音楽と本

僕のカルチャーセレクトショップ

「恋文の技術」ほか

 本読んでます。軽めのやつを。

 だいぶ前から中村真一郎の「四季」という作品を頑張って読んでいるのですが、ゴリゴリの純文学を読む忍耐力が低下しつつあるため遅々として進みません。

なんと4部作なのです

 

 さて僕風呂での読書がメインなのでどうしてもストーリー中心のものを読みがち。最近のはこちら。

        なんか写真がボケてる。撮り直し面倒なのでこのままで悪しからず

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森見登美彦氏の「恋文の技術」。

 主人公の系統はあいかわらずのくされ大学生であるが、書簡体小説として目新しい体裁をとっている。いつもの森見調のとぼけた感じの話運びや、ギャグが冴えていて、森見ファンなら満足間違いなしの一冊。やはり氏の作品はこういうタイプが面白い。

 

 SNSやLINEのような手軽なコミュニケーション手段が中心となる昨今で、主人公は敢えて手紙という手間のかかる通信手段を用いて相手とやり取りをする。その相手は親友、絶対的服従をしなければならない女性の先輩、家庭教師をしていた小学生の教え子、実の妹である。しかしこの本で面白いのは文通相手として森見登美彦氏本人が登場することだ。そういう意味でメタフィクション的な面白さも味わえる。

 書簡の内容は主人公が書いたものだけが日付順に登場し、起きた出来事が時間軸で分かるように配慮されている。最終的に思いを寄せる同級生の女性に宛てて書く「恋文」(この古風な言葉がいかにも森見氏のチョイスらしい)のために、主人公はせっせと大量の手紙を書き、その技術を磨いていく。
 『四畳半神話大系』のような大団円があるわけではなく、あえてその後を想像させる終わり方も小気味よく、楽しく読める一冊です。

 そうそう、森見氏の作品に関して僕はシリアスな「きつねのはなし」や「夜行」がどうしても読み通せないのです。彼の作品だということを意識しないで読めばいいのかもしれないのだけれど・・・。

ファンタジックホラー?

 

 そんで去年、こちらの作品が出ているのだがまだ読んでいない。図書館に行けばあるだろうか。古本でまだ買えない・・・。

 絶対面白いに決まっている。しかし新品買って風呂で読む勇気なし

 

 他の本は100円で買ったミステリです。「新古今殺人草紙」はだいぶ前の作品で

  1990年代の作品と会って古さは否めない。藤原定家の「来ぬ人を松帆の浦の夕凪に焼くや藻塩の身も焦がれつつ」を基調としたアナグラム的謎解きが中心となるが、ものすごいアクロバットで31文字を並べ替え強引に犯人を当てるのが半ば呆れてしまった。

 後の残り3冊は折原一氏の作品。江戸川乱歩の「屋根裏の散歩者」をもじった「天井裏の散歩者」は入れ子構造で何度か最初から読み直さないと頭に入ってこなかった。

 やはり作品としては古さが目立ってしまう

 

 さて会社の人が近くの図書館でタダで放出された本をもらってきてそこらへんに置いてあったのでふと見たらこんなタイトルで笑った。

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「僕の家はゴミ屋敷!?」

じゃないでしょ。

しかし内容は両親が離婚したので祖母と同居している小学4年生が、片付けられない祖母の代わりに自治会の役員やりながら毎日を精一杯すごすという、少し暗めの内容でした。あともう一冊がこちら。

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虫めづる姫君」といえば古典の『堤中納言物語』に収録されている傑作。その昔記事に書いたよ。

 しかも二回にわたって書いてた

 


 そんでパラパラと中を見てみたら、本編との関連性がほとんどなく、姫君の設定だけを借りて書かれたほぼオリジナルの物語でした。なんやそれ。

 

まあ僕の書いた話もなんやそれなんだけどさ 

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