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僕のカルチャーセレクトショップ

ワールドミュージック野郎がバンドしりとりで勝利

 こないだジプシー・キングスの記事を書いて思ったのは 

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そういえば僕は一時期少しだけワールド・ミュージックに興味を持ったなということだった。まあ少しだけですよ。買ったCDもこんなもんだし。

             たまに聴くといいんですよf:id:otominarukami:20180428191023j:plain

 

 僕はなんというか既存のロックやポップソングのフォーマットに当てはまらない、今までに全く聴いたことのないジャンルの音楽を求めたのだった。大学2年生くらいのことかな?1990年代初頭だと思う。

 新宿東口のビームスがある通りに店を構えていたディスクユニオンは、確か2階がワールドミュージックのショップだった。一通りロック/メタルのCDを漁った後、激安コーナーの投げ売り目当てに僕はそこへいつも寄っていたのだ。そこで手に入れたのが下の2枚。   

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 左のトッキーニョはきっとブラジルではかなり有名なギタリストだと思うんだけど、日本ではどうなのかな。ウィキによると渡辺貞夫氏との共演もあったんだって。

内容は優しいボサノバ/サンバギターソングです。一曲目の歌詞のサビで

「ズードンマー」

という意味不明のスペイン語?を連呼するのが妙に耳に残る。

                    歌声は優しい

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 さて隣の白黒おじさんはルイス・コンテのアルバム「ラ・コシナ・カリエンテ」。

僕は当時、パーッカッションが激しく鳴り響く激烈なサンバが聴きたくて上記の写真の「サンバ・ベスト・コレクション」というCDを定価で(多分当時3200円)買ったんだけど、聴いてみたら思ったのと全然ちがうやつ!

 軽いノリのラテンミュージックで、なんかやたらと能天気なおじさんが歌いまくっているやつばっか!そしてそれは僕の求めるボンゴやコンガがドンドコドンツクとなっているイメージとは程遠かった。

               ややフュージョン寄り

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 後で知ったのだけれど、当時一緒にバンドをやっていたドラムの友人が同時にラテン音楽同好会に所属していて、彼によると、そういうパーカッション中心のサンバはバツカーダ」と呼ばれるものだということだった。

 

     こういう感じ?これにマイナー調ブラジリアンメロディが乗るとなお良い

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       理想の完成系がこちら!こういうのが聴きたかったんだよ!

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 しかし当時全くそんな知識のない僕は、手探りでドンツクサンバを探し続けた。

 サンバの雰囲気が味わいたくて一人で浅草サンバカーニバルに行き、軽く失望したりもした。

 

 そんなある日、大学の生協で開催されていた中古CDフェアでこのルイス・コンテを発見した。帯にパーカッショニストということが書いてあったのできっと僕の求める音に違いないと買ったわけだ。結果はどストライクという訳ではなかったんだけど、まあ満足のいく内容だった。

 

      このルイスコンテに関しては全くどうでもいい思い出があるよ。

 

 大学生当時、バンドサークルの友人10人程度で構成される「軍団」に僕は所属していた。まあ、ただの仲の良い友人同士なのだけれど、四六時中一緒にいすぎてほとんど兄弟みたいになっていた。

       まあ興味がないでしょうが、僕の「軍団」の思い出はこちらで

 

 

 そして僕らは暇を持て余していた。あまりにやることがなかった。

 今思えば勉強すればよかったが、受験勉強でもう学びが嫌になっていた僕らは、本当に青春を無為に過ごしていた。

 

 例えば交代でファミコンテトリスを永遠にやり続け、気がついたら夜が明けていたりしたこともあった。深夜、延々積み重ねられてゆくカラフルなブロック・・・酔っ払った僕らは、それをトロンとした目で虚ろに見つめていた。

 しかし、時折うまくブロックがそろい、横4列全部が一気に消えるという状況になる。ちなみにこの4列揃った状況のことを当に“テトリス”と呼ぶのだそうだ。だから僕らはその時プレイしている誰かが4列一気消しをしそうになると、みんなで声を合わせて叫び始める。

「おぉー!これはァー、もーしかしてぇー!」

そして一気に4列消滅した瞬間に、部屋にいる全員で

「テートリィース!」

と絶叫。

 もしかしても何も、画面見てりゃそれは明白なのだからバカみたいだが、もうこの

「コレハーモシカシテェー、テートリィース!」

 というフレーズを言いたいだけなのだ。だから軍団のメンバーはテトリスを始めるとやっきになって“テトリス”を連発したものだ。まあ、後半になると誰も何も言わなくなるんだけどね。

 

 そんな軍団の暇つぶしの一環として、ある友人と「バンドしりとり」をやったことがあった。もう、20の若者がしりとりをやる時点で末期的なのだけれど、その時はよほど金とやることがなかったのだろう。

 

 メタリカ! カンサス! スーサイダルテンデンシーズ!ずうとるび!ビリージョエル!ルー・リード!トイ・ドールス!スーパートランプ!プリンス!・・・また「ス」かよ・・・スラマー(マニアックなスラッシュバンド)マ・・・マ・・・マライア・キャリー・・・・

 

と、こんな感じで進んでいった。

 ある程度バンド知識にはその当時から自信があった僕だけれど、この後、友人の執拗な「ル」攻撃に進退極まってしまった。ルー・リードは出たし、ルースターズも出た。「ル」の付くバンドなんて思いつかないよ・・・。

その時苦しんでいる僕を観ていた後輩がCD雑誌を見て言った。

なるかみさん、ル はまだいますよ。じゃ、ヒント。アルバムの名前は、えーと、ラ・コシナ・カリエンテ・・・」

「おー!オレそれ持ってる!ルイスコンテ!勝ち!俺の勝ち!

「わははははなんで知ってるんだ!」

みんな爆笑。僕の黄金時代でした。

 

        あと、こちらも当時買ったCD。

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 左はチリの民族音楽でほぼ聞かず。右の「ボーイ ゲ メンゲス」は思いのほか良くて、僕の中で一時期ヘビロテしてました。「ゲ」ってなんだ。おしまい。

 

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