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暇つぶしプライム地獄 2 「特捜部Q」はおもしろい

 転職が決まって現在僕は毎日半休を取ってます。よく考えたら4月入社にして3月有給とればよかったと後悔することしきり。まあ、いまさらどうしようもないので家でごろごろしながらプライムビデオを見ているわけ。

 

 プライムビデオは無料の映画がたくさんあるけれど、購入も出来る。時に好きな作品が手ごろな値段で買えるので以前からちょいちょい購入していたんですよ。マッドマックス・怒りのデスロードとか1000円で買えた。

 何度でも観られるよね

  プライムで購入すると何がいいかって、メディアを挿入して再生する、という手間が全く無いところだろう。僕のブルーレイプレーヤーは再生するのに5分近くかかるので、それに比べたら雲泥の差だ。アマゾンスティックをちょちょっといじるだけで即再生できる手軽さ。パッケージの置き場にも困らない。もう僕きっとパッケージ商品買わなくなるな。

 そしてこの間は「ブレードランナー2049」も1000円で売ってたので買ってしまった。 

 今見直すとあれそこどうなの?っていう場面もあるんだけれど(たとえばレプリカントのラヴが簡単に警察に侵入してレイチェルの骨を盗み出し、挙句所長を殺すという場面など。手薄すぎるだろ)、1000円なら手元でいつでも見られるという安心感で買っちゃうよね。時折聞こえる低音のブォーンという、ヴァンゲリスを髣髴とさせるBGMがこの作品に不気味な彩を与えていることに気づかされたりして、やはりこれも何度も見返す映画なのだなと思いました。 

 こちらが当時の感想


 さて他に最近ハマっているのが北欧系ミステリードラマ。最初はノオミ・ラパス版のドラゴン・タトゥーの女を観たのだけれど

 フィンチャー版とほとんど一緒だった。リメイクする意味あったの

 その製作スタッフが作ったという「特捜部Q・檻の中の女」を観たところ、すこぶる面白いじゃないか!

 先入観なしにみるとびっくり

特捜部Q 檻の中の女(字幕版)
 

 デンマークを舞台にした猟奇系ミステリー。なじみのない北欧の言葉がエキゾチズムを感じさせ、独特のひんやりとした画面がミステリーに一層興を添える。暴走気味の刑事カールはその独善的な捜査から同僚を二人失い、閑職に回される。その名は特捜部Q。未解決事件の資料整理が目的の部署だ。そこに配属されたムスリムのアサド。二人は丹念に未解決事件を調べていくと不可解な点に気づき、捜査を進めてゆく・・・。

 

 いわゆる「セヴン」とか「羊たちの沈黙」などの系譜のイカれた犯人たちを相手にするのだが、たった二人で支援もなく猟奇的事件を解決してゆくストーリー運びと演出に釘付け。この「檻の中の女」は非常に良く出来てました。で、続編の「キジ殺し」も見たわけですよ。

特捜部Q キジ殺し(字幕版)
 

 一作目でその名を上げ一目置かれた特捜部Qに秘書も配属される。相変わらず猟奇性のある事件に巻き込まれるのだが、犯人がちょっと杜撰ではないか。いや、話は面白いんですけどちょっと荒唐無稽すぎるところがあって一作目よりはいまいちだなあと思いましたね。でも面白い。

 そんで3作目のこちらはレンタルなんだけど100円セールだったので鑑賞。 

  冒頭から主人公のカール、PTSDらしき症状に襲われており手の震えがとまらなかったり、ちょっとした会話にもとんちんかんな答えを返したり。カールという主人公は事件解決にその命をかけるが、決してヒーローではない。仕事に没頭するが、彼には「これしかできない」のだ。

 この回は特捜部Q史上最多の死者が出てるんじゃないか?加えて「エホバの証人」やその他の宗教を絡めた内容が作品に深みを与えている。そうそう、犯人のヨハネス役のハンサムなポール・スヴェーレ・ハーゲンって俳優どっかで見たなと思ったら「ファイティング・ダディ」のマフィアの役の人だった。

 巨漢親父がマフィアに怒りの鉄柱

 

 とにかくこれまではカールとアサド2人が中心に細々と行ってきた捜査も、この映画ではかなり大々的な(誘拐事件なので)スケールになっている。病院内での犯行は無理があるようにも思えたが良質ミステリとしてのレベルは着実に保っている。プライムビデオで何か面白そうな作品を探している方、お勧めします。

 

 そして最近、最新作「カルテ番号64」がひっそりと公開されていた。デンマーク製作映画No1ヒットだというのに東京だけの「未体験ゾーンの映画たち」での上映って、もう少し何とかならなかったのですか。

                アサドの上着が新しい革ジャン

    

 プライムビデオのなにがいいかって、手軽にこのような名作に会えることだろう。デンマークミステリなんて普通見る機会ないもんね。アメリカ/ハリウッド映画のノリとは別の味わいのある作品がたくさん観られるんですよ。それについてはまた後で。

 

ということでこういうのも読んでね

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