群馬県立自然史博物館でトランドーシャンに遭遇し、その不思議な言語の力で一時的に記憶喪失に陥った僕でしたが、ふと傍らから聞こえる「ピューイ、ピューイ」という声で我に返りました。
あ!ピー助!
懐かしや。小学校高学年の頃に見たオリジナルの「のび太の恐竜」ではないか。ピー助のモデルはフタバスズキリュウという日本の素人発掘家鈴木さんが発見した首長竜だったっけ。当初「のび太の恐竜」ってコミックス版ではピー助を泣く泣く白亜紀だかに置き去りにして終わり、しんみりしたところでジャイアンたちに「鼻でスパゲッティ食え!」と強制されるいうオチだった。情緒なし。
そうそう、スパゲッティといえば僕の小学校で給食にそれが出たときに、ある友人が笑わされてむせてしまい、鼻からスパゲッテイを放出したことがあった。そうして付いたあだ名が「ゲッティ」だった。嫌だねどうも。
のび太の恐竜に戻ると初の映画化ということでこのお話を膨らましたわけですが、コロコロコミックで長編連載された時のワクワク感といったらなかった。あの頃は貪るようにドラえもん見てたもんなあ。大人になってもコロコロは読み続けるぞ!という変な誓いを立てた小6の僕だったが、中学生になってあっさり購入をやめたっけ。
僕はその後藤子F不二雄作品はほとんど読まなかったけれど、妻が何故かマイナー藤子作品を持っており「SF短編集」とか「TPぼん」とか「エスパー魔美」を小5の娘がよく読んでおります。「ミノタウロスの皿」とかかなり衝撃的だけど大丈夫だったのだろうか。
小学生の頃読んだ漫画、知らずに読むとえらいトラウマになったりするじゃないですか。例えば「漂流教室」とかを偶然見てしまったり。
廊下で友人が黒い物体に食われて骨になるシーン?がそれ
いとこの家だったかな、たまたま手塚治虫の短編集があって、タイトルすら忘れたんだけど確かエジプトで生贄になる女性が殺される間際神に祈ると10年間だけ日本人として生きられるようになるっていう話があった。
彼女は日本人男性と結婚し、子供も生まれ幸せの絶頂でまた生贄の状態に引き戻され、直後に首をはねられるというものすごいショッキングな結末だった。小学生の僕は独りいとこの家でこの話を読んで戦慄していた。
ここまで自然史博物館一切関係なし!
戻りましょう。巨大な恐竜の足!どうやって支えたのか?自重で潰れないの?
「スラズモサウルス」だっけ?
階段の下の一角にはミニシアターがあり、ミズビーなるキャラが尾瀬をご案内してくれるらしい。しかし結構疲れたし、面倒なので割愛。見ればよかったかな。このお姉さんは一生このキャラを背負って生きていくわけだね。
逆に見ればよかったかな
うわー!いきなりここで尾瀬に到着!空気が美味しいなあ!
どうです、みなさん!この美しい尾瀬のパノラマは!
おとうさん、パネルの継ぎ目でバレバレだよ
ちくしょー!すぐバレた!お前のせいだ!
僕、この時多少頭がおかしくなったらしい。まだ紫の毒が回っているようです。おや、向こうにも戦うべき相手を発見!
わーわーわーわー
「おとうさん、くまを崇めているようにしか見えないよ」
小5の娘が「崇める」という語彙を持っていることに少々驚きつつ、ダーウィンの部屋なる場所へと移動しました。僕としてはくまにのど輪をカマしているつもりだったのだけどなあ。
さて、私は誰でしょう?
ダーウィン!と思うでしょ。
ブブー!
正解は「チャーリー」だそうです。
彼はチャールズ・ダーウィンにあやかってチャーリーという名前になったそうです。もうダーウィンでいいじゃん。
このロボット、普段は一ミリたりとも動かないのですが、センサーで人の動きを感知するやいなやすぐにしゃべりだします。だから、子供が走り抜けただけでも
「チャーリーの部屋へようこそ」
などと虚しく彼の声がこの場所へこだまする。
こちらはその先にあるはく製部屋。数多くの動物たちが不気味に佇んでいる。でもこれ、国立博物館の最上階のはく製パラダイスに比べれば少ない。国立博物館のあの展示は圧倒的ですので、動物のはく製に興味がある方はぜひご覧になったほうがいいです。
これ確か恐竜の大腿骨のレプリカ。実際に触ることができる
チャーリーからの切実なお願いが貼ってあった
まあ、彼の願いも虚しく木クズが結構ぶちまけられてました。
まだまだあります