音楽と本

僕のカルチャーセレクトショップ

ヤバくないTシャツ屋さん開店 グラニフ編

 皆さんはTシャツ好きですか。僕は好きです。

 一口にTシャツといったって、色々なものがあるけれど、僕昔から必ず何らかのグラフィックが入っているものしか買わなかった。なんでしょうね、無地とかボーダーとか着る気がしないのです。それはタダの気分なんだろうけれども、そうして20代から50代の現在に至るまで数多くのTシャツを着ては捨て、買っては売ってきた。

 ふと今どのくらい手元にTシャツ持ってんだろうと思って出してみました。

            じゃあん。まあまああった。多分50枚くらい

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 とあるサイトで古着屋で見つけたTシャツを紹介していた方がいたので、僕も自分のTシャツを頼まれもしないのに晒していこうと思います。

 

 さてTシャツはあらゆるブランドから出ていて、それぞれによいものがあるけれど、その中でもTシャツに特化しているブランドが「グラニフ」だ。

www.graniph.com

 ここんちは昔からTシャツに命をかけている。毎シーズンものすごい数のTシャツをリリースし続けています。だから絶対にお気に入りのTシャツが見つかるはず。値段も2000円台からと非常に手ごろなので、お勧めです。では僕の持っているグラニフTを紹介しましょう。

     

ウサギらしきキャラが「Nice places everywhere?」と言っていますよ。

            住めば都って本当か?ってことですかね

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 版画のような素朴なバックにキモかわいいウサギが不思議とマッチ。ウサギモチーフといえばCUNEというブランドがあるけれども、僕そこのTは一枚も持ってないんだな。昔ちょっと買おうかなと思ったこともあったけど、もうこの年では少し無理かなあ。

気になる方はどぞ

store.cune.jp

 

   ロシア語(キリル文字?)らしき文字にのったターゲットマーク

            ベラルーシ?いや違うでしょ

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 なんと書いてあるのか全く分かりません。

 これ、あれだよね、外人が意味不明の日本語や漢字が書かれたTシャツを誇らしげに着ているのと同じじゃないですか。じつはトンでもないことが書かれてたりして。読むと世界が滅びたりして。

 そういえば、昔書いたと思うんだけどね、20年以上前にどっかのフリマで胸にデカデカと「絶対絶命」と書いてあるTシャツを誇らしげに着ているアンちゃんを見たことがあった。日本語のメッセージTってセンス問われるよね。「ネタ」とかでTシャツを買う人もいると思いますが、僕はそれできないなー。つうか、その四字熟語も恥ずかしけりゃこの場合「絶対」の字は「絶体」でしょ!

 

     次はストーリー性のあるやつ。ああ!愛する妻がゾンビに!

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             どーん。めらめら。ずぼっ!

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 基本的に僕こういうちょっとキッチュなイラストとか、ホラーちっくなものが好きですね。以前子供がこれ見て「この人死んでるよ」だって。

 

        動物たちが思い思いの楽器を奏でている。

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        黒×銀のシンプルだけれどアイディア勝負で勝利

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 楽器シリーズTシャツ、好きです。昔ギターのTが欲しくてよく楽天とかアマゾンで「ギター/ロック」みたいなキーワードで検索したっけ。でもダサいのしか出てこなかったりです。

 

      一見ウォーホールかな?と思うけれど違う。

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    ヒステリックグラマーとかでも出てそう。そこそこ着たので色あせがヒドイ

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 ミッキー的な「A」のロゴがおそらくコラボデザインの元を示しているのだろうけれど、僕にはわかりません。

 

  FLUCHTとはドイツ語で「脱出」「逃亡」という意味だそうだ。

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    よく見ると後ろのおやじが手にナイフらしきものを持っているブラック加減がいい

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 僕結構、紫のTシャツ好きなんですよ。合わせるの難しそうで意外にどんなパンツでも違和感がないので皆さんもどうですか。紫ってもともと高貴な色ですもの。

 

    これは去年買ったお気に入り。娘とお出かけするために買いました。

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     白地の素敵なグラフィックTが欲しかったときにドンピシャはまった!
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 これ着てここに出かけたのはもう一年前

 

     オカルトめいた少女たちの周りにいるのはブラックあひる。

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      不気味な雰囲気の一方で頭にトリという間抜けさがいいね

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 なんでしょう、このあともたびたび出てきますが、少しダークでクールなイメージのグラフィックが好みなのですな。こういうので自分の趣味を主張したいのですかね、僕は。

 

  やっぱりゾンビはいいよね。気持ち悪くならない程度のポップさが好き。

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               なんだか猿みたいのもいるけど

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 以上で僕の持ってるグラニフTは全部です。まあまあ持ってたな!

 あと二回くらいヤバくないTシャツ屋さんやります。今日はこれで閉店です。

 

 

相変わらずじわじわと読まれて12000PVいきそう。もっと読んで!

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安く、手っ取り早い娯楽はやはり本。森見登見彦『宵山万華鏡』『有頂天家族』など

 どうも、今年で二回の転職を果たしたなるかみです。

 昨日6月1日づけで新たな職場デビューしたわけですが、いきなりイベントで日曜出勤。初日から準備とか設営とかでまあまあ動きましたよ。新しい年下の同僚に

「最初からこれじゃあイヤになっちゃいませんか」

と言われたけれど

「いや、前職が地獄だったんでこれくらい楽勝!むしろ楽しい!」

と言って笑われた。新しい会社は社員10人に満たないこぢんまりしたところだけれど、働きやすそうだ。いい人そうな人たちで、年下の人ばかりだが。当たり前か。

 前職の同僚たちもいい人だったのだけれど、あまりに仕事の内容がヘヴィメタルで二ヶ月で5キロ痩せるという事実にたった3ヶ月で音を上げた僕です。

 

 今度は頑張って長く勤めたいと思うんだけど、この年(51歳)になるともう、将来に対する不安が頭をもたげてくるよね。

 60歳定年として、正社員で後9年って、正直怖いです。次女は今小6で中学を受験する準備をしている。しかし、僕は給料が高いわけではない。お金足りるの?つうか稼いでいる間はよいとしても、あと10年後、どうなっちゃってるの?

 両親は81で健在、まだうどん屋をやっているがそれとてあと数年持つかどうか。そのとき、どうなちゃってるの?

 

 そして自分が70歳のとき、どうなっちゃっているのだろう?

 テレビとか見ていて、よく食堂のおばちゃんとかが70とかでも元気に働いているのをみて「オレこの年になって働き口あるのか?」などと得体の知れない不安に襲われたりしている。もう今のうちからお金を貯めたってたかが知れてるじゃないですか。

 

 とにかく毎日ぼんやりとした不安を抱えて生きているわけ。20代のあの能天気さは今はもう全くない。誰かがこの小説に価値を見出して、権利を買ってくれませんかね、三千万円くらいでさ。

今、11468PVまで行った。今も毎日読んでくれる人がいるのです。でもそれはタダゆえ


 以前ほどお金もないのでCDとか買ってませんよ。いまだにケミカルの新譜、手に入れてないし。仕方がないのでブックオフで100円本を漁って、日々の無聊を慰めているわけですよ。読書がお金がかからなくて一番よろしい。そうしてこの間買ったのがこの5冊。

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 全部一冊100円。探せばあるもんだ。ハヤカワSF100円のコーナーで目をサラのようにして探した結果、一番左上のホーガンの『造物主の掟』が上手いこと見つかり、さらには数年前に読んだ『ゲイトウェイ』の続編も発見!

 ブックオフって通常あまりハヤカワのSFが100円で充実していることはないのだけれど、今回は掘り出し物があって嬉しい。

 『造物主の掟』はまだプロローグで本格的にストーリーが始まっていません。寝る前の睡眠導入剤としての役割を担ってます。

 『ゲイトウェイ』はヒーチーと呼ばれる異星人が残した、現在も稼動可能な科学的遺跡を発見した人類がそのテクノロジーをなんとか解明しようとするのだけれどさっぱり分からない。特に無数のプログラムされたと思しき宇宙船らしきマシンが無数にあるのだけれど、その行き先や航行時間は全く不明である。政府は命を掛けてそれに乗る人間を募集(無事生還したものは多額の報酬を得られるが、生還率は低い)し、一攫千金を夢見る人々がヒーチーの施設へと集まるのだ。ヒーチーの設定が面白く、続編ではそれがさらに詳しく描かれているらしい。そのうち読みます。

 

 そうしてまず最初に読んだのが森見登見彦氏の宵山万華鏡』。  

   

 例によって京都が舞台のファンタジー

 基本的に森見氏の作品は京都を舞台とし、その地が持つ独特の魅力を元に衒学的な語り口で進んでゆく。その一方でユーモアが根底に流れており、そこに彼が考えた独自の団体が人を煙に撒くような名前で(例えば夜は短し歩けよ乙女『四畳半神話体系』だったら「閨房調査団」とか「図書館警察」とか「詭弁論部」など)が登場し唯一無二の森見ワールドを展開している。これはほぼどの作品にも通低しており、彼の作品のファンならよりその世界観を楽しめるつくりになっている。

 

 こちらの話はまた別の機会に。「先輩」の声が星野源だが、どうかなー。やっぱ浅沼晋太郎がよかったんじゃないの?

     

 

                主人公の基本設定は同じ。出世作

     www.youtube.com

  で、2年前にこんな記事書いてた

 

 こっちは最近の

 

 この『宵山万華鏡』もそういう作品群の一端。今回は「宵山」という祇園祭の一夜に限定して短編が組まれており、それぞれが関わりあって全体を作るという構造になっている。

 『夜は短し~』とか『四畳半~』のようなユーモア溢れる展開の作品もあるのだが、その一方で『きつねのはなし』みたいな怪談めいた話も入っており、それらの作品がバランスをとって配置されているのでなんとも不思議に読後感です。

 特に面白かったのは学生時代の友人に誘われて宵山を歩いていた主人公がいつの間にか不思議な場所に紛れ込んでしまい、それが咎めとなって拉致され「宵山様」に罰を下されるために京都中を引き回される話だ。祭りの雰囲気の中次々と起こる不思議な現象や人物たちに翻弄される主人公の運命はどうなってしまうのか?

 この話が面白いのは次の短編がこの話の裏返しになっているところで、読者は「ああ、なるほど!」と両方の作品を読み比べる楽しみが与えられているのだ。これはよく考えられてるなあ、と感心することしきり。そうして他の物語も幻想と現実が入り混じった円熟の森見ワールドが展開。

 

 いやーさすが。やっぱり森見作品はおもしろいなあ。好き嫌いが分かれるかもしれませんが、一度この世界観にはまると他の作品とのつながりが面白いですよ。

 今は『有頂天家族』を読んでいる最中なのでまたその話はあとで。

映画予告編って最近こんなんなの

 ホントやることないとき、だらだらとYOUTUBEとか見てるじゃないですか。音楽とかお笑いとかも見尽くしてもう見るものないや、となったときふいに映画の予告編とか観るんですよ。そうして最近見たのがこれ。

             もうこの場面でネタばれしてるけど

   

 

 最初は最新のディザスタームービーかと思っていたら、舞台が急に縮小されて個人の邸宅の地下室に。そして娘と親父があたふたしているうちにどうやら洪水に紛れてでっけえワニが襲ってくる映画だということを理解。

 これを観て何がすごかったって、ストーリー全分かりじゃん!ということだった。もうこれ映画見る必要ないなと思ってしまった。

 予告編って本来場面を小出しにして、映画館に足を運ばせるようなものだったと僕は思うんだけど、こんな風に時間軸で編集したらもうストーリー(というかこういう映画にストーリーなんてほぼないけど)分かっちゃうじゃん。

  

 ここに貼りませんが、いくつかの予告編を観てそう思ったものが多かった。

 あと僕の感性が衰えたのか、それともハリウッド映画が飽和しているのか分からないけれどこれ見てえ!っていうのがないんですよ。きっと僕が情報弱者で感性不足なんだろうけれど、それにしても例えばこのターミネーターの期待感の低さはすごい。

           もうさ、いったい何回やり直ししてるんですか?

    www.youtube.com

 おばあちゃんになったサラ・コナーとT800を出されてもさ・・・。最早末期の「猿の惑星」的な匂いが漂っている(ただし予算はありそう)。

 

 そしてこちらの『バットウーマン』もどういう風に見ればよいのでしょう。こちらもある程度ストーリーが分かるんだけど、そこになんだろう昨今の社会的風潮を組んでいるのかレズビアン的なテイストをまぶして異様な雰囲気を予告編から感じる。

              キーラ・ナイトレイが唯一よさそう

     www.youtube.com

 

 観てみなきゃ分からないけどどうにも爆死の予感が漂う上の2作・・・。もう腰の重い僕が映画館にいきたくなるような作品はないのかな、なんて思ってしまう。

 

 皆さんからすればどうでもよいことなんですけど、一時期僕ほとんど映画を観られなくなってしまった時期があって、またその周期に入ってしまったのだろうか。

 そうそう、プライムで往年のゴジラの作品をほとんど観られるんだけどあんまり観る気しない・・・とかいって『メカゴジラの逆襲』とかを早送りで見たりして。とういのもこれが僕が始めて劇場で見たゴジラ映画だったから。確かこれヒロインが機械の体になってメカゴジラを遠隔操作するのだけれど、なぜか改造シーンみたいなところで胸がはだけて、プラスチックのおっぱいとかが出てきて非常に気まずかった(親と観にいったため)という記憶しかない。

 今見てもこの旧メカゴジラのデザインは秀逸

メカゴジラの逆襲

メカゴジラの逆襲

 

 

 とはいえ、「ジョンウィック3」や「ワンスアポンインアメリカ」などは面白そうだ。タランティーノブルース・リーブラッド・ピットを絡ませてる!

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 あとこちらの「CODE8」という映画の予告編、なんとなくワクワクする感じ?ニール・ブロムカンプ(第九地区)の初期を思わせる。

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 この映画はもともとショートフィルムだったものが、資本が付いて映画化したと思われます。モトネタがこちら。

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 ドローンでロボット警官が配達され、超能力を持った連中の犯罪を鎮圧している近未来という設定らしい。ガジェットはよさそうなので、あとはストーリーがどうなるか・・・日本公開とかないですかね、ひょっとして。それこそ「ターミネーター」レベルの面白さを期待したいけれど。

 

 ロボットの警官って前述のブロムカンプ作品だと「エリジウム」とか「チャッピー」とかでも沢山出てくるよね。

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あと、トータルリコールもか。

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 ロボット警官といえば、ハリウッドで言えばロボコップか。

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 最新のCG警官に比べると野暮ったいが、これを見た当時スゲエな!と感動したもんだ。でもこれのルーツをさらにたどると、こうなるよね。

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そうしておそらく大元がこれですかね?

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石ノ森章太郎ってすげえなあ。

 

何ですかね今日の着地点

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コロヨシ!からボディスナッチャー

 昨日の夜、僕の会社の近所の人がえらい勢いで怒鳴り込んできて、すごい怒られた。僕のせいではないのだが、知らない人の怒りを受けてかなりへこみました。

 さて、気分転換。

 

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 三崎亜紀氏の作品を初めて読んだのは『鼓笛隊の襲来』だ。

 

  たしかブックオフで100円で売っていたはずで、そのタイトルと装丁に筒井康隆的なテイストを感じた僕はぱらぱらとめくってその中身をたしかめ、その予感が当たっていることを確信して購入した。確かな筆力の上に現実にはありえない出来事をリアルに語るその筆致に感心したものだ。その後、やはり古本で『となり町戦争』を購入してこの作家が世間的にかなりの高評価を得ていることを知ったのだった。今時文学に無知な僕です。

 これ書いたのもう二年前か・・・

 

 僕はいわゆる文豪たち、つまりは明治~大正~昭和30年代までの作家はかなり読んだのだけれど、ほんと最近の流行や文学の潮流には疎いのだ。

 流行作品や芥川賞をはじめとするそのほかの文学賞作品に興味を持つわけでもなく、むしろブックオフの100円本で自分の感性にあった作品を掘り起こすのが好きなのだ。そうしてそうやって見つけた本はほぼハズレはない。

 今回購入したこちらの『コロヨシ!』『失われた町』も三崎亜紀というブランドを知っていたので迷わなかったのだ。

 この表紙のイメージと中身は違う

 『コロヨシ!』は紹介文から想像するに「掃除」という架空のスポーツを高校生たちが一生懸命に打ち込み、読み手はカタルシスを得るのだろうなと思っていたら全然違ったし。表紙の様子から主人公が女の子かと思ったら「樹」という名の男子生徒だったし。

 そもそもがファンタジーというかSF的なノリをもった不思議な作品だった。この独自の世界観を受け入れられるかどうかで作品の印象も変わるだろう。舞台も「日本」という確固とした国ではなく「この国」とぼかされ、その歴史についても微妙に本来の日本の歴史とはずらされたものなのだ。そして中国や朝鮮半島・台湾などを思わせる「大陸」「居留地」といった独自の土地の設定が抽象性に拍車をかける。

 そういう世界の中で「掃除」はマイナーなスポーツではあるが一方では高度な技術を必要とする歴史のある競技として登場する。何故か「掃除」は高校3年間しか許されない競技となっている。しかし実は主人公の樹は幼少のころから祖父に掃除をレクチャーされその実力は折り紙つきだったのだが、祖父の失踪をきっかけに彼の家では掃除はタブーとされていた。しかし彼は掃除に対しての自らのかかわりを否定できず家族には内緒で掃除部に所属し、そのエースとして活躍している。

 掃除のルールは個人戦団体戦など細かに設定され、箒も「長物」という名で呼ばれる。そうして「塵芥」とよばれる粒子を巧みに操りそれを腰につけた袋に収納していくというのが基本的な競技の流れだ。しかし作品内では掃除は様々な流派があり、中でも「居留地」の掃除は別の潮流として重要な役割を果たす。

 

 まああまり細かく説明するよりは読んだ方がいいのが本なのだけれど、そうそう、読んでいてあれっと思ったのは作者独自の作り上げた文化がその独特の語感によって説明されるシーンだ。当たり前のように「ハンドルマスター」だの「強力誘因剤(ハイポジション)」といった言葉が洪水のようにあふれ、読者を翻弄する。僕は直ぐにこれは僕の大好きなウィリアム・ギヴスンが描くようなSFに近いんじゃないかと思った。余計な解説をせずに、そこにすでに確立した世界として強引に話が進んでいく手法はまさにSFだ。だからこれは高校生を主人公とした青春スポーツ小説である一面を持つ一方でSF的な世界観をもった不思議な作品なのだ。また三崎氏の小説にはつきものの、役所的・官僚的な不条理な機構やシステムもふんだんに登場する。目に見えない力が主人公たちを有無を言わせずに引っ張っていく展開はいかにも三崎イズム!

 取ってつけたように時折登場する人知を超えた美しさを備えた主人公の幼馴染にライトノベル的なノリを感じるのは致し方ないか。しかしそれとは別に居留地出身者としての運命を背負った後輩の女子生徒、高橋偲との淡い交流などがそこに織り交ぜられる。結局幼馴染とか親友である大介との決着が見られないまま話は終わり、読者にその後は委ねられるが、この小説はこういう終わり方がふさわしいなと思った次第ですよ。

 

 この勢いのままもう一冊の『失われた町』も読んだわけ。

 

「失われた町」といえば昔『盗まれた町』を原作とした『SF・ボディスナッチャー』という作品があってそれは二度も映画化されている。

 

高校生から大学生くらいにかけて僕はその映画を見たのだが、とにかく第一作が怖くて慄然としたものだ。

             怖い植物が襲ってくる!マゾーンか!

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 いわゆる侵略モノなんだけれど、ウェルズの『宇宙戦争』とか最近でいえば『バトルシップ』とか『スカイライン』みたいな宇宙人がゴリゴリとパワーで押してくる侵略ではなく、日常からじわじわと迫ってくるタイプのやつだ。SFでもこの手のストーリーは別にこれがオリジナルというわけではなくて、色々な作家、例えばディックなんかもいつの間にか周りの人間がすり替わっているという短編を書いている。『人形使い』もその系統かな。

 映画「SF・ボディスナッチャー」が怖かったのは植物的なエイリアンが人の寝ている間にその人間を繭のような膜に取り込み、まるきりその人物に成りすますというところだった。見た目は同じなのになぜか別人。主人公たちが偶然その繭に取り込まれている最中の血管むき出しの人間を発見するシーンがあって、それが気持ち悪かったっけ。そしてその後町を脱出しようと主人公たちが逃げ回るのだが、そこで人面犬が登場!これはいつも犬と一緒にいた主人公の友人が取り込まれた結果そうなってしまったのだが、もはやギャグでしょ。一時期どこかのメディアでよく取り上げられていた。実際は犬に人のマスクをかぶせただけだが、犬もいい迷惑だよね。

 で、確かエイリアン化した人間は普通の人間を見つけると突如大口を開けて「こおおおおおおおお!」と叫びだすんですよ!そうして追っかけてくる怖さ。ドナルド・サザーランドがヒロインと一緒に逃げ回り、最後ははぐれてしまうのだが、ヒロインは何とか逃れることに成功する。そうしてドナルドを見つけることに成功するのだけれどなんとドナルドが彼女を見た瞬間「こおおおおおおおお!」と叫ぶ絶望感たっぷりのラストは今も鮮明に覚えている。

                この顔!こええ!

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三崎氏の作品関係なくなってしまった。

 

 

 

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ビリー・アイリッシュとか聴いて、もう自分の娘くらいのが作る曲のほうがすごいんだなとか思う

        やけに長いタイトルですが、感想そのまんま。

   

 

いるところにはいるもんだ。やはり若さが新しい音楽を作り出す。基本は打ち込みのベースが曲を引っ張るこのシンプルさ。しかし妙な中毒性。そしてカリスマ。まだ17歳の彼女はこの後どんな作品を生み出すのだろう。思い起こせば例えばビョークも小さい頃から活動してあの現在があるし、こういう人はもう特別な人間としか言いようがないね。

 世界観もいいよね。各方面から注目されているのはこの村上隆とのコラボビデオ見ても分かる。蜘蛛がアイコンとか。

         村上度が途中から上がるけれど、曲がそれに負けていない!

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 現在お金がなくて買えないので誰か僕に買ってプレゼントしてください 

   

 

プライムで一曲聴けるよ。


          なんだろうね、久しぶりにベックとか

    

           ポーティスヘッドとかを

    

    

 

20年位前に初めて聴いたインパクトに近いものはある。ただし、僕はもう感性がある程度衰えているだろうし、沢山の音楽を聴いてきたので、前述の彼らのほうが衝撃はでかかった。

 それでも彼女の音楽は一時期猛烈に流行ったダブステップとか、スクリレックスみたいな、これでもか!と隙間に音を詰め込んだ方法論とはまるきり逆のものだろう。とはいえスクリレックスはすぐアルバム買ったな。

      かっこいいよね。最近はもうこういう音は出してないけど

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  これはこれですごい。あと宇多田ヒカルとかヨシキとか日本のアーティストと沢山競演してるね

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  純粋なヒップホップは僕にとって敷居が高いが、そのエッセンスや方法論はやはり新しい音楽を作るうえで不可欠な現代、彼女のような自由なアーティストは本当に見ていて気持ちがいい。なんというか、嫌味がないというかね。

       この娘が全米一位なのだから、アメリカの音楽シーンは面白い

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 ところで僕の下の娘は最近突然スペイン語を話し始めてなんだなんだ?!と思ったら映画「リメンバー・ミー」にドハまりしてその結果スペイン語に興味を持ち、NHKの「旅するスペイン語」とか見はじめたそうだ。そして中高一貫校を受験するためにスゲエ勉強しているんですよ。きっと僕より地球温暖化とか時事問題に詳しい。

 現代って情報が溢れているから上手くその情報を自分なりに咀嚼することができればビリーのようなアーティストとして登場できるのだろう。ウチの娘もひとかどの何かになって僕を楽させてくれないかなあ・・・。

 

 さて、久しぶりに音楽の話なのでもう少し。以前この記事で紹介したインド産メタルの新曲が出てますよ。

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        まあ、曲調は以前のアリアリアリ!と似通ってるけどね

  

 インドといえば、最近見た「内村さまぁ~ず」の鳥居みゆきの回がぶっ飛んでいた

 鳥居みゆきの回って毎回ハズシがないんだけれど、とうとうここまできたか!というレベルに到達。なんだかすごいですよ。好き嫌いは分かれるかもしれないけれど。

 

 あと、精神的につらかったここ3ヶ月、僕はあまり音楽を聴くような気分ではなかったのだけれど、なぜかジャック・ジョンソンだけが心に染みてよく聴いていた。

              特にこの曲は本当に何度も聴いて心洗われた

    

 Bメロからサビに入る展開が絶妙で何度も「ノーゥイング!」と歌いたくなる。

 これは本当に名盤

 

今日は思いのまま書いてしまった。こういう記事久しぶり。

 

 

仕事の引止めがすごい

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 なんかエクソシストみたいだね

 

邑楽のダークタワーにさよなら

 相変わらず地方に忽然と現れたダークタワーにとどまる僕ら。実はこのタワーここで終わりじゃなかった。何と更なる高みを目指すことが出来るのだ!

               冬はさみーだろうなあ

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 ということで今度は階段を上って屋上へと向かいます。

     「ドーン・オブ・ザ・デッド(ゾンビ)」にこんな場所出てきたなあ

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    妄想のゾンビたちを振り切って屋上へとたどり着く僕ら。

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 まあまあ気持ちがいいです。でも、実際ちょっと高いところに視点が移動しただけで大きな感動はなし。東京タワーを上った方ならわかるかな、あそこって展望台が二つあって上の展望台に行くにはさらにお金を払うんですよ。そうして行ってみると思いの他狭くて、もちろんそれなりの見晴らしなのだけれど「一回行ったらもういいかな」くらいの感想。でもやっぱりせっかく行ったんだから行こうよ、ってなるよね。あの時の感じに近いかな・・・。

             二分位いたから、もういいか

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           あと、変なポスター発見。

             スワンジャーだってさ

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 「通勤?通学?いやパトロールだよ。」って誰だお前たち!一人なんか顔が出てますよ!このユニットは怪しい!肝心のスワンジャー、正面向いてないし。

      実際こんなんいたら引くよね。猫みたいな被り物はひょっとして悪役?

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 「人材派遣のナイスサービス」という広告が妙な違和感をかもし出してシュール。

 地方ってご当地ヒーローとか色々いるけれど、群馬と言えば「G―FIVE」というつわものがいる。

HPの雰囲気がいかにも一昔前の感じ

 何がすごいって彼らは自前の番組まで持っていたのだ。一度YOUTUBEで見たのだけれど、変身前のルックスとか、明らかに一般人でオーラなし。しかも何故か番組の最後にマジックを披露するというカオスっぷりだった。最近も活動しているのだろうか。まあいいや。

 

 さてさすがに飽きてきたので下に降りるか、と思いふと最後に窓の外の風景を確かめてみるとなんだあれ!ミステリーサークルか!?ひょっとして宇宙人の手がこの邑楽町に伸びているのじゃないか!?

                 何らかの不思議な力?

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    その瞬間、僕は謎の力に引っ張られ強制的にこの場を退場!

 

        うわー!フォーガットンじゃないんだから!

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          着いたところはツチノコ市場―!

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 ※独りよがりにマイナー映画や曲の歌詞を引用していますが、気になる方はスマホで検索してください。世の中には色々な事柄があふれている。

 

 最後に娘とアイスをほおばりながら3月以来、色々あった自分の人生の激変期に思いを馳せました。

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              薫風に吹かれ思いを新たにす

 

          娘と食す皐月のアイス、チョコのプレート硬し

    

 

                            なるかみ音海

 

 

          このモナカのチョコプレート、異様に硬かったのです

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いつの間にやら11,000PV突破。だからってどうにもならん

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ダークタワーにイン

 前回までのあらすじ

 群馬県邑楽町というところにあるダークタワーを制圧するため現地に向かったなるかみ父娘は、かの地でけさらんぱさらんを見つけたものの、不思議な力によって強制的に空間移動させられてしまうのであった・・・

 

          つって結局ここに来るんですけど。

           さあ、いよいよタワーを制圧するよ

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 まずは第一の門を突破する。なにやら古めかしい立て札があるのだ。

         なになに、このはしわたるべからず・・

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        もとい、ミニショップの告知だった。いつの作品だ!

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 そんなの関係ねえ!そんなの関係ねえ!と連呼しながらタワーに向かう我々です。

                  娘の脚力に敵わない

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 ここがその入り口。ケルベロスがいると思ったが思いのほか無防備。

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   その代わり、一角獣がいた。確か「つのうま」という名訳語があったはず

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 例の立て札で告知されていたショップがこちら。おそらく地元の方が丹精こめて作られたのだろう、素朴な作品が並べられていた。

    まあ、買わないんですけど       これは逆に買えばよかった。でも何に使うの?

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 アートすれすれの作品をかろうじてスルーしたその先では100万円を払えという門番との対決!バンド名しりとりで圧勝し、入場料を見事100円にまけさせて通過!

 注意すべきはエレベーターの表示板!皆さん、これにだまされちゃいけませんよ!

            え、こんなにフロアがあるの?

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写真はボケ気味ですが、実はフロアは1と2しかないのだ。じゃ、その間の表示は何かというと、よく見りゃ5M、10M、15M・・・と高さ表示なのだ!その数字必要?

                      何か悲しい

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 エレベーター内にはなぜかスカイツリーの高さと比較する表示が。いや、太刀打ちできるレベルじゃないでしょ!

         スカイツリー634m、邑楽タワー56.m

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 さて、いよいよ塔を制圧するときが来たよ!いざ降りん!

               はいつきましたー

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 そこには魔法使いも、ドルアーガもいない。予想どおりの眺めがあるだけだった。

                  でも悪くはないですよ

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         しばし邑楽のグルーヴをご堪能ください。

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           人がゴミのようだ、というほどではない

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            気持ちはよさそうだけど池の周りを巡る気力と体力はゼロ!

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          赤城山?           駐車場では全国陶器市が進行中

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 そうしてふと気付くと、このような挑戦的なパネルがある。天気のよい日は望遠鏡を通して富士山やそのほかの建物が見えるらしい。

                 スカイツリーを意識しすぎ

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            ようし、見てやろうじゃないか!

                    へんな格好

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     見えねえ!だってお金入れてないもーん!

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 スリラーもどきを踊っている場合じゃないデショ。ちなみにこのフロアに昇るには100万円を払わなければならないので、比較的このように恥ずかしめの写真を撮っても見咎められることはほぼないです。

 

                あーもう秋田ー!

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 大体いつもこうなるよね。田舎町の風景を見ても、そんなに面白くはないです。そうそう、双眼鏡や望遠レンズつきのカメラの持ち込みは禁止だそうです。覗き防止の意味だろうけど、そんなことする人いる?中学生男子が気になるあの娘の家を見るくらいじゃないの?

              おとうさんはもう寝るわ

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 タワー制圧完了。しかし実はこのタワー、さらなるポテンシャルを秘めていたのだ。それはまた次回で。

 

 そうそう、ここ数回のどうかしていた僕の記事は、もしかしたらの支障を考えてお蔵入りにしました。読んでも誰も面白くないし。面白記事だけ書きたい。

 

久々にYOUTUBEを観まくっていたら、すごかった頃のメタリカの「ブラッケンド」に感動

    www.youtube.com

 

 

 

あと面白いと僕が思っている小説と

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