言わずと知れたビョーク。
そのあまりに偉大なキャリアはロック/ポップス史上に燦然と輝くものだ。
最近はなんだか美空ひばりか小林幸子のような感じがして僕は近寄りがたいです。
ビョークのブレイクのきっかけはそれまでアイスランドで活動していたシュガー・キューブスを解散させ、ソロアルバム『デビュー』が大ヒットしたことだ。
僕はこのアルバムで「うわーすごいのが出てきたぞ」と興奮した。すぐにシュガー・キューブスのアルバムを買ったりしたのだけれど、『デビュー」アルバムの革新性に比べると、野暮ったさは拭えなかったので、いくつか気になる曲はあったものの、売ってしまった。
すでに『デビュー』でその先見性あるサウンドを奏でていた彼女だけれど、続く『POST』でさらにその世界観は広がっていた。このアルバム、大ヒットしたよね。
で、このころ僕はビョークが歌っている曲ならなんでも欲しくて手当たり次第にリミックスの入ったCDシングルや、ジャズのスタンダードを歌っているアルバムなどを買い漁った。その結果がこれ。
実のところ、『POST』『テレグラム』のころが一番ハマっていた時期で、『ヴォルタ』以降のアルバムはレンタルです・・・。あともう一枚『PLAY DEAD』という曲のシングルもあったがどこかへ行った・・・。
それで、オリジナルの曲の良さは言わずもがななんだけど、ビョークは自分が常に新しい音楽を作る人間であるということに非常に自覚的であるので、CDシングルのおまけの曲では色々と実験的な曲や「ええ!この人がリミックスを!」という曲があって僕はシングルを買うごとにワクワクしたものだった。
とにかく全方向のジャンルに目を向けているビョーク、特にこのミックスには感動した。
シングル「ハイパーバラッド」に収められているこのアーティスト。2の「ISOBEL」を見て!なんとCARCASSの名前が!(4のTEI TOWAも捨てがたいが)
CARCASSといえば、リバプールの残虐王との異名もとった、デスメタル界の異端児。そもそもCARCASS=死骸というバンド名からしてスゲエ。
初期はかなり気持ちの悪いジャケットとか、グシャグシャのグラインドコアをやっていたCARCASS(ちなみに日本版アルバムでは曲名にいちいちとんでもない日本語曲名、たとえば「硫酸どろどろなんでも溶かす」とか「死体に花を咲かせましょう」とかが付けられており、一部の好事家のあいだではかなり話題になった)もだんだん洗練されていき、この頃は『HRARTWORK』という名盤を出して、かなり注目を集めていた。
聴く人によっては拷問でしかない「シンフォニー・オブ・シックネス」アルバム。この頃はギターのビルスティアーもヴォーカルをとっていた。
その後、色々あってこんなに聴きやすくなりました。
そういえば僕は初来日のクラブチッタに行ったんだけど、上からダイブしてきた誰かの靴に蹴られて流血したイイ思い出がある。
1STやセカンドアルバムからすれば考えられないメロディックデスメタルをやっているが、とにかくビョークはこれが気に入ったのだろう。なんと、こんな感じに仕上がってます。
完全にビョークの貫禄勝ち。カーカス、ビッグアーティストからの直々の指名で緊張か?まあ、あえてのサウンドでビョークに合わせたのかもしれないけれど、もう少し激しくても良かった気もする。途中ですたたたたたとグラインドコア化するとかね。
その他にも素晴らしいミックスがあります。またあした。
カーカスのこと、書いてたっけな?