音楽と本

僕のカルチャーセレクトショップ

懐かしのラルフローレンオックスフォードストライプシャツ

 今日二年ぶりにに町内清掃があった。久方ぶりの地区の人とみんなで顔を合わせる機会だったのだけれど、隣のうちの子供が中三になって急に背が伸びていてびっくりしたり、後ろ二軒の家のかたのご主人が実は去年亡くなっていたりと、色々驚くことがあって、知らんうちに時間がたって色々なことがあるなー、なんて思ったわけ。

 

 昔のことを思い出すよすがとして、例えば音楽があったり、当時放映されていたCMだったり、ドラマだったりがあるよね。僕なんかは80年代の曲を聴くと中学生~高校生の頃の思い出が何となくよみがえる。だからたまにあの頃の曲をyoutubeで見まくったりして54歳のおやじとなってしまった自分のノスタルジーに浸るんだよね。

          最近何故かふと思い出して再見し、懐かしかったなあ

      

           ピート・バーンズは整形に失敗した挙句、早逝

       

 こんなの貼ってたらキリがなくなるのでやめとくけど、音楽以外にも映画、本などその当時を思い起こさせるアイテムは沢山あるじゃない。

 そういうものの一つとして、ラルフローレンのオックスフォードシャツがある。

いい値段してるな

 大学生当時、僕はDCブランドブームの波をかぶり、とはいえギャルソンやヨウジヤマモトなどの今も続いているハイブランド系ではなく、むしろマルイや今はなき多摩そごうなどに入っていたドメスティックブランドの服にバイト代の大半をつぎ込んでいた。

 メンズフランドル、ペイトンプレイスフォーメン、スクープボーイ、アトリエサブフォーメン、メンズメルローズムッシュニコル、メンズバツアバハウスなど今はもう手に入らないあの頃のマルイ系ブランドをよく買っていたっけ。

 80年代後半から90年代前半にかけてこれらのブランドのアーカイブを誰かまとめてくれませんかね?あの頃買い漁った服、いまどこに行ってしまったのだろうか。

 当時買った中で唯一残っているのはこちらのシェビニオンのレザージャケットだけ。

      

 シェビニオンはフランスのブランドで厳密にいえばDCブランドではないです。

      

 今から30数年前僕が大学二年の頃、僕の周りでレザージャケットブームが起こり、その主役はショットのライダースだった。

   

 今新品だと結構高くなってるね。三十年もすればそうか。当時は5万円代で買えたんだけどなー。円高だったというのもあるのですかね。そんでリーバイス501にエンジニアブーツという渋カジっぽい感じでみんなうろついていた。僕もショットに憧れて後々手に入れたんだけど、そのころは少し違うタイプのレザージャケットが欲しかった。そんでこのシェビニオンのジャケットは当時メンズノンノバービーボーイズのコンタがモデルとして着用していたのだ。友人と八王子マルイに連れだって革ジャン買う気満々で目をギラつかせていた僕はこの服を見つけたとたん、これだ!と思い10万円のシェビニオンを、マルイ10回ローンで購入したのだ。

            今着ると多少野暮ったいのは致し方ないか。あと重い

               

 今なら10万の服なんか買わないが、当時は何も考えていなかった。つうかマルイのローンやキャッシングを皆あたりまえのように抱えていた狂ったバブルの影響でもあった。このジャケットを大学へ颯爽と着て行くと、僕が10万の革ジャンを買ったという噂はすでに広がっており、ほとんどはその金額に対してのネガティブな反応だった。

曰く、「よく服に十万とか出すよな!ばかか!」

   「俺なら絶対買わない」

   「これがマンジュウ円(十万の業界的言い回し)?すげえなマンジュウコート」

ということで僕のマルイで買ったシェビニオンはしばらくは「マンジュウコート」と呼ばれていた。

 この服はさんざ着ましたが、そのうちシュッとしたシェイプの服に好みが移行した僕はいつの間にか着なくなってしまった。就職して地元に帰っても着る機会がなかったんだけけれど、いつのまにかうどん屋を営む父親が冬の防寒服としてこのマンジュウコートを愛用しておりました。

 しかし父親も80を超えさすがにこれを着る気も失せたのか、

「お前もうこの服捨てていいか」

と言い出したので慌てて回収した次第なのです。

 だって元値十万だからね!つうかローン組んで買ったので実質12万くらいで買ってるのよ。しかしながらやはり今更三十年前の古臭いデザインのマンジュウを着る気にもならない・・・。ちなみに同型の服が古着サイトで7980円で取引されていました。

 

 ラルフローレンのシャツはよ!

 だいぶ遠回りしましたが、かようにマルイ系の服ばかり着ていた僕なんだけど、大学四年の頃ゼミで岡山の方へ調査旅行へ行ったのですよ。そうして同じクラスの奴が少し遅れて到着したのだけれど、その彼が着ていたのがラルフローレンのオックスフォードBDシャツだったわけ。色はホワイトだったのだけれど、マルイ系ブランドにはないオーラが漂っており、僕が初めてラルフローレンというブランドを意識した時でもあったのです。

 かっちりした襟や清潔感のある着こなしに憧れた僕は、地元に帰ってすぐに探したよ。八王子のラルフを取り扱っていたショップに入ると、売ってたねえ、オックスフォードシャツ。さまざまなカラーバリエーションがあったのだけれど、一番カッコよく見えたのはブルー×ホワイトのストライプだった。

 確か当時でも一万二千円位した。平均的な大学生にとってはやや高い買い物であったけれど、購入の満足度は高かった。そうしてことあるごとに僕はそのシャツを着たものだ。ある時、バイトの飲み会でそのシャツを着ていたら、40代くらいのおじさんに

「なるかみ君はいいとこの坊ちゃんなんだね。だってラルフローレンなんか着てるし」

と言われたのを今でも覚えている。

 いやうどん屋の息子で、それほど高級なシャツでもないのだけれど、やっぱりラルフというブランドはそれだけわかりやすいのだ。

 その後ホワイトのシャツも購入し、愛用していたのだけれど、どちらも着すぎて袖が擦り切れ、いつの間にかどこかへ行ってしまった。誰かにあげたのか、売ってしまったかのどちらかだろう。

 

 そうして何となく最近またラルフのストライプが欲しくなり、ネットや店舗でチェックしていたのです。セカストで四千円くらいで一着いいのを見つけたんだけれど、売れてしまい、佐野のアウトレットでは売っていたのだけれど一万三千円と、ちと高い。今の僕はシャツ一枚にそんなに出せる根性はない。

 そんな中、たまたま寄ったドンドンタウンウェンズデイで発見。

試着していい感じだったのだけれど、水曜日ならば二割引きなのでその日は買わずに、後日水曜日わざわざ会社の帰りに遠回りして買いましたよ。3080円!このシャツの平均的な相場よりやや安かった。

 当日すぐに洗濯し、一晩干して朝にはアイロンでピシッー!それがこれです。 

   

    あー懐かしい!時を経ても色あせない定番の魅力!早速着るんだぜ。

    

 このシャツはインド製。昔僕の着ていたのはマレーシア製でどちらもメイドインアメリカじゃないけれど、腐ってもラルフローレン、やっぱり気品漂う感じがします。

 カスタムフィットやスリムフィットではなく、スタンダードなタイプなので欲を言えばもう少しウエスト部分の絞りが欲しいところ。また、アームホールももう少し狭く、袖が細いとスタイリッシュに見えるんだけど、こちらのふわっとした感じも結構嫌いじゃない。結局は満足しています。

 

 20代前半で着ていた頃と比べ、今や老人の域に近づこうとしている僕だけれど、年齢を選ばずに着られる服って素晴らしいね。こんどはホワイトも探そうかしら。

 

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