音楽と本

僕のカルチャーセレクトショップ

「レトロ自販機」スポットを5年ほど前に少し巡りしものの、すぐに挫折したること

 先週テレビを観ていたらこちらの店の紹介をしていた。

        なんでも中古タイヤ市場のオーナーが好きなんだそうな

   www.youtube.com

 

 ちなみにこちらのYOUTUBE動画はこのサイトを運営している方が訪れたようです

 かなり有名なサイト。自由な生活をなさっていらしゃる

 

 

 実は僕も5年ほど前にこのレトロ自販機に興味を持って、いくつか巡ったことがあった。というのも僕が住む北関東はレトロ自販機の聖地(グーテンバーガー/うどん/トーストサンド自販機が三種揃うと聖地らしい)の宝庫だからだ。

 特に群馬県は車社会だけあって、かなりの数が点在しているとのこと。そこで暇を持て余していた僕は中年男の気まぐれなノスタルジーを満たすため、ネットで調べて何箇所か巡ってみたのだ。

 

 まずは今はもう存在しないスポットをご紹介。

 国道354号線沿いにあった自販機コーナー。

            昼間行くと誰もいない

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 ここは見た目の古さとは裏腹に、それほどレトロな自販機はありませんでした。

  唯一レトロだったのはこのカップヌードル自販機のみ。店内はご覧の通り閑散

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いつの間にか取り壊されたそうです。まあ、この内容じゃ人も来ないだろうしね・・・

その足で別の場所に向かった。

 

    群馬と埼玉の県境に存在したこちらの物件。それなりに大きかった。

            こちらも現在は無くなってしまったようです         

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 しかし、ここで己の、この世界への認識の甘さを痛感。とにかく中の空気がヤバイ。そこにいる人たちの「終わっている」度が半端じゃない・・・。おっさんかヤンキーチックな少年などがちらほら。皆場末のゲームを一心にやっている。

 とても中のうどんの自販機の写真を撮るなんて雰囲気ではない。

 だいたい、平日の午前中から(人のこと言えんが)何をやっているのだろう。外観の写真を撮るので精一杯でした。

 レトロ自販機に罪はないが、普段足を踏み入れない世界に戸惑う。別に僕はうどん屋の息子なので育ちが良いわけではないのだけれど、やはりこの雰囲気には馴染めなかった。女性の姿はゼロ。
 


 タバコの臭いと、よどんだ空気にヤラレて一気にテンションが下がる。なんだろう、このやるせない気持ちは。しかしせっかくなのでもう一件、この業界では有名な「オレンジハット」に(もうよせばいいのに)足を伸ばす。

               こちらは今でもやっているようです

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 こちらはさっきの場所と比べればいくらか店内も明るく、自販機もあるのだが、やっぱりどんよりとした空気と、常連と思しき若者が数人・・・。

 何様かと思われるかもしれないが「ここは僕の来る場所じゃない・・・」と面白半分に考えていた自分を反省。やっぱりオシャレで綺麗な店舗の方がいいです。

 

 本当に自販機に対する愛があれば、それらをひっくるめて「そういうもの」として味わうのが正解なのだろうけど、門外漢の僕には敷居が高すぎました。レトロ自販機ファンの方、ごめんなさい。土下座します。落ち込みます。

 

 

 

 ・・・なーんて言ってるそばから速攻ゲンキー!

 

 

 その後僕は、懲りもせず娘たちを連れて有名な北関東で最大とも言われる、藤岡にある七輿山古墳へ行った。ここには古墳の裏側にその筋では有名な「ドライヴイン七輿」があるのです。

 

向こう側に見えるこんもりとした山が全部古墳!トイレ兼休憩所にはこんなレリーフが有り、ムリヤリ古代のロマンを感じることができる。あと、5年前の子供はちいさい

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   さて、ドライヴインの前に、せっかく来たのだから古墳に登るよ。

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       古墳を登ってすぐに数多くの石像が出迎えてくれる。

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 この石像群、その筋では有名なのだが、ことごとく首が無い。何でも廃仏毀釈でほとんど首をもがれたらしい。こんなとこに夜来られないよ。しかし気にすることなく無邪気な娘たち。

    さすがに中に分け入ることは憚られる。それぞれに、いわれがあるのだろうになあ

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    上ると高台にあるせいか、下にいた時よりも風が吹きすさぶ。石像の祟りか?!

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 写真からはあまり判らないけど、結構急斜面で、ちょっとした丘並みの高さがあり、足を踏み外したら危ない。傾斜の緩そうなところからこどもの手を引きつつ、降りる。さすが古墳、至るところに埴輪や土器の破片が無造作に置いてある。これ千数百年前の物だよね!?

        2月の日曜日に、子供を連れて来るような場所ではないことは確か

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        さていよいよ目的のドライブイン七輿へ。

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 この建物を見るなり下の娘は「古!」と一言。上述の挫折したレトロ自販機コーナー巡りで来ようと思っていたところである。今回は子供が一緒なせいか、あまり悲しい気持ちにはならなかった。しかも至るところにフジテレビで映りました、という告知がされていた。テレビで取り上げられたことがよほど誇らしいのか、入口から自販機まで至るところに、だ。

 

 中は聖地だけあって整然とレトロ自販機が置いてありました。

        子供は全く興味なし。自販機も詳しく紹介しないっていうね

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 せっかく行ったけど、子供も食べたがらず、僕もそれほどお腹が空いていなかったので何も食べないという体たらく。せっかく行ったのに!

   ほとんど人はいませんでした。また余程することがないときに、訪れるかも!

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ノスタルジーは、ありませんが

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内村さまぁ〜ず 神回はどれだ!

 僕、さまぁ〜ずが大好き。そのことについてはこちらのモヤさまに関する記事でも書いた。

今も欠かさず観ております

otominarukami.hatenablog.com

 

 彼らは押しも押されぬスターだからほぼ毎日テレビで見ることができるけれど、その昔、ネット限定でしか見ることのできない「内村さまぁ〜ず」という番組があった。

  もちろん今も続いてます

 

 

 今ではアマゾンプライムで見放題のこの人気コンテンツ、僕はほぼ第一回目から、まだミランカというサイトで無料で配信されていた頃から見ていました。その後いくつかのメディアを渡り歩いたこのゆるい、しかしそれゆえ安心して見ていられるこの番組は今やDVD巻数でギネスに載るほどになっている(この記事を書いている2018年1月の時点で280#に達した)。

 ミランカの時代はなんとリアルタイムで書き込みができ、番組の感想をチャットできるというシステムがあった。出演の3人が番組内で書き込んで視聴者が驚くという場面もありました。

 

 さて、そんな「内村さまぁ〜ず」のヘビーウォッチャーである僕が神回と思う回を二つほどご紹介します。オススメしたい回は多いのですが、挙げていくとキリがないので。そして、あくまで僕の基準なので「それほどでもねえ」とか思わないでください。

 

 まずは初期のコンテンツでお勧めしたいのは2008年:#44の、バナナマンがゲストで登場した江戸東京博物館巡りツアー』

 プライム会員の方はどうぞ

  こちらのDVDに収録

内村さまぁ~ず Vol.14 [DVD]

内村さまぁ~ず Vol.14 [DVD]

 

 

 この回がなぜ好きかといえば、僕の大好きな江戸東京博物館×内村さまぁーずという夢のような取合せに加え、そこで彼らが遊びつくすという内容がくだらなく、またそれゆえに面白すぎるからだ。

 あの江戸時代へとタイムスリップしたような広大な博物館の中で、彼らがくじボックスを引いていろいろな遊びをする。その中身といえば鬼ごっことか、高鬼(タカオニ/番組内の表記に準ずる)などと他愛のないもの。この系統の企画としては先行していたTV朝日の「内村プロデュース」があるわけだけれど、まさにその流れを汲む企画なわけだ。

 

 大声を出さない、走らないという縛りの中、早歩きで鬼となった者が他のメンバーの後を追いかける様子は、まるでこちらもその場で一緒に参加しているような楽しさを感じることができる。

 その後の高鬼も彼等はまるで童心に帰ったようにはしゃいで、なんと小一時間も遊びたおすのだ。ルール上、一ミリでも高い場所にいればセーフということから、直径10センチほどの床に埋め込まれた丸い器具(なんの為の物かわわからない器具。そうとしか描写不能)に、点々と乗って逃げる彼らの様子が非常に愉快だ。終始忍び笑いをしながら延々と続く高鬼、僕も混ざりたい。

 最後は彼らの番組を知っている人にとってはお馴染みの、「だるまさんが転んだ」で終わるのだが、この回はやはり中盤の鬼ごっこと高鬼の展開が白眉です。ぜひご覧下さい。プライム入会が必要ですが・・・。 

 

 さてもう一つご紹介。

 やはり同じ2008年の#47、「中途半端が大嫌い!駄菓子食べ尽くしツアー!!」がおすすめ。ゲストは有野課長

コタツでのんびりと見たい

 

 そうそう、数年前、あんまりこの頃の内容が面白かったので、僕は前回と今回が収録されたDVDを買って何度も見た。そしてこの記事を書くために見直したのだけれど、やはりこの回は何度見ても楽しい。

たしかこの回です。まあレンタルもありますけど

内村さまぁ~ず Vol.15 [DVD]

内村さまぁ~ず Vol.15 [DVD]

 

  

 内容はとある駄菓子屋が舞台。

 この駄菓子屋の商品量は非常に豊富であるがゆえ、五十音順に商品名を食べつくそう!という企画。「あ」から初めて様々な駄菓子を食べ尽くすその様子が逐一面白い。

 

 ちょっと本筋とは離れるけれど、彼らの番組の面白さの一つに、演者はもちろんなんだけど、テロップのセンスがかなり貢献していると僕は思っている。

 現代のバラエティではタレントの発言をそのままテロップで流すのは当たり前になっているけれど、僕は昭和のおじさんなので、この文化がどうにも好きになれなかった。まあ、最近は慣れたけれど。

 

 ただ、モヤさまにしろ、とぅるるさまぁ〜ずにしろ、この内村さまぁ〜ずにしろ、おそらくは番組を作っているスタッフ(制作会社はケイマックス)が同じなので、テロップの出し方にも共通性があるわけですよ。その出し方というのがただセリフをなぞるだけではなく、少しひねった方面からのツッコミになっているから面白い。僕がそのテロップのツッコミのおもしろさに気づいたのは「内村プロデュース」の頃にさかのぼる。 

 

 例えばこんなのを覚えている。

 即興でコントをやるというシチュエーションで、頑固親父に扮した三村氏が娘に結婚を申し込みに来た相手に「うちはこういうダンスを踊るのがしきたりだ!」みたいなことを言って、ヘンな踊りをした時に『異文化』というテロップが出たのだ。僕はその言葉とシチュエーションの見事なマッチングに一人大笑いしていたのだけれど、こういう感じで時折感心するくらい面白いテロップが流れる時があるのだ。現在でもその伝統は彼らの番組に受け継がれている。

 

 閑話休題。駄菓子ツアーの回の話に戻ります。

 様々な駄菓子が次から次へと出てきて楽しい。中にはあー昔よく食べたなあ、というものもある。中途、食品に使われている「赤色102号」に注目し、笑わせてくれる。どうでもいいけど、あの着色料って、アジアのどっかの昆虫からとっているんじゃなかったっけ?

 五十音順で駄菓子を順番に食い尽くすという流れでさすがに途中で飽きてくる彼ら。そんな中で三村氏が「にんじん」をチョイスして目が死んだり、さらにはそれをせんべいに挟んで食べようとしてさらに目が死んだりして楽しめる。

 「ゆ」の時には「湯」を選ぶセンスはさすが。最後の最後でびろーんと長いグミを出す時点で神回!

 とにかく何度見てもこの回はじわじわ面白いのでぜひご覧下さい。

 

 おまけ。

 全体的に面白いというわけではないのだけれど、僕が好きなピンポイント面白ポイントは2007年#19のネプチューン名倉氏(これも今となっては珍しい)が登場した「必ず奇跡を起こしちゃう男たち」

  冒頭大竹氏が名倉氏に向かって「ラーゴリ?ラーゴリ?」とさりげなく繰り返すのが好き。あと、後半の小田急線沿線にあるボクシングジムで、窓の外を通る小田急電車に向かってヘトヘトの三村氏が急に「うわ、満員!」と言う、そのタイミングの良さに笑います。

 

芸能関係を書くのって僕にしては珍しいですかね。でも結構お笑いは見てます

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ではまたいつか僕の思う神回をご紹介しマス。

和製ハードSF クリスタルサイレンス そしてサイバースペースなど

  ちょっと古い作品ですが、浴室読書用にアマゾンで1円本として購入。

 表紙の絵がね、ちょっとイマイチ

クリスタルサイレンス

クリスタルサイレンス

 

 

 人類が火星に進出した2071年。火星の既得権益は日本、アメリカ、中国、ロシアが握り、それ以外の開発後進国と水面下での対立が生じ始めていた。政治的・軍事的緊張がさざ波のように高まる中、火星の北極冠(氷原のような部分)で1mほどもある、サンヨウチュウのような異様な生物が発見される。それらは氷の中に整然と並べられており、中身が全て空洞となっていた。

 セーガン生物群(かの「コスモス」などのテレビ番組出演で有名な学者で、映画「コンタクト」の原作者でもあるカール・セーガンに由来する)と名付けられたこの生き物の死骸はまるで貝塚のようにも考えられ、その謎を解く人物として縄文時代を専門に研究している25歳の若きアスカイ・サヤに白羽の矢が立つ。

 滅多にないチャンスだが、サヤは火星行きをためらう理由があった。それは彼女の恋人のケレン・スーという人物である。身長が高く、不思議な雰囲気をたたえたこの青年にサヤは心を奪われていたが、結局彼女は火星行きを選び、ケレンとはそのままになってしまう。

 そうして火星で彼女を待っていたのは思いもよらない出来事だった・・・。

 

 まあ、逐一あらすじを書いてもキリがないのでこの辺にしますが、20年近く前の小説にもかかわらず、今読んでも陳腐さはほとんどない。この話では火星だけでなく、もうひとつの世界としていわゆるネット(サイバースペース=電脳世界)が重要な役割を担っている。

 

 ネット/ヴァーチャル世界がSFに登場するのは1974のティプトリーの「接続された女」とされており、その後ネット(サイバースペース)を舞台とした物語はギブスンの「ニューロマンサー」へと受け継がれていく。そうして我が日本が誇る「攻殻機動隊」でヴィジュアルとして派手に登場し、1999年のマトリックスで市民権を得ることになった。

 

 この小説も1999年だからほぼマトリックスと同時期に登場したわけだ。ハードSFであるので、種々のガジェットや設定が(SFの常で)当然のように語られるのでSF耐性がない人が読むと辟易するかもしれない。まあ、そのへんはリアリティを持たせるための設定と割り切って読めば良いでしょう。

 

 サヤの恋人であるケレン・スーの正体が実は○○であったり、その○○と悪役の関係が表裏一体のようなものであったりと作品世界はかなり緻密に構成されている。サイバースペースの描写はかなり工夫を凝らしていて、次から次へと登場するイメージに名前を与えることによってなんとか読者にそのイメージを伝えようとする努力が感じられる。

 

 それにしてもよく考えてみると、映像作品でこのサイバースペースを描写したものを見たことがあまりない・・・。最もサイバースペースをそれらしく描いたのは、おそらく映画「JM」(1995)だと思うのだけれどどうだろう。

  なんだかんだ言って僕、この作品好きだね。主題曲は今は亡きスタッビング・ウェストワード

     www.youtube.com

 あとは、スティーヴン・キングのヴァーチャル・ウォーズなんかがそうかな?「トロン」もそんな感じだけど。

                とはいえやっぱり人が出てくるけど

    www.youtube.com

 

 「スカヨハ攻殻=ゴーストインザシェル」(もうアマゾンプライムで見られる!)で芸者ロボにダイヴするときに多少その描写はあったけど、結局は黒い人並みに飲み込まれるというヴィジュアルになっていた。マトリックスでも結局は物理世界に置き換えて描写していたわけで、電脳世界をあまり絵的に見ても面白くないからだろうか。

 

 そう考えてみるとなんといってもその描写に抜きん出ているのは「攻殻機動隊2・0」だろう(スタンドアローンなどのアニメ版を僕は観ていないのでひょっとしたらそちらの方であるかもしれないけど)。

 素子のその後の世界を描く。密度がすごい。後半はほぼサイバースペースバトル!ため息が出る

攻殻機動隊 (2)    KCデラックス

攻殻機動隊 (2) KCデラックス

 

 このコミックはコミックを超えた描写に溢れている。これこそ電脳戦の決定版だと思うのですが。

 

 ちなみこちらはプレイステーション版のオープニング。BGMは石野卓球フチコマを操作して敵を破壊しまくる!描写も映画に比べてかなり原作寄り。

        これはかなり遊んだ記憶アリ。サントラもクールなテクノばかり

  
攻殻機動隊(PS)OP

 

サイバースペース一切関係なし

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地方的博物館図鑑 後編 本庄警察署と道の駅おかべの高床倉庫など

 昨日の続きで旧本庄警察署を見学した話。

 まあ、以下のようにいろいろな資料が展示されています(おざなり)。

       どうやって火を消すのだろう。消火剤が爆発するの?

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                  服とか街灯とか

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 だいたい5分もあれば終わってしまうでしょう。興味を持って見るのなら別ですけど。そうやって登るのか下がるのかわからない階段で1階へ。

                お前んちの階段急だな

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 この人が「はにぽん」。なんとパリにも行っている。盾持人物埴輪と一緒にフランスへ行ったようだ。どんな反応だったのだろうか。

              僕より世界を股にかけている

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 旧警察署の向かいにはいい感じに古びた美容室があった。人の気配がないが、住んでいるのだろうか。地方の町特有の寂れた感じが漂っている。

           昔はここもきっと栄えていたんだろうね。

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その後国道17号沿いにある「道の駅おかべ」に立ち寄る。

300円くらいするアイスを買わされる。緑色のゆるキャラ深谷の「ふっかちゃん」。耳が深谷ネギ。

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 ここは隣に殺風景な公園(中宿遺跡という)があって、申し訳程度の遊具と池、そして昔の倉庫が復元されている。

          地方の公園感がすごい。冬に来ると特にさびしいです

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この池には「原始蓮」というものが植栽されており、その珍しい姿を見ることができるらしいのだけれど

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実際は枯れ枯れ状態。でも確か昔、日本で2千年前の蓮を咲かせたんだっけ?

           殺風景とはまさにこのこと。グリーンモンス

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 公園の上の高台には「中宿古代倉庫群」が再現されている。しかし、中へ入れるわけでもなし、一目見て「へえ」となっておしまい。

              中に入って見学できればいいのにねえ

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        おや、何か黄色い物体が杭の上に乗っている。

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             おもちゃの飛行機だった。

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 きっと小さい子供が連れてこられて一通り遊んだ後に忘れていったのだろう。ひょっとしたらお気に入りの飛行機だったかもしれない。なんともいえないやるせなさと、ノスタルジーを感じる。

        さみしいから今日はこれでおしまい。帰ろう!今日はカレーだ!

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突然PVが伸びてとうとう6000PVに到達しました。誰か出版して!コメ欄にてご連絡お待ちしてます!

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地方のマイナー博物館図鑑 旧本庄警察署へ行く 前編

 博物館が好きだ。僕昔は一時期学芸員になりたいと思っていた時もあっていろいろ訪れました。その癖は今でも残っていて、子供と出かける時も、つい博物館や美術館に行ってしまう。

 博物館といってもピンからキリまであって、探してみるとそんな博物館あるの?とかこれでよく成り立っているな、という場所もあって味わい深い。ネットで検索するとそんなのがいくらでも出てくる。そういうことに関しては便利な時代だ。

 

 そうしてこの間、割とすぐに足を伸ばせる埼玉県は本庄市にある旧本庄警察署(歴史民俗資料館)へとやってまいりました。

                   興味のある方はどうぞ

        超天気よかった!今日は中1の娘がお供。遠近法で僕が小さく見える!

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       これが旧本庄警察署のあらまし。実際ろくに読んでません。

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 正面から見た建物。僕らの他に老夫婦が訪れていたが、基本平日は客ゼロと見た。

       入ってすぐの所に埴輪が置いてあり、酔狂な客を物珍しそうに見ている。

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 まだ中には入らないよ。庭にいろいろ古き良き時代のしょぼい展示があるからね。

 いったい月に何人訪れるのだろうか。自慢じゃないがきっと僕のブログの訪問者数の方が多い。

    昔の道具とか、古い消防車とかが雑然と展示してある。正直そんなに面白みはない

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        おい!お前!バカにするな!由緒ある建物だぞ!

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 千手観音と怒髪天ミックスしたような仏様に怒られて、ブオーン!と建物の反対側へと飛ばされる僕ら。でも顔はニヤニヤしてますけどね。

              ちいさなほこらと枯れた井戸があるよ   f:id:otominarukami:20180122161712j:plain f:id:otominarukami:20180122161837j:plain

 

 適当に見たあといよいよ小さな警察署に入ります。土足禁止。

             こんな家ありそうじゃない?

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入口にはいろいろと資料が置いてある。ほとんど手に取られていないようだ。入場料は無料。片隅に置かれた本庄市ゆるキャラ「はにぽん」が心なしか寂しそうにお出迎え。

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 中は観覧自由。といってもただの古い建物であるということ以外は、建築に興味のない僕にとってそれほど迫ってこない。奥には歴史的価値のある「盾持人物埴輪」やその他貴重な土器などが飾られている。マスコットの「はにぽん」のモデルだそうです。

                   埴輪の笑い顔がかわいい

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 先に入館していた老婦人が係員の方に熱心に質問をしていた。

        それにしてもここにこんな展示があるなんて、ちょっとミスマッチ

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土器や埴輪は好きだけれど、なんとなく飽きたので2階へと移動。残念ながら出土品ガチャは置いてなかった。

                  お前んちの階段急だな

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 2階には本庄市の歴史的な資料その他いろいろ展示されていたけど、ほぼスルー。それにしてもよくこんな狭い建物を警察署として使っていたなあ、というのが感想。

            こうやって見ると、娘大きくなったなあ

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      バルコニーへ出ることができました。ただ、狭い。

        もう飽きた!           まあまあ、もうちょっとだけ見ようよ

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ということでしつこく明日に続きます。明日は警察署に続いて岡部の高床倉庫へGO!

 

 

ヘビーメタル文芸小説デス

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トーキング・ヘッズ!トム・トム・クラブ!ディビッド・バーン!

 トーキング・ヘッズを聴いたのは何らかの洋楽番組でやっていた「バーニング・ダウン・ザ・ハウス」が最初だ。ヴォーカルのディビッド・バーンの顔が家に大写しにされるPVはかなりのインパクトがあった。

                   彼の声はいつ聴いても素敵

     www.youtube.com

 

 映画「ストップ・メイキング・センス」はヒットし、コマーシャルでは「ROAD To NOWHERE」が流れており、一般的にも相当な人気があった。 

メンバーが徐々に登場するオープニングがカッコイイ 。監督はジョナサン・デミ

 

          そしてあの有名なアノ曲ですよ

            僕も一緒に合唱したいよ。ヒー!

    www.youtube.com

 

 その後も何かにつけてTVで見る機会があったのだけれど高校生の僕はトーキングヘッズのレコードまで買うお金がなかったので、ビデオでシングルカットされた曲を見る程度だった。

                 汗ダラダラ

     www.youtube.com

 

彼らの中でも最も好きな曲、レディ・ドント・マインド。この曲PVがあるはずなのに、見つからず。名曲!

      www.youtube.com

       この頃のPVで見られるのはこれとあとワイルドワイルドライフだけ・・・

      www.youtube.com

 この「STAY UP LATE」はかわいい赤ちゃんが夜更かししているという何とも言えないほのぼのとした内容を歌っており、なんとそれが絵本にもなっている。

 まだアマゾンで買えるのだ!

Stay up Late (Viking Kestrel picture books)

Stay up Late (Viking Kestrel picture books)

 

 

 またリズム隊のティナ(B)とクリス(Dr)夫妻によるプロジェクト「トム・トム・クラブ」(一応今もやっているようです)が世を席巻し、『おしゃべり魔女』がビルボード1位となるなどあの頃のトーキングヘッズ周辺はかなり盛り上がっていた。

     不思議な雰囲気をたたえたポップ。ものすごく個性的なのに売れた!

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 その「おしゃべり魔女」、ものすごくカッコイイ。最初のカシカシャ、カシャという不規則なタイプライターの音から入るエイトビートが絶妙。歌詞の「ウーワウーワーキキキ!」というのを真似してよく歌っていたっけ。

            NO1 ラップディスコとか書いてあるね

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 僕が実際にトーキング・ヘッズ、ならびにディビッド・バーンを好んで聴くきっかけとなったのは彼らのラスト・アルバムである「NAKED」からだった。

                    有終の美を飾る名アルバム

Naked

Naked

 

  それまでの彼らのアルバムに比べるとかなり大胆な路線変更だが、ブラジリアンミュージックの要素をふんだんに取り入れたこの作品、当時サンバやラテンミュージックに傾倒していた僕の耳にジャストフィット!ボンゴやコンガの音と、ブラスセクション、そしてディビッド・バーンの不安を煽るようなヴォーカル。ここから僕はさかのぼってトーキングヘッズを聴くようになった。実際買ったのはスピーキング・イン・タングスまでで、あとはレンタルだったけど。

          今はプライムミュージックでほとんど聴けます

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      こちらは「NAKED」アルバムの一曲目。ピアノもいい味付けになっている

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 それぞれのアルバムはそれぞれにヒット曲があり、トーキング・ヘッズを知らない方も何曲かは聴いたことがあると思います。

 

 そうそう、この頃僕がたまに聴いていたオルタナバンドに「TERROR VISION」というバンドがいて、なんとそのバンドがトーキングヘッズの初期の名曲「サイコ・キラー」をカヴァーしていて妙に興奮した記憶がある。

0:33あたりから始まります。かっこいいので聴いて!特にサビのギターハーモニクスのセンスがいい

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    こちらは本物。ストップメイキングセンスの一曲目。

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 どうでもいいけれど、テラーヴィジョンというバンド名はテレビから怪物が出てきて人を食いまくるという映画に由来していて、僕はその映画を観たことがあります。そちらはかなりしょうもないです。

        今は亡きエンパイアピクチャーズ制作のトラッシュ・ホラー

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 テラーヴィジョンの1ST、結構いいアルバムです

Formaldehyde ~ Expanded Edition (from UK)

Formaldehyde ~ Expanded Edition (from UK)

 

 

 さてトーキング・ヘッズ解散後、ディビッドはますますラテン音楽に傾倒し、傑作「REI MOMO」を発表する。

こちらも名盤 

Rei Momo

Rei Momo

 

  このアルバム、大好きだった。「NAKED」のラテン路線をさらに推し進め、それでいてディビッドのオリジナルのセンスが加わって一癖も二癖もある内容だ。長尺のアルバムだけれど最後まで飽きずに聴くことができる。

   カリプソとか、サンバとか、タンゴなどキチンとジャンル分けして曲をつくっている

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 僕は一時期ディビッドのアルバムばかり聴いていたっけ。そのブームもいつの間にか去って、ほとんど彼の音楽を聴かなくなっていたんだけど、ST VINCENTを知ったおかげでディビッドと彼女の共演を見ることができた。

                   こんなんみたら感動する

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 ディビッド、大分年はとっているけれど、往年のあの声は健在だし、ヘッズの曲を嬉しそうに一緒に歌っているライヴも非常に楽しい。

 最後は僕の好きな「MISS AMERICA」でお別れしましょう。

                 雰囲気はちょっとビザール

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あれですかね、イラスト起こしたりしてヴィジュアルで攻めるといいんですかね

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フロアジャッキで楽々タイヤ交換のはずが、地獄のトラブルジェットコースター!

 雪の予報が出たじゃないですか。僕は、あースタッドレスに変えなきゃならないなあ、面倒だなあと憂鬱な気分になっていた。僕は北関東の田舎に住んでおり、そこは車社会であるからして、タイヤ交換は必須。

 

 うちには車が2台あって、当然そのタイヤ交換は僕の役目だ。スタンドやカーショップへ持っていくと1台2000円というのが相場なので、多少疲れたとしても、自分でやったほうがマシだ。しかし、やはりジャッキアップという作業は50近いこの肉体では苦痛だ。そこで僕は以前からフロアジャッキを購入し、少しでも作業効率よくしようと目論んでいた。

 

 近所のホームセンターにフロアジャッキが売っているのを数日前に確認した僕は、こういう計画を立てていた。

 

1月21日(日曜日)、開店と同時にフロアジャッキを買い、まずはコペンのタイヤを楽々交換する。この日は午後から出勤なので、次の日の月曜日の午前中、もう一台のサクシードワゴンを交換して雪に備える。

 

 完璧で隙のない計画だ。

 もし売り切れていたらどうしよう、という一抹の不安を抱えて売り場へ行くと二台あったので安心。売り場で「いちご買ってくれるう」などとケータイで話している人を横目で見ながら4580円でとうとうフロアジャッキを購入だ!これであの苦労から解放されるぞ!

         カインズホーム製。ネットの評判もさほど悪くない

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 さて本来なら、ジャッキアップし楽々タイヤ交換を済ませ、余裕を持って休んで昼食をとって午後から出勤、のはずだった。

 ところが、僕がろくにフロアジャッキの説明書を読まなかったことに端を発し、この後とんでもない展開になってしまったのだ。

 

 まず、ジャッキをコペンの下に入れてみると、全然入らない!なんだそれ!

 確かネットでこの型ならコペンでも大丈夫だと書いてあったはずなのに!何のために大枚4580円をはたいたのだ!

「なんだよー」

 絶望する僕。しかしタイヤは換えなければならない。仕方なくトランクから手動で回すジャッキを取り出しいつもの重労働を決意する。

 

                     黒く憎たらしいアイツ

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 まずは左前輪のタイヤを外し、交換したのだが、疲れた。どうにもやるせない。そこで僕は余計なことを思いついてしまった。

 横からジャッキアップできないのなら、せめて前からアップすれば前輪だけでも交換できるのでは?

 といらない野心を燃やしてしまったのだ。 

 

 ところが、前方からもやはりフロアジャッキが入らない!なんだよ、どんだけコペン車高が低いんだ、金返せ!とひとりごちる僕。仕方がないので右前輪をクランクジャッキで持ち上げてようやくフロントのジャッキポイントにジャッキをかませ持ち上げる。

 

       しかし!ここからしてとんでもない間違いだった!

 

 コペンスタッドレスのホイールはアルミなので通常のボルトレンチでは肉厚すぎて、ソケットのアタッチメントをつけなければならない。

 そしてそのソケット付きのボルトレンチをタイヤのボルトにはめて全体重をかければ本来ならキィッ!という音を立てて回るはずなのに、ビクともしない。おかしい。もう一度全体重をかけて乗った瞬間、ボキっと嫌な音を立ててレンチのソケットが外れた。恐る恐る見てみるとなんと割れているではないか!

         ヒビが入っているのがお分かりでしょうか・・・

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                  海より深い絶望を味わう

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           うそでしょー!と思わず叫ぶ僕。

 

 すぐに頭がフル回転し始める。

 

このまま左前輪だけスタッドレスに変えた状態では明日の雪に備えられないしかしそうかといってソケットが割れてしまってはタイヤ交換がままならないどうするどうする、そうだ純正のソケットがあるからとりあえずそれでやってみよう!

 

 これを2秒ほどで考えもう一つあるソケットを差込み、再び全体重をかけてレンチに乗る。

ボキ!

うそでしょー!

                 アビス!

      f:id:otominarukami:20180121184247j:plain

 

     こんなことってあるの?トラブル連チャンで頭がおかしくなりそうだ

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 これで僕の家にはソケットがなくなった。どうするどうする!ここで再び僕の灰色の脳細胞がフル回転。

 

今11時、会社に行くのに家を出るのは12時50分、あとまだ少し時間の余裕はある、どうする、背に腹は変えられない、ここから15分かかるカー用品店に行ってソケットを新たに買うしかないだろう。

 

 あいにくと妻と上の娘が買い物に出かけていたため、小4の次女をひとり家に置いていくわけにもいかないので自主学習を中断させ、一緒に店へ向かう。

 道すがらここまでの苦労を娘に話していると到着。割れたソケットを持って店に入るが、レジがいっぱい。仕方なく自力でソケットを探すが21ミリのソケットがない!

 途方にくれる僕と娘。しかし念のため近くにいた店員に聞いたところ、別の所で売っているのを無事発見。

「おとうさん、よかったねー」

 とほのぼのしながら二人でレジを待つ。折しも店はスタッドレス交換の申し込みで大混雑しており、僕の前の人は夜の7時に予約となっていた。

 自分で出来ない人は大変だなあなどと思いつつ、店を出てソケットを開けて見てみると変なプラスチックのカバーがついていてとれない!なんだこれ。念のため店の駐車場でソケットを当ててみると微妙にひっかっかっている。大丈夫か、これ。なんとかしてビニールのカバーを取ろうとするが取れない。

おとうさん、貸して」

 などと娘が言うが、僕が無理なのに子供にできるわけないでしょ。カバーを取ろうとして悪戦苦闘していると娘が

「おとうさん、これカバー付けたまま回しているよ」

 とパッケージの写真を見せてくる。娘の洞察力、僕より上。じゃ、これでやるしかないなと家路を急ぐ。時刻は11時30分。まだ出勤時間には余裕がある。

 

ようやく家に着き、満を持して右前輪のナットにソケットはめて再び全体重をかける。

 

        ボキ!

               うそでしょー!

 

       買ったばかりのソケット、無残にも破損。

          960円がドブに。ブラックホール級の落ち込みを味わう

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どういうこと!?あまりの絶望にタイヤの上に座り込む僕。その様子を見て娘が

「おとうさん、大丈夫?」

と心配そうに声をかけてくる。父親としての威厳、ゼロの瞬間。

 

 なんでナットが回らないのだろう?

 

 今まで何年もタイヤ交換してきてこんなこと一度もなかったのに。

 

あれ、ひょっとしてエンジン交換に出した時にダイハツが気を利かせてナットをきつく締めたのだろうか?それがあまりにきついためにナットが回らないのか?だとすればもうどうしようもない。近くのスタンドに行って外してもらうか?いやいやきっとタイヤ交換なんてもう予約でいっぱいだから無理だ。明日の朝一番で行くしかないのか?あーもうなんで余計なことしてくれたんだよ!

 

 と死に至る病を抱える僕。その隣で無心に工具を弄ぶ娘。

 その時、ふとある考えが僕の頭をよぎる。

 

    ・・・あれ、もしかしてオレ、回す方向間違えていないか・・・

 

 考えてみれば、今の純正ホイールはソケット差し込まないで回せるはずだ。僕はやおら立ち上がり、ボルトレンチを差込み、逆方向へと体重をかけてみた。

キィー

 当たり前のようにボルトが回る。

 

 ばか、ばか、ばか!僕のばか!

 

 単純に回す方向を勘違いしていたのだ、この愚かな中年男は。

「なんだー、よかったじゃん、おとうさん」

 優しい娘に励まされ、少し元気を取り戻した僕は、ほかのタイヤも外しに取り掛かる。作業をしながら僕は娘にこう話した。

 

「おとうさんは、いつもこう思うんだよ。なにか大変なことがあっても、いつかは必ず問題は解決できるんだって。その時は大変だと思っても、きっと何か方法があるんだ。この間もコペンがオイルが漏れて、白煙を上げた時もお父さんどうしようと思ったけど、一方で大丈夫、必ず解決すると思ってたんだよ。そうしてお金はかかったけどコペン直ったじゃない。だから、今日だって大変だったけどやっぱりなんとかなるんだよ」

汗だくになって訳のわからないことをいいながらようやく作業は最後の一本へ。

 

 そこへ返ってくる妻。僕は車を移動し、これまでのいきさつを話す。哀れみと多少の侮蔑の入り交じった目で見られる僕。すいません、全て僕が悪いんです。

 

 ふとフロアジャッキに目をやる。もう一度説明書を読んでみると、最初の時点で操作方法を誤っていたことに気づく僕。とあるツマミを回すと簡単にコペンの下へジャッキはもぐった。脱力しかない。

               大山鳴動して鼠一匹

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 そうして易々とコペンは持ち上がり、破損したソケットをだましだまし使って、いとも簡単にタイヤ交換を終えることができた。

 もう、ぐったり。

 そうしてこの後、夜の9時まで仕事があることにさらにうんざり。しかも、汁物代わりに家から持ったと思ったカップうどんを忘れていることに気づいてヘコむ。

 

 自分が悪いとは言え、こんなに次から次へとトラブルが続くことってあるんだね。

           でも、大丈夫、いつか解決するさ!

 

 そんな僕が書いたヘビーメタル文芸小説

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