音楽と本

僕のカルチャーセレクトショップ

中年グリーンデイでドラムチャレンジ

 前回の記事ではギターを弾いてホワイトストライプスを歌っていた僕ですが、実はド

ラムのバンドもやっていたのだ。僕本来のパートであるベースのバンドが組めないのでだったら人知れず練習してきたドラムでバンドやりたいと考え、同期の友人に声をかけ、実現したのだ。

 僕と30年以上もバンドをやっているドラムの友人がグリーンデイをやりたいというので彼がベースを弾き、歌を皆の前で初披露。加えてギターは本来ベーシストである友人が担当し、大学生の頃とは全く違うパートでのラインナップでバンドを結成。

 まあこんな事情見ているあなたには関係ないのでどうでもよいことですねえ。

 

 ともあれ僕はやるとなったらある程度の形として人前で発表したい質なので、10月くらいから毎日帰宅後30分間、エレドラで練習しまくり。最初はエイトビートハイハットで刻むのが辛かったが、毎日やると人間上達するものである程度の速さで叩けるようになりました。こうなるとどんどんドラムが面白くなって、あとはもうひたすら叩いて結果以下のような演奏を披露しました。

            必要以上に叩くシンバル。平均年齢54歳

    

再生5回くらいは行きますかね

 

 ブックオフのセールに行ってきます!

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中年イッキー・サンプとヴィヴィアンの思い出

 あけましておめでとうございます。

 今年も適度に『音楽と本』を更新します!

 

 さて、去年の12月に、久しぶりに大学時代の友人たちとバンドをやりましたよ。

毎年同窓会を兼ねて開催されるこのライブ、今年で22回目!年もとるもんだ。参加者の平均年齢55歳くらいのおやじバンドイベント。

 そして僕は大体毎年レッチリのベースとか娘を担ぎ出して相対性理論とかを演奏していたんだけど、今年はギター担当のメンバーが不参加!数人の友人に打診をしたけれど、皆都合が悪く出席できないとのこと。

この娘も今年高校受験

 

 希望としては八十八ヶ所巡礼の「狂感できない」を演奏したかったのですよ。

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この曲のベースラインとか天才か!僕はこれを弾きながら歌うという曲芸に挑戦し、イイ感じに仕上がっていたのだが結局お蔵入り・・・。今年はまさかのバンドなしか!とそれだけは避けたい展開になりそうになった。じゃあ自分で工夫して何とかするしかない、と色々音楽的教養でもって考えた結果、そうだ、二人でできるバンドあるじゃん!ホワイトストライプスがいるじゃん!という結果に到達。

 彼らの名曲「イッキー・サンプ」をやることに決定。

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 まあ、やるとは言ったものの、ギターはともかく歌がメンドクサイ!何この早口。歌詞カードを見ながら聴いてみても全然わからん!しかし世の中すごいね、このイッキー・サンプを英語でどう歌うかとレクチャーしてくれる方が動画をあげていました。その人のおかげで数週間を費やし歌詞を覚えたよ。疲れた!

 

 毎日車の中で大声で歌う日々を経て、本番ではまあまあ受けた。その時のビデオも撮ったんだけど、あんまり張り切りすぎて演奏が疎かになって最後のソロとかもう子供が弾いているくらい音を外し、何度聴いても自分でゲラゲラ笑ってしまうレベルよ。

 それを公開してもいいんだけど、まあそれよかはもう少し上手くできたスタジオペンタでのリハーサル映像を載せます。正月に時間を持て余している方、ぜひどうぞー。

 翌日くたくた

     youtu.be

 どうですか、中年の全力イッキーサンプ。ださいですか。

 借り物のレスポールだけど、いい音してるなあ!

 やっぱりバンドはいいな。80歳までできますかねえ?

 ちなみに僕が着ている服、ヴィヴィアンウエストウッドなのです(もちろんセカストで中古で購入)。

 胸にでっかくヴィヴィアンの象徴オーブプリント。背中のグラフィックもセンスいい

 

そのヴィヴィアンさん先日お亡くなりになりましたね。ヴィヴィアンの服かっこいいけど高いよね。もう二十年以上前かな、知り合いがセレクトしょっぷに勤めていたのでその関係でヴィヴィアンのシャツを買ったことがあるんだけど、たしかそのシャツ三万五千円した!胸にオーブの刺繍がしてあるだけでこんなに高いのかい!でもやっぱりシルエットとか生地感はすごく良かったなあ。

 そんで当時僕、社会人吹奏楽団に入ってトロンボーンとか吹いていたのですよ。そういう団体って年に一度文化会館的なところを借りて演奏会をするんだけど、その時にそのヴィヴィアンのシャツを誇らしげに着たわけ。そうしたら一緒に参加していた女子高校生の女の子が

「うわ!ヴィヴィアンだ!初めて見た!」

と反応してたなあ。

 これ着てたら何人かに「ヴィヴィアンだ!おしゃれ!」と言われてバンド中年いい気になってたんだよ。でもとある先輩に「お前フレディクルーガーか!でもヴィヴィアンなのかよ」と言われてああ、そうかこれフレディなんだな、と、よりこの服に対する愛着が増しました。

              そういえば帽子も寄せてるなあ

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じゃこれからセカストのセールにいってきまっす!

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スピーカーやブーツ、よいものを安く手に入れる

 この間、毎日通勤で通る道にあるGEOに初めて入った。

 そのGEO、たまに朝八時半くらいから人が並んでることがよくあるんだけど、みんなこんな田舎のGEOで何を買うのだろう。まあいいや。

 そんで二年以上この道を通っていたのだけれど特に気にせずにいたわけ。なんというかよくあるレンタルショップ+本屋+雑貨という感じだろうと思って寄らなかったんだよね。

 それで実際入ってみたらそこは中古品の家電なんかも扱っていて、少しきれいなハードオフみたいな雰囲気だったのだ。こういうの好き。

 ワゴンには怪しげな売れ残り商品や、誰が今これ買うんだという時代遅れのキャラクターの雑貨などが投げ売りされていたのだけれど、その中にこれを発見。

               

 僕はこのミックスナッツとかアーモンドが大好きでほぼ毎日食べてしまう。これを切らすとなんかつまんないんだよね。しかしこのナッツ商品って結構高いじゃないですか。え?これで698円!みたいなさ。しかしこのみたこともない不揃いなミックスナッツ、180グラム入っていて298円だった。安い。もう即買いですよ。

 そうしてほかにも色々と店内を物色。中古のテレビとかが何台も売っていたんだけどいまテレビって随分と安くなってるねえ。いちばんびっくりしたのは65インチのちょっとしたホワイトボードくらいある大きさのテレビが六万円位で売ってたこと。さすがにこの大きさは置き場がないけれど、ちょっと魅力的ではある。まあテレビには困っていないので買わないし、家電も他に特に欲しいものもないわけで、ナッツだけ買って帰るかなと思った矢先、偶然目に留まったのがこちらのスピーカー。

            サイバーパンクなテイストバリバリ

   

 2.1Chで値段がなんと1200円!

           買い  買い  買い   買い!

 そんなつもりじゃなかったのに、値段につられて買ってしまった。

 電源がUSBメモリという、ちと使い勝手の悪さがあるのだけれど、パソコンにつないで外部スピーカーとして立派に役目を果たしてくれております。買ってよかった!これでYOUTUBEからデスメタルとかを大音量で聴いております。

 

 さていい買い物をした翌々日。今週からセカストでセールをやっているのだ!店内全品20パーオフだってさ。僕は近所のセカストを事前にチェックして何点か狙っていたのだ。特にメキシコ製の501XXが3190円で売っており、まあそれは穴が開いていたり、赤耳がついていなかったりとそれなりのものなのだが、それを買おうかなと思って店に行き、試着を改めてしたわけ。するとどうにもなんだかしっくりこなくて結局買わなかった・・・。

 買い物する気満々でお店に行って、何も買わないとなんかつまらないじゃないですか。それでもう一軒別のセカストにハシゴ。それでもあんまり目ぼしいものがなく、もう帰ろうかと思った時ですよ。靴のコーナーに以前この店で見かけたエンジニアブーツを発見。

     

 

 気になってはいたが、値段が結構高かったので買わなかったやつだ。何となく手に取ってみるとなんとこの値段!

           

             買い  買い  買い   買い!

 そうしてすぐレジに持って行ってこのブーツは僕のものになりました。

 このブーツはHUNTERというレインシューズをメインに作っているブランドのもの。

       

 そして何と言ってもこれ新品なのですよ。状態が万全で2900円とか奇跡!買い物の神様が僕にはついている!ちなみにこの靴、片足はカウンターに保管されており、そちらには以前の値札がついていた。

                冗談みたいな値下がり方

        

 これを見たとき、さもしくも「うお、すげえ得した!」と声を出してしまいました。

さすがいい値段のブーツ、履いても疲れません。

 セール後半にまたセカストでぇーゲットだぜぇ!

 

最近またそこそこ読まれている

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クリスマス会ホラー

サタンクロースて。ジングルヘル!じゃないよ、まったく。

 

 

  会社のイベントで社員の子供たちを集めてクリスマス会をやるということになり、企画を色々と練ることになった。僕はクリスマスソングをギターで弾いて子供たちに歌わせようかな、盛り上がるだろうななんてのんきに考えている。


 さて職場には普段温厚で口数の少ない30代の男性職員がいる。彼はものすごく腰が低く、挨拶も丁寧でこちらが指示を出すとすぐに「はい!わかりました!」と気持ちよく動いてくれる人だ。そしてあまり冗談なんかは言わない、至極真面目な人間だ。その彼はクリスマス会で食育を担当することになった。
 彼がこの間昼休みに僕に
「あのう、いちおうクリスマス会の企画考えたんですけど、今所長が食事中だからまだ言わないほうがいいですかね」
と相談してきた。
 なになに、クリスマス会の企画で食事中に言いづらいことって何よ?下ネタか?と思いつつ彼の企画書を見てみると

 

  食育
 ・生きた鶏の屠殺+解体と生命を買って生きる事を考える→値700~1000円
 ・アイシングクッキーを作る
 ・ブッシュドノエル作り

 

 と記されていて、最初の一行で僕は大爆笑してしまった。二行目とのギャップもすごい。
 どうしてその考えに至った?あんまりおもしろすぎてしばらく笑いが止まらなかったのだが、彼は困惑したような苦笑いのような表情だった。ギャグじゃないんだよね。
 相手が真面目にやっていることが度が過ぎていて面白くなってしまうことってあるじゃない。僕はその昔、バイト君が真面目に言ったことがツボにはまって大笑いしたら彼が非常に気分を害した様子だったことを思い出し、
「いや、いいと思うけど、どうかな?所長に聞いてみる?わははは、いやいいと思うよ・・・ぷぷぷ」
 と最大限に気を遣ってみたが子供たちの前で鶏を殺すってヤバすぎだろうという状況を考えたときにまた笑いがこみあげてきて結局延々15分くらいは笑い続けてしまった。彼も彼で
「あーやっぱダメですよね」
とその過激さに薄々気づき笑っていた。

そのやり取りを聞いていた所長(女性・60代後半)が
「なあに?なに笑っているの?」
というので説明すると少々引き気味ではあるが顔を真っ赤にして笑っていた。

 

 なんでも彼は学生時代に授業の一環で鶏を〆た経験があるらしく、
クリスマス→鶏料理→鶏→屠殺という発想になったらしい。

 「鶏の屠殺+解体」というワードが面白い上にその状況を想像してしまうのでもっと面白い。
子供たちがやってくると普段見慣れない鶏がコケーコココとかいっているわけじゃない。当然子供たちはわーにわとりだ!かわいい!
とかなんとか物珍しさで盛り上がるわけじゃない。そんでその盛り上がりの絶頂で彼が出てきて鶏の首根っこつかんで
「じゃいくよー」
とぶち殺すという恐怖!
血がぶしゅー!子供たち阿鼻叫喚でしょ。そんでそのあと羽むしったり、内臓処理したりして料理するんだと。
子どもそんなの食えるか!
 
 とにかく彼のキャラクターと相まってより面白さが増幅されるのだが、この面白さ、文面じゃ伝わらないよねえ!
 
 あまりのおもしろさに感に堪えざるにや、僕はあちこちでこの話を披露し、そのたびみんな爆笑していた。来年会社なくなるよ、とか子供たちのトラウマ必至などの周辺情報がさらに追加されていつまでも笑える。今も少しニヤニヤしながら書いています。
 こういう話って内輪だけの面白さでしょうが、たまにはこんなことがありましたという記事もいいでしょ。

これが実際の企画書。自らバッテンを付けているのも笑う

 

ちなみに彼は家にニシキヘビなどの爬虫類を飼っており、アオダイショウを素手で捕まえて腕を嚙まれても平気の平左というダークな側面を持っています。

 

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メタリカ新曲Lux Æternaとスリラー・ビートイット4Kなど

昨日メタリカの新曲が突如発表された。

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ヘンなタイトルだな。それはそうと、もう前回のアルバムから6年もたってるのね・・・。つい先日のような気がするが、ホントに年取るのあっという間だ。

 新曲はストレートにカッコイイ、ゴリゴリのスピードメタルだった。繰り返し奏でられるキャッチーなリフに、ジェームスヘットフィールドの才能はまだ枯渇していないと感じられる。もちろん若かりし頃の革新性はないけれども、それでもメタリカの曲としてのオーラを十分に持っている素晴らしいチューンです。

 アルバムが4月に出るというので、予約しなければ。

 

 予約と言えば10月あたりに予約よりもひと月遅れくらいでラムオブゴッドの新譜が届いたっけ。

 カンニバルコープス同様に安定のパワーメタルワールドが展開されている。

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 いつものように完成度が高く、満足感いっぱいですが、難を言うと目新しさはありません。練りに練られたリフやトリッキーなドラムは健在なのだけれど、4枚目、5枚目のあたりの何度聴いても新鮮な驚きが得られたあの感動は薄れたかなー。僕が一番好きなラムオブゴッドのアルバムはこれ。良質なパワーメタルを求めるならこれですよ!

 

 それはそうと、あなた、なんか最近マイケルジャクソンの「スリラー」と「今夜はビートイット」が4Kクオリティで公開されたの知ってますか!ものすごい解像度で改めてこの頃のマイケルのすごさを堪能できる。

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これを当時見たときはマイケルすげえ!と素直に感動したもんだ。監督がジョン・ランディスという人で、この人は「狼男アメリカン」という狼男の変身シーンやゾンビメイクにやたら力の入ったある意味歴史的傑作を撮った人です。まあ「ブルース・ブラザース」の方が有名か。独特のユーモア感覚とこなれた演出が僕結構好きで、ジェフ・ゴールドブラムが主演した「眠れぬ夜のために」を海賊版で観たりもしたっけ。

 そして度肝を抜く狼男の特殊メイクはリック・ベイカー!80~90年代にかけてホラー映画ブームを通った方なら誰もが知っているリック・ベイカー

 僕は30数年前スプラッタ映画ばかりを見ていたので自然とその界隈の特殊メイクアップアーティストを覚えたのです。ロブ・ボッティン遊星からの物体X)、ディック・スミスエクソシスト)、カルロ・ランバルデイ(エイリアン・ET.REX恐竜物語、トム・サビーニ(ゾンビ・死霊のえじき)、ジャネット・デ・ロッシサンゲリア・ビヨンド)等々。

 リック・ベイカーの仕事を挙げればきりがないけれど、僕が一番衝撃を受けたのはデビッドクローネンバーグ監督の「ヴィデオドローム」だった。

この映画については何年か前にたくさん書きました

 

話は逸れたけど、スリラーすごいでしょ。これ僕が高校生くらいの時だな。もう誰もがマイケルに夢中になっていたっけ。洋楽なんか無縁とも思える友人までもが「かってぃっかてぃーらー!」とか歌ってたもんな。

 そんでビート・イットですよ。

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 ダンスうまいなー。印象的なギターリフが特徴的なこの曲だけれど、ギターソロはあのエディ・ヴァン・ヘイレンが弾いているというのもすごい。当時はそれを知らなくてなんかスゲエギターソロだなあ、とか思っていたが真相を知ってうへえ!と思ったもんだ。しかもタダで弾いたんだってさ。

 

 

 あと今月の上旬に久しぶりに大学時代のバンド仲間とライブハウスで演奏するのです。僕はベーシストなのだが、今年はギターの人の参加が少なくていつもやっているトリオバンドが参加できなくなったのでベースでの参加が無くなってしまった。そんで趣味でやっていたドラムで参加!グリーンデイを叩くよ。でもそれだけだとつまんないんでドラムの友人を誘って二人でホワイトストラプスをやるのです。この曲だけだけど。

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 二人でもバンドはできる!まあギターはそんなに難しくないので良いとして、大変なのはヴォーカルなのだ。とにかく早口で歌うのが大変。1か月かかってようやく習得間近。職場の行き帰りの車で毎日大声で「ヨーヒーイキサンプウダタンシチドリンクワゴトゥメキシコ!・・・」と歌っております。それではおやすみなさい。

 

メタリカまた盛り上がるね

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ロード・オブ・カオスでどんより

 アマゾンプライムで「ロード・オブ・カオス」が観られるようになっていた。そして、観た。主演はマーコレー"ホームアローン”カルキンの実弟ロリー・カルキン。

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 R18指定で、かなり内容的には過激。なかなか見るのがつらい場面もあって何度かに分けて最後まで見ました。
 1990年代前後にノルウェーで活動していた「メイヘム」というブラックメタルバンドの実話に基づく破滅系暴力ダメ青春映画。ブラックメタルとは悪魔崇拝に基づいたビジュアルや歌詞、そして大仰で凶悪なリフとブラストビートが要になったある意味メタルの究極的なスタイルの一つ。

       メイヘムの曲。何となく初期ソドムっぽい感じ

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ノルウェーに住む19歳のユーロ二モス(本名オイスタイン)はブラックメタルバンド、メイヘムのギタリスト。自宅の地下室で友人たちと毎日のように練習をしていたが、最初の時点ではあんまり上手じゃなくて、たまに様子を見に来る妹に「へたくそ」とか言われる始末。

 でもユーロニモスはひたすら練習した結果かなりのレベルにまで到達。そしてメンバー募集に応じたデッド(彼はデモテープにネズミの死体の磔を同封してきた)が加入しそこからカリスマ的人気を博していく。

 彼らは仲間とメタルパーティを屋外で催したりしてもいます。そこに爆音でかかるのはアクセプトの「ファストアズアシャーク」とか、ディオの「スタンドアップアンドシャウト」だ!ああ、懐かしい。

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 僕は彼らと同年代で、リアルタイムでこれらのメタルを聴いていたものだから、すぐに反応してしまう。僕はようやく大学生になったばかりで何も考えず能天気に日々を過ごしていたわけだけれど。


 さて、新ヴォーカリストのデッドは少年時代に受けたいじめから死に憑りつかれており、ライブの最中には腕をナイフで切って血をまき散らしたり、豚の頭部を客席に放り投げたりしていた。しかも、エキサイトした客が、その豚をかじる。病気になるよ!
 そのライブを見ていたクリスチャンという青年がバーガーショップで打ち上げをしているユーロニモスに「あんたら最高だ!」と話しかけるが、ユーロニモスにGジャンのワッペンの「SCORPIONS」が軟弱だと冷たく指摘され、すごすごと引き返す。

           そりゃこれに比べれば

     

 メタルの世界ってジャンルが細分化していて、彼らはより過激なスタイルを追求しているので、スコーピオンズのようにメジャーで一般的なメタルとは相容れないわけですよ。そうしてそういうメタルを聴くやつらに対して「ポーザー(かっこつけ)」と決めつけるのですな。この辺、いかにもメタルファンの生態を上手に描写しているわけだけれど、僕も彼らくらいの頃はボンジョビとかの一連のLAメタルに対してあまり良い思いは持っていなかった。でも今となっては成長して嫌いだった食べ物がおいしく感じるようにあの頃の音楽を懐かしく聴くことができる。
 ただ、躁鬱の激しいデッドはある日バンドが借りていた山奥の一軒家で両腕と首をナイフで切り、最後にはショットガンで頭を吹き飛ばすという壮絶な最期を遂げる。このあたりの描写はかなり生々しくリアルで気持ち悪いので、ダメな人はダメだろうな。
 第一発見者のユーロニモスはあろうことかそれを写真に撮り、後にその写真をアルバムのジャケットして使用する。また、散乱した頭蓋骨の一部をペンダントにしてメンバーに渡すが、ドラマーは「すげえ!」と言ってすぐに受け取るのに対し、ベーシストは「なんじゃそりゃ!やってられるか!」と拒絶し、自転車に乗って(自転車というのが少し悲しい)彼らの元を去る。そりゃそうだ。まともな神経ならそうするよね。ちなみにYOUTUBEには生前のデッドを撮影した映像があり、映画はこの一軒家をほぼ忠実に再現していることが分かる。映画を見た後にそれを見ると何とも不思議な気持ちに
なる。

         本物のデッドやユーロニモス

      一軒家を引き払ったユーロニモスは自身のレーベルを立ち上げ、親の金を借りてメタルレコードショップ「ヘルヴェテ(地獄)」をオープンさせる。地獄とか言っている割に両親からサイン入りの花鉢を送られ、それをさりげなく仲間から見えないように隠すユーロニモス。このあたり、ブラックメタルだとか悪魔崇拝だとか言っているくせに、実は家族大好きという側面が描写されている。
 そのヘルヴェテでユーロニモスと仲間たちは好き勝手に毎日楽しく過ごしていた。面白いのは彼らの一人が店でずうっとスプラッタムービーを観ているのだけれど、サム・ライミ出世作死霊のはらわた」とかあの`指輪物語`ピーター・ジャクソンの「ブレインデッド」であったりする訳で。もうね、あのころの俺か!90年代当時僕はメタルを聴いてスプラッタムービーを観て毎日を過ごしていたのですよ。メタルボンクラとしてマインドが同じすぎる。


 

 そんなある日スコーピオンズと決別したクリスチャンがヘルヴェテにやってくる。クリスチャンは陳列してあったスコーピオンズのレコードを指して「本物だけを扱う店じゃ?」と挑発する。ユーロニモスはそれを受けて、本物を探し当ててみろ、と答える。勉強したクリスチャンは数枚のレコードを選ぶが、その一枚目がソドムの「サインオブイーブル」で笑った。そうして店でレコードをかけると、一曲目の「アウトブレイクオブイーブル」がかかってさらに爆笑。

                 

 いやあ、この面白さ、当時これを聴いていた僕かあの頃の友人ならわかるのになあ。この映画一応メタルを題材にしているので小ネタが沢山あるのですよ。


 クリスチャンは自分はヴァーグと改名したと宣言し(そりゃ悪魔崇拝者がクリスチャンじゃねえ)、彼一人で録音したブラックメタルのテープをユーロ二モスに手渡す。ユーロニモスはヴァーグの才能を認め、レコーディングを手助けする(そのレコーディング資金はヴァーグの母親が出した)。

 人気が出て調子に乗ったヴァーグは自分が真のブラックメタルの体現者だとして教会に放火し、仲間内で一層そのカリスマを高めていく。これがきっかけとなり、ヴァーグはさらに数件の教会を燃やし、「俺が本物だ!お前も付き合え」とユーロニモスに迫る。

 あんまり乗り気ではなかったユーロニモスだけれど、ブラックメタル創始者としての体面を保つため、ヴァーグと一緒に教会を燃やしに行く。ヴァーグは時限装置付きのダイナマイトを持参し、犯行を試みるが、作動せず。「なんだよ!」とか言っている横でユーロニモスは聖書に火を付け、どんどん燃え上がる教会。燃え上がる教会を見ながら笑う二人。そしてこの時の二人のセリフ

「AM I EVIL?」

「YES I AM!」

でオールドメタルファンに目配せをする。

 この「AM I EVIL」はダイアモンド・ヘッドというバンドの曲で、メタリカが頻繁にカヴァーしたことでかなり有名な曲なのだ。僕も大学生の時この曲をバンドでやったもんだ。

               ベースはクリフ・バートンのライヴ

       

 さて、教会燃やし競争が激化し、「誰が一番邪悪か」がヒートアップしていく中、ヘルヴェテでスプラッタムーヴィーばかり観ていた店員のファウストという人物がパブで自分を誘ってきたおっさんをめった刺しにする!ついに事態は殺人にまで及んでしまうのだ。さらには殺人祝いと称してまた別の教会を三人で燃やす始末。しかし内心ユーロニモスは穏やかでなく、常に警察が自分をマークしているのではと疑心暗鬼に憑りつかれる。


 そういや僕の大学時代、パワー合戦と称して誰が一番くだらない行為をできるかということやってたが、内容的にはこれとほぼ同じだな。邪悪さのレベルは段違いだけれど。例えば酔っぱらって道路に大の字になってみたり、他人が鼻かんだティッシュを食ってみたりなどしょうもないことばかりでした。それでもそれを現場で見ていた僕らは大笑いし、「どうだ!俺のほうがパワー!おまえら赤子同然!」などと叫んでいた。いい青春でしょ。


 さて邪悪パワー合戦の果てはどうなったのか。
 ヴァーグは雑誌のインタビューに応じ、速攻で逮捕されるが証拠不十分で釈放される。このことが大々的に報じられるが、とばっちりを受けたユーロニモスは店を畳まざるを得なくなる。ユーロニモスはその際に「ヴァーグをスタンガンで気絶させて森の木に縛り付けて拷問してやる」と悪態をつくが、これを真に受けた仲間がヴァーグにこれを報告。それを聞いたヴァーグは逆上し、ナイフを持ってユーロニモス宅に押しかけ、彼を刺し殺してしまう。

 このあたり、映画のクライマックスだが、いやな緊張感で一杯。そして部屋の外に逃げたユーロニモスを追い、執拗に刺し続けるのだ。ユーロニモスはその短い生涯を閉じ、ヴァーグは逮捕され、何とも言えない嫌な感じで映画は終わる。


 ブラックメタルデスメタルは死を前面に出してその世界観を作ってはいるが、本当にやっちゃ駄目だよね。それは明らかに作り物と分かるスプラッタムービーと同じく、あくまでフィクションの世界で成り立つものであるのだから。だからこそ僕は部屋にカンニバルコープスのレコードを飾り、日常的にデスメタルを聴くことができるのだ。

 

 ちなみにヴァーグはその後出所し(一度逃亡を図りつかまる)、現在も音楽を作り著作をしています。
 この事件は様々なメタルシーンに影響を与えているが、あのメタリカも題材にしており、非常に興味深い。このビデオはなんと、映画の出演者がそのままメタリカの曲をパフォーマンス。メイヘムがメタリカを演奏というある意味ものすごいビデオ。コメントは八千件を超え、いかにメタルファンがこの曲に反応したかがよくわかる。

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まあ、映画を見る限りはヴァーグはヤバすぎですな。彼がどうしてこのような行動原理を持っていたのかはあまり描写されないのでその辺は不明だけれど、ユーロニモスは結果的に実はバンドを有名にしたいポーザーであったという印象もぬぐえない。救いないね。

 

 これに比べれば同じ北欧デスメタルをテーマにした『ヘヴィ・トリップ』のなんと平和なことか!

  

 一年前に書いたヘヴィトリップの記事ですよ

  

 

 いやあ、久々に書いた書いたの四千文字。ここまでたどり着いた方、どうもありがとうございました。服とかラムオブゴッドの新譜とか小説「三体」とか、書きたいネタはちらほらあるのだけれど何せ年のせいか書くのがおっくうでねえ。また来世!

 

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「キャシアン・アンドー」7話まで見たところでのはなし

 ディズニープラスで独占公開されているスターウォーズのドラマ、「キャシアン・アンドー」。

     

  まず、この作品って結構敷居が高いんじゃないの。なるべく「ローグワン」を観ておく必要もあるし(まあ、観ないでもいいけど)、SW詳しくない人にとっては、そもそもアンドーって誰?ということにもなるでしょ。

 アンドーは「ローグワン」で出てきた人で、デス・スターの設計図を盗むためにフェリシティ・ジョーンズとひいこらいってようやく任務を達成した。ローグ・ワン自体は好きです。

     

 そんでローグ・ワンの四年前のお話で、如何にアンドーが共和国軍の戦士になっていくかという話を全24話で描くんだと。オビ=ワンが6話だったのに対してやけに長くないか。つうかSWドラマの中でもこれ随分長いと思うよ。

 

 まあ7話まで観ましたが、端的に言って地味なんですよ。これは色々なところで言われてるけどとにかく地味。ジミーイートザワールド。そんで冗長。あとSW世界ではあるけれど、人気キャラ一人も出ない。ベイダー、ルークは言わずものがな、トルーパーさえ殆ど出てこない。

 言ってみればSW世界の市井の人々の物語であり、ファンタジックな要素があまり感じられないのよ。冒頭に出てくる橋のシーンからしてなんだかSW感ゼロ。地球のどこかの道路を歩いているかと思ったよ。そんで話数が多いので余裕があるからなのか、じっくりドラマが描かれるのだ。映画ならば一秒で出てきては消えそうなキャラをその背景までじっくり描く。

 

 例えばシリル・カーンという保安部隊の隊長がヘマをやってクビになり、田舎へ帰るんだけど、母ちゃんが出てきて「お前仕事どうするんだい?叔父さんのコネでなんとかしたげるよ」みたいなシーンになるんですよ。いるか?これ?観るのツライ・・・。そして再就職したシリルはカフカの『審判』に出てくるような画一的な職場を数10倍に拡大したような無機質な場所で単調な仕事を死んだ目でこなす。

 

 また、映画にも出てくる共和国軍のリーダーの1人、「モン・モスマ」という女の人がいるんだけど、この人の家庭が崩壊してて、夫や娘との関係がギクシャクしているのだ。娘が反抗的で、モンさんため息とかつく。つうか、なにこれ。いったい僕は何を見せられているのだ?なんだかスターウオーズと似て非なるものが画面上で展開されているんですけど・・・。これでモンさんは反乱軍活動に一層のめりこむんですかね。7話ではさらにモンさんの活動がフューチャーされ、策士ぶりが強調されているが・・・観たいのはこれじゃないよ!

 

 とにかくあんまりこの辺りドラマパートが観ていて厳しいのでその話を娘にした。

 「いや、最近見ているキャシアン・アンドー」のドラマ、一般人みたいな人が出て

  きて、その描写がスゲー細かいんだよ。仕事クビになって実家帰って落ち込んだり

  している人の話とか見せられるんだよ!それいる?」

 「そんなんなら観なければいいじゃん」

 「観るよ!だってスターウォーズなんだから!そんでさ、モン・モスマの家庭のご      

   たごたとか、すごいキツかったんだよ」

娘  「だから観るのやめたら」

  「観るよ!スターウォーズなんだから!」

 

 その後もスパイ活動を隠密でしなければならいので、ひたすら地味な映像や会話が続きます。そうしてやっと6話の最後に帝国の領土からトルーパーとかの給料を盗み出すんだけど、そこはかなり派手で緊迫していてよかった!特に空一面に色とりどりの流星がきらめく中でタイ・ファイターから貨物船で逃げるシーンは問答無用にカッコよく、ようやくスターウォーズっぽい感じがあった。

 ひたすら暗くて地味なドラマの後に、こういう派手なシーンがある作品どこかで見たな、と思ったら、ああ、そうだ中学生の時にみた心の一本、クリントイーストウッド主演のファイヤーフォックスだ!この映画も前半は地味なスパイドラマなんだけど、後半これでもかというくらいにハイスペックな戦闘機の空中戦が展開される。SWの第一作を担当したジョン・ダイクストラVFXが爽快!ブルーレイも持ってますよ。当然観るのは後半のみ!

           黒光りするファイヤーフォックスの機体が美しい

      

 あと良かったのは、ルーセンという謎の男を演じる、ステラン・スカルスガルドだ。スカルスガルドは「DUNE」でハルコーネンを演じていい味を出していたが、アンドーでも抜かりない。特に僕がお気に入りの彼のシーンは、惑星コルサントに帰る直前で表の顔である骨董商に戻るため1人宇宙船の中でカツラをつけて鏡を見ながら偽りの笑顔の練習をするところだ。最初一体こいつどうしたんだ?!と思ったが、表情の練習だったのね。1人でニヤニヤと客の相手をエアーでしているシーンが妙に気に入りました。

 

 その他いわゆるイースター・エッグ(小ネタ)も沢山あるようなのだけれど、そういうのはもっと詳しい人が書いていると思います。だってアニメのクローンウォーズとか「反乱者」とかに関係する小ネタなんて拾うの大変だよ。クローンウォーズとか話数が多すぎて見てないし。ああ、バッドバッチは何とか見ました。

              バッドバッチの方がよほどSW

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正直ですね、マンダロリアンとか、ボバフェットみたいに、毎週楽しみで公開したらすぐに視聴!とかいう気がこの「アンドー」には起きないということなのです。

 とはいえこれからもっと話にギアが入ると思うので、人情ドラマを我慢して観てみるつもり。しかしねえ、6話でようやく調子が出てきたと思ったら、7話でまたジミー!地味ー・イート・ワールド!それでも頑張って観るよ!スターウォーズなんだから!

                   しょもないダジャレ

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SW知らないとあんまりおもしろくない記事ですね

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