音楽と本

僕のカルチャーセレクトショップ

40年越しの曲を苦もなく探し当てる

 中学生になって初めてラジカセを手に入れた。家にはそれとは別に立派なステレオセットがあったのだけれど、持ち運びが自由でコンパクトなラジカセはどこの部屋にも音楽を持ち込めて、寝る前などにYMOテクノポリスなどを聞き明日の学校に思いをはせていたものだ。

 今逆にこういうのが売ってるんだね

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感想(11件)

  

 あのころ(昭和50年代半ば)はどこの友達の家にも大きなステレオセットがあった。高度経済成長時代のいわゆる3C(カー・クーラー・カラーテレビ)を揃えたあとに来たのがこのステレオセットではなかろうか。

         こういう大げさなやつ。サンスイとかオレックスとかなつかC

   

 

 友達同士で持っているレコードを貸し借りし、録音してよく聴いていた。特に前述のYMOは「ソリッドステイトサヴァイヴァー」が日本を席巻していたころで、小学生高学年である僕らまでもがこぞって聴いていたものだ。音楽的に幸せな経験をできたことが僕のその後の音楽的嗜好を決定づけた一因になっている。
 

 さて上記の昭和50年代のステレオセット、スピーカーは縦70センチ横30センチくらいあって、レコードプレーヤー、アンプチューナー、カセットデッキというようにそれぞれ独立した機械で構成されていたのだ。今このような立派なセットを持っている人が羨ましい。僕の父親もろくに音楽など聴かないのに何故かそれを購入し、もっぱら僕がそれを使うという調子だったけれど、今考えればそれなりに豊かな環境で皆育っていたのだ。
 こう書いていて色々と思い出してくるのだけれど、そのステレオを買う前はレコードプレーヤーから直接スピーカーが接続されているタイプのものがあった。

 たしか僕が幼稚園くらいの頃にはそれが僕の家にあったはずだ。レコードの種類は父親がファンだった島倉千代子と、童謡のレコード。それからなぜかハチャトゥリアンの「剣の舞」や「ララミー牧場」といった古い映画のサントラだった。それにしても、もう若い世代は、音楽をコンポなんかで聴かずに皆DLしてヘッドホンで聴くんだろうね。

 

 ラジカセの話に戻ると、レコードから録音できるものの他にも、FMラジオで録音すればかなり音質のよい曲が手に入ると小学生の仲間内で話題になり、僕らは書店でFMレコパルやFMステーションといった番組プログラムが載っている雑誌を二週間に一度購入するようになった。とはいえ、アーティストの名前なんか見てもよくわからないから何を目安にエアチェック(番組を録音することをこう言ったんですよ。この言葉がすぐに通用するのは僕らおじさん世代)するかといううと、番組の特集内容で判断するわけ。僕らが主にチェックしていたのは「軽音楽をあなたに」という番組だった。平日午後4時から6時までの二時間、様々なジャンルの音楽をセレクトして聴かせてくれたっけ。よくチェックしていたのはやはり「映画音楽特集」でロバート・レッドフォードの「コンドル」のテーマとか、

       かっこいいなあ。ラウンジ・ミュージックとしてもかなり秀でている

   

恐怖映画「ザ・ショック」のテーマなんかを気に入って聴いていた。でも、そのテープは散逸してしまいもう聴きたくても聴けない曲が沢山ある。

        冒頭の微妙にフランジャーのかかったベースがかっちょええ

   
 とはいえ、そのテープは数本ほど残っていて、アーティスト名は分からないものの、気に入って聴いていた曲はMP3データにしてCDでたまに聴いている。中には録音している途中で「この曲あんまり聴かないだろうなー」と思ったものがあって、そういうのは途中で寸断されているのだけれど、もう小学生のころから「この曲聴かねーや」というようにえり好みをして聴いていたのだった。
 

 そういう何曲かの中でアーティスト名をなんとかITの力で判明させられないかというプロジェクトを自分で勝手に実行していたのですが、このたびその成果がでたのです。

「ステファニー」という名前をサビで連呼するシティポップス系の曲があって、結構それを気に入って聴いていたのだけれど40年以上そのアーティスト名は分からずじまい。「ステファニー」という曲名だけは分かっているのだけれど、それで検索しても無数に出てくるわけですよ。それだとらちが明かないので、歌詞を何とか断片的に聞き取ってそれと絡めて検索したわけ。「ステファニー・may be Im talk to you・・・」みたいな感じですね。すると案の定ヒット!そうしてほぼ苦も無くこの曲を探し当てることができ、そこから芋づる式に他の曲も判明したのだ。すごいな、インターネット!

      ジョン・ヴァレンティという人でした。有名なんだろうけど僕知らなかった

     
で、この人のCDを検索したのだが、それほど安くもないわけ。思い出の対価として払うべきなのかもしれないけれど、そこまで執着があるわけじゃないしね、YOUTUBEでたまに聞くので十分。

 割と最近再発されたのね。多分名盤

女はドラマティック(期間生産限定盤)

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  さて、この曲の場合は歌詞があるから判明したのだけれど、他にアーティストがわからないインストが数曲あるのです。フュージョンチックな曲でエレキギターがメインにフューチャーされているから高中正義あたりかなとも思うのですが、後半激しいオルガンのソロなどもあるのでイマイチ探すのに苦労しているものとか、トランペットがメインのディスコ調の曲とか。何とか死ぬまでには判明させたいと思っているのだ。また判明したら、会ったことのないあなたにご報告いたします。

 

ブルー・ラグーンくらいしか高中知らないので掘り起こすのがむしろ楽しみ

kakuyomu.jp