音楽と本

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TOOL /Fear Inoculum ! トゥール「フィア・イノキュラム」圧倒的

 ここ数日インフルエンザに罹り、寝込んでました。一年の内で最も会社が忙しいと思われる時期に穴を開け、後ろめたい一方であの殺人的スケジュールから逃れられた!という気持ちが正直です。

 

 数年に一度は罹患するんだけど、年を取るごとになんだか辛いね。3日間、ずっと寝てたもんね。だから、せっかく届いたTOOLの新作も聴く状態ではなく、もどかしい思いをしておりましたがようやく今日ズル休みの気分で聴きましたよ。とにかく凄まじかった!

 輸入版のほうが安いです。あせって5700円もする日本版を買ってしまった・・・

 

           相変わらずの完全限定生産豪華パッケージ仕様

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 さて、このセットいくらだと思います。5700円ですよ!

 握手券とかが入っているわけでもなく、二枚組みでもありません。音源は79分パンパンに入っているけれど、CD一枚にしては高いというのが正直な感想。

 でもね、TOOLだから!僕は普段CDを100円でゲットして喜んでいるような貧困リスナーで、最新作を買い漁って聴くなんてやりたくても出来ないのですが、このバンドは別格。TOOLというだけでCDは無条件購入です。つっても、海外版が出たときは一万円近かったので買わなかったが・・・。(なんかね、その一万円近いセットは独自の動画再生装置つきのパッケージだそうで、そもそも税関を通らないのではという話もある・・・)

        既存のロックミュージックのフォーマットには一切当てはまらない

   www.youtube.com

       この曲からして聴き終わったあとの衝撃はすごい。

 

 さて、では僕と一緒にTOOLの最新作のパッケージを見ようじゃないか!

                  もうこれは本です

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       一枚目にCDが封入されている。相変わらずの目玉オンパレード

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 この部分にダウンロードキーが記入された紙が入っていて、サイトに行くと動画をダウンロードできるんだって。YOUTUBEを見る限り音源は全て公式サイトにアップされているのに(太っ腹!)PVがないということは、CD購入者の特典らしい。まだダウンロードしてません。でもきっといつものあの感じでしょう。

             こちらは昔の曲。いつものあの感じ

     

 さて再びパッケージの中身に戻ると一回観たら次にいつ観るのだろうという無駄に豪華な仕様。今回は初めて歌詞カードがついていました。

                  楽曲にふさわしい世界観

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             メンバーも肖像画的に登場

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     ヴォーカルのメイナード            おや、何か入っているぞ!

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 いったい何に使うの?いや目的など無い!ただ持っているだけで価値のあるバイノキュラーが5枚も入っている!一枚千円の価値はあるでしょ!

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             こちらはギタリストのアダムによる開封動画

    

 

 さて肝心のアルバムの中身だけれども、13年待たされた甲斐ありの屈指の歴史的名盤!一度聴いただけでそれはもう感じられる。どの曲もほぼ10分超えという大作ぞろいながらも全く飽きが来ない。というよりもいつまでも聴いていたくなる中毒性がある。今回は特にドラムのダニーの活躍が素晴らしく、特に6曲目の「チョコレートチップトリップ」なんてほぼドラムソロ!

              とにかくタム回しが尋常じゃない

   

 ギター・ベース・ドラムという最小限の構成なのにまるで交響曲を着ているようなスケール感。完全にこれは芸術だな。そして魂揺さぶるロックでもあるという奇跡の一枚。このようなアルバムが全米1位になるのだから世の中捨てたもんじゃない。

 

 これ聴いて年越します

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スカイウォーカーの夜明け 観た

 忙しいから観るのは来年でいいかなーなんて思っていたけれど、今日娘の塾の送迎が9時だったのでそのついでに近くにあるシネコンで観ましたよ、「スカイウォーカーの夜明け」。

    www.youtube.com

 

       大注意!ネタバレしまくりですよ!

 


 僕の中でのSW愛は冷めてはいないけれど、前作「8」から熱狂してまで見る姿勢は失われたしまったという自覚がある。「7」が公開されたときは待ってました!と何度も映画館へ行き、ブルーレイもすぐに買ったけれど、「8」は持ってもいませんよ。そういう期待値の低さで観た「スカイウォーカー」だけれど、だからといって正直「うわすご!」とはなりませんでした。もちろん、最初の「a long time ago~」が出てからの「STAR WARS」のオープニングには心躍ったが字幕でいきなり「パルパティーン」と書かれているのを見て、え、今回パルパティーン回なの?スノークとかファーストオーダーとか何だったの?と思ってしまう僕。

 

 次から次へと展開されるSWならではのVFXシーンもなんだか既視感があって、エンドアのスピーダーバイクのチェイススシーンのほうがよっぽどワクワクしたなと冷めた思いが頭をもたげるのだ。 

 ストーリーはてんこ盛りで、監督のJJエイブラムスはなんとか前作で広げた風呂敷を閉じようとあの手この手を使い観客を楽しませる。なんというか、もう何でもありだな、と僕は思ってしまうのだ。フォースの力が万能すぎて、ルーカスはフォースをこんな風には扱ってなかったのでは?と思うような描写が多いのだ。

 

 最初に何でもアリだと思ったのは、レイが手を当てるだけでどんな傷も治ってしまうシーンだ。でっけえ蛇を治すのから始まって、自分でぶっ殺そうとしたレンの傷を治したりさ。一応、それをすることで自分の生命エネルギーが減るような描写があるけれど・・・それってどうなのかね?SWってそういうことじゃないと思うんだけどなあ。あとはフォースを通じて物事が空間を超えるところだ。レンとレイの間では物理的なものまで行き来する。ベイダーのマスクから始まって、最後にはライトセーバーをどこでもドア的に手渡し。もはやレイは魔法使いになっている。もちろんそれは彼女がパルパティーンの孫だったというエクスキューズはあるのだろうけれど、それにしたってねえ。しかも劇中パルパティーンの子に関する説明ほとんど無し。あのシスの暗黒教の子供がそんなまともな人間に育つのだろうか?当然それなりの教育を施し、暗黒面へと誘うはずではないのか。そして最大の何でもアリはそのパルパティーンのダークサイドパワーだ。例の指先から発せられる紫のビリビリがなんと反乱軍の艦隊を片っ端から機能不全に陥らせるのだ。なんだそれ!やりすぎ。


 まあ世界的な人気シリーズの完結編だから情報の詰込みやらオールスターの出演やらでオールドファンに十分すぎるくらい目くばせはしているのだけれど、それがなんだか空回りしているなあと感じるところもあったね。最後の方でむりくりべスピンの絵とかエンドアの様子が出てきたが、要るか?そしてチューバッカが死んだと思ったら生きてたり、3POの記憶が無くなってもすぐに復活したりとそのくだりなんだよ?と思う部分も多かったです。相変わらずストームトルーパーのブラスターは当たらない(申し訳程度にポーにヒットはする)のだが、フィンやチュウイはスターデストロイヤー内で走りながら次から次へと殺しまくり。まるでFPSゲームのように軽々と死んでいくこれギャグじゃないのか?ただ、その断末魔が女性の声であったりするのはエイブラムスの変なこだわりを感じた。でもさすがにキャプテン・ファズマは出てこなかったのでやはり前作で死んだんだね。そうそう、レイにフォースで化かされる二人のストームトルーパーはだれか有名な人が入っているのでしょうか?「7」だとダニエル・クレイグが中に入ってて話題になったけれども、今のところは情報ありません。

 

 ラストシーン、レイがスカイウォーカーを襲名するところで黄色いライトセーバーが出てきたけれど、あれはレイの自作品なのかな。いちおうジェダイは修行の最後にセーバーを自作するという試練もあるし。まあストーリーや解釈についてはおそらくネットでさんざんこれから議論されるだろ。
 そうそう、オールスター総出演の上に、若いルークやレイアまで出てくるがもはや驚きも少なくなった。映画は今や不可能はないね。
 みんな歳取っちゃったから、ルークやランドの体が大きくなっているのは分かるが、遂には3POも太ってたぞ。なんか今回のスーツはずんぐりしているんだよね。中の人のアンソニーダニエルズも大変だ。僕は映画を見ている最中、彼はコルセットつけて無理やり細くしているのでないかとそっちの心配をしてたよ。そうそう、エピソード4での英雄、ウェッジが一瞬Xウィングファイターのパイロットとして顔が出てました。

 

 まあなんだかんだで少なくとももう一回は来年劇場で観るでしょう。そしてその後、ディズニーチャンネルを契約してしまうかもしれない。だって映画が始まる前にさんざんあおるんですよ、「スターウォーズが見放題」って。別にブルーレイがあるから映画はいいんだけど、「マンダロリアン」が観たいのだな。もはや正史よりもこういうスピンオフの方が出来が良かったりするからなー。

             これ絶対面白いに決まってるジャン

   

 

年末の休暇にどうぞお読みください

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音楽に頼む毎日 

        ケン・イシイの新曲ムチャクチャかっこいい!

   

色々なテクノ関連のPVやらのオマージュがこれでもかとぶち込まれており、テクノ好きは思わずニヤリとしてしまう。やはり一番おお!と思うのは2:22あたりに一瞬出てくるバーチャルリアリティマシンを頭にかぶり、トイレで銃を構えているシーンだろう。これはテクノ好きなら誰でも知ってる名曲「EXTRA」の再現なのだ!

                   何回このPV貼ったことか

   

 これがもう20年以上前の作品なんだから彼の創作力の奥深さには舌を巻く。そうしてやはり最後の場面で一瞬登場するケン・イシイ本人!これがまたEXTRAの最後を彷彿とさせるのだ。僕はゴーグルを外した彼がこのまま飛び降りるのかと思ったよ。

           うーん、1000枚限定版は高いなあ・・・誰か僕に買ってください

                

 

 

 さて、久しぶりの更新ですが、とにかく公私共にいろいろあって大変です。先月連続5週日曜休みなしというまさにブラックすれすれの会社で疲弊する一方、私的には死の棘に触れるがごとき生活とでも申しましょうか、とにかくそんなこんなで僕よくまあ鬱にならないなあと思いつつ生きているのです。

 

 そういう生活にわずかな潤いを与えてくれるのが音楽や読書や映画なのだ。文化というものは生きるうえで絶対に必要と思うのだ。

 そんでその必要から購入したハードオフジャンクCD購入報告です。

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 上段の真ん中は、ブラーの来日記念日本限定アルバム。アマゾンでいくら探しても見つかりませんでした。ひょっとして、ニルヴァーナの「ホルモウニング」みたいなレア盤か!?
 さてブラーは「ひねくれポップ」なんて呼ばれていた全盛期の頃よく聴いてたっけ。ブリットポップ花盛りなりし頃、僕はオアシスよりもブラーのほうが好きだった。「パークライフ」の一曲目「Girls&BOYs」なんか聴いていて気持ちがいいもんね。
    これ観てFILAのジャージとかフレッドペリーのポロとか買ったなあ

     www.youtube.com

あのころ(94から96年くらい?)オアシスとシングル売り上げ対決みたいなことやって、「カントリーハウス」を二種類のシングルで出すという姑息な手段でブラーが勝利してたのを覚えている。ちなみに「カントリーハウス」ってなんだかアイドルバンドみたいなことやってるなあ、子供っぽいなあと思ったものだ。その一方でオアシスはクールな態度で我が道を進んでいたわけだ。
      
 しかしブラーがその後出した「BLUR」は大傑作だと僕は思っている。 
Blur

Blur

  • 発売日: 2012/07/30
  • メディア: MP3 ダウンロード
 

  一曲目の「ビートルバム」のグレアムが奏でる奇妙なリフがこの上なくクール!そうしてエンディングの印象的なフレーズを繰り返してフェイドアウトしていく終わり方がまた素晴らしいのだ。僕、こういう心に残るフレーズを延々続ける終わり方好きなんだな。

               一皮向けた感じ

   

 

そしてブラーのグランジに対するアンサーソングとか言われた「ソング2」も忘れちゃいけない。ウーフー!

    www.youtube.com

極めつけはこの「Coffee&TV」だ。この曲はPVと合わせてひとつの作品としてみるのが正解だろう。主役にギタリストのグレアムを据えているのも面白い。
        ブラーの中で僕が一番好きな曲。実際のグレアムも失踪した?!

     www.youtube.com

 そういえば僕グレアムのソロもなんだかんだで買ってたな。才能あるギタリストだと思うが今何しているのでしょうか。
ザ・ゴールデン・D

ザ・ゴールデン・D

 

 

 ちなみにこの買ったCDは寄せ集め感がぬぐえず、オアシスのB面集に比べるとえらく聴き劣りがする(個人の感想です)。ジャケットには「Satisfaction guaranteed」などと書かれているが、飽きて途中で聴くのをやめた僕は全然ギャランティしなかったです。
 
 これはスティービーサラスのソロアルバム。
エレクトリック・パウワウ

エレクトリック・パウワウ

 

  ティービーはカラーコードというバンドをやっていた時の印象しかないが、きっといいギターアルバムだと期待して購入・・・しかしいかんせん音が古く、今のバンドの音圧に慣れた僕の耳には軽くてイマイチでした。同じスティーヴでもヴァイの方は今でも聴けるんだけどな。

                  このライヴはロック!

    www.youtube.com

 

 さてこちらのいかにもお金をかけていないジャケットだけれど、僕のアンテ
ナは鋭く捉えたよ。
          おそらく僕以外の誰も見向かなかったはずだ

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 かたやディスコ+ハウス。この組み合わせでハズレがあるわけじゃないじゃないか!ディスコサウンドといっても80年代のリック・アストリーみたいなバブリーなやつじゃなくって、70年代のソウルフルなやつね。
                 曲調はだいたこんな感じ

      

 残念なのは2枚組のはずが一枚しか入っていなかったこと。まあジャンクCDだから仕方がないか。

 右側の同じような緑色のジャケットはハードハウスのコンピレーション。とにかく「ハウス」は僕にとってはほぼハズレのないジャンルなのです。このアルバムはむしろテクノに近い感じの曲が満載。満足度は高いです。
 
 そうしてもう一枚は何故今?という「チャーリーズ・エンジェルス」のサントラ。このアルバム、不思議な縁あり。というのも、僕最近プライムビデオで久しぶりにこのチャーリーズエンジェルを見たんだけど、そのテーマソングのかっこよさに夢中!
                 これはテレビドラマのほうね

     

 そんでもって映画のほうは一時期人気があったアポロ440がやってるのです。こちらは完全にオルタナロック化している。

    

 

 そんで急にアルバム買いたいな、なんて思ってたんだけどなんと偶然にもハードオフで100円で発見。不思議なこともあるね。ちなみに僕、アポロ440はこの曲のためだけにアルバム買ったのだが他の曲はほとんど覚えてない。

      

     あまりに有名なストップザロックも貼っておきますサッカー関係で大ヒット

    

 

あとたまたま、YOUTUBEで芋づる式に懐かしのハッピーマンデーズが表示されたので貼っておきます。これもいい曲だったなあ。ベズって今どうしてるのかね?

    

 

 色々な曲で僕の人生彩られている

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カータンの敗北

 日常的に無心に何かをしているときにふと思い出すフレーズやメロディがある。この間、会社で掃除をしていたときのことだ。窓からは初冬の柔らかい日差しが差し込み、遠くから響く車の行き交う音の他には何も聞こえない。そんなとき突如頭の中で
「じっけんどんがらがったじゃすとんぴーなつかれーらいす!」
というフレーズとメロディが再生されたのだ。
あれ?なんだっけこれ?子供の頃によく聴いていた曲じゃないか。この手のフレーズは一度再生されたが最後、永遠にループし続ける。僕は「じっけんどんがらがった・・・」と頭の中で何度も歌いながらモップでごみを集めていたよ。
 今は便利な世の中、すぐにググって判明。僕ら昭和40年代生まれの世代にとっては非常に懐かしい子供向け番組「ピンポンパン」の中の曲「ジャストンピン」だった。しかも、「じっけん」ではなく「ちんげん」という歌詞だった。

       改めて聴くと歌詞が結構すごい。「結婚したいんだ」って・・・

    ピンポンパンは今でいう「おかあさんといっしょ」的なプログラムだった。昔は子供が多かったからだろう、他にもポンキッキとかカリキュラマシーンロンパールーム(さっきYOUTUBEで久しぶりに見て感動)みたいな番組が民法でも朝っぱらから放映されていたっけ。あっ、そうそう、高校のときの体育の先生が年配の女性で、僕らに対する指導の仕方がまるで幼稚園児にするそれだったのでついたあだ名が「ロンパ」っだったなあ。ロンパールームって何故か午前11時くらいからの中途半端な時間にやってったなあ。

            今見るとかなりシュールでグダグダな内容

    

ちなみに、この動画の28分40秒のところでNNNニュースが流れるんだけれど、そのオープニング画面と音楽に一気に昔の記憶が呼び起こされて妙に顔がほころんでしまった。昭和40年代生まれの人!絶対観たら「ああ!あった、このオープニング!」と思うこと請け合いですよ!若い人にはこの感動は伝わりませんね。

 

 ピンポンパンの話。

                
朝8時くらいから毎日やっていた「ピンポンパン」のメインメンバーは、ちょっとふっくらしたルックス的にはおじさんのお兄さん「しんぺいちゃん」と歌のおねえさん、おにいさん、そしてカッパの「カータン」だったと思う。抽選で選ばれた幸せな子供たちが番組に参加し、最後には沢山のおもちゃの山から好きなものをもらって帰る様子がとてつもなく羨ましかった。
 ほぼ毎日見ていたにも関わらず、ほとんどその内容は思い出せないのだけれど、今でも鮮明に覚えているシーンが一つだけある。
 

 カッパのカータンは絵が得意で、ランダムで選ばれた幼児が描いた適当な形を必ず何かしらの絵にしてしまうのだ。子供たちのアメーバみたいな形や角張ったものなど様々なタイプな図形を見事に何かしらの動物や植物、そのた諸々に変換させるのだ。だから僕らにとってはカータンは無双であったのだが、ある日遂にカータンが敗北を喫する相手が登場したのだ。
 その子供は普通の子供と違ってひと筆で何らかの形を描くのではなく、中心の点から外へ向かって渦巻き状に円を描きだした。彼は妙に明るいピンポンパンのBGMに乗せて、ぐるぐる、ぐるぐると複雑怪奇な巻き貝状の図を紙からはみ出さんばかりの勢いで描ききった。僕は「さあ、どうするカータン!」とドキドキしていたが、カータンはなんと「これはできないよう、こうさんだぁ」と頭を抱えてしまい、そのまま終了してしまったのだ。カータンの負け!

 
 前代未聞の事態に僕は茫然とした記憶がある。その後僕なりにあの絵を検証した結果、ぐるぐるの部分をカタツムリの殻にすればいいんじゃないかという結論に達したのだが、その考えがカータンに届くはずもなし。次の日何事もなくカータンは絵を描いていたが、無敵のカータンが膝を屈するのを見てしまった僕はどこか冷めた思いでテレビを見ていた気がする。

 

 こういうのは買えるんですな

  

ちんげんどんがらがった

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40年越しの曲を苦もなく探し当てる

 中学生になって初めてラジカセを手に入れた。家にはそれとは別に立派なステレオセットがあったのだけれど、持ち運びが自由でコンパクトなラジカセはどこの部屋にも音楽を持ち込めて、寝る前などにYMOテクノポリスなどを聞き明日の学校に思いをはせていたものだ。

 今逆にこういうのが売ってるんだね

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感想(11件)

  

 あのころ(昭和50年代半ば)はどこの友達の家にも大きなステレオセットがあった。高度経済成長時代のいわゆる3C(カー・クーラー・カラーテレビ)を揃えたあとに来たのがこのステレオセットではなかろうか。

         こういう大げさなやつ。サンスイとかオレックスとかなつかC

   

 

 友達同士で持っているレコードを貸し借りし、録音してよく聴いていた。特に前述のYMOは「ソリッドステイトサヴァイヴァー」が日本を席巻していたころで、小学生高学年である僕らまでもがこぞって聴いていたものだ。音楽的に幸せな経験をできたことが僕のその後の音楽的嗜好を決定づけた一因になっている。
 

 さて上記の昭和50年代のステレオセット、スピーカーは縦70センチ横30センチくらいあって、レコードプレーヤー、アンプチューナー、カセットデッキというようにそれぞれ独立した機械で構成されていたのだ。今このような立派なセットを持っている人が羨ましい。僕の父親もろくに音楽など聴かないのに何故かそれを購入し、もっぱら僕がそれを使うという調子だったけれど、今考えればそれなりに豊かな環境で皆育っていたのだ。
 こう書いていて色々と思い出してくるのだけれど、そのステレオを買う前はレコードプレーヤーから直接スピーカーが接続されているタイプのものがあった。

 たしか僕が幼稚園くらいの頃にはそれが僕の家にあったはずだ。レコードの種類は父親がファンだった島倉千代子と、童謡のレコード。それからなぜかハチャトゥリアンの「剣の舞」や「ララミー牧場」といった古い映画のサントラだった。それにしても、もう若い世代は、音楽をコンポなんかで聴かずに皆DLしてヘッドホンで聴くんだろうね。

 

 ラジカセの話に戻ると、レコードから録音できるものの他にも、FMラジオで録音すればかなり音質のよい曲が手に入ると小学生の仲間内で話題になり、僕らは書店でFMレコパルやFMステーションといった番組プログラムが載っている雑誌を二週間に一度購入するようになった。とはいえ、アーティストの名前なんか見てもよくわからないから何を目安にエアチェック(番組を録音することをこう言ったんですよ。この言葉がすぐに通用するのは僕らおじさん世代)するかといううと、番組の特集内容で判断するわけ。僕らが主にチェックしていたのは「軽音楽をあなたに」という番組だった。平日午後4時から6時までの二時間、様々なジャンルの音楽をセレクトして聴かせてくれたっけ。よくチェックしていたのはやはり「映画音楽特集」でロバート・レッドフォードの「コンドル」のテーマとか、

       かっこいいなあ。ラウンジ・ミュージックとしてもかなり秀でている

   

恐怖映画「ザ・ショック」のテーマなんかを気に入って聴いていた。でも、そのテープは散逸してしまいもう聴きたくても聴けない曲が沢山ある。

        冒頭の微妙にフランジャーのかかったベースがかっちょええ

   
 とはいえ、そのテープは数本ほど残っていて、アーティスト名は分からないものの、気に入って聴いていた曲はMP3データにしてCDでたまに聴いている。中には録音している途中で「この曲あんまり聴かないだろうなー」と思ったものがあって、そういうのは途中で寸断されているのだけれど、もう小学生のころから「この曲聴かねーや」というようにえり好みをして聴いていたのだった。
 

 そういう何曲かの中でアーティスト名をなんとかITの力で判明させられないかというプロジェクトを自分で勝手に実行していたのですが、このたびその成果がでたのです。

「ステファニー」という名前をサビで連呼するシティポップス系の曲があって、結構それを気に入って聴いていたのだけれど40年以上そのアーティスト名は分からずじまい。「ステファニー」という曲名だけは分かっているのだけれど、それで検索しても無数に出てくるわけですよ。それだとらちが明かないので、歌詞を何とか断片的に聞き取ってそれと絡めて検索したわけ。「ステファニー・may be Im talk to you・・・」みたいな感じですね。すると案の定ヒット!そうしてほぼ苦も無くこの曲を探し当てることができ、そこから芋づる式に他の曲も判明したのだ。すごいな、インターネット!

      ジョン・ヴァレンティという人でした。有名なんだろうけど僕知らなかった

     
で、この人のCDを検索したのだが、それほど安くもないわけ。思い出の対価として払うべきなのかもしれないけれど、そこまで執着があるわけじゃないしね、YOUTUBEでたまに聞くので十分。

 割と最近再発されたのね。多分名盤

女はドラマティック(期間生産限定盤)

女はドラマティック(期間生産限定盤)

 

  さて、この曲の場合は歌詞があるから判明したのだけれど、他にアーティストがわからないインストが数曲あるのです。フュージョンチックな曲でエレキギターがメインにフューチャーされているから高中正義あたりかなとも思うのですが、後半激しいオルガンのソロなどもあるのでイマイチ探すのに苦労しているものとか、トランペットがメインのディスコ調の曲とか。何とか死ぬまでには判明させたいと思っているのだ。また判明したら、会ったことのないあなたにご報告いたします。

 

ブルー・ラグーンくらいしか高中知らないので掘り起こすのがむしろ楽しみ

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「ロスト・シンボル」マラークからの「レッド・ドラゴン」ダラハイドからの動悸が止まらない映画へ 

 まず、とてつもなくどうでもいいことなんだけれど、小さな会社だとトイレって小さいじゃない。男子トイレでいえば小便器がせいぜい二つの、大の部屋が一つっていう。それで、トイレに行ったときに、先客が「大」に入っているときがあるでしょう。ドアが閉まっていて鍵の部分が赤くなっているんですぐに気が付くんですよ。そういう時瞬時に「あれ、今ひょっとして、さっき席をはずしてた○○さんが入っているのかな?」なんて思うわけですよ。こちらとしては用を足すのは正当な権利なのだけれど、何となくきまりが悪いよね。そうして向こうもきっと「うわ誰か入ってきた、このタイミングで出るとなんとなく恥ずかしいなあ。この人が小用を終えたら出ることにするか」と思って息を殺しているに違いない。僕だったらそう思うしね。

 そんでそういう時に限って、こちらも時間がかかったりして。なるべく早く済まして、小部屋に入っている人に安心してもらいたいんだけどそうもいかない。そのつれづれの時間を「えへんえへん」とか「ふわあ」とあくびなどをして取り繕う。別にそんな必要ないんだけれど、まだいますアピールをするわけですよ。そうして部屋の人もそれを聞いてあれこれ思うだろう。
 でもときに強者がいて、僕が用を足している最中にものすごい音をさせたり、あまつさえ出てくる人もいる。まあ出てきて何も悪いことはないけれど、僕だったら無理ですね。なんだこの話!

 

浴室読書日記。
ダン・ブラウンの「ロスト・シンボル」読了。

 

  象徴学者ロバート・ラングドンを主人公に据えた超衒学ミステリーの3作目。言わずと知れたトムハンクス主演の「ダ・ヴィンチ・コード」「天使と悪魔」「インフェルノ」でおなじみのシリーズだ。映画は全部見たけれど、ダン・ブラウンの原作を読むのは初めて。ブックオフでお風呂場で読むのに適した本を物色していた時に200円シリーズの場所にあったので買い。こういう類の本が一番浴室読書に適してるね。僕が浴室で本を読むのは一つは時間つぶしのため。特に冬場は寒いので湯船につかりたいが、20分くらいつからないとホカホカにならないでしょ。でも沈思黙考に適した時間とは言えず持て余してしまうんだったら「そうだ、本読めばいいじゃん」と思いついたのが10年以上前。


「風呂場で本なんて読んだら濡れちゃうのでは?」と思う方もいらっしゃるでしょうが、意外に大丈夫です。僕は湯船に蓋をして首と手首だけを出して読むので全く問題なし。さらにはブックオフで買った200円以下の本ばかりなので多少痛んでも平気なのです。さすがに図書館で借りてきた本は憚って読みませんけど。

 浴室読書日記は他にも色々あるのでお暇ならどうぞ


「ロスト・シンボル」の話。
ヨーロッパ中心の宗教がらみの大風呂敷ペダンティックミステリーといった印象が強いこのシリーズだけれど、今回はワシントンDCが舞台であり、テーマも宗教ではなく「フリーメイソン」だ。歴史の浅いアメリカを舞台にはしているけれど、そこはダン・ブラウン、様々に仕掛けを施して読むものに有無を言わせない。毎度お決まりの敵味方の区別がつかない展開と、犯人であるマラークという人物の正体の意外性を絡めているのだけれど、これすぐに正体分かるでしょ。だから最後に自分でマラークが自分がどういう人物なのかを明かすときの意外性、ゼロでした。


 謎解きもこれでもかというくらいに詰め込んであり、図版が載っていたりもするのだけれど読んでいる最中に少々面倒くさくなってよくわからないままに飛ばし読み。その結果、何度も図を見直してああなるほどこういうことなのかという確認作業をする羽目になる。ブラウン先生、僕にはついていくのが大変でしたよ!
 毎回個性的な敵役が出てくるこのシリーズ、ダ・ヴィンチ・コードのシラスは強烈だったけれど、それに匹敵させようとマラークというこれまた凶悪な人物を登場させている。

                   見始めると停まらない

    

 悪役はそのルックスを想像させるための個性が必要だが(シラスは色素欠乏症だった)、今回のマラークは体のとある部分を除いて刺青を施しているという、いかにも映画向けのビジュアルだ。ただ、刺青の凶悪犯というと僕はむしろ「羊たちの沈黙」で有名なハンニバルを主人公とした映画「レッド・ドラゴン」のダラハイドを連想してしまう。大傑作「羊たちの沈黙」は言うもさらなり、この「レッド・ドラゴン」も素晴らしい映画だと思うな。

            ブレークの描いた絵をむしゃむしゃ

     
 主演のエドワード・ノートンも素晴らしいし、ダラハイド=レイフ・ファインズの怪演も強烈だ。
 そうそう、皆さん、映画を見てドキドキしたことって何回くらいあります?ある程度大人になって、観る数をこなすと感動も薄れて来るでしょう。でもこの映画のクライマックスはかなりの緊張感があり、嫌な感じで心臓バクバク請け合いですよ。監督のブレット・ラトナーの最も優れた演出場面だと思います。


 ちなみに僕が他に心臓の鼓動が早くなった映画は中1の時に見た「ブラック・ホール」と、

 だいぶ昔に書いた記事

知られざるディズニー映画

www.youtube.com

 中学生くらいの時に初めてTVで放映された「ジョーズ」で荒くれ漁師のクイントがサメに食われるシーンだ。「ジョーズ」に関してはあまりにビビりすぎて足が痙攣した記憶あり。

      まさにこのシーン。今見ると作り物めいているが、当時はものすごいインパク

    www.youtube.com

そして劇場で観た「プライベート・ライアン」のクライマックスで、メリッシュというユダヤ人がナイフで刺されて絶命するシーンだ。こう考えるとやっぱりスピルバーグ天才すぎィ。

              定期的にこの映画は観てしまう。何度観てもスゲェ

      

とりとめもなくおしまい

 

ダン・ブラウン最新作『オリジン』。読んでないけど

 

 

そして全く違う世界

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ロスト・シンボル (上) (角川文庫)

ロスト・シンボル (上) (角川文庫)

 
ロストシンボル文庫全3巻セット(角川文庫)

ロストシンボル文庫全3巻セット(角川文庫)

 

 

 

ハードオフでジャンクCD相変わらず/OASIS、UB40みっけ

 もうCDは100円じゃなきゃ買いたくないよ!

 自宅から行ける範囲のハードオフはあらかた行きつくしたと思ったら、通勤途中に一見あるのを忘れており、この間見てきたよ。以前のハードオフジャンクCDに関してはこちらをどうぞ。

 安くCDを買う最良の方法


店によってラインナップにばらつきがあるが、今回は二枚発見。大量のゴミCDの中から僕にとっての宝石を見つける作業は楽しい。

         本当は10枚くらい見つけたいが、なかなかないんですよ

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 まず右側はOASIS。前回も別の店でOASIS発見したのだが今回もまた埋もれてました。

ジャケットに色々と意味がありそう 

こちらはいわゆるBサイド曲を集めたものなんだけど、一曲目からのクオリティが段違い。いまさらながらOASISのすごさを実感。

       Acquienceってなんて発音するの?アクワイエンス?

  

 この曲、Aメロ、Bメロはリアムが歌っているのだが、サビになると突然ノエルの声が飛び込んでくる。やはり性質の太さはリアムのほうが上だね。ノエルはすこし弱いから違和感あるんだけど、なれると別に気にならない。あとはこのPV、日本で撮影されてるんだけど、バンドのメンバーが後半全員日本人になる。サムネをはじめてみると、「あれ、何でアジア系の顔が?」と思うんだけど、とある若者の妄想、という形でまとめられているんだね。アマゾンでも安く買えるのでお勧めです。

 

 もう一枚はUB40のアルバム。僕にとって、つうか一般的には「レッドレッドワイン」のバンドとしての認識。

www.youtube.com

アルバム自体は80S感バリバリの音作りで今聴くのはすこし辛いかな。あまり聴かないでしょうね・・・。

 

80Sというと、僕最近、80~90年代にかけての一発屋的なバンドをチェックしてたんですよ。昔そういえばこんな記事も書いたし。 


 いつか紹介しようと思っていたのでそろそろ小出しに発表してきます。別に一発屋ばかりじゃなくて、メガヒット曲もありますけど僕と同年代のおじさんおばさんは「ああ、いたね!」と思ってもらえればいいし、若い人は「へえ、こんなバンドがいたんだ」と温故知新に聴いてください。

 日本でも大ヒットしたSNOWのインフォーマー。僕の妻でさえCD持ってた。

     サビの「あにきぼんぼんでぇ~」と聞こえなくもない歌詞がすばらしい、非常に耳障りの良い曲。今なにやってんだろうね。

 

 MEN WITHOUT HATSのセーフティダンス。いかにも80年代のサウンド。プロモは今見ても面白いよね。

     

 

         ファインヤングカンニバルスの大ヒット曲。

   

 このバンドのヴォーカルの人の顔がなんとなく好きになれなかったんだけれど、曲は素晴らしい。この曲が入ったアルバム買いたくなった。

あとこの曲なんかよくベストヒットUSAとかでよく流れていたなあ。

    

 

 このあたりのバンドはまた書きます。

 

出来るだけ記事を書いていこうと考えている最近

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