2001年に発売されたPS2ソフト『REZ』。
このゲームは革新的だった。ご存知ない方に、くだくだしく言葉で説明するよりはこちらの動画をご紹介します。
映像、システム、そして音楽が三位一体となった傑作だ。
ぼくは当時、このゲームを暗闇の中でヘッドフォンをして大音量でプレイし、電脳世界にジャック・インした気分に浸っていたもんだ。
さて、この記事を書こうと思い立ってググったところ、なんと最近PS4でアップデートされた『REZ infenite』というソフトが登場してるではないか!
まあ、これはこれで凄そうなんだけど、僕きっとPS4買わない(買えない)のでもう一生やらないかもしんない。
僕が語りたいのは、16年前のこのゲームの音楽についてだ。
ええっ、もう16年も前のゲームなのか!驚き以外の何もない。
この頃はテクノが一般にも認知されてアンダーワールドやケミカル、プロディジーなどがものすごい勢いで活動していた頃だ。この3つのバンドはどれもよく聴いたし、今でも聴く。
そのころ、僕はよくアンダーワールドの押しの強い曲を大音量でかけながら高速道路をぶっとばす、ということをやっていた。別にスピード狂ではありませんよ、あくまで法定速度の範囲内ですよ。
アンダーワールドの曲は特に夜の高速を走るときにぴったりで、運転しながらトリップ感を味わえたのだ。たとえばこの曲たち。
この曲で僕はアンダーワールドにノックアウトされた。徐々に重なっていく音像、とめどない四つ打ちビート。不朽の名曲だ。
『モーナー』。この曲はテクノのスラッシュメタルだ!本当にアンダーワールドスゲエ!と思ったものだ。まあ、キリがないのでこの2曲にしておきますけど。とにかく、テクノ系ではこういういくつもの音が重なっている激しい曲が好きなわけです。
そうしたときにこのゲームが登場したので僕はすぐに飛びついた。操作性もよく、ほとんどゲームオーバーにならずにサクサク進むゲームシステムも良かった。
ケンイシイなどそうそうたるメンバーが曲を提供していたが、僕が特に好きだったのはまず、このエリア4の『ROCK IS SPONGE』。
JOUJOKAという日本人のアーティストの曲。最初はムギュムギュムギュというシーケンスサウンドだけなんだけど、途中でびーびーというベース音が入るとスッタンタンタカ!と派手なパーカッションが鳴り響き、ついには後半は怒涛のどん!どん!どん!どん!という強烈な四つ打ちのキック&ディストーションギターのお祭り。
ゲームのエリアも中華風のものから黄色いデススター内部みたいな感じでかっこいいい。円盤がいくつものブロックを集めて人型になるのもセンスがいい。
この面まで終えて、いやーこのゲーム大当たりだな、と思っていたら、さらに次の面が凄かった。
エリア5はアダム・フリーランドというDJの『FEAR』だ。
ショットの効果音が大きくてイマイチ最初は曲がよくつかめないんだけど、ミドルテンポで進む曲に散りばめられている緻密な音の効果が圧倒的だ。
特に僕が好きなのはブッブーというベース音にからんで「しゅーわか」みたいな感じで絡んでくる歪んだベースギターの音をスライドさせたような音だ。こういう金属的な音の使い方が僕は好きなのだ。
そうして、大気圏上で繰り広げられるボスとの戦いのシーンでの美しいピアノの旋律!
かように名曲の数々を含んでいるサウンドトラックを、すぐに買った。
まあ、各曲がまんべんなく収録されていたんだけど、肝心のアダム・フリーランドの『FEAR』が短い・・・。最後のピアノの部分が入っていないじゃないか!どうしても僕はそれが聴きたくて今度はアダムが同時期に出していた『フリーランド』名義のアルバムの中に「FEAR」を探し出し、即購入。
内容は当時のデジロック的オルタナミュージック。実際聞くのは『FEAR』だけなんだけど、これが実は「MIND KILLER」というタイトルでショートヴァージョン・・・
これはこれでもちろんカッコいいんだけど、僕が聴きたいのは「REZ」のフルバージョンなのだ!フルバージョンが聴きたいよー!聴きたいよー!
「FEAR」が聴きたすぎて、しかし手詰まりになり進退極まった僕は、ついに無理矢理PS2をパソコンのマイクジャックにミキサーを通して、ゲームの音を一部始終録音したのだった。
今ならもっとスマートな方法があるのだろうが、当時はそれが一番最良の策だった。
しかし悲しいかな、アナログに変換された「FEAR」はどことなく音像がぼやけ、さらにはシーというかすかなノイズまで入っていた・・・。それでも当時はフルバージョンが聴けるのが嬉しくてWAVEファイルに落としたその「FEAR」を爆音で聴きながら車を運転したのだった。
しかし今となってはそのCDーRの行方を、誰も知らない。
メタル関係の有名な人が読んでくれたらなあ