音楽と本

僕のカルチャーセレクトショップ

雨の下北沢を軽く逍遥し、地下鉄でゾンビに遭遇

 10月28日、澁澤龍彦展を見たあと、大学時代の友人と新宿で合流。久しぶりの新宿の人の多さにあてられる。三丁目まで歩いて新宿末広亭そばにある地下のレストランで昼食。昔ながらの洋食屋でステーキが千円と安い。味は千円の味。

 

 着ている僕が言うのもなんだけれど、東京はダブルのライダースジャケットがやたらと流行っていた。男も、女もよく着ている人を見かけた。

 ユニクロでネオレザーとかいう意味不明の素材のジャケットを売っているのも一因か。でもどのショップに行っても最近は大体それが置いてあって、完全にトレンドとして扱われている。

 ライダースはもはや定番のジャケットだが、ひと昔ならバイク乗りかバンドマン、それもパンクやメタル好きしか着なかった服がファッションアイテムになっているのは複雑な気分。

 

 僕が若かった頃は(おじさんの回想ですいませんねえ)ライダースといえばSCHOTTの一択で、

バイト代を貯めてようやく手に入れたゴワゴワのワンスターを501に合わせて着ていた。僕の周りのバンド友人は僕を含めて大体皆同じ服装をしていたっけ。

 

 冬などにそういう仲間が数人で友人の家に泊まるとき、こたつでライダースを着たまま(寒いので)一晩を過ごすのだが、深夜に寝静まってから誰かが寝返りを打つとライダースの革がすれてきゅきゅ、という音を立てるのだ。で、暗闇で「革がうるせえ」などとつぶやいてみんな爆笑する。そういう友人と今もつながり、この日もこうやって会っているわけだ。友達っていいよね。

 

 ダブルのライダース、今は様々なブランドがリリースし合皮で安いものなら数千円で買えるというご時世だ。バンドTシャツをそのバンドの曲も知らずに着ているのと同じ感覚なのだろうか。

 

いちいち他人のライダースをチェックするいんちきファッションブロガー。で、自分もダブルライダース

   f:id:otominarukami:20171101203630j:plain

 

 余計な話になってしまった。この後、雨がぱらついてきてどこへ行こうか、という話になり久しぶりに下北沢へ行こうということになった。

 小田急線に乗って着いた下北沢は結構な雨降り。とりあえず開かずの踏切がなくなったというので場所を確認する。

 

            昔は僕の後ろに真っ直ぐに線路が伸びていた。

      f:id:otominarukami:20171101205843j:plain

 

 雨降りの中歩く下北沢、結構しんどい。特に目的もないのだけれど、せっかく来たので昔よく通った古着屋の「シカゴ」へ行ってみる。

 

     ここでよく古着を買ったもんだ。今回は店も入らない。今更買うものもないしね。

   f:id:otominarukami:20171101210044j:plain

 

 店の外に売られているジーンズをみて驚愕。ケミカルウォッシュジーンズ発見。

 

        ケミカルウォルフェアー!ってそれはスレイヤーの名曲!

           f:id:otominarukami:20171101210455j:plain

 

 知ってる?ケミカルウォッシュって。上の写真だと良く分からないかもしれないけれど、なんというか細かいまだら状の模様がケミカル作用によってつけられており、80年代後半から90年代前半にかけてヤタラ流行っていたのだ。

 

今でもアマゾンでたくさん売っているのね。それにしても、これ誰が買うのだろう。裾の絞りとか恐ろしくダサくないか。

  僕は当時からこの柄には疑問を持っており、当然そのダサ加減に気づいていた人からは揶揄の対象になっていたのだが、結構多くの人がこれを好んで履いていた。とかいって、僕もロンドンスリム(今で言うスキニータイプのジーンズ。大体それを履くのはヘビメタ好きの人間だった)を履きキャンバスで浮いていたと思うが。

 

 これを久しぶりに見て相変わらずダサいなと思っていたら同行していた友人の細君(僕らより20歳ほど年下!しかもアパレル関係)が「かわいい!履きたい」というのを聞いて驚く。ファッションは回帰するというが、そういうものなのだろうか。

 

 友人たちとケミカルウォッシュジーンズについて哲学的考察を加えて話しながら渋谷に移動。地下のショットバーに入ると店員が全員ミニオンズのコスプレをしている。そうか、もうすぐハロウィンではないか。あっ、ハロウィンといえば数日前にこれを発見。

 

  最初の1~2分は曲が始まりませんが、メロディーが入ったとたん、ああ!これ!となる。

    www.youtube.com

 

 ジョン・カーペンター作曲のホラー映画の名曲をNINのトレント・レズナーが相棒のアッティカス・ロスとカヴァー。どういう風の吹き回しだろう。かっこいいけど。

 

 閑話休題

 久しぶりに都会のバーに立ち寄り、キャッシュアンドデリバリーでドリンクを頼むという行為を通して、そういえば僕はこういう店でいっちょ前に酒を飲むことができるいい大人だったのだ、と思った。片田舎に住んでいる僕は殆んどこういう店に行くことがないのだ。

   何かを勘違いしているアハアハおじさん。頼んだパンプキンチュロスが結構美味しかった。

f:id:otominarukami:20171101211921j:plain f:id:otominarukami:20171101211941j:plain

 

 5時にもう一人の友人と合流するのだがまだそれまで小一時間ほど時間が余っているのどうするか協議した結果、九段下に「昭和館」という博物館があるのでそこに寄って時間をつぶそうということになった。僕は東京の有名どころの博物館はほぼ行っていると思うのだがこちらはまだ行ったことがなかったので即座に同意。ただ、そこは確か噂によると結構展示内容がヘビーではなかったっけ?という記憶がよぎる。

 

 半蔵門線に乗って移動するのだが、ハロウィンが近いせいか、コスプレをしている人間によく出会う。マリオの格好をした大人。まあ、それはいいとして、途中で乗ってきたのが強烈だった。いきなり顔面が血まみれ。 ゾンビかと思った。

実際はもっと気持ち悪くて、口の周りの部分がなぜかジッパーで囲われていてそこが血まみれ。着ている服も白衣に地糊が飛び散ったようなコート。しかもそれが自作ではなく、既製品として売っているような服だった。どこで買ったんだ。いくらしたんだ。

  思わず僕は「うわ」と声が出た。よくそれで地下鉄に一人で乗ったよね。さすがに本人もそれは自覚しているのか、車両の壁に顔をくっつけてなるべく目立たないようにしていたのが何か悲しかった。友人と合流して町を練り歩き、その時は楽しいだろうが一人になった時の寂しさよ。

 

 昭和館は明日書きます

 

こういう小説も書いているのですが、あまり読まれないので中断しています。僕はいいと思うのですが、難しいね。つまりは読んでください。

kakuyomu.jp