僕は高校生の頃は洋楽一辺倒だった。しかし色々な音楽を聴いていうるうちに音楽は
「いい音楽とそうでない音楽の区別があるだけだ」
と思うようになり、僕自身の価値基準で、僕の魂が「いいね!」と思ったものは積極的に聴くようになった。その結果ジャンル・国を問わずなんでも聴く雑食性のリスナーとなったんだけど、それは幸せなことだと思う。このブログを始めて以来、同じような方がいることがわかり音楽好きでよかったなあ!と思うこともしばしば。
さて、僕が大学生の頃、深夜の何かの番組でたまたま筋肉少女帯のこのビデオをみてぶったまげた。今見たって個性的すぎる。高円寺のカリスマ、オーケンを初めて見た瞬間だ。
大槻サマ!大槻サマー!
そのころ噂には聴いていた筋肉少女帯だったが、ここまですごいとは思わなかったのだ。なんといっても中盤の三柴江戸蔵氏と横関敦氏のピアノVS早弾きギターが圧巻!僕はすぐにこの曲が収録されている『シスター・ストロベリー』を購入した。
このジャケットを子供の前で出す勇気がない
ジャケットを買うのに少々勇気はいるが中身はとんでもない名作だ。このアルバムが筋肉少女帯の最高傑作だと僕は確信している。この時期の彼らにしか作れないアルバムだ。なにせ一曲目のマタンゴからぶっとんでいる。ほぼスラッシュメタルなんだもん。
「くどいようだが行っちゃいけねえ!」に笑ってしまう。
筋肉少女帯は完璧な演奏に大槻ケンヂのパワー系のダミ声ヴォーカルとその独特の世界観をまとった歌詞が魅力だ。たしかピストルズが再結成して武道館でやったとき、何故か前座で彼らが登場しこの「マタンゴ」を演奏したそうだ。サークルの先輩がその場にいたのだが、明らかに不評だっとのこと。
二曲目のキノコパワーをはさんで三曲目の『夜歩く』。江戸川乱歩!その歌詞センスとフレットレスベース(これ正式メンバーの内田雄一郎が弾いてないんだよね)が美しく響く。
『ララミー』を経て大作『いくじなし』がこのミニアルバムの最後を飾るのだが、とにかく歌詞と演奏がこんなにも見事に溶け合った曲はそうそうないんじゃないか!?曲の終盤にかけての盛り上がりが尋常じゃない。ヘッドフォンをかけて爆音で聴いていただきたい。兄さん!兄さん!いくじなしのにいさん!
ちなみにインディーズのナゴムレコード時代に出した「いくぢなし」では姉さんは「フェティシスト」ではなく「生ゴムマニア」というもっといかがわしい歌詞で、曲構成、演奏ともに未完成である。
このあと、メンバーチェンジを経て彼らは『日本印度化計画』や『踊るダメ人間』などで大ブレイクを果たす。深夜解放宣言で冠番組持ったり(番組冒頭オーケンがおみこしに担がれて登場する。すぐに打ち切りになった)、オールナイトニッポンもやってたな。よく聞いてたっけ。昔カラオケに行くと僕は必ずこれを歌ってたなあ。だーめダメダメダメ人間(だーめ!)
このあとの『月光蟲』
の一曲目『風車男ルリヲ』もなかなかすごかった。
最初の方はアコギでシャカシャカやっていてよく聞こえないところを、突如オーケンの「ウェッ」といううめき声と同時にヘビーメタル!しかも変拍子!
でも僕がよく聴いていたのはこのへんまでかなー。そうそう、1STアルバムを忘れてはいけない。彼らの原点。
こちらも名曲ぞろい。初期の彼らのアングラ感といかがわしさがムンムンと匂いたっている。『サンフランシスコ』や『から笑う孤島の鬼』など名曲ぞろい。
ただ、ギター・ドラムがテクニック不足でそこが残念。
この当時のメンバーがテレビでやったライブを友達が持っていて、それをダビングして何度も当時見ていたなあ。なんと一時期問題となった『高木ブー伝説』や『ドリフター』までやっている!「仲本工事の奥さん死んだ!」とか歌えばそりゃ怒られるだろ。
このライブ、ドラムがみのすけ氏なんだよね。みのすけはその後俳優になって、竹中直人の深夜やっていた幻のシュールコント番組「東京イエローページ」で準レギュラーをやっていた。
この間配信されたアマゾンプライムオリジナルコンテンツ「カリギュラ」で、いきなり竹中氏がこれをやっていて大いに楽しんだ。
基本、「イエローページ」とテイストは同じ。ふせえりも出てるし
その昔、イエローページでは「そ、そ、そっちのほうが、スゲェーーーー!」とかいうコントがあって、竹中氏がハイテンションでそう言って終わるんですよ、毎回。よくこんなの考えたな。それで、数年前これとほぼ同じ芸を、ダウンタウンの「笑ってはいけない学校」で見たときはめちゃくちゃ面白かったなあ。
きたろうとビシバシステムがレギュラーだったんだよね。
みのすけは筋肉少女帯を抜けたあとも、ミニアルバムに入っている「日本の米」でのミニコントでドラ息子役を演じていた。現在はナゴムつながりでケラのナイロン100Cで活躍しているみたいですね。演劇関係は僕疎いです。
その頃、同時にオーケンはなぜか「まんが道」というユニットをベースの内田氏とやり、「ボヨヨンロック」を発表していたが、なんだったのだろう。まあ、買ったけどさ。これ、その後の『日本の米』タイプのハードロックだよね。筋少と同じで無駄に演奏が豪華。確か何かのテレビで二人で出てきてアコギでやっていたのだが、演奏がグダグダで「これでプロかよ」という自虐的コメントに笑った。
その後いろいろあり、オーケンは『特撮』という素晴らしいバンドも組んでいた。
猫猫猫猫!と叫ぶ「アベルカイン」は無かったので、こちら。
そんな彼らもすでに50越え。でも未だに現役。僕もがんばろう。
相変わらずの世界観
グミ・チョコレート・パインには及ばないけど