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絵本でビブリオバトル?!

 ※以前書いた記事の加筆訂正となります 

 だいぶ前にこんなことを偉そうに書きました
  

 そんで今日小5の娘と話していたら今度クラスで絵本のビブリオバトルがあるんだって。

 絵本といえばそれはもう僕、娘が小さい頃毎週のように図書館へ行って僕のセンスで沢山借りては読んで聞かせたものですよ。また自腹でいろいろ買ったりしたんだけれど、そういうものはみんな天井裏へとしまってしまった。そこでそれを引っ張り出してご紹介します。

 

             まずはイソップ童話の本。

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「○○童話」と冠がつくものはあまたあれど、イソップほど普遍性を持つ物語を作った人間はいるまい。室町期にはすでに「伊曽保物語」として日本に入ってきており、その時代から日本人にも親しまれているのだから。これはブックオフあたりで100円くらいで買ったんだけど、ちょっとすごいのがあったので捨ててないのだ。

 

 イソップは童話というよりも寓話である。登場するのは、ほぼ動物でそれぞれが自分の能力以上に思い上がり、その結果ひどい目にあうというのが基本的に物語の構造だ。彼は手を替え品を替え、様々なケースで陥穽にハマる動物たちを描写し、それを読む我々に対していかに人間が愚かであるかということを見せつける。

 

 そうして現代にも脈々とその精神は受け継がれ、子供の文化にも浸透しているのです。それにしてもこの話はひどくないか。まずは大元のお話を紹介します。

 

 

       伊曽保物語より  蛙と牛とのこと

         (牛を見た母親とその子供のカエルの話。)

 

※太字が大体の意味です

 ある河のほとりに、牛一匹こゝかしこへ(あちこち)餌食をもとめ歩きはべりしに、蛙これを見て心に思ふやう、

  ある川のそばで牛を見た母親カエルが思った

 

「わが身をふくらしなば、必ずもやあの牛のせいほどなりなん」

と思ひて、きつと伸びあがり、身の皮をふくらして、子どもにむかつて、

  私が体をふくらませれば、きっとあの牛の大きさくらいになるだろう」と腹を膨らせて子供に向かって

 

「今はこの牛の背丈ほどなりけるや」

  「牛くらいの大きさになったかしら?」

 

と尋ねければ、子どもあざ笑ひて云、(ここがヒドイ)

「いまだ其位なし。はばかりながら、御辺(あなた)は牛に似たり給はず。正しくカブのなりにこそ見え侍りけれ。御皮の縮みたる所侍る程に、いますこしふくれさせ給はば、あの牛のせいになり給ひなん」

  子供は「全然ダメだよ、ママ。まるでカブみたい。まだ縮んだところあるから膨らませればいーじゃん」とあざ笑った

 

と申ければ、蛙答て申さく、

「それこそいとやすき事なれ」

  と言われたので「そんなの簡単よ!」

 

といひて、力およびえいやつと身をふくらしければ、思ひの外に皮にはかに(急に)破れて、腸(はらわた)出て空しくなりにけり(死んでしまった)。

 そのごとく、およばざる才智位を望む人は、望む事を得ず、終にをのれが思ひ故に、かへつて我身をほろぼす事有也。

  力いっぱいお腹をふくらませたとたんパァン!と急に破裂し、内臓が出て死んでしまった。このように無理な地位や才能を望むと身を滅ぼすよ。

 

 ちなみにかわいい絵柄だけれどママのお腹が破裂している絵が1ページ使って描かれているのだ。気になる人は探してみてください。

 

 

 さて、丁度娘が4歳くらいのときに流行った「ダース・ヴェイダーとルーク(4才)」も当然読ませた。姉妹編のプリンセス・レイアも買いましたよ。子供は一緒になって笑ってみていました。今でもたまに見ている。よし!

                大判の本は下で紹介します

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 大きめの本の方、字はないけれど偏執狂的な書き込みが暇つぶしに持ってこいの「WHERES WOOKIE?」。アマゾンでたまたま見つけてアメリカから注文しました。 

Star Wars: Where's the Wookiee? Search and Find Book

Star Wars: Where's the Wookiee? Search and Find Book

 

 日本未発売。でも絵だけで構成されているのでノープロブレム!必ずどのページにおチューバッカが隠れているんだけれど、そのほかグリードやバウンティハンターなどもいるので探す楽しみがさらに倍増。まあ、言ってしまえばスターウォーズ版ウォーリーなんですけどね。

              さあ、チューバッカはどこだ!探してごらん

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 あとよく読んでいたのは「フェリックスの手紙」。

           買い与えた僕自身はそんなに見なかったけど

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 うさぎのぬいぐるみが海外に出かけて、そこから持ち主に手紙を書くという体裁の絵本。絵葉書や地図などのギミックに溢れているので子供はかなり楽しめるはず。

           全て日本語版として対応しています

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 最初、誰かがフェリックスの代わりに代筆しているのではないか?と勘違いしてヒヤヒヤしていたが、どうやら違うようです。

            地図やポストカードが充実!

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 以下、僕が娘に買った絵本をいくつか列挙しますよ。

 「たかこ」

たかこ (絵本・こどものひろば)

たかこ (絵本・こどものひろば)

 

 クラスに転校してきた平安朝のお姫様、というブッ飛んだ内容。古典好きとして一も二も無く買って一緒に読んだっけ。別にタイムスリップしたとかそういうわけではなく、本当に唐突にこんな子がやってきたという設定。

 たかこは現代語は話すことができず、セリフは全て古語なのだ!最初のウチは珍しがられていたたかこだが、その習慣や言動からクラスの一部の子に疎まれてしまう。このあたり、転校生いじめのメタファーとしても読めるけれど、最後は遠足先で雷雨に遭ったとき、みんなが逃げ惑っているところにたかこが

「わが うはぎを つかひたまへ」

と着ている十二単を投げてみんなをその下に避難させ、大団円。

 確かこの作者はこれがデビュー作だったはず。非常に良い絵本だと思いますよ。

 

次はちょうどその時期、僕自身がはまっていた月旅行をテーマにした絵本、その名も「月へ」

月へ アポロ11号のはるかなる旅

月へ アポロ11号のはるかなる旅

 

 

 ライアン・ゴズリング主演の「ファースト・マン」が待ち遠しいけれど、人類がどうやって月へとたどり着いたのかを綺麗なイラストで詳細に描き出した素晴らしい絵本。娘、これ使えばいいのにな。でも学校にある本で選ぶそうだからあるかどうかは不明。

 

 今見ても怖い「もりのおばけ」。

 すべてが白黒

もりのおばけ (こどものとも絵本)

もりのおばけ (こどものとも絵本)

 

 

 これ、知っている方もいるでしょう。森の中で超デカイ顔のお化けがはぐれた弟を探す兄をおどかす。こんなの出たら今だって腰抜かすし。

            こんな動画を上げている人がいました

   

 あとはこれ、三匹のヤギとがらがらどん

これも有名だよね 

三びきのやぎのがらがらどん (世界傑作絵本シリーズ)

三びきのやぎのがらがらどん (世界傑作絵本シリーズ)

 

最後にお化けのトロルは木っ端微塵にされ、川に肉片が飛び散るという結構なバイオレント描写 !逆にかわいそう。これ幼稚園とかで読んだりするときどうしてんのかね。

 

 絵本の話おしまい。娘は何を選ぶのだろうか。

 

今読んでくれている人、ありがとうございます

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