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メタリカ「ハードワイアード」はオールドファンにも珠玉のアルバム

 メタリカの新譜「ハードワイアード トゥ セルフディストラクト」を聴いて一週間程が経った。

 僕は最初の記事でも書いたが、30年来の彼らのファンである。といっても、世界中にいるおそらく数百万はいると思われるファンの中の一人に過ぎない。だからなんですかと言われればそれまでなのだが、やはりメタリカには僕なりの思い入れがあるのだ。

 おそらく僕のような昔からのファンは、1ST~4THあたりを絶対視し、そのあたりをアルバムの最上位にあげ、中期のアルバムについてはむにゃむにゃ・・・という感情を持っているだろう。

 あれほど売れた「ブラック・アルバム」でさえ、僕は中盤の「アンフォギブン」が終わったあたりで聴くのを止めてしまうのだ。もちろん、「エンターサンドマン」は素晴らしい曲だし、すでにメタルの古典と言っていい。だが、やはり僕は、いや僕らはニューアルバムが出るたびに幻想を持ってしまうのだ。

 「マスター・オブ・パペッツ」のあの音!あの当時、あれほど重厚で壮大なスケール感をもったアルバムは皆無だった。なにしろ最初は最後まで聴き通すのが辛かったくらいだ。同時期のスレイヤーの「レイン・イン・ブラッド」が軽く聴こえたもんね(もちろんこちらも大好き)。

 スルメ系、という言葉のとおり、「マスター」アルバムは聴けば聴くほど素晴らしさが増すアルバムだった。初めて「マスター」でメタリカを知った僕はすぐに新宿の西口の輸入盤屋で2NDの「ライドザライトニング」を買いに行った。当時はまだレコードが主流で、CDは珍しかった。Mのコーナをワクワクしながら探す。ダウンロード主流の今にあって、もうあのように実店舗で掘り出し物を見つけることはなかなか難しいだろう。そして、レコードはというと、あったことはあったのだが、なんとピクチャーレコード!これ今価値あるんすかね。

 家に帰って針をレコードに落とした瞬間、バロック音楽のような美しいメロディ・・・そしてシャーというシンバルのあとにダン!ズクズクズクズクという切り刻むかのような「ファイトファイアウィズファイア」が始まった!

 ってここまで書いて、いつの間にか思いでの世界に浸ってしまっていることに気づく。「ハードワイアード」の話だった。思い出はまたあとで。

 最初に先行PVの「ハードワイアー」を聴いたとき、正直「おっ、久々にストレートなスピードメタルやってる!でも、特に新味はないなあ・・・」と思ってしまった。途中の部分でリフがチェンジした時は思わず「メタルミリティアかよ!」と言ってしまった。そう言いつつも、何度かPVを見ているうちに「いや、やっぱカッコいいんじゃないか?」と思い始め、ほぼ同時に公開された「ハードワイアード」のライヴの映像も何度も見るようになっていた。(つづく)