音楽と本

僕のカルチャーセレクトショップ

ニルヴァーナ/NIRVANA 

         大好きなNIRVANA、あまりにビッグなニルヴァーナ、書くのが難しい

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 1991年、大晦日。この日はなんとメタリカをヘッドライナーとしてテスラ、サンダー、ヨーロッパが参加するカウントダウンメタルイベントが東京ドームで行われた。

 僕はたまたま当時活動していたバンドのファンの女の子と、何かのきっかけで一緒このライヴに行くことになった。ファンの子といっても、別に彼女とは何かあったわけではなく、あくまでもメタル仲間としてですよ。

 

 ちなみにこの公演は肝心のカウントダウンのときに『ONE』を演奏中だったのをドラムのラーズが無理やり曲を止めて取ってつけたようなカウントダウンを行ったという伝説のステージだ。客はカウントダウンの表示をみて「演奏中だけど年越しちゃうんじゃない!?」とハラハラしながら見ていたのだが、まさかの演奏中断!笑った。

 

 ライヴ終了後、終電が出てしまったので、新宿でオールナイトの「ターミネーター2」を観て夜を明かしたのもいい思い出。

 まあ、それはどうでもよくて、そのコンサートが始まる前にドームの巨大スクリーンで何度も流されていたPVが言わずと知れたこれだった。

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 今更僕がどうこう言う曲ではないんだけど、とにかく一部しか流れていなかったにもかかわらず、「うわなんだここのバンドすげえ!」と、まるでドカンと殴られたようなインパクトを与えられた。

 今見たってカートのかっこよさは言わずもがなだ。ボサボサの金髪のロングヘアを振り乱してギターをかき鳴らしながら叫ぶように歌う姿は新世代のロックヒーローとして十分なカリスマを誇っていた。デイヴの激しいドラミングとそれほど格好良くはないがのっぽのクリスの大きな動き。そして観客の熱狂。

 クリーントーンから一気に激しく暴力的なディストーションギターの心地よさには今までにないインパクトがあった。もちろんこのクリーントーン→轟音ギターというのは何もニルヴァーナが最初じゃなくて数多のバンドが取り入れていたスタイル(スマパンもそうだし、メタリカも既に「FADE TO BLACK」や「SANITARIUM」なんかで静→激のパターンをやっていた)だけれど、ここまでそれを前面に押し出したバンドはニルヴァーナが初めてだったとおもう。

 

 もちろん即『ネヴァーマインド』を購入。

 リマスターが出てるんだね

NEVERMIND/REMASTERED

NEVERMIND/REMASTERED

 

 もう何度も聴いた。すぐに彼らにハマった僕はとあるCD屋で「SLIVER/DIVE」のシングルを購入。

こればメジャーデビュー前のサブポップから出たやつだったかな?ドラムはデイヴ・グロールではなく、マッドハニーのダニー・ピーターズ。

Sliver

Sliver

 

       ビデオで叩いているのはデイヴ。カートがとにかくカッコイイ。

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 「ネヴァーマインド」直前のシングルだけど、この曲でカートはポップとパンクの融合を図ったという。ジャムって数分で完成したらしい。確かにキャッチーこの上ないメロディだ。

 このPVで着ているセーターは後にいろんなブランドにインスピレーションを与えた。二十年くらい前にナンバーナインというドメスティックブランドが大人気だったけれど、グランジ的なアプローチの服をたくさん出していた。高くてそんなに変えなかったけれど。そしてナンバーナインから派生したプレッジというブランドはもっとグランジなテイストを前面に押し出しているデザインがあった。

 僕のお気に入りのプレッジの一着。色づかい、デザインともにニルヴァーナがなかったらありえない。

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 ニルヴァーナは音楽だけではなく、カートのファッションも多大な影響力を持っていたのだ。本人にしてみればお金がないので古着を着ていたとのことなんだけれど、センスがあまりにも良いのでみんなこぞって真似をしたのだ。カート本人はそのうちにいつでも寝られるように(胃痛を紛らわすためともいう)パジャマで過ごすようになっていた。

 シングル、「SLIVER」の話。

              こちらはカップリングのDIVE

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 低いブゥンブンいうベースのあとに野太いギターがかぶさり、サビで「DIVE WITH ME!」連発。この曲もすごかったんだけど、おまけで入っていた「ABOUT A GIRL」のライヴがまた強烈だった。

 

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 この曲は最初、ほぼエフェクターのかかっていないペナペナのギターで始まるんだけど、ソロに入った途端に轟音に変わり、そのままグワーという迫力のあるバッキングで終わる。この単純だけどあまりにカッコイイ曲構成に当時の僕はかなりしびれた。

 

NEVERMINDを聴きまくっていた僕だが、当時来日記念か何かでこちらの特別編集版 ホルモウニングが発売された。今は廃盤で一時期はかなりの高値で取引されていたこちらのアルバム、友人がたまたま持っていて借りて聴いてぶっとんだ。

ホルモウニング

ホルモウニング

 

 僕が特にその時インパクトを受け、また今聴いてもかっこいいと思える曲「アニュウリズム」が収録されているのだ。僕はこの曲が好きすぎて、何年か前に友人とバンドでやりました。こんな感じで。ベースとヴォーカルが今より若干若い僕。ノリノリです。

                本物じゃなくてごめんなさいねえ

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  ニルヴァーナは書くこと多いのでまた明日。

 

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速報! SOLO (HAN・SOLO) STAR WARS ハン・ソロ、予告編出た!

       うぉおお!早く観てえ!

 ※ 更新しました。日本語字幕版に加えてさらにフッテージが増えてる!ウディハレルソンが出てるんだ。

 

          BGMがインダストリアル風のSWテーマ

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             こちらが第一弾

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 このサムネイルを見るだけで興奮するじゃないか!

 雲の中を進むスターデストロイヤー!

 インディジョーンズのような追跡シーン!

 真新しいファルコン号の内装!

 謎の美女!

 変なドロイド!

 ねじれる様な電車!

 若きランドカルリシアンらしき人!

 そして最後のチューバッカの後ろ姿!

 

 早く観せて!なんか正史よりも期待が持てそうなんですけど!

 

 

 

 

ブックオフ280円CDハンター パールジャム/ビヨンドオールレコグニション/ザ・ボンゴリアン/ピチカートファイヴ

     

 先日子供を散髪に連れて行ったとき、待ち時間が暇なので近くのブックオフでCDあさりをしました。その結果。

             全部280円!4枚買っても1120円!

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 久しく聴いていなかったパール・ジャム

バックスペイサー Limited Edition

バックスペイサー Limited Edition

 

 グランジ全盛だった頃、僕はニルヴァーナをはじめとするその手のバンドに熱狂し、その波にあったパール・ジャムももちろんよく聴いていた。『TEN』『VS』は特にお気に入りで、さらにはマット・ディロン主演の映画「シングルス」(1992)のサントラ収録曲「STATE OF LOVE AND TRUST」のためだけに、そのCDを買ったりもした。

                     これは名曲

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 ところが『VITALOGY』を期待して買った僕は、「なんか違う・・・」という感想を持ってしまった。

バイタロジー

バイタロジー

 

 なんかこう、もっと激しい方面にいくのだろうか、と思っていたんだよね。そして、あまりこのアルバムを聞かないまま(スピン・ザ・サークルは好きだった)パール・ジャムから離れてしまった。バンドはチケットマスター問題もあって停滞していたようだけれど、僕の知らないところでコンスタントにアルバムを出し続け(しかもきちんとビルボードに一桁で登場!)現在も続いているようだ。

 

 その久しぶりに聴いたアルバムは40分弱という収録時間の短さも相まって非常にコンパクトかつ、熱量に溢れた内容だった。

                  中ジャケットも凝っている

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 エディ・ヴェダーのあのビブラートのかかった甘い歌声は健在。いい買い物だった。

 そういえばエディは当時ファッション・アイコン化しており(これはカート・コバーンも同様)、彼の来ていた古着の茶色のコーデュロイジャケットを模したジャケットをどこぞのブランドが出して、高額で販売していたというエピソードを聞いたことがある。当然、エディ自身はそのことに対して苦々しく思っていたようだ。

 

次はこちら。「ビヨンド・オール・レコグニション」

Drop = Dead

Drop = Dead

 

帯に「新進気鋭の最新兵器」と書いてある。Dubstep+デスコアという非常にわかりやすい説明なのでどちらも好きな僕は即購入。

                思った通りのサウンド      www.youtube.com

 よく言えば新進気鋭だけれど、結局のところ足しただけ。そこに新たな音楽を切り開こうとかいう気概は感じられない。だから、飽きてしまう・・・。上手いし、曲も練られているんだけどね。セカンドアルバムが出ていてそちらは「さらに進化」しているそうです。この手のバンドはいかにジャンルをうまく消化して自分たちのオリジナリティを確立させるかが課題だよね、エンター・シカリみたいに。

 

こちらは完全にジャケ買いの『THE BONGOLIAN』

Outer Bongolia

Outer Bongolia

 

 こちらも大体思った通りの中身。ビッグビートよりのレトロフューチャーサウンドといった趣。あまり期待していなかったので、思わぬ拾い物だった。

               かのDEE=LITEを意識したPV

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 最後はピチカート・ファイヴ。『ボサノヴァ2001』というタイトルなので2001年の作品かと思いきや、1993年のアルバムだった!

ボサ・ノヴァ2001

ボサ・ノヴァ2001

 

 これコーネリアスも参加しているのだな。内容は、当たり障りのないおしゃれポップス。今聴いても十分聴ける。そして発売された時期がバブルだったからか、中身が無駄に豪華。

         やたらと厚紙でいろいろな写真が封入されている。使いどころナシ!

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 また買ったら報告しますね。

 

音楽小説ですよ

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OATS STUDIOS  ブロムカンプのコアなSF短編映像作品を見たければココで!

     

ニール・ブロムカンプという映画監督がいる。彼は『第9地区』(2009)で一躍有名になり、

         エビの宇宙人とリアルな戦闘が新しかった

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その後もマット・デイモンジョディ・フォスターを主演に迎えたエリジウム(2013)

              神経を直結させた簡易パワードスーツが大活躍

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       そしてロボットを主人公とした『チャッピー』(2015)

                    実は未見・・・

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 と、一貫してバイオレント系SF映画作品を作り続けている。彼の作品は出身地である南アフリカを舞台としていることもあって、妙に泥臭く、また風刺の効いたブラックユーモアが満載されているという特徴を持っている。

 

 その彼が(おそらく映画で儲けたお金を使って)2016年にOATS STUDIOSというSF映像作品を専門に作る会社を立ち上げたのだ。

oatsstudios.com

 

 僕は執拗にYOUTUBEのおすすめに出てくるこのオーツスタジオの作品を、映像学校の学生崩れが作っている作品だと勘違いして観ていなかった。しかし、それにしてはサムネイルが結構よくできていたのでこちらの作品を見たらびっくりした!主演がダコタ・ファニングですよ!

           かなり凄惨な描写が出てくるので耐性のない人注意!

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 さすがの緊張感!最後の方に出てくるクリーチャーがなかなか気持ちわるいので夢に出てきそう。あと、ダコタ・ファニングってもうこんなに育っていたのだな。

 

 このオーツスタジオは、まずYOUTUBEである程度短編を公開して、気に入った人はその先を購入すると観られるというシステムをとっているらしい。まあ、僕は購入していませんが、YOUTUBEにあげられているものを見るだけでもかなりの暇つぶしにはなります。

 基本的にブロムカンプの作品はほぼスプラッター描写が出てくるのでそういうのが嫌いな人は無理だけれども、それを作り物として見られるならば非常にクオリティの高い作品に出会えます。

 こちらの『RAKKA』はシガーニー・ウィーバーが出演!びっくりした。内容は侵略SFもの。トカゲ型のエイリアンがなかなか気色悪い。

           第九地区を彷彿とさせる巨大な建造物が出てきます

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 こちらは「ADAM」。初っ端から終末感がものすごい。どうやら人間の記憶を移植されたロボットたちが主人公。謎だらけ。大量のロボットたちがこれまた異様な風体のロボットの導きによって集い始める。現在EPISODE3まで公開されている。

          特に英語がわからなくてもなんとなく話はわかります

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 この他にも予告編のみの作品など、多岐にわたって公開されている。ほとんどの人にはわかってもらえないでしょうが、30年くらい昔「エンパイア・ピクチャーズ」というホラー映画専門の会社が次から次へと作品を作り続けていたことを思い出す。

 

 こちらはエンパイア・ピクチャーズのボックスセットの紹介動画。クトゥルフ神話でおなじみのHPラヴクラフトの作品「死体蘇生者ハーバートウェスト」や「彼方より」を独自の解釈で映画した「リ・アニメーター」「フロム・ビヨンド」といった作品群が僕は大好きだった。

                思いのほかたくさん作られていました

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 ダークでシリアスな作品ばかりと思っていたら、こんなとんでもないブラックコメディもあった。

 『Cooking With BIll』は一見よくある料理ショーの体裁をとっているのだけれど、毎回必ずSF的ガジェットが登場し、それを使ってクッキング!そうして毎回破滅的で少々血なまぐさい結末をむかえる。ビルを演じているのはエイリアンシリーズなどで特殊効果に携わっていたアレック・ギリスという人だそうです。

 

   最新クッキングマシーンでスムージーをつくるはずだったのに、なぜか髪の毛が・・・

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      懲りずに同じ生成マシーンに寿司の材料を入れたらやっぱり髪の毛!笑う!

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 面白いのはどう考えてもこの先マズイ展開になるだろ!というところで必ず低く不穏な効果音が流れ始める。雰囲気としては1970~80年代のテレビ番組を意識しているようだ。VHSテープで見ているような演出が施されている。

 そうしてアシスタントの女性がまたいい演技をしてるんだ。プラックユーモアに耐性と理解があればムチャクチャ面白いです。でもきっとこれを妻に見せたら一週間は口をきいてもらえないだろう。

 

こちらも野菜をぶち込めばすぐに完璧な料理ができるはずが、なぜか腐生肉状態になる。ザ・フライか!

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 最後のエピソードは日本製のマルチカッティングマシーン「ダマス950」!結末は予想通り。

                  こちらは日本語字幕付きです。

    www.youtube.com

 

 機械の名前が「だます」で、日本製。このマシンのメイキング映像まであるのでブロムカンプは余程これが気に入ったのだろうか。

           こうやってDAMASは作られました。あと手のメイキングも

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 優しい物語ですよ

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好き好きDIE好き スキッツォイドマン!!

         今現在僕のいちおしがこちらのバンドDEATH!

                以前にも少しご紹介しましたが

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 こちらがオフィシャルサイト。

skizzoidman

まだあんまりコンテンツは充実してない。

 

 現在のメンバーは

 B・VoのキャプテンKT(故人)

 G・Voのワンダー久道

 D(新加入)の紅蠍しゅう(女スパイ)

 デス。

 

 イロモノじゃないの?という先入観を捨てて上記の『生き埋めZ』を見て聴いて!

 ロックなフレーズのあとに突如入ってくるボッサチックなフレーズ。そしてジャジーな間奏。テクニックは本物だ!

 あまりにキャラが立っているので、好みが分かれるところだろうけれど、僕はDIE好きですよ!だから先日発売されたばかりの最新CDを買ったよ!

          ジャケットデザイン、もうすこしなんとかならなかったのか

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 楽天でもアマゾンでも買えます

超! ! 超絶入獄盤~Start to DIE ! !~

超! ! 超絶入獄盤~Start to DIE ! !~

 

 実はこのアルバムのほとんどはPVとして視聴可能DEATH。

まずは一曲目の『ギロチンX』

            ギロチンギロチン首チョンパ

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 のっけからのデスメタル的展開から突然のレゲエ!そしてサビがスイングジャズへと移り、間奏で再びレゲエに戻って最後のフレーズがクラプトンの『アイ・ショット・シェリフ』!という短時間にこれでもかと詰め込んだ秀曲!カッコイイぜ!

 

     ストレートなリフで始まるこちら。でもやっぱりジャズになる

              それなりにストーリー仕立て 

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   かと思えばスチャダラパーみたいなラップで別の顔を見せてくれる。

               やっぱりコント仕立て 

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  ギターのワンダー久道氏のエモーション全開のバラード『君を殺してあげるから』

          タイトルと曲のギャップがすごい。あと中身もね

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 このバンドの良さはまずキャプテンKTの際立ったキャラだ。彼は地獄からやって来たそうだ。オネエ言葉でしゃべり、色々な動画で活躍。特にバンドコンテストのための必勝祈願に出かけた(なんと見事優勝してドイツへと行った!)こちらの滝修行は深夜のバラエティのノリで面白い。

 

             彼はYOUTUBERではありません

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 これを見ると、彼は思いのほかいい人なんだなというのが伝わってきて、思わず他の酷知動画なるものを次から次へと見てしまった。

                正直、くだらない

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     www.youtube.com

 たまにバックでかかっている曲が岡村靖幸だったり、ポリスだったりと、きっと彼、若いけれど僕と音楽の好みの傾向は似ているんだろうなあと思ったりした。

 

 まああまりに彼のインパクトが大きいのでそちらの方ばかり目が行ってしまうけれど、ギターのワンダー久道氏のテクと歌声が実は重要なファクターを占めているのは一聴して分かる。まだまだ色々な可能性を秘めているバンドDEATH.

 ただ、インディーズだからこそ、こういう自由な行動もできるのだろう。だってアルバムには明らかにテレビで言えない言葉を連呼した曲が入ってるし。

 

 ふと思うんだけど、彼ら普段バンドやっていない時ってどうしてるだろね。やっぱりバイトで目一杯なのだろうか。僕も20代の頃は夢見てバンドをしながらバイトをしていたけど30前に就職したしな・・・。なかなかこれ一本で食っていくというのは大変ですよね。

彼らの夢は武道館だそうです。頑張れ!応援しますよ!

 

 最後にCDの中身も面白かったのでどうぞ。

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というか僕もがんばれ

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『星を継ぐもの』は今読んでも色あせない普遍性を持ったハードSFだった

 

 今更ですがハードSFの傑作『星を継ぐもの』J.P.ホーガン作 1977年)をあっという間に読み終わりました。評判にたがわず大満足の一冊だった。

ミックス版も注文した

星を継ぐもの (創元SF文庫)

星を継ぐもの (創元SF文庫)

 

 

 ただ、この話、3部作構成でその第一部なのであります。現在続編の『ガニメデの優しい巨人』を鋭意読書中。

 

              激しくネタバレをします!

 

 月を二人の人間が歩いている。一人はコリエルという名前で大男、もうひとりは深紅の宇宙服を着ている。やがて深紅の宇宙服の男は歩けなくなり、コリエルは彼を洞窟に安置し、必ず助けに来ると約束し彼一人ゴーダと呼ばれる基地へ向かって歩き始める。

 

 実はこの出来事は5万年前の出来事であった。洞窟に取り残された深紅の宇宙服の男は人類によって月で発見される。チャーリーと名付けられた彼はどこからどう見ても人間だった。しかし5万年も前にどうしてこのような高度な文明をもった人間が月にいたのか?

 

 謎が謎を呼ぶ展開でのっけからワクワクさせられる。その謎を解く中心人物としてトライマグニスコープという物質を透視できる装置を開発した天才科学者ヴィクター・ハントが登場する。彼は鋭い洞察力を持って様々な角度から事象を検討し仮説を組立て、チャーリーの謎に迫ってゆく。その過程はまるでSF版シャーロック・ホームズだ。

 

 一方でワトソンの役回りとはちと違うが、もうひとりの科学者としてクリス・ダンチェッカーという優秀ではあるが少々頭の固い生物学者が登場する。

 チャーリーを詳細に調べたダンチェッカーは、チャーリーが人類と全く同じ生物だという結論に達し、そこから導き出される事実として5万年前にすでに人類は高度な文明を築いていたという主張を強硬に展開する。しかし一方でそのような高度な文明を築いた人類がいたとしたなら、なぜその遺跡が一切ないのだろう。その点でダンチェッカーの主張は完璧さを欠いていた。

 ハントはチャーリーの所持品をスコープで透視したところ、様々な情報が書かれたメモを発見する。このあたりから少しずつ異星人=ルナリアン(月で見つかったことに由来するチャーリーたちの呼び名)の謎が解き明かされていく。

 

 この過程もかなりスリリングだ。あらゆる人類の叡智が結集した様々なチーム(例えば言語学や数学など)は躍起になってメモから情報を得ようとする。そうしてハントの示唆により、カレンダーらしきものが割り出されたのだが、それは明らかに地球の暦と違うものだった。これはダンチェッカーの主張を裏付けるものではない。

 そして決定的なのは、チャーリーの携帯していた食料である魚らしき生物の骨格であった。それは地球の生物には全く見られない特徴を持っていたのだ!

 

 全く同じヒトであるというのに地球産ではない生物を食料としていたとはどういうことなのだろう。読者は科学者たちと一緒に頭をひねることになる。そんな折にさらに問題を複雑化させる出来事が起こる。

 

 なんと木星の衛星ガニメデで未知の巨大宇宙船が難破船として発見されたのだ。しかも、その宇宙船の年代はルナリアンの生きていた5万年をはるかに遡る2500万年前だったのだ。そして調査の結果、乗組員はルナリアンとは全く体構造を異にする巨大な種族だった。新たな異星人(ガニメデに掛けてガメニアンと名付けられる)の登場により、事態はさらなる混迷を迎える。

 

 謎はチャーリーの日誌を解読することにより、少しずつ解けていく。チャーリーたちの種族は二つに分かれ戦争していたという。そうしてチャーリーは月面での戦闘を経験しており、その一部始終が記録されていたのだ。一方その手記の中で月から見える彼らの惑星は、はっきりそれとわかるほど戦火を増していた。

 

 暦や地図その他の資料から、どうやらその惑星は太陽系に位置していたらしい。そして其の位置とは火星と木製の間、現在の小惑星帯である可能性が非常に高いことがわかった。つまり彼らの母星(=ミネルヴァと名付けられる)はおそらく戦争が原因で取り返しのつかない結果・・・惑星の崩壊という結末を迎えたのだった。ではなぜミネルヴァの月で遭難したチャーリーが地球の月で発見されたのか?

 

 その謎が解ける前に、ガメニアン船の調査にもかなりの進展が見られるようになった。大量の動物の標本が発見されたのだ。ここにおいてハントとダンチェッカーはガニメデへと向かう。ハントは性格的に全体を統括する立場にあり、また性格も温厚なため、頑固な科学者ダンチェッカーともやがて打ち解け、二人で協力してガメニアンとルナリアン謎に立ち向かってゆくことになる。

 

 そして彼らの調査の結果、もともとミネルヴァという惑星はガメニアンの惑星であり、人類やルナリアンよりも進化していた彼らは地球に訪れ、大量の動植物を持ち帰りミネルヴァに移植しようとしたらしい。その原因はミネルヴァなき現在では明らかではないが、おそらくは二酸化炭素の増加を防ぐためだったのではないかとハントたちは推論する。しかしその増加に対応できなかったミネルヴァの固有生物たちは(特に陸生)死滅し、移植された地球種が新しい環境に対応した。

 その後、ガメニアンたちは何らかの理由でミネルヴァを去った。その原因ははっきりしない。しかしミネルヴァに移住した類人猿たちはそこで進化し、ルナリアンとなったのだ!だから人類と特徴が同じなのは当然なのである。

 そして地球の人類よりも早い進化を遂げたヒトは文明を起こし、自ら滅びたのだった。そしてミネルヴァの月でチャーリーを始めとするルナリアンはそれを目の当たりにしたのだ。

 

 しかし、そのルナリアンの末裔たちがなぜ地球の月で発見されたのか?

 

 ハントはガニメデの表面を歩き、巨大な木星を眺め、ある霊感に襲われる。そうか!そうだったのか!・・・と。

 ハントは地球に向けて科学者たちを集めるように求め、ガニメデから彼の到達した結論を発表する。なぜミネルヴァの月にいたチャーリーは地球の月で発見されたのか。

 

   そこから導き出される結論はただ一つ、どちらも同じ月だったのだ。

 

 ミネルヴァが戦争によって破壊されたとき、ミネルヴァの月はその引力に釣り合う相手を失って太陽へと向かい始めたのだ。そして万に一つの偶然が起こった。ミネルヴァの月は地球の近くを通過するときにその引力に捕まって今度は地球の月になったのだ。

 

 なんという設定なのだ。壮大な謎解きはここに幕を引くことになる。

 

 この話の中では、月の裏側は表面と地質的に全く違う表層に覆われていることになっている。なぜかといえばそれは吹き飛んだミネルヴァの残骸が堆積したからなのだ。そうして月の裏側(ミネルヴァからすれば表)にいたルナリアンたちだけが生き残り、彼らは最後の力を振り絞り地球へと向かった。そうしてルナリアンはその頃地球を支配していたネアンデルタール人を駆逐し、新たな人類の祖先となった。

 

 ちなみに現在では月の生成は巨大な原始惑星が原始地球にぶつかって、その破片が月になったとされる説が最も有力である。だから明らかにこのストーリーは科学的に齟齬があるのだけれど、この話が書かれた1977年ということを考えると非常に良く出来た設定であるといえる。

 

 こうしてルナリアンの起源とミネルヴァの謎を解いたハントは続編の『ガニメデの優しい巨人』で新たな謎やワンダーに遭遇することになる。早く読み終わりたいよ!

 

 僕が読んでいないSFはまだまだ無数にあるということを改めて感じた小説だ。

 僕は死ぬまでにあとどのくらい読めるのだろう?

 しかしまだ見ぬ、まだ知らぬストーリーを想像するだけでワクワクするじゃないか!

 

 それにしても書きすぎ。一体どれほどの人がこれを読んでくれるのだろうか?

 

こちらもよかったら読んでください。SFではないけれど。

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まんが 首の痛かった日

      まんが 首の痛かった日  作者 なるかみ音海

 

 

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          まんが 首の痛かった日   おしまい

 

 

 

まんがだけでなく小説も読んでね

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