最近お風呂で『源氏物語』を読んでいます。難しい!でも注釈と訳がついているので、なんとなくは理解できる。今「玉鬘」のあたりを読んでいるのだけれど、この前後の源氏のクズっぷりがすごくて面白い。女性問題が元となって宮廷を追われ、明石に隠遁し、その先で明石の君という女性と娘をなして、ようやく都に帰って正妻である紫の上と再会した喜びもつかの間、朝顔の君、斎宮の女御などとあちらこちらの女性に興味を示しては紫の上に睨まれる。
源氏はスーパーマンではあるけれど、全ての女性に受け入れられるわけでもなく、結構落ち込んだりするのも面白い。源氏物語ってやっぱオモロー!
さて京都に風俗博物館と言うところがある。この名前どうも変な誤解を受けそうだけれど、平安時代の風俗を展示しているという意味での命名。
風俗博物館
ここの展示は非常に良くできており、一度は訪れたいと思っているのだけど、いかん簡単に京都なんて行けない。
そんな風に思っていた十年くらい前、ふと新聞に入っていたミニコミの広告にこの風俗博物館の出張展示があるという告知を発見。場所は群馬県立絹の里というところらしい。
なんか田舎の住宅地の真ん中にあってえらいわかりにくかった。この博物館は群馬県の発展を支えた絹産業を紹介するためのものらしいが、入場料二百円で元とれてんのだろうか?と思うくらいの空きっぷりだった。
開館してすぐだったので誰もいないかと思いきや、年配の人々の団体が蚕についての説明を受けていた。なんだこれ。その団体をよそ目にメインの展示会場へと移動。それほど広くない会場にこのような展示があったよ。まずは源氏の六条院で蹴鞠を楽しむ貴族たち。
人形が可愛い
「若菜 上」より夕霧と柏木が女三宮を垣間見る場面
十二単と衣冠束帯の展示
楽しい。その前で記念写真をする41歳の僕。もう十年近く前!
この展示場、最後に女房衣装を試着できるコーナーがあり、そのときも60がらみのおばちゃんが一人!で装束を着ていて少々びっくりしたのだが、さらにその人に写メを頼まれた。どうにかして衣装を着た姿を撮りたかったらしい。でも一人だからどうにもならなかったところへ僕登場。何枚か撮ってあげました。その後、妻が着ました。
十二単ではないが貴重な体験である。しかし、このスペースには女房装束しかおいておらず少しつまらなく思っていたところ、妻が「男の方で装束を着たい方は受付へお申し込み下さい」というちいちゃな注意書きを発見。すぐに受付へ飛んで着付けをお願いする。
男子の方は狩衣(かりぎぬ。貴族の普段着)が用意されており、なんと二人がかりで着付けをしてもらう。
その結果がこれ
ルックス的に鬚黒の大将のおもむき
でも髭黒の対象は源氏物語中一番との美人とも噂される玉鬘と結婚!しかし前妻がおり、ヒステリーになった妻に頭から炭櫃の灰をかけられ
「灰かぶりの大将!」
とケラケラ笑われ玉鬘のもとへと行けなくなるわびしいエピソードあり。
そして妻の北の方は子供たちを連れて家を出てしまう。あはれあはれ
これを着ていたらちょうど先ほどの蚕の団体がやってきて皆にジロジロ見られて恥ずかしいやら。しまいには全然知らない人に写真撮られた。でもいい経験ですよ。いつか京都の風俗博物館に行きますよ。
源氏物語にもわずかに言及