80Sのバンドだけれど、実際にリアルタイムでスペシャルズを僕は聴いていなかった。大学生になり、所属していたバンドサークルで、友人のバンドが「やっぱスカンジナビアの音楽だろ!」と盛り上がっていたのでそりゃなんだ?と思って話を聴くと「スカ」というジャンルの音楽があるのだそうだ。
スカの発祥は定かではないのだけれど、音楽的特徴から言えばエイトビートに四分音符でベースがラインを刻み、すちゃすちゃすちゃすちゃという裏打ちのギター、もしくは管楽器の音が乗るというスタイルの音楽だ。まあ、スカパラなんかで結構日本でも認知度はあるのではないかな。
そうしてスカンジナビアと盛り上がっていた彼らはレピッシュのコピーをしていたのだ。最近は主だった活動はしていないようだけれど、当時のレピッシュの勢いは凄かった。ステージを所狭しと走り回り、飛び跳ねる。しかも、曲のセンスが非常に良く日本にもこんなかっこいいバンドがいるのだ!とびっくりしたものだ。
このつながりでフィッシュボーンが僕らの周囲では盛り上がり
実際に生で見たが、こちらも凄かった。前座が奇しくもレピッシュだったし。
スカってかっこいいじゃん!となり皆で色々とスカを聴き始め、スペシャルズへとたどり着いた。
実はヴォーカルのテリー・ホールを僕は知っていた。スペシャルズが解散したあとに彼が結成したFUN BOY THREEを高校生の時にそれとは知らずに聴いていたのだ。
確か「人生は楽じゃない」とかいう邦題がついていた。
カリフラワー頭で泣きそうに歌うテリーがスペシャルズのヴォーカルだったと知り、音楽は意外なつながりがあるものだと思った。
さて実際友人から借りたスペシャルズの曲はレピッシュやフィッシュボーンに比べると何とものんびりしたもので僕は拍子抜けした。
いや、名曲ですけどね。そりゃ、フォッシュボーンとは時代も志向も異なるし。
トロンボーンの優しい音色、ピアノの旋律。スカとパンクを融合したサウンド、とよく形容されているけれど、パンクの破れかぶれさはほとんどない。ライヴは結構盛り上がっている。
しかし、この牧歌的とも言える音楽には不思議な中毒性があり、気がつくとテープを聴いていたりするのだ。結果的にスペシャルズは僕のお気に入りのバンドの一つになった。当然、次のアルバムも聴きたくなるわけでそれは買いましたよ。
2NDアルバムの「モア・スペシャルズ」、一気に音楽性が広がっていた。リズムボックスとエレクトーンの音がフューチャーされ、独特の世界観を展開していた。前作に比べるとより哀愁が増し、様々なジャンルを取り入れた結果、スカ色が後退したような印象だ。だが、それはそれで僕はこのアルバムが好きで、特に「I CANT STAND IT」のテリーと女性ヴォーカリスト、ローダ・ダカールのデュエットが素晴らしい。
我慢できない!というタイトル。
「たらたらたらたった」としか形容しようのない、何とも言えない変なシーケンサー、というよりエレクトーンに付属する伴奏機能を駆使したようなサウンドが流れていてそれがまた唯一無二の浮遊感を与え、この曲を特別なものにしている。最後の「GOOD NIGHT TERRY」、「GOOD NIGHT RHODA」のセリフも心に沁み入る。
結局スペシャルズはこの2枚で解散してしまったが、シングル集がリリースされている。この中の「RAT RACE」が特に好きでよく口ずさんだっけ。
だいぶ昔の曲なのに、ファッションが少しも古びていない。イギリスの人たちは本当におしゃれだ。
ヴォーカルのテリーと何人かのメンバーは前述のようにファンボーイスリーを結成したが、それもどうなったのだろうか。残りのメンバーは「スペシャルAKA」というバンドでアルバムを発表していて、ネルソンマンデラを自由に!などと歌っていたらマンデラ氏自由になっていた。
こういう人気があったバンドの常で、再結成したりもしている。あと、いきさつやメンバーがよくわからないけれど、だいぶ前に「TODAYS SPECIALS」というバンドでCDをリリースし、それも買ったがほとんど聴いてないよ。
この記事を書くためにウィキを見てみたら、ほとんど参考になる記述がなかった。あんまり日本じゃ人気ないのかな。2009年にサマソニに来てたんだね。でもそれも大分前だ。再結成のとき、エイミーワインハウスがゲストで歌ってる。RIP
テリー、太っている・・・
スカはジャンルの細分化の先に「スカコア」という行き着くところまで行ったものすごくクールなものもあって、それはそれでまた別の機会に。
スカもいいけどメタルもね!読んでみて!