音楽と本

僕のカルチャーセレクトショップ

CODE ORANGE おそるべき子供たち

みなさーん、知ってますか、CODE ORANGE。

 

Forever

Forever

 

 

 僕は5日前に知りました。いつものようにYOUTUBEサーフィンをしていると、この曲に当たったのだった。僕は少しでもサムネイルで気になるバンドがあるとチェックするように心がけているのだ。それでいくつもの素晴らしいバンドと出会えたから。

 で、今回も素晴らしい出会いでした。

 

     www.youtube.com

 

 この曲は女の子が歌っているのだけれど、ほかの曲はドラムが歌っていたり、サンプラーやそのほかノイズを絡めており、若い子達の創作意欲が爆発している。

 

             もう一曲。こちらはかなり激しめ。

 

     www.youtube.com

 

       ゴンゴンゴンゴンキュー!でんでんでんでんでん!

 音が低っ!なんだろう、ストーナーロックの感じもするし、KORNの音にも近いし、途中でスピードメタルにもなるし。要するに、若さだけが作れる音楽なのだ。だって、彼らまだ20歳そこそこらしい。アマゾンのレビューをまだ誰もつけていなかったのであまり知られていないようだ。すでに3枚アルバムを出しているようだけれど、僕が買ったのは一番最近のアルバムだ。

 1500円という値段に30分くらい躊躇した挙句、購入。昔なら即購入だったけど、今の時代、アマゾンプライムで聴き放題の曲はたくさんあるし(BANDーMAIDもすでにあった!)ストリーミングで聴く手段もたくさんある。相対的に音楽の価値が下がってきているのは確かだ。昔なら一枚のレコードを大事に何度も聴いたものだったなあ。でも僕はやっぱりCDで音楽を聴きたい。

 

 とにかくプライムですぐ次の日に届いたよ。・・・・まあ、良かったけど、買わなくてもよかったかなという思いが一瞬頭をよぎる。これなら1円CDが5枚買えた、などとケチ臭く思ってしまう自分の思考に嫌気がさす。

 

 あとどうでもいいおまけの話です。

 

 以前こちらの記事で僕の曲を発表したときに、

 

otominarukami.hatenablog.com

 

 「いじめないで」という曲のモデルとなったヒサシ(仮名)という後輩の話を書いた。彼はどこか人をイラつかせるところがあるがなんとなく憎めないやつで、僕の所属していたバンドサークルの中でしぶどく生き残り(今にして思えばかなり閉鎖的なサークルだった。だからすぐにやめてしまう後輩も多かった。その一方、溶け込んだ人間は、お互い強く結びついて今でも交流がある)、ヒサシツマンネーヨ!と毎日罵られながらも、 苦笑いの表情で毎日を僕らと過ごしていた。 

 

 さて、ヒサシは頭はいいくせに(偏差値70くらいあった。でもその後道を踏み誤りギター職人になってやめてみたりとか、右腕肩に小さな刺青を入れたりとか、人生いろいろ。)、たまにこちらの思いもよらない行動を起こす人物であった。その中でも最も僕らを驚かせ、かつ笑わせたのはバレンタインチョコレート自作事件だ。

  いつの間にかヒサシは僕らのサークルのたまり場である大学の食堂のレジの女の子に恋をして、密かにその子に猛アタックをかけていたらしい。しかしレスポンスは芳しくなく、ヒサシに嫌気がさしたのか、それとも前々からの予定だったのかは知らないが実家の富山に帰省してしまった。そこでヒサシ、何を思ったかバレンタインデーに合わせてチョコレートを手作りし、2月14日にわざわざ富山のその娘の実家まで届けに行ったというのだ!

 ストーカーか!なんだその行動力は。意味不明すぎる。気持ち悪い。

 とにかくその話を聞いた僕らはしばらく騒然としたものだ。 当然、受け取ってはもらえなかったらしい。あたりまえだ。

 

 さて、その後。僕がMTRで曲をばんばん作ってみんなに披露し、バンドでやっているのを見て、ヒサシもMTRを購入した。

 そうして最初に作った曲が「バレンタイン・デー」という曲だった。確かこんな歌詞。

 

    天気がよく気持ちがいいー  朝起きて布団を干すー  

    今日はバレンタインデー   だけど僕には関係ない

    突然電話がなる  僕にチョコレートを渡したいという娘からだった 

    ヒゲを剃って ジャケットを着る どんな子かよく覚えていない

 

    甘い甘いチョコーレート 君の作ったチョコレート

    うれしかった おいしかったよー

    甘い甘いチョコレート 僕の作ったチョコレート

    好きだと言ってきたのは 君の方だぜー

 

 僕の曲だって大したことはないけれど、どんなに贔屓目に聞いてもヒドイ曲、演奏だった。曲調はなんだか「贈る言葉」をハードロック調にした感じだった。歌もド下手だったし。テープが残っていないのが非常に悔やまれる。今年、年末にひょっとしたら会うかもしれないからそこで聞いてみよっかなー。

 この曲が公開されるや、サークルは一大センセーションが巻き起こった!さっそくコピーするもの、日常的に「甘い甘いチョコレート」と歌いだす者。ヒサシはそれでもなんだかうれしそうだったよ。

 

 さて、その数年後彼はなぜかその頭脳を生かすことなく、僕より3世代くらい下の後輩たちとKORNみたいなバンドを始め、その活動に没頭し始めた。当時池袋に住んでいたヒサシの家にサークルの仲間と遊びに行ったとき、そのバンドのライヴを観せてもらった。

 その中でドラムが叩きながらヴォーカルをとっている曲があったのだが、ツテツテと鳴るツービートに合わせて何やら短い言葉を叫んでいる。

 「ねえ、これなんて歌っているの?」

 とヒサシに尋ねると彼はプリンターで印刷された歌詞カードを取り出して見せてくれた。

 確か内容は核や核戦争の恐ろしさを歌ったよくあるメタル系の歌詞だった。でも日本語。おそらくドイツのスラッシュメタルバンド、ソドムの「ヌクリアー・ウィンター」に影響を受けたようだ。ただ、作詞したドラムの男に作詞のセンスがほとんどなかったからか、その歌詞カードには四字熟語が整然と並んでいた。

 

            地上破壊  人類絶滅 

            巨大爆弾  威力絶大

            阿鼻叫喚  後悔無駄

 ・・・みたいな感じだった。お経か。

この時点で「なんだこりゃ」という印象であるが、次の歌詞はもっと何だこりゃだった。

           学術名目   兵器開発

 ???なにこれ。つまりは研究目的で開発された技術が殺戮に用いられていることを表現したいのだろうか。学術名目って。助詞が抜けているのでそう補って考えるしかない。

 あんまり間抜けな歌詞なので実際にその曲のライヴ映像と照らし合わせてみんなで見てみるときちんと

 ガクジュツメイモク!

 と絶叫していた。で、僕らも大爆笑。

「大きな声で学術名目じゃねえよ!」

とか言って。流石にヒサシも指摘され笑っていた。

 ひとしきりそれで笑ったあと、その場で僕は密かに友人の一人に「学術名目」というメールを送ってみた。メール着信後、それを見た友人は爆笑。そんでまたしばらくすると、今度は僕の携帯に「学術名目」が送られて爆笑。

 数日後、パソコンの、メールにでっかくひとこと

 

              学術名目

 

 で爆笑。 今思えばそうでもないが、当時はそれでしばらく笑えたものだった、というお話でした。

 

ガクジュツメイモク!

kakuyomu.jp