音楽と本

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『みいら採り猟奇譚』『真夏の死』『彼の生きかた』読む

  毎日お風呂で本は読んでます。新しい本を買うのも良いんだけど最近懐事情があまりよくないので「本棚にはあるけれどまだ読んだことのない作品」に手を出してみました。それがこちらの『みいら取り猟奇譚』『真夏の死』『彼の生きかた』。

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 『みいら採り猟奇譚』、これ多分20年以上前に買ったんだと思うんだけどなぜか読む気がしなくてずううっと本棚に収まりっぱなし。多分タイトルに引かれた買ったのだろう。僕は映画や本は予備知識なしに読むのが好きなのでこの本も先入観なく読み始めた。

 

 「猟奇譚」というタイトルからおどろおどろしい内容を想像していたのだけれど、思いのほか物語は淡々と進む。時代は昭和16年、戦争の影が忍び寄る東京で医者の娘比奈子は、昔から父が懇意にしている医者一家の長男隆志のもとへ嫁ぐ。

 この隆志という人物、40を過ぎてもなぜか独身だ。比奈子の相手としては医者とはいえだいぶ年が離れており、条件が悪そうだが比奈子の側にも事情があった。本来は比奈子は父親が養子としていた良夫という男性と結婚するはずだったのだが良夫は結婚前の比奈子が18歳のときに彼女の前で服毒自殺をしてしまうのだ。

 ただこの話、戦争を背景としてこのような事件が語られたりするのだけれど不思議と悲壮感がない。なんというか淡々と毎日がすぎていく様子が描かれる。

 比奈子は隆志と結婚する。夫は優しく医者としても優秀なのだが実は彼はマゾヒストだった。最初のうちは控えめに比奈子に自分を責める要求をしてくるのだが。徐々にそれはエスカレートしてゆく。とはいえ純文学小説なので特にこれといった具体的描写はあまりない。比奈子のほうも少しずつそういう夫の嗜好を理解し、彼の要求どおりさまざまな責めを与える。ただ肉体的に痛めつけるだけではなく、言葉の上でも彼を演劇的に責めているうちに二人の関係はより強固なものになってゆく。

 最後には疎開先の家で展開があっというものになり、え、こんな終わり!となる。

 多分読む人もほぼいないでしょうからネタばれすると、

 マゾヒストの最高の瞬間は一度しかない。それは愛するものに殺される瞬間である。最後は馬乗りになった比奈子が夫の首を布で絞めて彼の背中の棒立ちになり、夫はペガサスのように昇天する。

 どうです、新潮社から出ている純文学書下ろしの本ですよ。純文学といっても特に難しい描写があるわけではありません。読み始めるとスイスイ読めてしまう。何も知らないで読むって言うのは面白いね。

みいら採り猟奇譚 (新潮文庫)

みいら採り猟奇譚 (新潮文庫)

 

 

 写真左の銀色の本は三島由紀夫の短編集『真夏の死』。戦後の日本を色々な角度で切り取った短編が詰まっている。菊田次郎の話は由紀夫の文学観も体現しているようだ。あとは五人の破天荒な学生(それぞれの名前は倫吉、邪太郎、妄介、殺男、飲五郎というとんでもないもの)が主人公である『卵』という寓話がありこんな話も書くのだなと興味深かった。傍若無人に過ごす彼らの日課は朝食に必ず卵をイッキ呑みすること。そうしてある夜彼らはいつの間にか卵の支配する町へ連れて行かれ、何万という衆卵環視の中、弾劾される。しかしその最中その場所が巨大なフライパンであることに気づいた五人はその柄に飛び乗り、フライパンをひっくり返す。そうして町は割れた卵だらけになり、彼らはバキュームカーで卵を集め、毎朝卵を食べるのだ。何だこの話。

 このシリーズはあと『遠乗会』を持っていてそれもそのうち読むでしょう。あっ、そういえば僕『豊穣の海』を途中まで読んだんだけどそのままになっている。死ぬまでには読まなければ。

 天人五衰まで道は遠い

豊饒の海 第一巻 春の雪 (新潮文庫)

豊饒の海 第一巻 春の雪 (新潮文庫)

 

 

 あとは今さっき読み終えた遠藤周作『彼の生きかた』。

彼の生きかた (新潮文庫)

彼の生きかた (新潮文庫)

 

 どもりで不器用な一平は動物好きが高じて日本猿の研究者になる。不器用であるゆえに上手く生きられない彼に、世間は冷たく、幼馴染である朋子も彼の元から去ってします。猿のために一途に生きる彼の姿は神々しい。

 実在の研究者を基にしたフィクションですが、これが非常に面白かった。狐狸庵先生の文体は構えることがなく、不必要な描写も少なくシンプル。生き生きとした会話が連なり非常に読みやすい。これ誰かの文体に似ているなと思ったらああ、井上靖だなと思いました。井上先生も非常に読みやすく、かつ面白い。

 『しろばんば」は永遠の名作。洪ちゃとばあちゃんの話で自伝的小説

しろばんば (新潮文庫)

しろばんば (新潮文庫)

 

 『しろばんば』があまりに面白かったので当然こちらもすぐに読んだっけ。

 洪作のその後。どんどん物語りが進む

夏草冬濤(上) (新潮文庫)

夏草冬濤(上) (新潮文庫)

 

 

 今日は昼間時間があるので久しぶりにゆっくり記事がかけたなあ。次はハインラインの『月は無慈悲な夜の女王』か、森見登美彦の『聖なる怠け者の冒険』をそれぞれ100円で入手したので読む予定です。

 

 本はお金がかからなくていいよね。こちらもタダですよ!

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群馬青年ビエンナーレでアートと化す

このビデオは見られるんだね。卓球の作品でセーフらしい。

www.youtube.com

さすがに「いちご娘」を初めとしたほかの曲は観られなくなっている。寂しいねえ。

 

さて、群馬青年ビエンナーレに行った話の続き。このへんはさらっと観ました。

石っぽい質感のオブジェの「ままごと」

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黒曜石かと思ったら樹脂の塊を叩き割って、そこにポールスミス的なセンスで着色した作品

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 僕とアートの融合。「君の名前で僕を呼んで』というパラドキシカルなタイトル

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                おとうさん!何かが浮いているよ!

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        実は糸で吊り下げられてるんですけどね。作者はカチョー?

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こちらは「DRIFT」というタイトル。下に山と積まれているのは陶片。

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 やたらとさまざまな陶器のかけらが積まれているんだけど、これ蹴飛ばしそうで怖い。当たり前だけどこの作品、展示ごとに陶器の位置が変わるよね。設置するときは、じゃらじゃらとうるせえだろうな。やっぱり本人が来てこの形にするんすかね。

 

  空間アート?無造作に丸められた模造紙になにやら言葉が書いてありますね。

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        こちらの作品は優秀賞だそうです。娘曰く「私にも作れそう」

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 タイトルは「あ、そういえば、踏みつぶしたあれは今、何を見てるんだ」だそうです。作家の皆さん、タイトルにもいろいろと工夫を凝らしていらっしゃる。でもたまに面倒くさいんだか「無題」っていうのもあるよね。

 

 さて今回の展示の中で一番インパクトがあったのがこちらの田中義樹という方が製作した「クリスマス害獣レース」。

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    僕としてはこの作品に大賞をあげたい。周りの観葉植物は全部ダンボール製      

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 他の作品を見ている間にも、作品下部に設置されているラジカセから四六時中

ハクビシンハクビシン!」(ちなみにさいしょたこ飯!たこ飯!と聞こえた)

とか

「まん、まんマングース

 とか

なぜかビートたけしの物まね声で

「アライグマ!アライグマ!」

と連呼する声が聞こえてきており、非常に気になっていたのだ。

     狂った夢の中のアトラクションのようだ。四匹の害獣がぐるぐる回り続けるのだ

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 レコードプレーヤーを改造したものに装置をとりつけ、それをくるくる回している。こんなものが美術館に飾ってあること自体がすばらしい。そして作品をよく見ると、30分ごとにレースが始まると書いてある。

「吊り害獣たちは30分に一度レースをするよ。他の作品をみて待とう」だって。吊り害獣ってなんだ

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 「春休みの思い出に 見逃すな」とご丁寧にタイムスケジュールまで作品の一部となっている

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 右の写真のパネルに書かれた

「死ぬのは いつも 他人 ばっかり」

「わんちゃん 散歩 短く がっかり」

というインディーズ系ラップミュージックのライムのような文言を頭に刻みながら待つこと五分、突如上のカラスと狸の吊り下げられているドリルの部分がタイマーで回り始めた。

        わかりますかね?吊り下げられたカラスと狸がぐるぐる、ぐるぐる

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 ほぼ客のいない土曜日の美術館に、シュールな動物たちのレースが開幕。しかも永遠にその勝負はつくことがない。「ハクビシンハクビシン!マン、マン、マングース!」の声がドリルの静かな機械音と一体化して辺りに響き渡る。今は僕らが観客となっているが、当然誰にも見られていないときにも彼らは回り続けるのだろう。果たしてそれは存在しているといえるのか?などとデカルト存在論を大声で叫びながら僕はいつのまにか夢中になって彼らを応援していました。

        カラスがんばれ!タヌキがんばれ!ハクビシンハクビシン

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 次のコーナーは映像インスタレーションがいくつかあったのだけれど、どうも僕の琴線には触れませんでした。やっぱり意味不明のオブジェが面白い。

 映像コーナーを抜けるとこのような真黄色の作品がその存在を主張。

 

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VOID=空間、虚無、無限というタイトルとは裏腹に、黄色の家々からは溶け出した異物があふれ出している。

            おとうさん、これシルバニアの家じゃない?

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 たしかに昔我が家にあったシルバニアファミリーの家のようだ。これ結構高いんだよね。あれですかね、お宝鑑定団的な店で中古の家を買って作品化したんですかね?

 

 さて他にも作品はありましたが僕も見ているうちに自らをアートとして表現したくなりました。僕よ!アートと化せ!以下の写真をこの曲と共に御覧ください。

 

          BGM:デヴィッド・シルヴィアンノスタルジア

    www.youtube.com

 

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      すいません、僕どうやら少し頭がおかしくなったようです

 

 

 

 

 

明日からの仕事が嫌過ぎてこんな終わり方

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群馬青年ビエンナーレで春のアート祭り 1

 プロディジーのキース・フリントが自殺し、電気グルーヴピエール瀧が逮捕された。僕の敬愛するアーティストが立て続けに事件性をもって報道された。二人とも名声と富を手に入れたにもかかわらず、人生が突如として激変。

 

 それに比べれば僕の生活なんてまだマシなのかもしれないがやっぱり新しい仕事はきついです。職場の人は親切ですが、その内容がね。

 転職して二週間、もうくじけそう。あまりに覚えることが多すぎて、以前の会社の100倍きつい!なんというかシステムがあまりにかっちりしていて、とことんルーズだった前職がなつかしい。ほぼ毎日業務研修、システム研修、DVDでの座学、OJTと情報過多で息がつまりそうだ。しかし戻るに戻れない。自分で選んだ茨の道・・・

 職種的には一応同じ業界なのだけれど微妙にターゲットが違っており、したがって仕事の方法が全然違う。言ってみれば、ロックバンドを20年以上続けていたのに突然ジャズバンドに加入した気分。もう泣きそう。しかもなんかね、役職に就くためにテストとかあるんですよ。A4の紙裏表にびっしりと書かれた語句を丸暗記しなければならない!

 そのテスト期限が昨日までといったん区切られたんだけど、あんまりやることが多すぎてパンク寸前だったので年下の上司に泣きついて、今月の28日にしてもらったよ。どうしてこうなった?

 まあここで愚痴をこぼすのがせいぜいなんですよ。転職したからって決して明るい未来が待っているわけではない。なんとか一年我慢して辞めてるかもな・・・。そのころこのブログを見返したらどんな気分だろう。

 

 そうして今日ようやく休み。少しでも日々の生活を忘れたくて、アートに触れたいと思い調べたところ、群馬県立近代美術館というところで「群馬青年ビエンナーレ」というのが開催されている。小5の娘と二人で出かけました。ここは以前も現代アート関連で行きました。

 一年前はまだ楽しかった


 この美術館は「群馬の森」という公園内に建っており、今日は暖かく風もなかったので非常に気持ちが良かった。まずはベンチに座りスーパーで買った弁当などで質素に昼食をとる、なるかみ父娘。

                庶民の休日を地で行ってます

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 食べ終わった後、園内の遊具で少し遊んでみる。これはどのくらいの上半身の柔らかさがあるのかを測定する器具です。

         おとうさん、なんだかやり方よくわからないね

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 この健康測定器具はどうでもよいのだけれど、説明の絵の人がなぜかスーツ姿。

              営業をサボってここで測定かね

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           おとうさん、ライドがあるよ!

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 あ、組織票で数年前にゆるキャラグランプリを取ったぐんまちゃんライドだ。しかし残念ながら3歳から6歳までしか乗れません。

       大人用のライドをつくれ!と声高に叫ぶ哀愁のライダース中年

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            おとうさん、これ何?

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 ああそれはね、その丸い部分に座った子供を、今君の持っている取っ手を回すことで猛スピードで回転せしめる仕組みの遊具だよ。

 折りしもその後、若い親子がやってきて猛スピードで回転させ、そのあまりの勢いにちいさな男の子が上空100メートルほど吹っ飛んでいきました。

 

           ああ!梅がきれいだなあ!

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    でもおとうさん、あんまりこの梅匂いがしないね             

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 僕はこの時点で碩学の父親として

「春の夜の闇はあやなし梅の花色こそみえね香やはかくるる」

(春の夜の闇は訳がわからんよ。梅の花の色を隠そうとしても、香りまでは隠すことができようか、くらいの意味)という歌を披露したかったのだが、断片的にしか思い出すことが出来ず、「えーと、梅の花はさ、夜は暗いけれど匂いがするっていう歌があるんだよ・・・」とうろ覚えの中途半端な知識を披露。恥ずかしくて一回空に逃げました。
                   すぐ戻ってきたけど
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さて長い前置きを経て、ようやくたどり着きました、群馬青年ビエンナーレ2019。

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       見てみて、こんな角度でもわたし立てるんだよ!

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 危なーい!お父さんがまるっきり見当違いの場所で支えてあげるから気をつけなさい

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 軽い茶番のあと、大人300円(中学生以下無料)を払って入場だ!今回は2階で開催されてます。

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 この手の現代アート展覧会のいいところは、撮影がOKだということ。動画はNGですが写真は作品名を紹介すればよいそうです。それでは若き才能を見ていくことにしましょう。のっけからインスタレーションの連続。現代アートはおもしろいなあ。

       手の映像が上から映し出されてます。特にインタラクティヴということもなし

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こちらの作品はこんなタイトルです

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         そうしてまずすごいと思ったのはこちら。

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「世界素」だそうです。これ全部スタイロフォームという断熱材を加工して作ったらしい。気の遠くなるような作業の結晶。本当に細かいところまで緻密に作られている。

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               よくこういうことを思いついたよね

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     ペットボトルのふたの外れた部分まで再現。これどのくらい時間かかるのだろう

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    細かいところを見始めるとキリがないけど、ピン一本まで気合が入っている

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      アートというよりは職人技みたい。蝶が壁にピンで留められていた!

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今日はここまで。また明日!

 

久しぶりにゆっくりと記事書きました


 

 

ケミカルの新ビデオ「We’ve Got To Try」よすぎ

 相変わらず何かと落ち着きのない毎日を過ごしていますがそれでも生きてます。

 まずほぼ誰も興味のない私の近況は職場の研修に尽きます。前の会社がかなりいい加減な社風で、それは良さでもあったんだけれどだからこそ業績は右肩下がりになった。平均年齢が50を超えている会社に活力は望めない。一方新たな会社はものすごくシステマチックに研修が組まれていて誰でもそれを受ければ一定のレベルに達することが出来るようになっている。本来会社ってこうあるべきだよね。受けるほうは大変だけどさ。

 業務の最後に一日の振り返りという課題で結構な文章を入力する作業があるのだけれど、このブログで自分勝手に文章力を鍛えた甲斐があって苦もなく書ける。初日から大量に書いたテキストを社長に褒められましたよ。

 

 まあ何とか一ヶ月頑張って役職に就きたいと思います。そのときはまた大変だろうけど、今は目の前の課題を一つ一つこなすだけですね。

 

 さて毎日12時以降に帰宅風呂入ってすぐ寝るという生活をしていると予想はしていたものの、ゆっくりブログも書けない。ようやく明日休みなので夜更かしですよ。

 辛気臭い話ですいませんねえ、本来は「おもしろみ」「無駄なインテリジェンス」とか「役に立ちそうもないどうでも良い、けれどなんか笑っちゃう」という内容を自分なりに標榜しているこの「音楽と本」久しぶりに更新。

 

 しょぼしょぼする目を無理やり開いてYOUTUBEとか観ていると新たなケミカル・ブラザースのビデオ「We’ve Got To Try」が公開されていた。

    www.youtube.com

 うわあーやっぱりケミカルっていいなあ!

 二十年以続いているのに新曲が全然色あせないもの。この曲も然り。イントロから32秒くらいのフレーズがプライマル・スクリームのキルオールヒッピーズかと思った。

         この曲で言えば0:52くらい。暇な方は聞き比べて御覧なさい       

    

  

 途中のベースがぶわぶわ言うところとかもうすばらしいの一言。そうしてなんといっても相変わらずビデオが面白すぎる。犬を訓練してF1に乗せて、そうして最終的には移住可能な惑星に送り込む!最後は犬の子孫に犬が語るという「猿の惑星」のパロディ!やっぱり一流のアーティストには一流のビデオが似合う。

 

 ケミカルの曲の魅力のひとつはそのベースラインのセンスの良さだね。ディストーションがかかったドライブ感あふれるフレーズが曲をぐいぐい引っ張っていくやつ。例えば、これ。

          ぶんぶかぶんぶん、ぶんぶかぶんぶん

    www.youtube.com

 これ、まさか手弾きじゃないとは思うんだけど、そういう雰囲気に近いものがあって打ち込みなのに、奇妙に有機的な息遣いをしている。

 

 そしてあまりにも有名なこのブロックロッキンビーツもかっこいいベースのフレーズとドカドカいうドラムがものすごいグルーヴをかもし出している。

   その昔、リーバイスの立体裁断ジーンズをキムタクが履きこなすCMでがんがんかかってたっけ

   www.youtube.com

 眠くなったのでこれでおしまいですが。

早く発売されないかな

 

最近イッキ読みした人がいるらしく一時期ぐんとPV伸びたけど急に10139でとまった

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 アイコン用

ノー・ジオグラフィー

ノー・ジオグラフィー

 

 

 

 

こんな感じの雰囲気の曲を知りませんか?

 転職して一日目(3月1日金曜日)、新職場で研修を受けあまりの情報量の多さと作業、そして環境の劇変でかなりのストレスを受けた僕。土曜日はかなりぐったりきて「このまま僕はやれるのだろうか」という不安やら家庭のゴタゴタやらが重なりものすごく落ち込んだ。

 ここに書いても仕方がないのですが家庭に問題がある上に転職が重なり、家にも職場にも逃げ場のない僕。だからブログを書くとかそういう創造的なことにまったく食指が動かず惰性でYOUTUBEとかだらだらと観ていました。二時間だけでも現実逃避するため没頭できそうなトム・ハンクスの「インフェルノ」をプライムビデオでレンタルして観た。

 こういう謎解き系のやつで時間つぶし

インフェルノ (字幕版)

インフェルノ (字幕版)

 

  観終わった後にようやくフェリシティ・ジョーンズが「ローグ・ワン」のジンだったことに気づくポンコツっぷり。面白かったけれど、ジュラシック・ワールドの目玉ギョロリのおじさんが凄腕の殺し屋でなにそれ。最後はかなり緊迫を楽しめた。

 

 あ、新しい職場の人はいい人たちですし、社長にも初めて会いましたがそれなりに好印象を与えられたようです。後は明日の幹部MTG(30人くらいいるらしい)で挨拶をしなければならないのでちょっとドキドキしてます。

 

 さてそれはそれとしてしばらく更新を怠っていた「音楽と本」として何か書こうと思ったのですよ。そしてふと

「昔からメロディは知っているけれどタイトルを全く知らないので聞きようがない曲」

を思い出してしまいました。

 みなさんもそういう曲の一つや二つはあるでしょう。ネットの力で僕は数曲それを突き止めることが出来たものもある。例えば30年くらい前、NHKFMで放送された「坂本龍一の電気的音楽講座」で昔流れて覚えていた記憶のあるこちらのアスワドの「バック トゥ アフリカ」。フルートの切ない響きが郷愁を誘う名曲。

      この曲がまさかアスワドだとは思わなかった。セカンドは持っていたのだ。

   www.youtube.com

 まあこの曲なんかは出所がわかっていたので比較的探し易かったのだけれど、こちらのドナルド・フェイゲン「I.G.Y」を探し当てるのにはかなり苦労した。

              実はものすごいヒット曲

   

僕は勝手にこの曲のアーティストをジョー・ジャクソンだと思っていてかなり検索したのに見つからず悔しい思いをしたのだった。

                ほら、なんか雰囲気似ているでしょ

     

 そして見つからないのでひょっとしてらジャクソン・ブラウンの間違いか?!と思ってそちら方面を探しても見つからなかった。そりゃそうだ。まあ雰囲気は近い。

 そうして数年前海外のインターネットラジオかなんかでこの時期のヒットソングをいろいろと聴いていたら、偶然「IGY」がかかったのだ!いやああの時は感動したね。「ドナルド・フェイゲン」なんて全然知らなかったもん。

 

 さてようやく本題ですがそういう曲が50歳を超えた今でも何曲か僕にはあるのです。記憶違いかも知れないけれど、確か映画のサントラで口笛でメロディが奏でられるのんびりとしたインストナンバーなのですよ。雰囲気で言うと、こちらのピンクフロイド「サン・トロペ」が非常に近い。

              この曲はこの曲で大好きなのだ

    

 想像してください。バッキングはこのまま、そうしてメロディが口笛でまったりした感じの曲なんですよ。誰か知りませんかねえ。

 

 そうしてこういう雰囲気の曲が僕は結構好きなのでいくつか集めておきますよ。

   こちら「明日に向かって撃て」からの超有名曲「雨にぬれても」。ご存知の方も多いはず

     www.youtube.com

 こちらも言わずと知れたギルバート・オサリバンの「アローン・アゲイン」。やっぱり雰囲気は共通した感じでしょ。

          昔なぜかテレビ版の「めぞん一刻」の主題歌になってた

    www.youtube.com

 

 さてその探している曲をやっぱり僕は勘違いしていて華麗なるヒコーキ野郎のテーマかと思っていたのですな。そしたらこんなに景気のいい曲で全然違うじゃん。

                 多分口笛のイメージで勘違い

    

 

        そして、今もその曲が見つからないのです。

 

 

 現在10133というPVですが特に何かあるわけではなかった

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街の芸術祭でゴーストライダー。TOOLの新曲。

  こんにちは。トリを肩にとまらせたまま、無聊をかこつ僕です。

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 いよいよ転職を来週に控え、不安いっぱいのアラフィフ。

 まあこれといった話題が特にある訳ではないのですが、いくつかの出来事をここにまとめておこうと書いた次第です。

 

 まず、この間小5の次女の書道作品と絵画作品が街の芸術展なるものに学校より出品されたとのことで見に行きました。

 娘は芸術方面に興味と才能を発揮し、よくこういう催し物に作品が選ばれるのできっと将来はひとかどの人物になって、僕を養ってくれないかなあとひそかに思っているのです。甘いですよね。

       イノシシの絵がそうです。でもまあ他にも上手い子はたくさんいる

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 そちらはさておき、会場はこのようにたくさんの小中学生の作品が飾られている。

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 まあ素人作品展といってしまえばそれまでなのだけれど、この中に、強烈に僕に個性をアピールしてくる作品があった!

                大体見当つくでしょ

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 これを見たとき思わず爆笑。まさかこんなところでニコラス・ケイジ

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            よほどこの映画を気に入っているのだろうか。

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          昔テレ東でやってたのを録画して観たなあ

  

 

 ちなみにこの作品の作者の学年はなんと小学校2年生だった。将来有望!

 

 ちょっと前からちらほらとあげられているTOOLの新曲らしきもの。ライヴ会場で録音されたものですかね?

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 これ本当にライヴ?とでもいうような完成度の演奏。そしてやはり曲が群を抜いてすばらしい。メイナードのヴォーカル入ってないけど、それでもすごい。ああ、早く新譜でないかなあ。

 

 そしてこの小説、本当に後一歩で10000PV行く!ちなみに現時点で9998PV。フォロワーも思い出したように増えてたりする。

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暇つぶしプライム地獄 3 エマ、ドラゴンなど

  またアマゾンプライムビデオを見たという話。

 前回の「特捜部Q」のように、英語圏以外の国の素晴らしいドラマや映画を見られる環境にあるのが嬉しいところだ。そんでオススメに出てきた「EMMA」というフランスのSF?刑事ドラマを見てみる。

こんなシーンはない 

  見た目は若い人間の女性そっくりの見習い刑事エマ、実はフランスの科学の粋を尽くしたロボットだった。通常この手の作品に見られる人工知能の暴走とか、ロボットがアイデンティティに悩むとかいうことは一切起きず、エマはひたすら従順に且つ有能に事件を解決してゆく。

              派手なシーンはありませんよ

   

 物語は三つの事件にそれぞれエマが関わっていくのだけれど、特に意外性は無くなんだかすごい強いちょっと変な女の子が活躍する、いわば現代版バイオニック・ジェミーだった。予算がないからか研究施設とかエマの内部構造だとかが具体的に描写されることはほぼない。これがハリウッドなら大々的な施設とその性能の検証シーンもあるのだろうが、この作品ではエマに銃弾一発打ち込んでおしまい。

 フランスの作品なので、当然全編フランス語なんだけど丁寧に作っているせいかあまり退屈はしません。サイボーグの女の子が無敵だという爽快感はありますよ。あと、エマはそうプログラムされているのか、常にニコニコしているよ。

 

 ロシア制作?のファンタジー大作「ドラゴン」。 

DRAGON ドラゴン(字幕版)

DRAGON ドラゴン(字幕版)

 

 評価がよく、ドラゴン映画もそこそこ好きな僕なので、100円で借りて観てみました。確かに映像は綺麗なんだけどさ。

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 途中で観るの秋田ー!

 予想通りの展開で、ハッピーエンドすぎ。映像は凝っているけれど、ストーリーがそれに及ばない。もうこういう人工的な美しさってありふれたものになりすぎた。早送りで無理やり見ました。

 

 やっぱドラゴン映画は「ドラゴンスレイヤー」「ドラゴンハート」ときて「ヒックとドラゴン」にたどり着きますかね。そういえば「エラゴン」なんてのもあったなあ。

     

 

 ベネディクト・カンバーバッチの「イミテーション・ゲーム」。

 天才数学者アラン・チューリングがいかにしてナチスドイツの暗号機「エニグマ」を解読したかという話。カンバーバッチは27歳という設定にちょっと無理を感じるが、天才の孤独感や、一つのことに没頭するとほかを顧みないアランという人物を実に巧みに演じている。チューリングといえば人間か機械かを判別する「チューリング・テスト」というのが有名で、僕は以前瀬名英明氏の「デカルトの密室」という作品でその名を知ったのだった。

かなり面白いですよ。哲学+ロボットSF

デカルトの密室 (新潮文庫)

デカルトの密室 (新潮文庫)

 

 映画にもそのチューリング・テストに言及される場面が出てきた。話は彼だけでなくそのチームが全身全霊で 暗号を解読するために努力し、時に大きな犠牲を払って戦争終結を早めたという内容。

 チューリングは同性愛者だったため、戦後告発され強制的に薬物投与され自殺。その業績とは裏腹に実生活は(一般的な尺度から見ると)決して穏やかなものではなかった。彼の作ったマシンが今日のコンピュータの礎となっている。

 

 この作品をみてこのあたりの歴史的経過に興味を持ったので「アイヒマンを追え!」と「ウィンストン・チャーチル」を連続鑑賞。 

ここにも同性愛者の問題が絡んでいた。数十年前当時は相当異端視されていたことがわかる。

 

 こういう映画を見ると、歴史的に偉大な業績を残した人物も日常生活ではそれなりに一般人と同じように過ごし、悩みをかかえていたのだなあということが解る。それが多少脚色されているにせよ。

 

 特に気合を込めて見ようとも思わず、軽い気持ちで観たものに拾い物がある。そんな作品がこのプリデスティネーションだった。

 いわゆるタイムパラドックスもの

 タイムパラドックスはその始まりがどこなのかという疑問が残るにせよ、伏線を張り巡らせることによって、「ああ!なるほどこれがこうなのだな」というカタルシスが味わえるのが一つの魅力だろう。

          ガジェットが最新鋭でなく、クラシックなのも好感が持てる

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 古くはハインラインの「夏の扉」から「ターミネーター」や「ルーパー」「バックトゥザフューチャー」まで数多くのタイムトラベルものがあるけれど、特にこの作品はそのタイムトラベルに焦点を当てて細かく話を紡いでいく作品だった。最初はかなりスロースタートだけれど徐々に様々なエピソードが絡み合って最後に円が閉じるのを観た瞬間、「へー、よく考えたなあ」と思うこと請け合いです。まあ「鶏が先か卵が先か」という疑問は残るけれど、エンタメ作品としてはかなりよくできていると思いましたよ。

 

また何か観たら書きます。

 

10000PVいったらご褒美とかないかなあ

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