音楽と本

僕のカルチャーセレクトショップ

ニッチガシャポン定点観測

 時節柄多くの人が自宅にいて、暇をもてあましネットを見ているのでしょう、ここ数日PVが伸びてる。まあ僕もこの機会に会社が休みをすこしくれたのでこんな時間にこんなの書いているわけですが。

 

 この間何の気なしにショッピングモールのガシャポンコーナーを観ていたら相変わらずどこに需要があるのかわからないようなグッズが売られていたわけ。例えばこんなの。

            「地蔵コーン」じゃないよ、まったく

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 以前これと似たようなインパクトの商品を記事に書いた。

 色々考えるねみんな

 

 しかし、実はこの地蔵コーン、長谷川維雄さんというアーティストが生み出した作品の商品化されたものだった。


だから実際は商品開発者のイマジネーションが作り出した、どこかぶっとんで、しかもちょっとズレているがゆえの、絶妙なダサさが足りないのだな。

   それらしきポエミーなキャッチが書かれているが、どこと無くわざとらしさも感じられる

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 つうことで別に購入するほどの意識への働きかけはありませんでした。さて、他に何があったか。

                どういうつもりで商品化したのか

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 和式と様式の全二種。二種で十分でしょう。タンクが取り外し可能であったりと無駄に作りこんである。この原型を作っている時の原型師の心境やいかに。仕事だと割り切っているのだろうか。

「シールを貼って遊べる!」と書いてあるが、具体的にどうやって遊べばいいの?このスケールに近い人形をつかって、「もれちゃう!」とかするのかね。フランソワーズモレシャン!おしっこモレシャン!

 

 こちらはありえない組み合わせシリーズ。サメ+フライとか、土下座+ウルトラマンとかその流れですかね。

         地球が滅びて数万年後に見つけられたという設定でしょうか

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 さして面白みも無かったのですがなんとなく撮ってしまったので載せておきます。

さて、買わなかったものの、すこし欲しいなと思わされてしまったのがこれ。

              少年の心を絶妙にくすぐっている

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 商品化するほうもやや自信が無いのか「機械の腕!?」という書き方をしている。いや、見えないから。でも発想はいいよね。

           ガシャン!グイーン!とかいいつつ遊ぶのだろうな 

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他にもこんなに種類がある。しかし買ったところでゴミになるのが関の山だろう。

      A-02とかB-03Typeとか、それらしいコードネームをつけている 

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 野球少年がよくユニフォームの下に黒い長袖を着用しているけれど、これつけて試合に出てたら全力で笑うよね。そんでもって「あ!あいつルール違反だ!サイボーグじゃねえか!」とか文句言われたりね。

 

 モレシャンってだれだっけ?

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何為れぞ我かくなる音を好まむ

 小6の娘が最聴いているのは米津玄師。学校で歌ったんだか何かで知り、まあまあ聴いている。アルバムを買うとかではなく、YOUTUBEでPVを観る程度なんだけど、僕の音楽的嗜好とは違うので正直もっと親父寄りのものを聴いてくれないかなあなんて勝手な考えを起こして、僕は彼女にさりげなくこんなのを観せたりするわけですよ。

                  誰の遺影だ

    

 いや、いいね‼スキッツォイドマン。メタル、ジャズの無理やりなドッキングのあとに「つーれってって、つれってって」のサビのキャッチーな展開!

 ドラムに紅蠍しゅう嬢が加入してより良くなったぞ。彼女はルックスもいいし、プレイもパワフルで素晴らしい。

       しゅう嬢は七重しゅうという名前で絵も描いていらっしゃる

   

 サビのスカになる展開、いいよね。いまどき逆にこの手のミクスチャーっていないんじゃないか。こういうバンドがもっと衆目を集めれば世の中もっと面白いんだけど、いかんせんアクが強すぎる。ライブ映像がインスタで上がっているんだけど、あんまりお客さんいないしね。

 

 娘は洋楽だとやはり歌詞がわからないということもあり、あまり興味を示さないんだけれど、こちらは一応日本語なのでちらっと見たりするのだ。いや、ちらと見るだけで積極的に聴いたりはしないのだけど。

 でも「あ、おとうさん、このバンド久しぶりだね。『生き埋めZ』とかいう曲やってたよね」と発言し、こちらが笑わせられる。パパ「生き埋めZ」とか忘れてたよ。

                   Zってなんだ

    

 まあ、もう少し成長したら洋楽やメタルの良さもわかるのでしょうか。翻って僕の小6の頃の音楽的嗜好を考えるとそれはそれで結構イレギュラーだった。そのことはこのブログの初期に書いているのだけれどきっとそれを読む人もそんなにいないだろうからまた書きますよ。

 

 友人が「ザ・ベストテン」とかの歌番組で歌謡曲を聴いていたころ、僕はといえば何故か映画音楽のサントラに興味津々だった。僕が小学生の時に買ったLPは見たこともない「ピンクパンサー4」だったし、観たくても怖くて観られなかった「エイリアン」であった。しかし総じて小6の耳には訴求力がなく、せっかく大枚はたいて買ったそのLPもあまり聴かなかったりして。

        あのテーマを期待したら、ディスコ調子でちょっとがっくり

   

 むしろよく聴いたのはいわゆるドーナツ盤であるシングルレコードだった。そして当時観て異様に衝撃を受けた映画「Mr.Boo!」のシングルはよく聴いたものだよ。この映画、僕くらいの世代には非常な懐かしさをもって迫ってくる。若い人にはもうこのギャグのペースは通じないだろうな。

             ホウテンリコターコンツァイ!

   

 ホイ3兄弟主演で有名なこのシリーズの主題歌担当は次男のサミュエル・ホイ。なかなかキャッチーな曲を作る人で今聴いてもカッコいいよね。そうして僕はそのシングルに付いていた日本語のルビ付きの歌詞カードで歌詞を覚えては友人に自慢げに「ワイレンツァマットハサイエチンサイ、チヨウチェムチサイホチャウエモワイ~」なんて歌ってはいい気になっていたのだ。

       僕の歌詞記憶、いまだ正確。あとこの曲のリフはカッコいい

     

 そして時代はYMOを輩出し、中1の頃にはひたすらテクノポリスを聴いていたもんだ。

           このアレンジすごいな。細野氏はなんと銜えタバコ!

    そのうちに当時MTVの力で人気を博していたデュランデュランやジャーニー、スティクスなどを聴くようになり、レインボーのデスアリードライヴァーを聴いてメタル方面へと進んでいくのだ。

                 ドモアリガトミスターロボト

     www.youtube.com

 

     www.youtube.com

 考えてみれば僕は昔から音楽的な雑食嗜好があって、それが今の節操のない聴き方にも通じているのだろうけれど、それにしてもやはり耳障りが悪い曲というものは数多くあるわけで、それはどういうわけなのだろうか。

 

 曲に対する価値観なんて人それぞれなんだからそれをここで挙げはしませんが、ときに巷でもてはやされるあの曲この曲が僕にとって時に不快な気分を引き起こさせるのはなぜなのだろうか?DNAとかに仕組まれてるんですかね?

 ある特定のメロディの組み合わせが僕にとって受け入れがたいのだろうか。例えば過剰に美しいメロディ。いわゆるクサいといわれる音程だ。だからデスメタルが好きな僕でもメロデスのようなジャンルには食指が動かない。やっぱりブルータルに押し通してほしいよね。

 その一方でクラブジャズやハウス、ディスコというジャンルは気分が高揚するのですよ。このジャンルは当然メロディが主体になっているわけだけれど、一切不快を感じない。やはり、ある種の音程の組み合わせがある特定の人のエモーションを引き起こすとしか思えん。とすれば、その原因を解明すればヒット曲やニッチな曲を作ることができるのでは?AIとかに作らせればそれが可能なのでは?

                往年のジャザノヴァの名曲

    

                  どゆりめんばぁ?パーリヤァ!

    

 とはいえ人間は直感的にそういう音楽の作り方をしているのだろう、だからこそ、これだけの膨大なジャンルがあるのだ。そして結局僕はその無限の宇宙にも等しいフィールドから僕に響く曲を探すしかないのだ。

 

                    どーん

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 タンスを整理するのでCDを片付けろと言いつけられ、山積みになった僕の所有するCDの一部。どのCDに何が入っているのかほとんど分かる。娘よ、これを好き勝手に聴いて構わないのだよ。

 

 

相変わらず地味に読まれ中

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文学壮年なるかみ 椎名麟三・梅崎春生を読む

 僕は毎日お風呂の時間と寝る直前で本を読んでいます。お風呂は基本湯船につかりながら温まることを目的としているので、できればあまり小難しい内容 ではなく、すいすいと読めるものが好ましい。だからエンターティメント小説 を中心に読むわけ。そんでそれは大体ブックオフの200円くらいのハードカ バー本で賄うんだけど、めぼしい本を読み切ってしまったのですよ。


 また買いに行ってもいいんだけど、そしてその行為は楽しいのだけれど、増える一方だし節約の意味も込めてもう一度昔読んだ本を読み返そうと思ったの です。本棚にざっと目を通して留まったのはのは日本文学全集の「椎名麟三・梅崎春夫」の巻だった。

    昔住んでたアパートの大家が捨てようとしていたものをまとめて入手したうちの一冊

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 久しぶりに文学作品を読もうという気になり、椎名麟三の「 深夜の酒宴」から読み始める。昔確かに読んだはずなのだけれどほとんど覚えていなかった。次いで「自由の彼方に」「媒酌人」と読み進める。どの作品 も昭和初期の暗い雰囲気に満ちており、明るい要素ほぼなし。カタルシスなし 。あるのは生きることの厳しさと絶望。文学作品に様々な人生の断片が描かれているが、どの話も、希望らしきものが見られない。

 


「自由の~」は作者の自伝的作品だというが、とにかく救われない。コック見習いである山田清作はその劣悪な職場環境から逃げ出し、職を転々とする。しかしどこへ行っても彼が安穏と過ごせる場所はない。雇い主のチンピラのような若造に往来で殴られると、そのままふらふらと、自ら手近な店のショーウィンドウに突っ込み、ガラスを割り、血を流す。その一方で時に感情を爆発させ、レストランの女給にチキンライスをぶちまけたりもする。

 そんな彼はある日母の自殺未遂をきっかけに姫路へと戻り、そこで電鉄の車掌となるのだが徐々に彼はそこで共産党の活動に精を出してゆく。とはいえあくまで最初は自称共産党員であって、そのことに彼自身が陶酔していたのだが、やがて非合法の組合活動を通じて本物の共産党員となり、ビラを配布したり、会合を持ったりと行動を進めてゆく。

  ところがある日職場に見慣れない車が停まっているのを発見し彼は逮捕を予感し逃走する。そうして大阪や東京を転々とするのだがやがて捕まり、懲役生活へと入る。出所した後も元共産党員であるので碌な職に就くことはできず、町工場でボルトをひたすら拾うという重労働に従事する。彼はそこでおおいに健康を害し、毎日あばらやで梁にかけてある荒縄を首に巻いては死ぬ決心がつかずにただ生きるのだ。暗い。ひたすら暗い。

  

 次の「媒酌人」は作家になった彼が自分の意志とは無関係に不可避的な出来事に徐々に巻き込まれていく作品だ。私小説的な内容であるが、これがまたなんというか完全に不条理小説。ある日突然玄関先に現れたのは、叔母の娘(つまり従妹)の夫である民夫。かれは田舎で問題を起こして東京に出てきたのだという。そして頼れるのは媒酌人をしてくれた作者のみだというのだ。作者にしてみれば一度会ったきりの、しかも血のつながりにない若者が突然現れたのだからたまらない。すぐに追い返すつもりだったが、妻のとりなしでなし崩しに居候されてしまう。民夫は何をするでもなく、毎日ぶらぶらとしており、ときに作者の生活に入り込んでくる。耐えきれなくなった作者は講演のついでに田舎 の叔母の家へと向かう。

 この道中がまた不条理の連続でタクシーは部落の入り口までしか行ってくれない。叔母の家はさらにそこから数キロ離れたところなのだ。仕方なくそこから歩き出すのだが早くも夕闇迫り、果ては途中で持病の心臓発作を起こし、谷川の水で薬を飲みなんとかしのぐ。次から次へと作者に不幸が降りかかるので、読んでいていたたまれない気持ちになってくる。どこまでもツイてない。ようやく叔母の家へたどり着くが、民夫はほぼ絶縁状態にされており、何の解決策も見いだせないまま作者は家へ帰る。帰宅するとなんと民夫は最も犯すべからざる作者の部屋で寝起きしているではないか!しかも妻は彼を甲斐甲斐しく世話をし、着替えなども買ってやる始末。あまつさえ「僕、小説をかいてみましたん。出版社を紹介してください」とぬけぬけとのたまうのだ。しかもその小説は作者の書きかけの原稿の後に書かれていた!激昂した作者は原稿をその場で破り捨て、家を出て以前逗留したことのある温泉地で数日過ごすことにする。まあ、これも半ば妻に追い出されるような格好なのだけれど。僕、なんとなく彼に自分の姿をなぞらえてしまった。このように人生というのは、とかく思い通りにいかないものだ。

 僕は50年生きてきて、本当にそう実感する。まさに人生山あり谷あり、そして僕は今確実に谷にいるのだ。そしてそういう時にこそ小説が魂を救ってくれる。まあ救うというのは大げさだけど、少なくとも捨て鉢な気持ちを和らげてくれはするのだ。たとえそれが幸福な物語でないとしても。
 さて、作者はここで最後の災難に見舞われる。最終バスで温泉地に向かうのだが、バスの中でその温泉宿が火事で無くなったということを乗り合わせた地元の住民や車掌に聞き愕然とする。車掌は途中で降りれば宿があるという。不安を抱えたまま降りたはよいが、それらしきものは見当たらない。闇が作者を包み込む。彼は座り込み一服する。そして物語はここで唐突に終わる。

 これからどう生きるべきか、見失った人間が陥っている状況そのものではないか。彼は果たしてこの後、宿を見つけることができたのだろうか?僕も彼と同様に光を見出すことができるだろうか。

 

 なんかやたらと字が多くてすいませんねえ。次の梅崎春生のパートはまた気が向いたら。

 

それでも、生きていかざるをえない!

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愛すべきプロのバカ、アンドリューW.K.のエアドラム動画に瞠目せよ!

    パリハー!パリハー!

    パリハー!パリハー!

 

 みなさん、ハードにパーティしていますか?僕はしていません。しかし、10年も前から延々とハードコアにパーティをしている男がいる。その名はアンドリューw.k.!

            レッツゲッパリハー!レッツゲッパリハー!

     

 ジャケットからしてしょうもな

パーティー・一直線!

パーティー・一直線!

 

  このハードコアパーティ野郎はこの曲で消えると思いきや、どっこい今だにしぶとくパーティし続けている。まあ、基本的に僕は彼が好きなのですが、最近以下の動画を発見してさらに好きになったのです。

 

「43 Minute Air Drumming Workout with Andrew W.K.

というタイトルと共にこの動画のサムネを見たときはどうせパーティバカがテキトーにエアドラムをやってるんだろうな、と思いながら暇つぶしに見たのです。しかし僕は認識が甘かった。彼は唯のバカではなく、プロのバカだったのだ。とりあえず最初の数分だけでもそれが伝わってくる。

       まあこの絵ヅラでアホなことやってるなあ、という察しはつくでしょ

   

 最初に彼の短いスピーチがある。

「ハイ、俺の名前はアンドリューWKだぜ!ハードコアパーティ野郎だぜ!俺はいつも型破りなエクササイズのおかげでムキムキだぜ!誰がジムが必要だといった?誰がエクササイズマシンが必要だといった?お前にはエアドラムがあるじゃないか!

 ドラムセットはいらないぜ!もちろんスティックもな。お前に必要なのはナパームデスの「ハーモニーコラプション」のような素晴らしいアルバムだ!

 

 笑った。よりによってそのアルバムをチョイスするとは。

 

 ナパームデスの初期の大傑作

ハーモニー・コラプション

ハーモニー・コラプション

 

ナパームデスを知らない方は、僕のこの過去記事で勉強してください。来年の大学入試共通テストに必ず出ますから。

記事は「その4」まである大作です

 

 まあ、ナパームデスを知らない人にはその面白さがあまり伝わらないでしょうが、動画を見れば彼がどれだけ真剣にこのエアドラムに打ち込んでいるのかが分かる。彼はとにかくほぼ完璧にこのハードコアアルバムのドラムコピーをしているのだ!

 最初のノイズがブブブーと鳴り響くイントロからの「タン!」のスネアのタイミングがあまりに完璧で、笑ってしまった。そしてその後怒涛のブラストビートエアドラム!タム回しやシンバルのタイミングも見事にシンクロ。ただし途中、タム回しなどのタイミングを何度か間違えるときがあって、その都度容赦なく赤いバッテンが画面いっぱいに広がり「ブー!」と鳴る。

 「ブー!」じゃないよ!、まったく。

 

 僕はバカな思いつきも、とことん真剣にやり通せば立派なエンターティメントになるという奇跡を見た。余程彼はこのアルバムが好きなのだろう。

 まあそれにしても見ているうちに本当に叩いているように見えるから不思議だ。何が面白いかって手だけではなく、バスドラのキックまでコピーしているのです。ひたすら43分ハーモニーコラプションをエアドラムし続ける彼の姿は感動的ですらある。

 夜中にこれを見始めた僕は結局全部見てしまった。何やってんだろね。

 

 そうそう、最後の方なんて本物のナパームデスのドラマー、ミッチハリスが憑依しているかのようなパフォーマンスでバカ度が沸点に達しているのだ。ちなみに彼は両腕に2・5ポンド(1.5キロくらい?)のウェイトグローブをつけてやってます。そりゃあんな腕の太さにもなるよね!

 

15000PVいった(恩恵無し)

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つれづれ読書日記

 日曜出勤でぐったりしてアマゾンミュージックをランダムに再生していたらこの曲があって、勝手に僕は「お、ダイナソーの新曲か!」と思っていたらなんのことはない、僕の持っているアルバムに入っていました。

      でも、とてもいい曲。なんだか今の僕の心に染みる。下手すりゃ泣ける

   

 これぞまさにダイナソー節!ハードでノイジーなギターに、Jマスキス叔父の優しいヘナヘナ声がかぶる。このアルバム、聴きなおそう。

ヘンなジャケット

Beyond by Dinosaur Jr. (2007-05-01)

Beyond by Dinosaur Jr. (2007-05-01)

 

 

 それから全然音楽のベクトルは違うがこちらのスクエアプッシャーは正真正銘の新曲だ。PVはスマホで渋谷を適当に撮影して画像を加工したんじゃないの?と思えるほど安っぽいが最後のほうで看板に「すくえあ・ぷっしゃあ」とか「四角形プッシャー」とかのしょうもない日本語の主張が入ってすこし笑う。でも曲は相変わらずの変態系テクノです。最初はぶぶぶぶと打ち込みベースがなっていますが徐々に音が重なり、中途のベースとキックが入ってくるあたりからどんどんテンションが上がる!世の中にはこういう音楽もあるのだと万人に知らしめたい!スクエアプッシャーのアーティストパワー、衰えてないなー。

               そのメガネ、おくれ

     

 アンダーワールドとかも買いたいが今節約モード。誰か僕に買って!

              

 

 

 閑話休題

 50を超えるともう疲れが取れないよね。あれかね、セサミンとかシジミエキ スとかを呑んだほうがいいのかね。80過ぎの母親がしきりにサプリを勧めてくるのだけれど、どうなの?息子はいくつになっても息子なのだ。
 
 忙しさと疲れでこれといった記事も書けずただ毎日を過ごす僕、何のために 生きているのだ!?今は会社が繁忙期で(つうか一年のうち半分は繁忙期。そのくせ給料は安い)日曜日の休みが取れないのだ。今の会社に入って8カ月経つがとにかく日曜出勤が多すぎ。ああ、いやだなあ。

 

 ってそんなことを聞かされたところでつまらないよね。この場では枕草子がごとく明るく、興味深いことだけを記していきたい「音楽と本」です。

 

 まあ相変わらず服とか本とかでかろうじて命をつないでいるわけですが最近はこちらを読んだという話。どれもブックオフで200円くらい。

 

エンデュミオン・スプリング

エンデュミオン・スプリング

 

 「エンデュミオン・スプリング」は「すべての活字好きに」という帯につられて購入。現代とグーテンベルクの時代が交互に登場し、最初は「ネバーエンディングストーリー」のような物語を想像するが、そういうファンタジーもので なかった。エンデュミオン・スプリングというのは人名でその人物が何も記載されていない本を作ったのだが、そこで使用されている紙そのものが物語の鍵を握る。どうせ誰も読まないと思うのでネタバレすると、なんでもその紙はドラゴンの皮膚からできているのだそうで。

 そうしてそこにはすべてを手に入れることができる知識が書かれており、それを読めるのは選ばれた子供だけなんだそうな。現代の12歳の少年ブレークは父親と不仲でアメリカを離れオックスフォード大学で研究に励む母親と妹との生活に息苦しさを感じている。
 

 ある日そのオックスフォードの膨大な蔵書の中に何故か自分を引き付ける書物を発見する。ページを開くとそこには何も書いていないのだ。ここから彼の書物をめぐる冒険が始まる。しかし、あれだね、やっぱり海外のインテリにとってオックスフォードというのはやはり権威ある場所なんだね。歴史、規模、成果からいっても当然なのだろう。
それでその本はオックスフォードに集まる学者たちにとっても垂涎の的で、本に取りつかれている彼らは血眼になってその本を探そうとしている。なぜならその本の知識を得たものは、ありとあらゆる真理と知識を得、あらゆることが思いのままになる、というのだから。少年ブレークはその本、「エンデュミオン・スプリング」を紆余曲折の末見つけ出すのだが、とある影が彼を付きまとい、何としてでもその本を手に入れようとするのだ。物語はグーテンベルク本人が登場する時代と、現代が交互に描かれ物語が構成されていくのだけれど、現代編のクライマックスは思いもよらぬ展開になってなんというか推理小説みたいにも感じられました。とにかくやたらと本が登場します。とはいえ、小栗虫太郎とかバタイユみたいにやたらと衒学的な登場のしかたでもないのですけど。

 

 

波のり舟の―佃島渡波風秘帖 (文春文庫)

波のり舟の―佃島渡波風秘帖 (文春文庫)

 

  出久根達郎の「波のり舟の 佃島波風秘帖」はこれぞ小説家の書く物語だという醍醐味を味わえる作品。江戸時代の佃島を舞台に渡し守である二十五歳の青年正太が舟を利用する様々な人間とのかかわりの中で起きる不思議な出来事や時に危険な事件を描く。 

 確か出久根氏の作品は30年くらい前に「あったとさ」を読んで以来だと思うんだけれどいや面白い。ただの江戸を舞台にした人情噺かと思いきや、捕り物あり色恋あり、はては幻想的な話ありと読み手を飽きさせない。たしか「あったとさ」にも最後の話が異様な読後感を残す不気味な幻想味を持った作品だったという記憶がある。今度ブックオフにいったら氏の作品も物色しよう。

 

 

首挽村の殺人 (角川文庫)

首挽村の殺人 (角川文庫)

 

 「首挽村の殺人」は横溝正史賞受賞のミステリ。岩手の過疎集落に赴任した若き医師滝本。前任者である彼の友人、杉が不審死を遂げたその村で次々とその村にまつわる陰惨な昔話通りの殺人が起きる。

 推理小説を読むときは自然と犯人を特定しながら読んでしまうが、この物語はまんまとミスリードにひっかっかった。読んでいる最中はどんどん先に進むが、読んだ後あれなんだかそれってどうなの?という部分はあります。でも十分楽しめました。面白かったですよ。

 

 今週は人生の転機の週です

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ツツイストとしての自己再確認

 小さいころから本をまあまあ読んできた僕ですが、本格的に小説をむさぼるように読み始めたきっかけは筒井康隆氏の作品だった。中学2年生の時に友人がこれむちゃくちゃ面白いから、といって勧められた短編集『日本列島七曲り』がその後の僕の読書人生を決定づけた。

この不気味な表紙ね 

日本列島七曲り (1974年)

日本列島七曲り (1974年)

 

  SF小説というくくりではあるけれども、氏の作品はそれを超えたもっと広い範囲でのエンターテイメント性を持っていた。初期の氏の作品は日常が突如ふとしたきっかけでズレてゆき、とんでもない結末を迎えるものが特徴的だった。「毟りあい」とか「君発ちて後」など、うわそんな展開になるのか!と中学生の僕を大いに驚かせてくれたものだ。「トラブル」なんて作品は人間に寄生した宇宙生物がその体を自在に操り変形させるというアイディアが使われているのだが、この作品は「遊星からの物体X」や「寄生獣」などよりもずいぶん先んじているはずだ。クライマックスの都心でのすさまじい殺戮描写は今読んでも震撼する。また「乗り越し駅の刑罰」はある種の不条理文学とも取れるんだけど、切符をなくしただけで最後には恐ろしい結末を迎える(猫の顔をした紳士が登場するという意味不明さも相まって)という展開に中学生の僕は怖気をふるったものだ。中学を卒業するまでには10冊以上の筒井作品の文庫本を買っては読んでいた僕だった。


 その後高校に入学し、あるとき新聞で「筒井康隆全集」が刊行されるという記事を発

見!

本人が「私の最初で最後の全集だ」と言っていた気がする

筒井康隆全集 全24巻セット

筒井康隆全集 全24巻セット

  • 作者:筒井 康隆
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • メディア: 単行本
 

  うわあ欲しいなあ、でも毎月買うお金はないなあと思っていた矢先、なんと学校の図書館に入庫されているのを発見。図書館によく顔を出してはハインラインの「宇宙の戦士」などを意味も分からず借りて読んではいい気になっていた僕はさらに足繁く学校図書館に通うことになる。

 配本日には図書館に飛んでいき、いの一番に借りては至福の読書体験をしたものだ。そういうことをしていたらいつの間にか僕は図書館図書の借り手としてはダントツトップになっていた。

 あの頃僕は筒井氏の作品以外にも、キュアーの名曲「キリング・アン・アラブ」に影響されてカミュの「異邦人」を読み不条理文学を知り、

            ライヴバージョンは荒々しくていいね

     その流れからカフカの「審判」を読み、「耽美派悪魔主義」という言葉に惹かれて谷崎潤一郎の「刺青」「春琴抄」「卍(まんじ)」「痴人の愛」などを濫読した。谷崎潤一郎は最終的に「細雪」まで読むに至り、本ばかり読んで受験勉強をほぼしないまま浪人するという結果を残した。

 

 それはともかく、司書の女性の先生がそういう僕を賓客として扱ってくれ、僕が顔を出すたびに嬉しそうな顔をしてくれたっけ。そうして卒業式の日、彼女が僕にリボンを掛けた封筒を記念として渡してくれたのだ。僕はてっきり図書券をくれたのだと思って開けてみるとそれは僕が3年間かけて借りた本がすべて書かれている貸し出しカードでした。裏表びっしりと本のタイトルが書かれたカードが5枚くらいはあったかな。しかし正直、いらねえ!と思ったね。

 

 さて多感な時期に読んだおかげでその後の僕の人格形成に多大な影響を及ぼしている筒井作品ですが、「パプリカ」あたりで一旦止まり、

 最近「おとうさん、パプリカ知ってる?」と子どもに聞かれてこの小説のことかと思った

パプリカ (新潮文庫)

パプリカ (新潮文庫)

  • 作者:筒井 康隆
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2002/10/30
  • メディア: 文庫
 

ツツイストにとってはパプリカといえばこれ。早世の天才、今敏の傑作

www.youtube.com

ここ数年はあまり読んでいなかったのです。多分「銀齢の果て」と「敵」くらいしか読んでなかったんじゃないのかな。しかし最近こちらの二冊をブックオフで買い、相変わらずの氏の作品の素晴らしさを再認識したのです。

こんな小説筒井氏しか書けない 

 

 これは筒井氏のバロウズ化か

ヘル (文春文庫)

ヘル (文春文庫)

 

 

 しかし本題のこの二冊の話に入る前に力尽きました。また続きをそのうち。

 

多かれ少なかれ彼の影響あるのは否めない

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APOLLO11/マンゴリアンジェトセット/八十八ヶ所巡礼/ニガミ17才など

  なんと!観たいけれどいつみられるかわからないなあ、と思っていた「APOLLO11」がアマゾンプライムでラインナップされていた!すごいな、アマプラ。

 もう3回観た 

アポロ 11 [完全版] (字幕版)

アポロ 11 [完全版] (字幕版)

  • 発売日: 2019/12/01
  • メディア: Prime Video
 

 

      

 内容は言わずもがなの素晴らしいものでした。70ミリフィルムで撮影された映像は50年を経た今でも美しく我々に迫ってくる。発射から帰還までを淡々と追った内容だけれど、やはりぐいぐいと引き込まれるものがあるね。

 これとファースト・マンを併せて観ればあなたもアポロ計画の虜。

 こちらもプライムビデオでラインナップ。すごい同時性

ファースト・マン (字幕版)

ファースト・マン (字幕版)

  • 発売日: 2019/06/19
  • メディア: Prime Video
 

 

 そのファースト・マンといえば僕は特に月着陸船が月面に到達するまでの緊迫したシーンがお気に入りだ。着陸寸前には巨大なクレーターが立ちはだかり、アームストロングはそれをかろうじて回避し月に降り立つのだが、APOLLO11での実際の映像はあんなに巨大なクレーターではない。映画的誇張があるね。

 

 さて相変わらず無聊の日々をCD買ったり服を買ったりしてごまかしているわけですが、例によってその報告。
 先日ケン・イシイの新曲が素晴らしいということを書いたんだけど、不思議とこういうことってシンクロするんだね。というのは何気なく立ち寄ったブックオフの100円投げ売りコーナーにこちらを発見!

ケンイシイにしてはタイトルとジャケがダサい

  ラッキー!同時に名盤である「メタル・ブルー・アメリカ」も100円で売っていた。まあ持っているのに買ってもしょうがないんだけどなんか勿体ないなと思ったね。

 
 突然ですがこんなことありませんか?

 僕はあります!以前よく聴いていたんだけどしばらく聴かなかったCDを久しぶりに聴いたら思いのほか心に染みて、そのバンドなりユニットなりを再発見するというケース。
 今回その対象となったのは「マンゴリアン・ジェット・セット」。

 なんとこのアルバムアマゾンだと入手不可能

モンゴリアン・ジェットセット / スクラング [CD]

価格:2,043円
(2020/1/12 20:30時点)
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 ノルウェー人のディスコ/テクノユニットで、おそらく日本での知名度は恐ろしく低いと思われますが特にこちらのアルバムは完成度が高く僕は結構なお気に入りアルバムだったのです。でもここ2~3年聴いておらずぼんやりCDラックを眺めていた時に目について久しぶりに聴くと以前以上にハマったのですよ。なんというかムンゴリアンって独特の空気感があって、聴いていてものすごく心地よいのです。

                まあ聴いてくださいな

     インストもさることながら、歌モノも素晴らしく、そのメロディがあはれなる境地に僕を誘うのです。

                 アワナレイユーダウン!

    

もともとこのユニットはあまりアルバムを出しておらず、僕も持っていたのはこの一枚だけだったのでさっそくアマゾンで探して700円で購入。

  でもキラリと光る個性

We Gave It Away All Away, Now We Are Taking It Back

We Gave It Away All Away, Now We Are Taking It Back

 

 こちらはどうやらリミックス集のようで、ムンゴリアンの個性はやや弱め。二枚組お買い得と言えばお買い得。もう一枚アルバムがあるのでそちらも注文しました。

多分誰も気にしませんがJAGGA・JAZZESTの曲のサンプリングから始まるのが超カッコいい!  

マンゴデリクス(Mungodelics)

マンゴデリクス(Mungodelics)

 

 

 

 1円でこちらのCDも買い。

誰だか良く知りません 

Future Will Come by The Juan Maclean (2009-04-14)

Future Will Come by The Juan Maclean (2009-04-14)

 

アマゾンのジャンル「ダンス・エレクトロニカ>テクノ」で安くて評価の高い順にソートして気になってYOUTUBEでこちらを聴いて購入。

        アルバムは10分くらいのロングバージョン。いい曲ですね

   

 便利な時代だね。CDは何枚でも買ってしまう。

 

 そうそう、去年のクリスマスに八十八ヶ所巡礼が新曲を出していて、それもまた僕の魂を揺さぶるような曲だった。

        いや何度聴いてもいいね。マーガレット姐さんのベースが素晴らしい

   

 去年アルバムを出した後もコンスタントに新曲PVを発表していた彼らですが、今回の曲はやや激しさを抑え、かつエモーショナルな展開。「狂感できない」という彼らならではのタイトルがまたいいよね。


 あとよく聴いているのはダウンタウンの番組にも出演したのでご存知の方も多いと思われるニガミ17才。

                  なんとファンキー

    www.youtube.com

 最近こういう日本語を駆使した名前のバンドばかりだけれど、曲とカリスマの両方を兼ね備えているいいバンドだよね。演奏も上手いし。僕が年を取ったのか歌詞が一体何を言っているのかをほとんど聞き取れないのだが途中のブレイク部分の「やかま、しい!」というフレーズでの変拍子の部分が新鮮。

 

 こんな感じで相変わらず音楽聴いてます。今年もよろしく。

 

相変わらずじわじわと地味に読まれてますので良かったらあなたもどうぞ

kakuyomu.jp