デスメタルを聴き続けてかれこれ二十数年。いろいろ聴いてきたけれども、今回ご紹介のDEICIDEはその中でもかなり長いこと聴き続けているバンド。
大学生のとき、デスメタル好きの後輩に勧められて聴き始めたと思う。典型的なオールドスクールデスメタル。今聴くと音もあんまりよくないんだけれど、1STの持つ凶悪さが当時は新鮮ですぐに僕は食いついたのだ。
特にこのアルバムに収められている彼らの代表曲「DEAD BY DAWN」はお気に入りチューンだ。
速。でもたいていの人、このイントロ5秒で聴くのやめるよね。「どこがいいんだ?」って。まあ、そう言われればその通りなんですが、とにかく好きなわけですよ。この曲我慢して聴き続けると、普通のグロウルヴォーカル以外になんか気持ちの悪い唸り声が入っていてさらに聴く人におぞましき嫌悪感を呼び起こす。
でもそれも我慢して聴き続けて!そうして1:55秒我慢すると突然曲が新たな展開を見せる!
デッバイドーン!デッバイドーン! デッ、バイ、ドーン!
このサビを連呼。ここがカッコいい!歌詞カード、こんなん。
しつこい。でもそこがいいんだけどね。まあ、とっつきにくいことこの上ないのは確かですな。僕も実際このアルバム聴き通すことあんまりないんだよね・・・。大抵この曲を聴いてあとやめるという。
で、ある日、僕にこのバンドをオススメした後輩と歩いていた時に、自然と僕は小声で「デッバイドー」となんとなく口ずさんでしまった。するとくだんの後輩は耳ざとく
「デッドバイドーン歌わないっつーのは」
とニヤニヤしていた。
こんな会話一生に一度しかできないよね。
ピンボケですが、中ジャケットのイラストも、いい味出している。修道士らしき人が悪魔に連れ去られていく!なんか間抜けな絵だ。となりは2NDアルバムの裏ジャケットの写真。まだ大分若い。
こんなDEICIDEだけれど(なんかラテン語か何かで神殺しっていう意味らしいよ)、僕の周りでは割りと人気があって、聴いていたメタル好きの友人が何人かいた。
まあ、よくあるデスメタルのイメージ作りとしての悪魔崇拝、アンチクライストを全面に押し出しているんだけれど、ある日後輩が教えてくれた情報に笑ってしまった。
「先輩、ディーサイドのヴォーカルのグレン・ベントン、「俺は悪魔だ」と宣言したらしいですよ」
とか
「先輩、ディーサイドのヴォーカルのグレン・ベントン、33歳になったら自殺するらしいですよ」
とか、(結局自殺しなかった)
「先輩、ディーサイドのヴォーカルのグレン・ベントン、子供にデーモンっていう名前つけたらしいですよ」
とか、イチイチとんでもない内容だった。
同世代のカンニバルコープスに比べるとキャッチーさは低かったが、やはりパイオニアとしての貫禄もあり、アルバムが出るたびに僕は買っていた。だが、正直、毎回「こんなもんか」という感想であった。で、しばらく動きを追っていなかったんだけど、ある日たまたまYOUTUBEでこのプロモを見た。ゾンビ注意!
僕の知っているDEICIDEと違う!彼らの持っていた独特の野暮ったさが消え、大分洗練されたデスメタルとなっているではないか。あまつさえ、途中のギターソロは泣きメロで最後にはツインリード!カーカスか!
どうやらギタリストが解雇され、元カンニバルコープスのジャックオーエンが加入してサウンドが一新されたらしい。僕はすぐにこの曲を含むアルバムを買った。
素晴らしいの一言だった。このアルバム、デスメタル史上に残る傑作だと思うんだけどなー。デスメタルに興味があるんだけど、何から聴いたらいいのかわからない人にはこちらをおすすめしますよ。1曲目のStench of Redemption、ギターソロからの展開が意外性があって素晴らしい。化けたな、DEICIDE!
このアルバム以来再びDEICIDEを買い続けたんだけど、このアルバムを超えるものをそれ以降感じられないので最新作は買っていません・・・。ちなみにこちらのアルバム
「TILL DEATH DO US PART」なんだけど、
カバーを拡大するよ。
なんと、ワッペン付きなのだ!僕はCDケースを開いた時に大喜び。
それにしても「グレン・ベントンを大統領に!」って!何考えてんの?
主張はとんでもないが、すぐに服に貼り付けた!ラルフローレンのシャツに!
超カッコイイでしょ!これで軽井沢に出かけたりしました。どうせ誰も意識してはいないだろうけど。
やっぱりメタルですよね