中学生で竹取物語や、平家物語を無理やり暗唱させられたでしょう。
あれ、覚えるのが苦手な人にとっては地獄だよね。古典意味分かんねー!と世界の中心で叫びたくなった人はいったい何人いたのだろう。
教科書に載る古典は確かに、興味をそそられるものは少ないかもしれない。でも、興味をもって探せば、いくらでも面白いものがある。昔の人だって、真面目な人ばかりじゃないでしょ。
僕が最初に古典の面白さに気づいたのはZ会が出版している『古文上達 読解と演習45 基礎編 仲光雄著』の最初のページの問題を読んだ時だ。
掲載されていたのは『宇治拾遺物語 巻第5 仮名暦あつらへたる事』だ。これがまたなんでこんな話を冒頭に持ってきたんだろうというくらい面白い。
ある宮仕えの新参の女房が、ある若い僧に仮名暦(かなごよみ)を書いてくれと頼む。仮名暦とは日めくりカレンダーみたいなもので、その日にするべきことが一言書いてあるのだ。安請け合いした僧は、最初の方は陰陽道などに従って吉凶のある日などを記載していたのだが、だんだん面倒になったのか「今日は食べてはいけない日」とか「よく食べる日」などと書いてある。
女房は風変わりな暦であると思いながらも、まさかそんなでたらめだとは思いもしないので書いてあるとおりに過ごしていたのだが、ある日「はこすべからず=大便をしてはいけない」という文言が登場する。なんだそれ。適当すぎるでしょ。でも女房は何かワケがあるのだろうと我慢して過ごしていたが、その後も毎日「はこすべからず」「はこすべからず」と延々と書いてあるので二三日は我慢していたものの、いい加減もうムリ!となって左右の手でお尻をかかえて「いかにせんいかにせん(=どうしようどうしよう)」と悶絶して前後不覚になったとか。
よくこんなのを問題集の冒頭に持ってきたもんだ。著者の問題文に対する慧眼には感服しきりである。
また今昔物語などの説話を読んでみると下ネタなんかもたくさんあって、しかもかなり面白かったりする。本来こういうものを教科書に載せれば生徒の食いつきもいいんじゃないかなあ。
そんで昔書いた記事もいい加減ネタがなくなって古文の記事をいくつか書いてたよ。なんとか面白そうに書いたつもりだんだけど、どれほどの人が読んだやら。
古典になりえない話ですが。