音楽と本

僕のカルチャーセレクトショップ

ダメージプラン並びにファットボーイスリム、有頂天家族やとっぴんぱらりの風太郎をブックオフにて買う

 地方に住んでいると、休日ですること無いとき、大体ブックオフに行くじゃあないですか。そうやって今月入手したCDと本を記録します。ブログ名、「音楽と本」はダテじゃないぜ!

 

 つってもこの二枚だけですが、それぞれ280円。しかし掘り出し物!

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まずは右のダメージプラン

 日米のアマゾンで評価が違う

  メタルの流れを歴史的に変えたパンテラのギタリスト、ダイムバックダレルがパンテラ解散後新たに結成したバンド。後期のパンテラってどうにもダメな感じがしていたので僕はこのバンドの音を聴いたことがなかった。一聴してうわ、すげえかっこいいじゃないか!僕がダメだなあ。

 ドラムもパンテラなので基本サウンドはそのまま、パンテラジャン!なんて言いっこなしだよ。ヴォーカルはフィルアンセルモよりも主張が弱いが、まずまずで、コーラスのパートはフィルよりも上手いかもね。

    

 ギターの音はパンテラよりも空間的な広がりを重視し、相変わらずのザクザクとした響きと子気味よいピッキングハーモニクスを多用し、メタルギターの可能性をさらに広げている。佳作がそろっている中でも特にこの「FUCK YOU」、タイトルこそは実も蓋もないが、パンテラ直径のパワーメタルソング。しかもなんとヴォーカルはスリップノットのコリーテイラーという最強の布陣!

         おそらく歌詞の中でのFUCK YOUの連呼回数はギネス級

      まあ改めて聴くとやっぱパンテラなんですが、いい曲なんだからそんなの関係ねえ!残念なことにギタリストのダイムバックはコンサート中に銃撃されるという痛ましい事件により死去。生きていればほぼ僕と同い年、さらに素晴らしい作品を作っていただろうに・・・。そして兄でドラムのヴィニーも去年亡くなっている。もうパンテラも、ダメージプランも生で見ることはできないのです。

 

 それはそうと、このアルバムのジャケットコンセプトはすごくないですか。

             ドカーン!と音が聞こえてくるでしょう

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いかにも俺たちがアメリカの乾いたメタルを引っ張るぜ!的な派手さと矜持に満ちている。それはそうと、これ本当に爆風の前で撮ったんですかね?CGじゃないよね?みんな眉ひとつ動かさない顔してるけど本当は冷や汗ものだと思うよ・・・。ちなみにさらに注意深く見てみるとこんな発見があった。だからどうしたレベルのことですが。

      左から二番目のベースの人が「それが何か?」というポーズでリスナーを挑発

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あと、裏のメンバー写真の感じが、ドイツのスラッシュメタルバンド、クリエイターのアルバム「コーマオブソウルス」のジャケ裏写真に酷似していて笑った。

         ひょっとして同じ場所で撮ったんじゃねえの?ていうくらい

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こんなことに気が付いたのはきっと世界で僕ひとりでしょう。

ああ、メタルを聴いていて良かったなあ!

 

 もう一枚はファットボーイスリムのベスト版のリミックスアルバム。

 なんと二枚組み 

 これはもう掘り出し物というしかない。ファットボーイスリム=ノーマン・クックの最も成功したプロジェクトだが、一番有名なのはM1の出囃子に使われたこれでしょう。

              元はといえばオースティンパワーズの挿入曲

      もちろんこれも入っているけれど、むしろそれよりもリミキサー陣の豪華さに目を見張る。出色なのはやはりケミカルブラザースのこのミックスだろう。

                    まんまケミカルの曲

       

 他にもジャンキーXL、ビースティボーイズ、ダレン・エマーソン(元アンダーワールド)、ジャスティス、果ては日本のファンタスティックプラスティックマシーンと多彩かつ著名な人たちばかり!すごいぞ、ファットボーイスリム!

 

 それにしても最近は100円とかでCDを発掘していたので、280円すら高く感じる僕の金銭感覚、確実にマイナス方面で麻痺している。

 

 さて今度は本です。ここ二ヶ月くらいで買った本。貧乏なのでどれも100円~180円で買いました。目利き!

               文庫はハヤカワSF,クリスティ

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 ハードカバーは僕の中の三大現代作家、森見登美彦万城目学、三崎亜紀。この三人の作品はまずハズレがない。どれもこれもが面白い。

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 有頂天家族は1作目が言わずもがなの面白さだったが、二作目になってさらにパワーアップ。物語はさらに思いも寄らない方向へと進む。すでにアニメ化もされている。

            二代目と天満屋のイメージが程遠いけれど

    

        ペンギン・ハイウェイも去年映画化されてますね。

                京都が舞台ではない氏の作品は珍しい

    

 SFとしてくくられているときもあるけれど、基本やはりファンタジー。主人公は小学4年生だけれど、中身はいつもの屁理屈大学生。でも面白い。

 あと森見作品は買ったもの以外に図書館で「新釈 走れメロス」を読んだがこれがまた滅法楽しめた。

 買おうかな

 表題作のほかには中島敦の『山月記』、芥川龍之介の『藪の中』、坂口安吾の『桜の森の満開の下』そして森鴎外の『百物語』。どれもパロディとするには相当勇気のいる作品ばかりだが、原作の持ち味を上手く活かし、文体や主題を損ねることなく森見作品に上手く落とし込んでいると思います。これだけの作品群を元ネタにすることは相当の毀誉褒貶を覚悟してのことだと思うけれど、どの作品も非常に上手く書かれていて森見氏の力量に改めて感服する次第だった。やはりその中でも『走れメロス』は別格で、原作のテーマのひとつである相手に対する友情と信頼を見事にすり替え、最期まで相手を信頼しないというギャグに力技で持ち込んでいる。特に後半は笑わせどころの挿入が秀逸かつ見事で思わず何度も声を上げて笑ってしまった。

 それぞれ別の作家の別の原作を『京都』を舞台として共通性を持たせ森見ワールドに取り込んだコンセプトが素晴らしい。また『桜の森~』の原作は女の言われるままに殺しを行う男が哀れだったが、こちらでは小説を女の言われるままに書き続ける男となっており、ひょっとしたら作家としての森見氏の本音の部分が出ているのではとも思え、また小説というものに関する彼の考えの片鱗がうかがえるようなところもあって非常に興味深い短編に仕上がっている。彼の作品にしてはシリアスな雰囲気が漂っているのも妙味を感じる。

 

 そして『とっぴんぱらりの風太郎』の圧倒的ボリュームに現在挑戦中。

         1人対10万人というキャッチが相変わらずの大風呂敷

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 いや、面白いのですぐ読んじゃいますけどね、きっと。これを読んだら次はしばらくSF漬けになるでしょう。

 

三崎氏の作品について書くエネルギーがなくなりました。この小説も字数だけはいっちょまえ

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