ipadは高くて買わなかったけど、その代わりにキンドルを3年くらい前に買った。僕はごろ寝で見られるこの端末をいたく気に入っている。入手困難な昔の本や古典も無料で読める。あらゆることがほとんど可能なこの精密機械は僕だけでなく、妻はネット、娘はマインクラフトで、というように家族になくてはならないものになっている。
さて、教育と称して子供に曲(主にメタル)を聴かせるとき、最も手っ取り早いのはYOUTUBEである。この間は、お父さんが中学生の時に聴いていた曲を聴かせてくれ、というのでスタイルカウンシルやスティングのソロ、ジャーニーやスティクスを見せてやった。小学3年生なのだが僕の英才教育のおかげでスタイルカウンシルはおしゃれでキャッチーなバンド、ジャーニーは曲はいいけど、どこか垢抜けないバンド、のようにきちんとそれぞれの特徴を理解している。
スタイルカウンシルのセンスの良い「スピークライクアチャイルド」のPV
The Style Council - Speak Like A Child
の後に、ジャーニーの「セパレイトウェイズ」
Journey - Separate Ways (Worlds Apart)
のビデオを見せたら、一言「うわーなんか全然違うね!」
KEYのジョナサン・ケインがなぜか壁に張り付いているシンセを弾いている場面(1:27くらい)やエアキーボードをしているのを二人して笑った。また、モデルの女性を両側からメンバーがはさんで歌う場面は「この人うるさくないのかな?」などと指摘。
今見返しても、当時感じたダサさは健在!ジャーニー当時金あっただろうに、撮影場所が港はないでしょ。「パパはこれを昔、『壁キーボード』って言ってたんだよ」と、どうでも良い情報を伝える。でもどちらも良い曲に違いはないので気に入ったようだった。
そうやってひとしきり80Sのビデオを見ていたら「日本人は聴かなかったの?」と言うので当時流行っていた好きだった横浜銀蝿の曲を観せてやった。
HD 横浜銀蠅 羯徒毘璐薫狼琉/KATTOBI ROCK'N ROLL
真夏の夜にバリバリ!
というフレーズをいたく気に入った娘はその後思い出したよう突然「バリバリ!」とか言い出して僕を笑わせる。ちなみにこれを見た僕は当時、なんてハードな曲なんだ!とビビっていたもんだ。今でもソロの後の、しつこいまでのワンフレーズリフの繰り返しはカッコイイな。
娘も小4になるので色々な機微を理解し始めたのか、こんなふうに結構鋭いギャグとか飛ばしてくる。また、「ママいつも学校であったこと聞いてくるからめんどくさいんだよー」などと母親が聞いたら鬼の形相になりかねないようなことを僕だけに言ってくる。そんなこと言う一方で妻に向かって「ママ大好き!」などと言っているのを見ると、早くも娘、したたかに生きてんなーという感想を持つ。
さて、いつものようにYOUTUBEを観て人生の残り時間を消費していたらスーサイドサイレンスの新曲がアップされていた。知らない間に新譜出てた!不覚!
軽くスーサイドサイレンスについて触れておくと、アメリカのデスコアバンドで、以前からチョイチョイこのブログでは触れていますね。彼らは数あるデスコアバンドの中でも実力・人気ともにナンバーワンだろう。
もともとこのバンドは曲が素晴らしい上にミッチ・ラッカーという稀有な存在のヴォーカリストがいたからこそ成功した。彼らの曲の中で一番好きなウェイクアップ。ライヴバージョン。ウェイクアップ!ウェイクアップ!と絶叫し連呼する歌詞が尋常じゃなくクール!
Suicide Silence - Wake Up (INSD 2011 - Backstage Munich)
1:37あたりに一瞬映るキッズを見ると僕はいつも「こいつ普段苛められてて、この瞬間だけが喜びなんだろうなあー」などと勝手に想像してしまう。
とにかくヴォーカルのミッチ・ラッカーのカリスマがすげえ。何がすごいかって、ミッチ・ラッカーストンプと言われるこの長いリーチから繰り出される鷲の羽ばたきがごときアクション。
一時期僕はこのストンプのかっこよさにシビれ、去年の夏あたりは
娘とミッチラッカーごっこをよくしていた。こんなふうに。
ウェイクアップ!ウェイクアップ!
娘は単独でもウェイクアップ!ウェイクアップ!
男の子みたいだけど、娘です。この頃ショートカットなのでよく男の子と間違えられていた。帽子は例の親父自作のスレイヤー。Tシャツもいいでしょ。他にメタリカとかニルヴァーナとか色々持っているよ。
この頃、このミッチラッカーストンプで娘に「行ってきます!行ってきます!」と言って会社に行こうとしたら、彼女はすかさず「いってらっしゃい!いってらっしゃい!」とストンプ返しで大爆笑。
残念ながらミッチは2012年にバイク事故で他界している。ミッチの死後、デスコア界の有志が集まって追悼ライヴを行い、それがライヴDVD化されている。代わる代わるいろんなバンドのヴォーカルが出てきてスーサイドサイレンスの曲を歌う。最後にはなんとラムオブゴッドのランディが登場!
SUICIDE SILENCE - You Only Live Once (Ft. Randy Blythe - Lamb Of God)
まあ、こう書いてもラムオブゴッドやランディを知らない人にはなんのことかよくわからないだろうけど、とにかくすごいことなんです。
リヴ!ライフ!ハード!
このように激しく生きろ!と歌った最後にミッチの写真が出てくるのだが、それが彼の娘との2ショットなのだ。
僕は自分の娘にミッチには君と同い年くらいの女の子がいたんだよ、と事前情報を仕込んでおいたら、娘その写真をみて号泣!感情移入能力高すぎ。僕はオロオロしてしまい、ただ娘を抱いて頭を撫でるだけだった。
なんだかしみったれてしまったが、その後、スーサイドサイレンスには元オールシャルペリッシュという日本ではほとんど誰も知らないであろうバンドのヴォーカルのエディが加入、活動再開。エディもカリスマの点ではどうしてもミッチに引けをとるが、その強力なスクリームでファンを唸らせた。
Suicide Silence - Summerblast 2015 (Official HD Live Video)
どうすりゃこんな声出せるんだ。僕もたまに車の中でデスヴォイスに挑戦してみることがあるのだが、すぐに咳き込んで喉を痛めてしまう。ちなみに半年くらい前にNHKでデスメタルを歌う女子高生が出てきた番組があり、彼女が歌ったのがなんとスーサイドサイレンスだった。
とまあ、このようにミッチが亡くなったあともスーサイドサイレンスはゴリゴリのデスコアをやっていたのだ。ところが、ニューアルバムの第一弾PVが出たらまるっきり雰囲気が違う・・・
SUICIDE SILENCE - "Doris" (OFFICIAL 360° VIDEO)
なんかKORNみたいになってる・・・どびっくり!そもそもプロテューサーがロス・ロビンソン(KORNやSLIPKNOTOを手がけた人)という時点でなるほどねえ。
この曲、ファンの拒絶反応がすごくて、DISLIKEがなんと3万!さらに第二弾PVに至っては・・・
SUICIDE SILENCE - "Dying in a Red Room" (OFFICIAL MUSIC VIDEO)
ほとんどディストーションサウンドなし!こちらはなんかデフトーンズがやっててもおかしくない感じだ。
まあ、もともとデフトーンズのエンジンNO9とかカヴァーしていた彼らだから、いわゆるニューメタルが好きなのは解る。でもいきなり変わりすぎでしょ!
勇気ある選択だ。彼らはやりたいことをやり通したのだろう。僕は嫌いじゃない。ブリングミーザホライズンだってデスコアやめてビッグになったし、ホワイトチャペルもなんだか違う方向の曲を作ってるし。いいものはいいはずだ。だからCD注文したよ、海外のアマゾンで。あと二週間くらいしたらフルアルバム聴けるだろう。意外と気にいるんじゃないかという気もする。
そうそう、このひとつ前の記事がえらいアクセス増えてたけどどうしてだろう?グーグルで何かがヒットしたのだろう。スーパーセール?うなぎ?まあ、「人間大統領」かな、やっぱり。
あとこちら、いよいよあと数回で完結予定。やった!フォロワー30人いった!
週間ランキング最高5位でした。今日は130位だった・・・しくしく。
みんな読んでね。