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クリエイター/COMA OF SOULの頃まで

     手元にあるクリエイターのアルバム。どれも似たりよったり。

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 クリエイターは相当息の長いスラッシュメタルバンドだ。なにせ30年近く前に僕が彼らのアルバムを初めて聴いた時にはすでに5枚のアルバムを発表していたんだから。

 初めて聴いた彼らのアルバムは「COMA OF SOULS」だった。

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 傑作の誉れ高いこの作品で僕は一気に彼らのファンになった。そもそも僕がクリエイターを聴くきっかけになったのは同じドイツのスラッシュメタルバンド、ソドムの存在が大きい。

こちらでソドムのことはだいたい書いてます

www.otominarukami.tokyo

 

 今から30年近くも前、僕が大学生当時仲の良かった後輩アイビーはかなりのスラッシュメタルマニアで

「なるかみさん、やっぱソドムっしょ!」

といって勧めてきたのだ。

 ちょうどその頃ソドムは「パーセキューションマニア」という傑作を出したあと、ライヴアルバム「モータルウェイライヴ」を出し、勢いに乗っていた。

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こちらはモータルウェイライヴの映像版。演奏はかなり粗いんだけど、特にドラムのウィッチハンター(故人)のド下手ぶりがすごい。

     www.youtube.com

 演奏が下手でもいいじゃないか!逆にそこがいいんじゃないか!ということで僕らの周りではソドムブームが起き、僕はアイビーとソドムバンドをやったりもした。

ところがそのソドムのギタリスト、フランク・ブラックファイアー(なんだこの名前)が脱退し、クリエイターへと移籍したのだ。

 そしてアイビーは例のごとく

「なるかみさん、やっぱクリエイターっしょ!」

と勧めてくるのだ。だから僕はそのオススメに従って先の「COMA~」アルバムを買ったのだ。

 

 アイビーといえば、僕は非常に仲が良くて彼の結婚式まで出席したのだけれど、いつの間にか疎遠になってしまい、今となっては連絡が取りようがない(名古屋で国家公務員をしている)。彼も僕の周りにいた強烈な個性の持ち主の一人だった。

 

 彼は東京は稲城市稲城団地に住んでいたんだけれど、その近くに「大丸ラーメン」というラーメン屋があった。今はもう跡形もないんだけど、その当時は僕らよくその店へ通って舌鼓をうったものだ。

 家族経営の店で、時たま手伝いで中学生くらいの息子が厨房に入っている時があり、店主の会話からその息子の名前が「カズシゲ」であることを知った。で、たまにギャグで「カズシゲに手伝ってもらいでしょ!」と唐突に彼の名前を引用しては笑っていたものだ。

 ところがある日、アイビーが息せき切っってサークルのたまり場にやってきた。そして開口一番

「なるかみさん!大変です!大丸ラーメンが宇宙人に乗っ取られましたよ!」

と訴えるのだ。

 ラーメン屋が宇宙人に乗っ取られるってどういうこと?

「こないだ大丸ラーメンに行ったら、メンバー全員違う人間だった!夫婦でやってるのは同じなんですけど、人が違うし、味も全く違うんですよ!看板は大丸ラーメンなのに!あんなの絶対宇宙人に乗っ取られたとしか考えようがない!」

 と興奮気味に話すアイビー。

「あれは絶対宇宙人がカズシゲ一家を乗っ取ったに違いないっすよ!絶対に!」

こいつ何を言ってんだとおもいつつ、ひょっとしたらそういうこともあるかもしれないと思った僕は彼と共に大丸ラーメンへ向かった。外見はいつもと同じ通りの大丸ラーメンだ。

 しかし暖簾をくぐると!確かにいつものおやっさんとおばちゃんじゃない!誰か知らない夫婦がラーメン作ってる!僕は驚愕した。と同時に笑いそうになったが我慢した。そして頼んで出てきたラーメンは以前とは全く似ても似つかないヘンテコな味のラーメンだった。

 「いやー確かにあれは宇宙人が乗っ取ったな!」

という結論に僕らは達し、それ以降危険なので大丸ラーメンへ近づくのをやめた。数日後大丸ラーメンの看板は外され、別の名前のラーメン屋になっていた。カズシゲ、アブダクションされたに違いない!そしてキャトルミューティレーションか!?

 

  ・・・ここまでクリエイター一切関係なし!

 

 「コーマオブソウル」の話。冒頭の美しいアコースティック(メタル系のお約束)ギターの調べから一気にアグレッシブなイントロへなだれ込み、スタスタスタスタと怒涛の如く突き進むド直球のスラッシュメタルに僕はやられた。実際、このアルバムは今聴いても素晴らしい。

      これぞクリエイター!という「When the sun burns red」

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  この曲で幕を開け、息もつかせず「COMA OF SOULS」だ!

             このリフを生み出したミレ、天才

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 当時発売されていたビデオに収録されていた「TERROR ZONE」はイタリアスプラッタ・ホラー風味のそれなりにお金をかけたPVでした。

         後半の盛り上がりはすごいですよ!ただしホラー注意!

   www.youtube.com

 

 その後アイビーの家に行きクリエイターの3Rd「Terrible certainty」を聴かせてもらったらこれがまたブチ切れていた。

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特に1曲目の「BLINED FAITH」の狂ったようなリフとスピード、ヴォーカルのミレ・ペトロッツァの絶叫系ボイス。

            永遠のクレイジースラッシュチューン

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 もうクリエイターしかねえ!と二人で盛り上がったものだ。僕はすぐに持っていないクリエイターのアルバムを揃えた。2NDも良かったのだが、やはりこの3RDにはブッ飛んだ。とにかくリフが独創的で、今まで聴いたことのない新鮮なスラッシュメタル曲が満載されていたのだ。特にタイトル曲の「TERRIBLE CERTAINTY」は僕にとってクリエイターのナンバーワンチューンだ。完璧なパワー・スピードと変態的なリフ、元気がなくなった時はこいつを聴いて復活だ!

            THIS TERRIBLE CERTAINTY!

    www.youtube.com

  僕はこの曲があまり好きなのでスタジオバージョンもリンクさせておきます。もしあなたがスラッシュ系のメタルが好きで、この曲を知らなかったとしたら、ぜひ聴いてください!絶対気にいるでしょ。

              音はちょっと古いのだけれど

    www.youtube.com

 

 当時はメタリカメガデス・スレイヤー・アンスラックスのいわゆるビッグ4と呼ばれるバンドがスラッシュメタルシーンを牽引し、そのあとをテスタメントやエクソダスといったベイエリア系と呼ばれるバンドたちが盛り上げていた。しかしそれはアメリカの話で、クリエイターやソドムはヨーロッパのどこか邪悪な雰囲気をたたえた、全く毛色の違うスラッシュメタルとして進化していたのだった。この二つのバンドにデストラクションを加えてジャーマンスラッシュ三羽ガラスなどと呼んでいたメディアもあったっけ。~三羽ガラスの呼称は多くあれど、これほど人の耳になじまない三羽ガラスもないだろう。

 何がすごいって4THアルバムの「エクストリーム・アグレッション」も負けず劣らずの傑作であるということだ。

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一曲目のエクストリーム・アグレッションから、確か初のビデオ作品である「BETRAYER」など名曲が満載。

       キャディナイ・・・キャディナイ・・・ビトレイヤー!

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この「BETRAIYER」のリフも、よくこんなの思いつくなという変態ちっくなフレーズ満載。ソロあとのメインリフの変形リフ挿入とか細かいアレンジが大好き。

 クリエイターのリフの特徴はガツンと一気に畳み掛けるコードの直後に単音でトゥルルルゥるるるるぅるるるぅるるぃと縦横無尽のメロディが足されるところにある。これを聴くと、ああ、クリエイターだな!と思えるのだ。そしてその音階の動きがまたカッコいいのだ。 

 僕はその後出されたクリエイターのビデオも買った。そして何度見たことか。そうそう、確かメンバーのインタビューがあったんだけど、その中で

「俺たちは普段から、死や死後の世界などといったことを話している」

とか言っていた気がするんだけど、なに言ってんだろね。もっと楽しい話はたくさんあるだろうに。

 まあそれはともかく、とにかく5THアルバムまでのクリエイターの怒涛の勢いは止まらなかった!・・・と思っていたんだけど・・・。

 

エクストリームアグレッションがない!どこだ!

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 明日に続くよ

kakuyomu.jp