現代の典型的な一庶民として僕はネット企業の恩恵にあずかっている。ZOZOで服を買い、楽天で注文し、YOUTUBEで暇つぶしをする。そうして最も依存しているのが言わずと知れたAMAZONだ。あまりにサーヴィス過剰のこのアメリカの大企業の戦略にまんまとはまっているのだ。アマゾンプライムの充実度は、他のすべてのネットサーヴィス企業を凌駕し、駆逐してゆくだろう。
特にプライムビデオは日々加速度的にラインナップが増え、「え!これもプライムで見られるの!」という作品までもが提供されている。逆にあんまり数が多すぎて観る気が失せる、という芥川龍之介の『芋粥』的心理に陥ることもあるけれど、基本的には僕の人生の数百時間を今までに費やしているのだ。そしてこれからも。
・・・と大層なこと言ってますが、気にしないでください、全部ハッタリです。
さてそのプライムビデオで観た作品をいくつかご紹介します。ここのところ、昔の日本映画を発掘するという趣味をもってますので邦画ばかりですが。今日は横溝正史原作の金田一シリーズ。
まずは『犬神家の一族』。
僕は大学生の頃この横溝正史原作の「金田一」シリーズにかなりハマって、すべての映像化作品を見た記憶がある。様々な役者が金田一を演じていたがやはり石坂浩二氏の金田一が一番しっくりくる。
白いゴムのマスクをかぶった「スケキヨ」と湖から飛び出す二本の足がこの作品のアイコンとなっているが、今見返しても十分面白いし、作品の古さも相まってまさに終戦後の昭和の雰囲気がビシビシ伝わってくる。同時に石坂氏主演でリメイクされた作品も見られるのだけれど、
映像は妙に綺麗
やはり初代の格式には及ばない。そもそもリメイクの必要性あったの?セリフなんかほとんど同じなんですけど!
旅館の女中は坂口良子のほうが深キョンよりもぴったりだ。だから僕は旧作への思い入れの強さゆえ、見るのを途中でやめてしまった。最後まで見たらまた印象は違うのだろうか。
もう一本、金田一シリーズとして『八つ墓村』も見られる。
たたりじゃー!八つ墓むらのたたりじゃあー
両作品とも見たのが20年以上前なのでほとんどストーリーは覚えておらず、新鮮な感覚で見ることができた。芥川也寸志氏のあの有名なテーマ曲も素晴らしい。
津山三十人殺しという凄惨な事件を題材にとったこの傑作推理小説は冒頭、8人の落ち武者たちが艱難辛苦の末にたどり着いた村を眺めるシーンから始まる。落ち武者たちは欲が目にくらんだ村人に惨殺される。その際の描写はかなりえぐい。
血しぶきが飛び散り、首級が一列に並べられる。今の年齢で見れば大したことはないけれど、何も知らないで小学生の時などにこれを見た日には一生忘れられないレベルの不気味さだ。
金田一役はなんと渥美清氏。この話は主人公が別にいて(ショーケンがやっている)、金田一はむしろ地味な調査に終始しており、推理の爽快さがあまりない。その一方で横溝作品によく見られる土俗的な因習や系図的な因縁が複雑に絡み合い、かなり異彩を放つ傑作だ。クライマックスの鍾乳洞の追いかけっこ、おっかなすぎる。
この他にも『病院坂の首くくり家』や『嬢王蜂』『悪魔の手毬歌』、怪作『金田一国助の冒険』なども見たすぎるんだけど、あいにくとそちらは有料なので割愛。けれどテレビシリーズの『本陣殺人事件』(主演古谷一行)は見られる。
こちらは3回に分けられてます
こちらのテレビシリーズも昔全て借りたっけ。古谷一行氏の金田一も捨てがたい。
さて、これらの作品に連なり、オススメ作品に出てくる『天河伝説殺人事件』も途中まで見たんだけど、80Sのバブル臭がバリバリのヘンな映画だった。舞台は山奥なんだけどね。
続きはまた明日です