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病院にて胃カメラの苦しみを和らげてあげたいという配慮を見たること

                    今日はコレの話です

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 行ってきましたよ、年に一度の健康診断。

 喫煙・飲酒の習慣がないのでそれに関する値は毎年出ないし、特にこれといった問題もなく毎日を過ごしているわけだけれど、会社の規定で行かなかればならない。

 僕のいつも行く病院はそこそこ大きいので、診断を受ける人数が結構いるのです。もうそこで10年以上受け続けているのだけれど、始めたそこで受けたときはよくシステムがわからなかったので、開始時間の8:00ちょっと前に行ったのです。そうしたらなんと長蛇の列!僕20番くらいの番号で、逐一検査を待たされ終わったのは12時近く。なんだか納得いかない。

 ということで僕は年々病院に到着する時刻を早め、ついには7:00に着いていれば大体1番のりであるということを突き止めた。やっぱりいいよね、一番は。なんでもスイスイ検査が終わり、全部終わるのは10:30頃。早起きは三文の得。

 

 今年は2番手だったけれどまあ十分ですよ。さすがに若い番号はスイスイ終わって気持ちがいい。視力は両目で1・2(でも老眼が最近はヒドイ)、血圧は125の95(したが少し高いというので再測定でビビる)、身長172の体重61.4(身長が若干縮んでいてビビる)という結果だった。

 

 そうそう、聴力検査があって、やったことのある人ならわかるでしょうけれどもあれってヘッドホンをつけて音が出たらボタンを押すのです。

 「ぴーぴーぴーぴー」

という音がしたらボタンを1回だけ押すのだけれど、僕は初めてこの検査をした時に要領が分からず

 「ぴーぴーぴーぴー」

 に合わせてその回数だけ

 「カチーカチーカチーカチー」

 とバカみたいに同じリズムで何度も押して

 「あ、ボタンは一度でいいですよー」

 と検査士の人に半笑いで注意され、自分でも笑ってしまった。

 

 

 さてみなさん、健康診断で一番嫌なのってやっぱあれでしょね、胃の検査でしょ。

 その昔僕はバリウムを初めて飲んで検査をしたときに、これはもはや軽めの拷問だろうという結論に達した。強炭酸の激マズの液体を飲まされ、機械の力によって縦横無尽に動く台に縛り付けられた僕はぐるぐると回転。うげー。終わった頃にはげっそりしてしまう。健康診断で不健康になってどうする!

 

 

※もし食事しながらこのしょうもないブログを読んでいる方はこの後ご注意ください。

 

 

 

 しかしバリウム拷問の後遺症はその後一週間は続くのだ。そう、バリウムは下剤入りなんだけど僕はあまりそれが作用しない体質なのか逆に便秘気味になるのだ。

 ホント汚い話で恐縮ですが、ようやく出た便は紙粘土細工のようで、しかも固まって流れないという。何度流しても全然崩れないのですよ!トイレの前でこの上ない絶望感におそわれ立ち尽くす僕。これ、どうするよ!

 仕方なく割り箸で自分の便をつついて崩すというこの上ない屈辱を経てようやく問題は解決。ノーモア、バリウム

 

 それ以降僕は苦しいけれど、その場限りで終わる胃カメラを選択している。バリウムのあの屈辱に比べればなんてことはない。しかも直接調べるのだから精度も高い。とはいえやはり健康診断の日が近づくにつれ、軽く憂鬱な気分にはなります。みなさんもあるでしょう、健康診断ブルー。

 

 仕方なく半泣きで胃カメラ飲んできたわけですが、今日はあることに気がついた。

 すべての検査項目が終了すると、まずは看護士さんが胃カメラを受ける人間の番号を読み上げ、階下にある内視鏡検査室へと先導する。病院の裏側を通ってエレベーターに乗っているとなんだか収監される囚人の気分。そうしていつものあのソファが三つ置いてある部屋へと案内されるのだ。

 僕は鼻から入れるタイプのものをいつも選択するのだけれど、いきなり鼻に挿入するわけじゃない。そんなことしたら死んでしまう。まずは準備が必要なのだ。

 

 最初に胃を綺麗にするという甘い、それでいて美味しくはない薬をコップ一杯飲まされる。さらには胃の動きを止めるという注射を肩に打たれる。まあここまでは我慢できる。しかし、厳しいのはこのあとからだ。鼻に直接麻酔をシュシュと吹き付けるのだ。そうすると喉の感覚が麻痺してスムーズにカメラを飲み込めるのです。とはいえ僕はこの麻酔が嫌だ。まあ何回か経験しているので最初の時の苦しみのインパクトはないがやはりあのツーンとくる刺激はキツい。 

 さて、今日も一年ぶりにその麻酔をシュシュとやられ涙目になって検査の時を待っていたその時、ふと前の壁を見るとある写真が目に入った。

              こんな感じのワンちゃんの写真

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 ???

 なぜこんなところにワンちゃんの写真が?

 かわいいじゃないか。しかしあまりに唐突じゃないか。うーん。ん?

 ひょっとしてこの写真、胃カメラを受ける人達が少しでもこれを見て和んでくれればという病院側の工夫なのか?きっと女性麻酔士の方がそう考えて貼ったのではなかろうか。だとすればその配慮はホンの少し、成功です。だって僕、特に犬好きでもないけれど気が紛れたもん。まあ犬の可愛さというよりはその配慮がどういういきさつで実行されたかという方が気になったんだけどさ。

 まあ実際は犬の写真だけじゃ苦しいので、他にも昔好きだった女の子のこととか、娘たちのこととか、とにかく何かしら楽しげなことを考えて麻酔の苦しみを紛らわしているわけですが・・・。

 

 そうこうしているうちに僕の順番がやって来た。涙目でヨダレが若干たれ始めている僕はすぐにベッドに横になり、静かに鼻からカメラが挿入されるその時を待っていた。そして次の瞬間、僕の目に飛び込んできたのはこの写真だった。

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 明らかにベッドに横たわった目線の先にこれが貼ってある。どう考えても先ほどの配慮と目的が同じとしか思えない。可愛い!これはキタキツネか?

 とか思っているうちに胃カメラは僕の鼻を通って喉を通っていた。喉を通る瞬間にゲェとかなったりしてから間もなく目の前のモニターに僕の胃の内部が映し出されているた。僕はキタキツネの写真と自分の胃を交互に見ているシュールさに笑いそうになる。いやいやカメラ飲んでるのに笑ってる場合じゃないでしょ!実際スゲー苦しいのに!

 ちなみにこの時考えている内容は

 

 キツネ/ワンちゃん/娘の名前/今日の弁当なんじゃろか/ブログのネタになるぞ

 

 の繰り返し。なぜ弁当かというと、この病院は終わったあと食堂でお弁当がお土産で出るんだけどそれがかなり美味しいからのですよ!

 そうして長い長い5分が終わり、ようやくスルスルと僕の体内から抜けていく異物を感じながらも相変わらず視線はキツネに釘付け。

 胃の中は問題なくキレイだとのことです。

 お弁当は今日もスゲー美味しかった!

 

僕小説も書いているんですよ!

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