受けたハントはテューリアンにそれを伝えた。早速テューリアンは重量を応用した技術で監視勢力に気づかれることなくシャピアロン号を偽物とすり替えることに成功する。ほどなくテューリアンの技術を介してシャピアロン号のガルースはハント以下の地球人たちと再会し驚愕する。
そしてその直後、月基地の通信施設が何者かに破壊される。これで公式にはテューリアンとの交信は事実上不可能となり、地球監視勢力にとっては非常に有利な運びとなったかに思われた。
それにしても地球を監視する勢力とは何なのか?なぜ地球人とテューリアンの交流を邪魔するのか。テューリアンはなかなかその勢力の正体を明かそうとはしない。謎が謎を呼ぶ『巨人たちの星』。どんどんスケールがでかくなる!続きはまたあした。
面白い小説について、その面白さを伝えるのは大変ですね。伝わってますかね?
PVはぼそぼそ増えて、フォロワーとスターは増えないです