大学生の頃、僕は強烈な個性の持ち主の友人たちに恵まれていた。
その中の一人、後輩のナッカンは多くのエピソードを持つ人物でここに書くのは憚られるような数々の(僕らの間だけでの)伝説を残した。
ちなみに彼との出会いはこちらで少し書いてます
書けるようなものとしては、こんな話がある。
ナッカンは一方的にフラレた彼女に真意を問いただすため、何故か突然パンチパーマをあてて(どうやら凄みを出すためだったらしい。何のために?ちなみに彼はこの当時19歳)そのまま彼女の家へと乗り込んだが
「まあまあまあ」
と酒を勧められるまま飲まされ、そのまま酔いつぶれて翌日すごすごと帰った。
かと思えば五輪刈りにしてみたり(その頃の彼の挨拶は「こんにちは、ゴリン・ガリです」だった)、近所にできた100円バーガーショップでバーガーを10個購入して全部食って腹をこわしてみたり。
ちなみにそのバーガー屋の名前は「ワールドバーガー」といい、少し腹が減ると皆で
「ワールドバーガー行き?」
と示し合わせたように叫び、脱サラしたと思しき店長のおじさんがヒーコラとバーガー十数個を作っている様子を見ながら待っていたものだ。
ワールドバーガーは2ヶ月で潰れた。
ナッカンある日おばちゃんが利用するような洋品店でヒョウ柄のスパッツを安価で購入し、それを愛用していたが、花見の時に酔って「人魚!」とか言いながらスパッツの片方に両足を突っ込んで泥まみれになっていた。あの後どうやって家に帰ったのだろう。
また、夏にあまりにも暑いのでクーラーをガンガンにかけていたら、今度はやたらと冷えたのでコタツを出して入ったというナッカン。なんだそれ!
まあ他にもいくらでもマッドな思い出があるのですがこの辺にしておきます。
さて彼は山手線の大塚駅のそばに住んでおり、僕はよく遊びに行ったものだ。ある日彼と秋葉原へ行って、中古のファミコンソフトを買って遊ぼう(2人とも二十すぎ)、ということになり確かこれを買った。
「大魔司教ガリウス」という響きのおもしろさだけで買って後悔。ただのクソゲーだったので彼の家に置きっぱなしにしておいたら事あるごとにナッカンは
「なるかみさん、大魔司教ガリウス、最後までやるっつうのは?」
と迫ってきて笑った。
他にもこれとか買いました。
このゲーム、あまりに難度が高く、
「こんなの終るわけねえ」
と2人でゲラゲラ笑いながらやったもんだ。
ここまでカテドラル一切関係なし!
出ましたタイトル詐欺。
この秋葉原に2人で出かけたとき、ついでに秋葉原レコファンに寄ったのです。そうしたら、このアルバムがメタルコーナーでかなりプッシュされていたのだった。
元ナパーム・デスのリー・ドリアンが結成したバンドの2NDということで興味を持った僕は即購入したのだ。
ちなみにナッカンは僕らの仲間内で最も早くイヤーエイク(伝説のグラインドコアレーベル)を発見した人物で、彼が購入したテロライザーは僕らのあいだで大流行した。
グラインドコア史上に燦然と輝く大傑作
ナパーム・デスといえば、当時泣く子も黙るグラインド・コアの王者。
歌っているのがリー・ドリアンさんです
ナパーム・デスについては、いつか書かないと!
それはそうと、カテドラルのポップを見ると「ブラック・サバスをさらに重くしたサウンド」のようなことが書いてある。リーがサバス・・・?
とにかく僕とナッカンは彼の家に帰って早速カテドラルを聴いてみた。そうして飛び出した音がこれだ。
聴いた瞬間「うおおお!なんてスゲエ音だ!しかもカッコいい!」
僕はこのイントロを聴いてこのアルバムの傑作を確信した。続くこの曲がまた素晴らしかった。
ずんずずんずずんずずんずずーぅう
もはやナパーム・デスとは全く違う方向へと進んだリー、これがやりたかったのか!とにかくこの二曲だけでもこのアルバムは聴く価値がある。
続きます。