スマッシング・パンプキンズ、イェー!
『サイアミーズ・ドリーム』、この名盤を僕なりにお話ししてます。
- アーティスト: スマッシング・パンプキンズ
- 出版社/メーカー: EMIミュージック・ジャパン
- 発売日: 1993/08/25
- メディア: CD
- 購入: 3人 クリック: 11回
- この商品を含むブログ (33件) を見る
『HANMMER』のあとの『ROCKET』は飛ばすときある・・・。そうして、その後の『DISARM』へと。
日本語訳「武装解除」って!まあ、そのままの意味だけどさ・・・。君の笑顔に武装解除!
この曲はこのアルバムの素晴らしい息抜きになっているよね。それまで結構ゴリゴリのロックサウンドが鳴っていたのに突然アコースティックギターにストリングスの美しい調べ!ちなみにこの曲のコード、非常に簡単なので弾きたい人は少し練習すればこの曲がモノになるよ!Eマイナー、C,G、Dという基本コードの繰り返し。得てして名曲はシンプルにできているという良い見本。
そうして、その次の『SOMA』もかったるいので飛ばし、いよいよキター!「GEEK USA」!
バンドの勢いがものすごい!
この曲はこのアルバムのハイライトだろう。ドラムのジミー・チェンバレンのドカンボスンという独特のノリが十分堪能できる。
スマパンって、基本ビリーのギターと歌声、そしてこのジミーのドラムで成り立っているよね。だから再結成もこの二人が中心なわけなんだけど、とにかくすぐに「あ、このドラムジミーだ!」と分かるくらいの絶妙なリズム感とノリを彼は持っているのだ。
そうして当たり前だけれど、ものすごく上手い。正直、ダーシーのベースとの実力差は歴然(サイアミーズ・ドリームのベースはほとんどビリーが弾いたという話)。でも何故かスマパンは歴代ベーシストは女性ばかりで、これはビリーの主義もあるのだろう。女性がベースを弾くことで、パワーロックにある種のソフトさが加わるのかもしれない。
「GEEK USA」は上のビデオのように、ライヴでも定番の曲だ。まあ、こんなに盛り上がる曲だもの。Aメロで入ってくるギターのハーモニーフレーズなどは、鳥肌が立つくらいの絶妙さだ。
基本的にスマパンの速い曲ってリズムが同じで「どっどたんと、すたととたん」と3拍目のすぐあとにスネアが入って跳ねる感じのものが多い。これ、1STアルバム一曲目の「I AM ONE」から始まって、
どっどたんと、すたととたん!
その後の彼らの曲の定番リズムなんだけど、さすがに後期になって(アウトテイク集の「ROTTEN APPLES」なんてこればっか)このリズムが出てくると僕は「あーまたこのスマパンリズムか」と若干辟易したものだ。とか言いつつ、僕はそのリズムをパクったオリジナル曲を結構作ったけどね。やっぱそのリズムはかっこいいんですよ。
ちなみに最近若い日本のバンドたちは高速8ビートの裏打ちが流行っているらしいね。「すつーすつーすつーすつー」っていった感じの。「凛として時雨」あたりから流行ったんだろうか。
スマパン全く関係ないけど。こっちのヤケクソ気味の勢いもすごいよね。
「サイアミーズ・ドリーム」のほうへ戻ると、「GEEK USA」の派手な打ち上げ花火の乱舞のあとに静かなアルペジオが流れ、スマパンの曲の中でも叙情性の高い『MAYONAISE』だ。もう、これでもか!というくらいに佳曲が続くのでこのアルバムは今でも色褪せない。
ほんわかと暖かな気持ちになれる曲
例によって太く温かいギターの重奏をバックに、サビに入ると一瞬ブレイク、そしてそのブレイクの隙間に「キィー」という高い音が無造作に挿入される。この神がかり的なアレンジは相当練られたものではないだろうか。それがしつこくなく、自然に入ってきて間奏、ソロへとなだれ込み、曲はグランドフィナーレと言ってもいいようなクライマックスを迎え再び静かなアルペジオで終わる。
僕はここまでこのアルバムを聴くと大体満足して止めてしまいます。
とにかくこの『サイアミーズ・ドリーム』で一気に心を鷲掴みにされた僕は1ST、シングル、そうして少し経ってから発売されたアウトテイク集『PISCES ISCARIOT』を購入するのだが、このアルバムも傑作ぞろい。
このアップ、イハの顔だよね?
何度も言うけど、この頃がビリーの才能が最も花開いていた頃だと(僕は)思う。曲が次から次へと出来ていたのだろう。
さて、では明日はこの『PISCES ISCARIOT』の話です。
文芸メタル小説のマスターピースとなりたい