我が家のアーサー王、またはレイ
毎週火曜日の休み、近くのシネコンがメンズデイで千円なのは嬉しい。そうして今日は表題の件、『キング・アーサー』観てまいりました。
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いつものように前情報一切なしで鑑賞。アーサー王の伝説はほとんど知らない僕でもまあ、楽しめました。というか、これ、ファンタジーだった。
以下、ネタバレありますよ!
冒頭からメイジ(魔術師)が反乱を起こし巨大なゾウさんが城を破壊しようとするのだが、城主のエーサーが単独で聖剣エクスカリバーを駆使して悪のメイジをやっつける。ただ、なぜか騎士の中に黒人が混じっているのだが、この時代そんなことありえるの?映画的配慮ってこと?
でも王に嫉妬した弟のヴォーティガン(=ジュード・ロウ)が、なぜか城の中に巣食っているタコのような化物と契約して(妻を殺して捧げる)悪の力を手に入れ、エーサーとその王妃を暗殺。かろうじて幼い息子のアーサーは舟で逃げおおせ、スラムで育つことになる。ここでガイ・リッチーらしくテンポよく展開しアーサーあっという間にたくましい若者に育つ。筋肉ムキムキ。
実はこの時点で僕はこの俳優が誰だかわからなくてイマイチ感情移入できず。しかもヒゲをはやしているのでなんだか老けて見える。あとで確認したところ主演はチャーリー・ハナム。エッ!『パシフィック・リム』の人だったのか!最後まで全然気がつかなかった。僕パシフィック・リムは十回以上見ているのになあ。一瞬マークウォルバーグかとも勘違いしていた。
色々あってアーサーは伝説の剣エクスカリバーを引き抜いて王の血筋であることが分かる。この場面、なんと敵兵役でベッカムが登場し、セリフもしゃべるのだが日本人の僕から見ても大根!しかも特にその後出てきて戦うわけでもない。
なんだっけな、確か『ブレイド3』あたりにプロレスラーのトリプルHが出てきたのとか、ドラムンベースの帝王ゴールディが『007ワールド・ノット・イナフ』に出てきたのと同じような印象。彼らはその後スクリーン上では見られない。ロッキー様ことドゥエインジョンソンは別として。
アーサーは捕まってしまうが女メイジとかレジスタンスの手助けでなんとか逃げ出せる。この女魔術師のキャスティングもどうか?アストリッド・ベルジュ=フリスベという舌を噛みそうなエキゾチックな女優を起用しているが、正直あまり魅力的でない(個人の感想です)。しかもロマンスがあるわけでもない。
それにしても、一時期、映画監督というよりは「マドンナの旦那」というほうが有名だったガイ・リッチーは大体どの映画でも女性の扱いが適当というか、そんなに女性を重要視していない感じを受ける。二十年くらい前に見たあまりに有名な『ロック・ストック&トゥー・スモーキングバレルス』を始め、アイアンマン主演の『シャーロック・ホームズ』まで、男の友情にしか興味が無いようである。
軽いシャーロキアンの僕は昔、NHKで放送されていたジェレミー・ブレット(吹き替えは当然露口茂!)のシャーロック・ホームズ(このオープニングがまたいいのだ!)
を見てコナン・ドイルを読みまくったが、最近の派手に暴れるロバートダウニーjrのシャーロックはあまり馴染めなかった。
これブルーレイも買ったのに、一度しか見ていない。やっぱりワトスン君はもう少し間が抜けていなきゃ。ジュード・ロウだとかっこよすぎる。
カンバーバッチの現代版は見てません。
アーサーの話だった。
まあ、次から次へとアクションが展開されてスケールも大きいので観ていて飽きることはない。時たま挿入される時間軸をずらしたテンポの良い会話劇もガイ・リッチーのオハコだ。ただ、こういうシーンだけなんだか急に軽くなるんだよな。
主人公が試練を経て成長するのもお約束。仲間が死んでジュード・ロウの悪さが際立つのも計算ずく。というか、この映画むしろジュード・ロウの存在感のほうが強くて、アーサー、イマイチ印象が薄い。クライマックスでは、魔術師の大蛇が大暴れして、しかも結局剣がほとんどやってくれるので別にアーサーそんなに頑張んなくてもいいんじゃないの?って感じですかね。最終的にサウロンみたいになったCGのジュード・ロウをボコボコにやっつけるのも剣。まあ、千円で二時間のファンタジー体験だと思えば適正なのではないかな。
そうそう、もともとの邦題は「キング・アーサー聖剣無双」だったらしい。だが、最近の邦題バッシングできっと「聖剣無双」は替えられたのだろう。「ドリーム」と同じパターンか。ヘンな邦題も結構好きだけどなー。「バス男」とか。
あっ、そうだ今急に思い出したのはスタローンの『ランボー』に無理やり寄せた邦題「ランボー者」っていうのをビデオ屋で見たときは思わず吹き出してしまった。
僕なりのファンタジー。ただし不人気機種。もう書き続けるモチベーション低下中。やっぱり人に読まれなければ意味がない。一章はとりあえず終わらせようと思います。