アンダーワールドはギター/Vo 他担当のカール・ハイドとKEY/プログラミング他担当のリック・スミスの二人のプロジェクトだ。
コンピ盤やサントラが他にもあったけど、どっかいった・・・
HPのリンクが地味
Underworld Live | The Official Website
彼らをハネさせたのは、なんといっても映画「トレインスポッティング」で使用された「ボーン・スリッピー」に間違いない。
このビデオの金のかかっていなさはすごい
このバージョンは短いのでイマイチこの曲の魅力が伝われないけれど、後半のドーンドーンという低音のつるべ落ちは、当時非常なカタルシスを僕に与えてくれた。
1996年のこと。この頃イギリスのテクノ界はとんでもない活況を呈していた。ケミカルブラザース/プロディジー、そしてこのアンダーワールドというとてつもないバンドがシーンを席巻していたのだ。
この中で僕が最初に聴いたのはケミカルだったと思うけれど、当時は新時代の幕開けだ!という空気を感じ、次々にアンダーワールドやプロディジーのCDを買いあさったのだ。
初めて聴いたアンダーワールドのCDは「二番目のタフガキ」だ。なんだこの邦題。
まあそれはいいとして、僕は冒頭の「JUANITA:KITELESS:TO DREAMS OF LOVE」のパクチコパクチコというイントロから始まって徐々に音が重なっていく万華鏡のようなサウンドにすっかり酔いしれた。
一曲目が16分以上ある。でも一気に聴ける!
このころの彼らの魅力は、無数に織り成されるパーカッシヴな音と、それらが重層的に絡み合ってめくるめくグルーヴを生み出すサウンドにあった。ドンドンドンドンという四つ打ちのバスドラを基調として、それに絡まるカシャカシャ、チクチクといった細かい装飾音が全てにおいて完璧で、高速道路で走りながら大音量で彼らの曲を聴くと不思議な空間にトリップするような錯覚に陥ったものだった。
一曲の長さが10分以上というのもよかった。テクノを基調としているのでポップソングのフォーマットに収まっているわけでもなく、だからこそ自由な曲が生まれたのだろう。前半と後半の曲調がガラッと変わるなんてザラだった。しかしそこには一切の不自然さはなく、必然とも言える展開だ!と逆に納得できる完成度を誇っていた。
このアルバムは20年来聴いている。多少の音の古さを感じるものの、やはりあの、ズンズンと迫り来る音の洪水の魅力は少しも色あせていない。
とはいえ、このアルバムは僕個人の好みからしては捨て曲もいくつかある。
そもそも1曲目の「JUANITA:KITELESS:TO DREAMS OF LOVE」と、二曲目の「banstyle/sappys curry」だけで30分近く有り、それだけで十分満足できる完成度なのだ。
こんなに長い曲が連チャンだったのだ
この曲「banstyle/sappys curry」も衝撃的だった。アンダーワールド流のドラムンベースに始まり、後半のブレイクを挟んでギターの印象的なアルペジオに引っ張られどんどんた!どんどんた!というリズムにチェンジし全く別の曲になるのだ。
ちなみに3、4もいいけど大体において飛ばします。そうしてダメ押しの5曲目の「PEARLS GIRL」でトドメをさすのだ。
今でもものすごい人気を誇る曲。リズムトラックが入ってからの展開がすごい
言ってしまえばこのアルバム、この3曲さえあればいい。後のアンダーワールドの楽曲のパターンはほとんどこの3曲に詰まっているんじゃないか?
そのパターン、大雑把にいってこうだ。
まずは王道のバスドラ4つ打ちテクノ。ドンドンドンドン!という押しの強いビートに、思いもよらないフレーズがかぶさりライヴ会場をトランス状態に持っていくような曲。「ボーン・スリッピー」はまさにこの系譜の代表曲だろう。大音量で周囲を気にせず聴きたいような曲。
そうそう、僕は家を建てたとき、奮発してテレビにDENON製の5・1チャンネルサウンドシステムを取り付け、12畳の部屋のあちこちにスピーカーを配した。これで映画やバンドのDVDやブルーレイを迫力ある音で聴ける!とワクワクしたものだ。
実際子供が生まれる前、平日の昼間などは通常の環境では信じられないような音量でSWなどを鑑賞していた。田舎なので多少の音が漏れても全く問題がないのだ。だから、妻の留守中など、ライヴDVDの「EVERYTHING、EVERYTHING」を映像大音量でかけて、一人でキングオブスネイクに合わせて踊ったりしていた。しかし、すぐに虚しくなり、やめた。ばか。
しかし現在、そのサウンドシステムはほとんど使ってない・・・。セッティングが面倒なのと、長女が小さい頃、スピーカーの一つを彼女が壊してしまったからだ。コーンの部分をペコペコしていたら破れた!ショック!
そして重低音用ウーハーに至っては妻が高いところを掃除する為の踏み台になっていた!当たり前のようにそれに乗っている妻を初めて見たとき、「ええ!」と声に出して驚くと妻に「何!びっくりした!」と逆ギレされた。こんな訳で普段はもうスピーカーは押し入れにしまっているのです。
まあ最近映画は専ら、自室でアマゾンプライムをヘッドフォンで深夜見るという形態をとっているしホント使わない。
話がそれた。ドンドンと力強いビートで引っ張る曲に対し、ミドルテンポで次々と音を重ねるパターンの曲がもう一つの彼らの曲の特徴だ。まさに「PEARLS GIRL」などがそれ。
とにかくこの「二番目のタフガキ」1枚ですっかり彼らのトリコになった僕はすぐさま1STを手に入れたのだ。それについてはまた明日。
テクノとは無縁ですが