ニール・ブロムカンプという映画監督がいる。彼は『第9地区』(2009)で一躍有名になり、
エビの宇宙人とリアルな戦闘が新しかった
その後もマット・デイモンとジョディ・フォスターを主演に迎えた『エリジウム』(2013)
神経を直結させた簡易パワードスーツが大活躍
そしてロボットを主人公とした『チャッピー』(2015)
実は未見・・・
と、一貫してバイオレント系SF映画作品を作り続けている。彼の作品は出身地である南アフリカを舞台としていることもあって、妙に泥臭く、また風刺の効いたブラックユーモアが満載されているという特徴を持っている。
その彼が(おそらく映画で儲けたお金を使って)2016年にOATS STUDIOSというSF映像作品を専門に作る会社を立ち上げたのだ。
僕は執拗にYOUTUBEのおすすめに出てくるこのオーツスタジオの作品を、映像学校の学生崩れが作っている作品だと勘違いして観ていなかった。しかし、それにしてはサムネイルが結構よくできていたのでこちらの作品を見たらびっくりした!主演がダコタ・ファニングですよ!
かなり凄惨な描写が出てくるので耐性のない人注意!
さすがの緊張感!最後の方に出てくるクリーチャーがなかなか気持ちわるいので夢に出てきそう。あと、ダコタ・ファニングってもうこんなに育っていたのだな。
このオーツスタジオは、まずYOUTUBEである程度短編を公開して、気に入った人はその先を購入すると観られるというシステムをとっているらしい。まあ、僕は購入していませんが、YOUTUBEにあげられているものを見るだけでもかなりの暇つぶしにはなります。
基本的にブロムカンプの作品はほぼスプラッター描写が出てくるのでそういうのが嫌いな人は無理だけれども、それを作り物として見られるならば非常にクオリティの高い作品に出会えます。
こちらの『RAKKA』はシガーニー・ウィーバーが出演!びっくりした。内容は侵略SFもの。トカゲ型のエイリアンがなかなか気色悪い。
第九地区を彷彿とさせる巨大な建造物が出てきます
こちらは「ADAM」。初っ端から終末感がものすごい。どうやら人間の記憶を移植されたロボットたちが主人公。謎だらけ。大量のロボットたちがこれまた異様な風体のロボットの導きによって集い始める。現在EPISODE3まで公開されている。
特に英語がわからなくてもなんとなく話はわかります
この他にも予告編のみの作品など、多岐にわたって公開されている。ほとんどの人にはわかってもらえないでしょうが、30年くらい昔「エンパイア・ピクチャーズ」というホラー映画専門の会社が次から次へと作品を作り続けていたことを思い出す。
こちらはエンパイア・ピクチャーズのボックスセットの紹介動画。クトゥルフ神話でおなじみのHPラヴクラフトの作品「死体蘇生者ハーバートウェスト」や「彼方より」を独自の解釈で映画した「リ・アニメーター」「フロム・ビヨンド」といった作品群が僕は大好きだった。
思いのほかたくさん作られていました
ダークでシリアスな作品ばかりと思っていたら、こんなとんでもないブラックコメディもあった。
『Cooking With BIll』は一見よくある料理ショーの体裁をとっているのだけれど、毎回必ずSF的ガジェットが登場し、それを使ってクッキング!そうして毎回破滅的で少々血なまぐさい結末をむかえる。ビルを演じているのはエイリアンシリーズなどで特殊効果に携わっていたアレック・ギリスという人だそうです。
最新クッキングマシーンでスムージーをつくるはずだったのに、なぜか髪の毛が・・・
懲りずに同じ生成マシーンに寿司の材料を入れたらやっぱり髪の毛!笑う!
面白いのはどう考えてもこの先マズイ展開になるだろ!というところで必ず低く不穏な効果音が流れ始める。雰囲気としては1970~80年代のテレビ番組を意識しているようだ。VHSテープで見ているような演出が施されている。
そうしてアシスタントの女性がまたいい演技をしてるんだ。プラックユーモアに耐性と理解があればムチャクチャ面白いです。でもきっとこれを妻に見せたら一週間は口をきいてもらえないだろう。
こちらも野菜をぶち込めばすぐに完璧な料理ができるはずが、なぜか腐生肉状態になる。ザ・フライか!
最後のエピソードは日本製のマルチカッティングマシーン「ダマス950」!結末は予想通り。
こちらは日本語字幕付きです。
機械の名前が「だます」で、日本製。このマシンのメイキング映像まであるのでブロムカンプは余程これが気に入ったのだろうか。
こうやってDAMASは作られました。あと手のメイキングも
優しい物語ですよ