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80`sソングのカッコいいギターソロ

 ギターソロというと、イコール、ヘヴィーメタルの速弾きを連想する方もいると思いますが(まず僕)、別にギターはそんな不便な楽器ではなく、あらゆる音楽でその特性を発揮している。

 しかしやはりヘヴィーメタルという分野においてはギターソロの重要性は言わずもがなだ。リッチー・ブラックモアあたりから始まって、イングウェイ・マルムスティーン、インペリテリ等、その速さに重点を置いた音楽とその聴かれ方というのは確実に存在した。僕が大学生の時に一緒にメタルバンドを組んでいた同級生はとにかく速弾き至上主義者で、色々な音楽を聴いていることを僕に自慢にしつつも、結局イングウェイが一番好きという人間だった(彼はしばしばソロだけ聴いて曲は飛ばすということをやっていた)。

 それは悪いことではないけれども、僕としては楽曲あってのソロで、ソロあっての楽曲というのはどうにも腑に落ちず、結局そういう曲ばかりバンドでやりたがる彼とはその後袂を分かった。

 

 KISSに(ほんの)一時期在籍していたヴィニー・ヴィンセントが新たに彼のバンドを始めるというのでこちらのPVを発表したのだが、当時これを見た僕は度肝を抜かれたものだ。

                   いやもう古いね

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 暇な方は最初から聴いていただくとこの曲の異常さが解ると思うんだけれど、2:20あたりから始まるギターソロのところから突然バッキングの音が小さくなり、狂ったようなスピードでヴィンセントがギターソロを開始する。もうホントに頭おかしいくらいの弾きっぷりで僕は当時大笑いをしてしまった。今も笑う。なんだこれ!

 そもそもバッキングのベースとギター全然聞こえないじゃん!かろうじて、「マッドマックス怒りのデスロード」を先取りしたような変なメイクをしたドラマーが刻む、つつたつ、つつたつというエイトビートが虚しく響くのみ!そうしてヴィニーは後半にもウルトラアホスピード級のソロをぶちかまし、そのままギターをアンプに突き刺して破壊!そしてなぜか突如上方から防炎スーツに身を包んだスタントマンが火だるまになってステージを横切り、そのままステージ下へと消える。そしてその間にもボーカルの彼は我関せずと拳を延々振り上げているのだ。シュール!

 そうして最後はみんなで機材をぶち壊して爆発して終わり!ギターを高々と掲げたヴィンセントが仁王立ち!すごすぎる。

 

 まあ、なんだかんだ言って僕この曲好きだったんですけど。KISSでのフラストレーションをこれでもかと爆発させた自己の欲求に忠実なヴィニーのアーティスト性に敬意を表したい。ただ、その後彼は色々やらかしてミュージシャン生命を絶ってしまったらしい。

 まあここまでふっ切れていれば文句なしなんだけど、やはり速ければいいってものでもないでしょ。でもやはりエレキギターの音色というのは心地よい。

 それにしても、あの濁った高音が伸びやかに奏でるメロディはなぜ人の心に響くのだろうか?僕があのギュイーンという音色に惹かれたのはいつなのだろう?

 

 実はそれについては明確な記憶があるのです。

 小学校の時、このロボットアニメが鳴り物入りで放送されたのだ。

     今でも根強いファンがいるらしい。いかにも80年代アニメのオープニング

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 最近でこそアニソンはあらゆるジャンルの曲を取り入れているようだけれど、ハードロック調の主題歌はこのアニメが嚆矢ではないのか。いきなりのぶぶぶぶというエイトビートのベースの刻みが小学生の僕のハートに響いたぜ!そしてアニメチックなサビの後、1:06から入ってくる短いギターソロ!これがもうあまりにもカッコ良い!僕はこのソロを聴きたいがために、ラジカセをテレビの前において直接録音したものだ。昭和の子供あるあるですよ。そうやってたくさんの番組の主題歌を録ったっけ。たまに母親に話しかけられて「シーっ!シーっ!」とか言ったりして。

 このアニメ、6時くらいに放映していて確か「宇宙の必殺仕事人」みたいな内容だった。僕は途中で飽きて見なくなっていたのだけれど、何がすごいかってベッドシーンがあったという!よくそれをこの時間に放送したよね。まあカルトなアニメですので気になる方はググってください。

 

 それでようやく80Sソングの話になるのですが、この曲みたいに短いけれども心に響くソロがあの頃にはたくさんあったのです。それは僕の記憶の補正かもしれないけれど、そして青春期に聴いた音楽だからこそ印象に残っているかもしれないけれど、今聴いてもやはり心に染み入るのだ。

 

       はいこれ、ホール&オーツの「FAMIRY MAN」 

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 マイクオールドフィールドのカヴァーで、大ヒット曲「マンイーター」「ワンオンワン」などの影に隠れがちなこのシングルだけれど、僕この曲が一番彼らのレパートリーでは好きだった。さて、1:56あたりにギターソロあります。いや、いいソロだね!あと、当時から不思議だったのだけれどジョン・オーツが別にソロを弾くわけではないのです。ジョンが引くのはイントロの「てててててててて」みたいなどうでもいいメロディ。

 

「YOU MIGHT THINK」はもちろん名曲で初代MTVアワード受賞曲であるけれども(アメリカの意地で受賞した気もする)

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         それより前のこちらが僕は好き。シェキラ!

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 リック・オケイセックのあの泣きそうなボーカルが何とも言えない魅力のカーズ、1:18でソロが始まります。彼らの曲は他にもいいソロが多い。しかしやはりこの曲でしょう!特に「たりったー、たりったー、つくつくつくつくつくつく」というカッティングにしびれる。今何やってんでしょう。 

The Cars: Deluxe Edition

The Cars: Deluxe Edition

 

 

 

 出た瞬間人気が爆発していたナイトレンジャー。僕はまだ当時メタルやハードロックはあまり好きではなかったんだけれど、この曲の持つ有無を言わさぬパワーにはねじ伏せられた。ブラッドとジェフの畳み掛けるツインリードは反則技!すごすぎ。 

   
Night Ranger - Don't Tell Me You Love Me (Live)

 2:08からブラッドの職人技ともいえるソロからのテンション、いつ聴いてもすごい。

 

 最後はジャーニーのエッジ・オブ・ブレイド。僕はFMラジオで当時大ヒットしていた「セパレイト・ウェイズ」

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が流れるというので録音の準備をしていたら、なんとA面B面をラジオ局の人が間違えてかけたのだろう、この曲「エッジ・オブ・ブレイド」(アナログB面1曲目)が流れた!僕はしばらく「あれえ、セパレイトウェイズってこんな曲だっけ?と訝しんで過ごしていた。まだ中学生だった。 

              しかし今ではジャーニーで一番好きな曲

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 この曲は曲間にソロがあるのではなくて、一通り歌メロが終わると、3:20以降、ヴォーカルとの掛け合いのような形でニール・ショーンの泣きのメロディが炸裂!いつまでも聴いていたいよ!

 

 あー、思いのほか長く書いてしまいました。ギターソロ、いいよね。

 

ギターソロを弾く少女が主人公の小説を書いてました

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