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独身OLのすべてを熱く語る 2

 

 「独身OLのすべて」は面白い。その魅力を語る2DAYS。 

独身OLのすべて(7) (KCデラックス モーニング)

独身OLのすべて(7) (KCデラックス モーニング)

 

 

キャラ紹介はこちら

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 この漫画の忘れてはいけない魅力として、ロック/洋楽ネタが豊富だということが挙げられる。連載初期からいきなりノブ子がトイレから2時間帰ってこないのでどうしたのかと聴くと

フレディ・マーキュリーのサイレントものまねをしていた」

 というのである。

その話はこちらで読めますよ!

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 これをきっかけに次から次へと洋楽/ロックのパロディが事あるごとに飛び出すのだ。そもそも彼女たちが勤める会社の名前は「MCハマ商事」(まんまMCハマーでしょ)だし、タマ子が後輩の言動に腹を立て思わずジョーストラマー(クラッシュのロンドンコーリングのジャケット)状態になるとか、 

ロンドン・コーリング

ロンドン・コーリング

 

  突如ボケてハンソンのコスプレをするとか、おしゃれな男性社員の部屋でマリリン・マンソンを熱唱するとか。あとは、ショックのあまり、キング・クリムゾンのこちらのアルバムの顔になるとか

 知ってる人にとっては大爆笑

クリムゾン・キングの宮殿(紙ジャケット仕様)

クリムゾン・キングの宮殿(紙ジャケット仕様)

 

  このように、バンドのチョイスがやや古めなのも楽しいのだ。こういうネタを臆することなくぶち込んでくるところにこの漫画の醍醐味がある。パロディは元ネタがわかったほうが面白さは倍増するもんね。

 

 他にもノブ子が新入社員歓迎会の一発芸で入魂のKISSパフォーマンスをする回も面白すぎた。ノブ子がジーン・シモンズのメイクを施してスタンバイしている(衣装はケープで隠しているんだけど、顔はそのまま出している)のを見た人に

一人だけ何やるかバレバレのヤツがいるんだけど」

と言われるコマは何度見ても笑う。

 そしていざパフォーマンスが始まると「ラヴィン・ユー・ベイビー」を熱唱する!

こちらですね

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 しかも、曲の後半、カバンから何やら取り出すと、ほかのメンバーの人形が出てきて

ビジーフォー状態」(これわかる人どれだけいるのだろうか)

これですね。強烈におかしい

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で踊る!なんと勢いあるギャグ漫画なんだ!

 

 また、バンドと同様にパロディの元ネタが少々古めなのも、僕のようなおじさん読者にとっては微笑ましい。初期には主人公3人が自分たちのことを「元気が出るテレビ世代」と呼んだり、ドリフ大爆笑の「雷様コント」を演じたりするのだ。 

 

 かようにわかりやすいギャグの中に、マニアックな小ネタはさみこんで「独身OLのすべて」は僕らを楽しませてくれる。そして、最近、さらにこの作品は新たなステージに突入している。「ラブコメ」要素の注入によって!

 キャラクター、ギャグ、そしてラブコメときたらもう怖いものなしでしょ!

 ラブコメパートを担当するのはタマ子。その相手は途中入社してきた超イケメンでおしゃクソ(でもむちゃくちゃ性格がいい)一ノ瀬君。

まさに現在公開中(2018・8月現在)のこちらがその回

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 タマ子が自分で食べるはずのバレンタインチョコが手違いで一之瀬くんに渡ってしまう話が載っている3巻あたりからその伏線が張られ始める。

 常にモテモテで自分から女性にアタックしたことのない一ノ瀬くんは年上の飾り気ないタマ子に徐々に惹かれ始めるのだ。漫画の中ではかなり自分のことを自虐的に語っているタマ子だけれど、(僕が思うに)実際はそこそこの美人である。

 この二人の恋の行方が破天荒なギャグパートに挟まってさりげなく描かれている。こういう部分はさすがに女性作家だと思う。

 ただ、ラブコメはその恋が成就した時点で終わりを迎えてしまう・・・。くっつきそうでくっつかない、すれ違いをくどいほどに繰り返してこそのラブコメだ。そしてこの作品のタイトルは「独身OLのすべて」である!もし二人が結婚しちゃったらタイトルそのものを否定することになってしまう、という恐ろしい縛りがある。だからかどうかわからないけれど、別の話を挟み込んだりして先送りにしているフシもある。しかし恐らくタマ子回は恐ろしく評判が良いに違いない。ツイッターの反応とか見ていると「泣いた」というコメントまであるもの。

 

 とにかくこういう訳で僕はこの「独身OLのすべて」から今目が離せないのです。ぜひ読んでみてください。

 

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