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映画『ライフ』観ました。 あれ、これ「アノ映画」に似てる・・・

  うだるような暑さの中、今日も観てきました。映画『ライフ』。大作映画のはずだが、どことなくB級臭が漂う。

 

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 ジェイク・ギレンホールライアン・レイノルズレベッカ・ファーガソンという題材のわりに無駄に豪華なキャスティング。チラシの裏面のギレンホールの顔がすごすぎる。僕が中学生の時に、美術室の石膏像を落として割ってしまった時の顔と同じだ。

 

 夏休み大作映画のツナギ的公開と思われるので上映が打ち切られる前に見ておかなきゃ、というつもりで行く。さて、予告編。

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 僕の観る前の予想としては久しぶりのブロブ・ザ・ムービーではないのか、というものだった。つまり、スライムみたいな不定形のエイリアンが襲ってくるやつ。でも全然違いました。むしろ、例のアノ映画っぽさ全開。

 まあ、大体予告編とか、関連サイトとか見れば、勘のいい人はすぐにわかるでしょ。

 

 

               危険!ネタバレあり!

 

 

 最初に言ってしまうと、「アノ映画」とはもちろん「エイリアン」だ。まあ、僕が言うまでもないんだけど。

 

 火星から採取したサンプルを載せた探査機を国際宇宙ステーションISSの乗組員ローリー(ライアンレイノルズ)がスゴ技でキャッチするくだりはなんとワンカット!いつカットが途切れるのかな?と思ってみていると延々やっていたのでそこに驚いてしまった。

 それで、なぜか既に火星には生命がいるという前提で少ない火星の砂からすぐに生命が見つかる。簡単すぎ。どんだけ火星に生命体いるんだ。まあ、そこに文句つけてもしょうがないのだけれど、黒人の宇宙生物学者ヒュー(演じるのはアリヨン・バカレという人・・・バカレって名前・・・。)はその生命体を愛おしむように育てる。ところが一度彼のミスで「カルバン」と名付けられた生命体は仮死状態になってしまう。ヒューが半泣きで電気ショックを与えたところ、それに腹を立てたのか、カルバンは突然覚醒し、ヒューの掌を砕き、道具を使って培養器から脱出する。

 

 このカルバンの造形なんだけど、ほとんどクリオネ

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 おそらく大多数の人間がそう思ったに違いない。または、これもエイリアン絡みだが『プロメテウス』の最後に出てきたタコ型のエイリアン「トリロバイト」とほとんど同じではないか。

 

 もうエイリアンの造形なんてアイディアが出尽くしてしまい、今更インパクトのあるエイリアンなど期待できない。この間の『メッセージ』もタコだったし。『エイリアン』の造形(というかHRギーガー)はあまりに革新的だったのだ。

 そうそう、シャマランの「サイン」の宇宙人がいた!これは別格。
otominarukami.hatenablog.com

   

 「ライフ」の続き。

 気絶したヒューを助ける代わりに今度はライアン演じるローリーがラボに閉じ込められ、カルバンを退治する羽目に。カルバンは実験用のネズミを捕食して少し大きくなり、ローリーのファイアー攻撃にもひるまない。このシーンはかなり緊迫感があり、よくできている。結局ストーリーの展開上、駆除できるはずもなく、ローリーは口からカルバンに侵入され、絶命する。あのー、このシーン『エイリアン』のケインのお腹から出てくるシーンを意識しているっぽいんですけど。

 早々にスターのライアンレイノルズが脱落。僕は腹を食い破ってカルバンが出てくるものだと思っていたら、律儀にも口から帰還。さすがにそこまでやるとPG13のレートがもっと上がってしまうからだろう。

 

 そうそう、話はそれるけれど、僕は火曜日が休みなのでメンズデイを利用して平日の午前中に人気の少ない映画館で鑑賞するという恩恵に預かっている。

 そういう時間に映画館にいるとどうしても他の客に目が行く。大体50~70近いおじさん(僕も含めて)が多いんだけど、今日は明らかに60を超えたいわゆる老夫婦がこの『ライフ』を観に来ていた。見ている僕が言うのもなんだが、どうしてこの作品を選んだのだろう。何か勘違いしているのではないか。

 昔、『スターシップ・トゥルーパーズ』を有楽町で観た時に、なぜか僕の席の後ろにおばちゃん4人組がいて、どうしてこれを観に来たんだろうと不思議だったのだけれど、冒頭の大殺戮シーン10分で間違えたことに気づいたのか、みんなで示し合わせるように劇場から出ていったことがあった。よく、こういうことってあるのかね。

 あと、先週はちょっともっさりとした30代くらいの男性が、モギリのおばちゃんに向かって「ハクソー・リッジは凄まじい迫力ですよ!」と延々力説していたが、どういうつもりなんだろう。完全におばちゃんは「はあ」と彼を持て余しているようだった。

 

 話が逸れてばかりですが、スプリンクラーの穴から船内に逃げたカルバンは冷却材が好物とのことで、通信機のそれを食ってしまい、ISSは地球と交信不能になってしまう。そこで女性船長のエカテリーナが自ら船外から修理に出向くが、そこでカルバンに襲われ絶命。危険を冒した船長が犠牲になるのも「エイリアン」のダラス船長を想起させる。

 

 それでまあ、順番に乗組員はやられていくわけですよ。

 大体、この手の映画の結末は綺麗にエイリアンを処理するか、やっつけたと見せかけて実は・・・のどちらかに決まっている。僕はどちらなのだろうかと思いながらも、どうせ後者だろうなあと予想していたら、まんまその通りだった。

 

 脱出ポッドに乗り込んだギレンホール演じるジェイクはカルバンを誘い込み、そのまま宇宙の彼方ルートを目指しポッドを射出する。そしてもうひとりの生き残りのレベッカ演じる検疫官ミランダは地球行きのポッドで脱出。しかし、崩壊したISSの残骸でそれぞれのポッドのルートは変更されてしまう。

 ここからミスリードを誘発する演出でいかにもジェイクが宇宙に消え、ミランダは地球に突入したように観せる。そしてこの後。一部では衝撃のラストと言われているようだ。

 でも、たくさんのこの手の映画を見てきた僕は悲しいかな、懐疑的に見てしまうのだ。「どうせ逆でしょ」・・・と。

 

 地球に落ちたポッドはベトナムあたりの海に落ち、漁師が近づく。船内を覗くとそこにはカルバンにヒドイ目にあわされた瀕死のジェイクが「開けるな!」と悲痛に叫んでいる。そうして、宇宙のカットでは漆黒の闇へと消えていくミランダの船・・・。

 久しぶりに救いのないラストを観た。『遊星からの物体X』か!

 ところが暗転してスタッフロールになった瞬間、この曲が。

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 いや、まあ、曲名の象徴するところはわかるんだけど、曲調がそれまでの雰囲気にそぐわないのでは・・・なんか脱力してしまいました。

 

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