ディズニープラスで独占公開されているスターウォーズのドラマ、「キャシアン・アンドー」。
まず、この作品って結構敷居が高いんじゃないの。なるべく「ローグワン」を観ておく必要もあるし(まあ、観ないでもいいけど)、SW詳しくない人にとっては、そもそもアンドーって誰?ということにもなるでしょ。
アンドーは「ローグワン」で出てきた人で、デス・スターの設計図を盗むためにフェリシティ・ジョーンズとひいこらいってようやく任務を達成した。ローグ・ワン自体は好きです。
そんでローグ・ワンの四年前のお話で、如何にアンドーが共和国軍の戦士になっていくかという話を全24話で描くんだと。オビ=ワンが6話だったのに対してやけに長くないか。つうかSWドラマの中でもこれ随分長いと思うよ。
まあ7話まで観ましたが、端的に言って地味なんですよ。これは色々なところで言われてるけどとにかく地味。ジミーイートザワールド。そんで冗長。あとSW世界ではあるけれど、人気キャラ一人も出ない。ベイダー、ルークは言わずものがな、トルーパーさえ殆ど出てこない。
言ってみればSW世界の市井の人々の物語であり、ファンタジックな要素があまり感じられないのよ。冒頭に出てくる橋のシーンからしてなんだかSW感ゼロ。地球のどこかの道路を歩いているかと思ったよ。そんで話数が多いので余裕があるからなのか、じっくりドラマが描かれるのだ。映画ならば一秒で出てきては消えそうなキャラをその背景までじっくり描く。
例えばシリル・カーンという保安部隊の隊長がヘマをやってクビになり、田舎へ帰るんだけど、母ちゃんが出てきて「お前仕事どうするんだい?叔父さんのコネでなんとかしたげるよ」みたいなシーンになるんですよ。いるか?これ?観るのツライ・・・。そして再就職したシリルはカフカの『審判』に出てくるような画一的な職場を数10倍に拡大したような無機質な場所で単調な仕事を死んだ目でこなす。
また、映画にも出てくる共和国軍のリーダーの1人、「モン・モスマ」という女の人がいるんだけど、この人の家庭が崩壊してて、夫や娘との関係がギクシャクしているのだ。娘が反抗的で、モンさんため息とかつく。つうか、なにこれ。いったい僕は何を見せられているのだ?なんだかスターウオーズと似て非なるものが画面上で展開されているんですけど・・・。これでモンさんは反乱軍活動に一層のめりこむんですかね。7話ではさらにモンさんの活動がフューチャーされ、策士ぶりが強調されているが・・・観たいのはこれじゃないよ!
とにかくあんまりこの辺りドラマパートが観ていて厳しいのでその話を娘にした。
僕 「いや、最近見ているキャシアン・アンドー」のドラマ、一般人みたいな人が出て
きて、その描写がスゲー細かいんだよ。仕事クビになって実家帰って落ち込んだり
している人の話とか見せられるんだよ!それいる?」
娘 「そんなんなら観なければいいじゃん」
僕 「観るよ!だってスターウォーズなんだから!そんでさ、モン・モスマの家庭のご
たごたとか、すごいキツかったんだよ」
娘 「だから観るのやめたら」
僕 「観るよ!スターウォーズなんだから!」
その後もスパイ活動を隠密でしなければならいので、ひたすら地味な映像や会話が続きます。そうしてやっと6話の最後に帝国の領土からトルーパーとかの給料を盗み出すんだけど、そこはかなり派手で緊迫していてよかった!特に空一面に色とりどりの流星がきらめく中でタイ・ファイターから貨物船で逃げるシーンは問答無用にカッコよく、ようやくスターウォーズっぽい感じがあった。
ひたすら暗くて地味なドラマの後に、こういう派手なシーンがある作品どこかで見たな、と思ったら、ああ、そうだ中学生の時にみた心の一本、クリントイーストウッド主演の「ファイヤーフォックス」だ!この映画も前半は地味なスパイドラマなんだけど、後半これでもかというくらいにハイスペックな戦闘機の空中戦が展開される。SWの第一作を担当したジョン・ダイクストラのVFXが爽快!ブルーレイも持ってますよ。当然観るのは後半のみ!
黒光りするファイヤーフォックスの機体が美しい
あと良かったのは、ルーセンという謎の男を演じる、ステラン・スカルスガルドだ。スカルスガルドは「DUNE」でハルコーネンを演じていい味を出していたが、アンドーでも抜かりない。特に僕がお気に入りの彼のシーンは、惑星コルサントに帰る直前で表の顔である骨董商に戻るため1人宇宙船の中でカツラをつけて鏡を見ながら偽りの笑顔の練習をするところだ。最初一体こいつどうしたんだ?!と思ったが、表情の練習だったのね。1人でニヤニヤと客の相手をエアーでしているシーンが妙に気に入りました。
その他いわゆるイースター・エッグ(小ネタ)も沢山あるようなのだけれど、そういうのはもっと詳しい人が書いていると思います。だってアニメのクローンウォーズとか「反乱者」とかに関係する小ネタなんて拾うの大変だよ。クローンウォーズとか話数が多すぎて見てないし。ああ、バッドバッチは何とか見ました。
バッドバッチの方がよほどSW
正直ですね、マンダロリアンとか、ボバフェットみたいに、毎週楽しみで公開したらすぐに視聴!とかいう気がこの「アンドー」には起きないということなのです。
とはいえこれからもっと話にギアが入ると思うので、人情ドラマを我慢して観てみるつもり。しかしねえ、6話でようやく調子が出てきたと思ったら、7話でまたジミー!地味ー・イート・ワールド!それでも頑張って観るよ!スターウォーズなんだから!
しょもないダジャレ
SW知らないとあんまりおもしろくない記事ですね