僕が大学生だった20数年前、僕の所属する音楽サークルでは『グラインド・コア』が密かなブームとなっていた。その発端は、後輩のナッカンだった。
ナッカンの話はこちらでどうぞ
グラインド・コアとはとにかくファストでブルータルなサウンドの総称。
こんな感じの曲。もちろん様々なスタイルが存在するけど
ナッカンは早稲田に通っていたのでその住まいは大塚にあった。池袋が近いので彼はよくタワーレコードに出入りしていたのだが、そこでプッシュされていた「イヤーエイク」というエクストリーム・ミュージックばかりを専門とするメタルレーベルに大ハマリしたのだ。
でも最近はそういう傾向はあんまりないみたい
このようなレーベルの歴史をたどる本も出ていました。入手困難
Earache: Adapt Or Die: 30 Shad
- アーティスト: EARACHE ADAPT OR DIE: 30 SHADES OF NOISE / VARIOUS
- 出版社/メーカー: Imports
- 発売日: 2017/10/06
- メディア: CD
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この手の音楽が好きな人にはお馴染みのレーベル。こっから出ているバンドを聴いておけばまあ、大体ハズレはないはず・・・といいたいところだけれど、当時みんなで色々と買いあさって結構なハズレもあったよ。例えば、こちらのCONFESSOR。
久しぶりに聴いたがやっぱキツイ
当時はとにかく速くて暴力的な音楽を聴きたくて、イヤーエイクにそれを期待していたのに、当時としては珍しいミドルテンポ系の沈思黙考型メタル。これを全部聴き通した経験ナシ。買って損した!と今でも思う。
あとはこちらのHELLBASTERDの1ST。
こちらは激烈系ではあるけれど、ほぼどの曲もスネアがタンタンタンタン!と頭打ちリズムを刻み続けるという、タンタンリズムに特化しすぎたバンド。普通なら、スピード感を出すためスタスタスタスタというリズムで叩くべきところを、逆の発想で行ったのか、どの曲もどの曲もタンタンか、ミドルテンポの複雑系楽曲が多い。
いやーこういうのじゃないのですよ、聴きたいのは。好きな人はすいません。
その一方でこういうバンドもいた。バンド名がどうしようもない
上記のバンドは実はドラムとギターがナパーム・デスのメンバーなのだ。ナパーム・デスのすごさはその後の多くの有名グラインドコアバンドの出発点となっている点だろう。興味のない人には全く響かないだろうけれど、とにかくその筋ではそれこそ帝王という何ふさわしい歴史を持っているのだ。
ナパーム・デスはメンバーチェンジがかなり激しいバンドなので、初期からのメンバーはもう現在では一人もいない。しかしそのスピリットは脈々と受け継がれ、現在もその存在感は揺るぎない。
さてその初期を語る上で絶対に外せないのがドラムスのミック・ハリスだ。
彼のドラムスタイルは当時画期的だった。すたたたたたたとスネアを連打する、いわゆるブラストビートというドラムを叩ける極限のスピードまで追求したスタイルを確立したのだ。グラインドコア界のコージー・パウエルみたいなものか。わかりにくくてすいません。
先程も書いたけれども、ナパーム・デスにはグラインドコア系統のスターが数多く在籍していた。まずはCDが出る前にやめちゃったギタリスト、ジャスティンはその後GODFRESHを結成。激烈に速いナパーム・デスとは似ても似つかないスローで退屈なインダストリアルサウンドで聴き通すのにはかなりの体力がいるアルバムを発表。当時僕らの間では拷問に近いアルバムとされ、しかしそのバンド名の響きの良さから変に評判になっていた。
ゴッドフレッシュ、きぃーちぃー!が当時の合言葉
驚くべきことにいまだにやっているらしい。
しかも音楽性の変化ほぼ無し!ある意味スゲエ
むしろこのあとのメンバーがすごい。初期の黄金メンバーでのライヴがこちら。
その筋では名曲扱いの「SCUM」(クズ)
ちなみにこのビデオの何がすごいかって、きちんと歌詞の字幕が出るのに、全くヴォーカルと一致していないという点だ。ほぼ全編にわたって「うー!うー!うー!うー!」しか言ってねえ!かろうじて分かるのが「すかーむ!」と叫ぶところだけ!
まずヴォーカルがリー・ドリアン。このビデオでのイキの良さや、がなり系ヴォーカルからは想像できないバンドを脱退後に結成する。それが「カテドラル」。
本来こういうことをやりたかったらしい。
カテドラルに関しては一番最初に掲示したリンクで僕は熱く書いております。そちらもどうぞ。
そしてギタリストは、ビル・スティアー!後にカーカスを結成する美形テクニカルギタリストだ。
最新作も素晴らしいけれど、ドラムのケンが叩いていたこの頃の彼らが一番好き
このメンバーで発表した初期のアルバムについては明日。グラインドコア界の伝説です。
タイトルまんま
- アーティスト: Napalm Death
- 出版社/メーカー: Relativity
- 発売日: 2008/01/13
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こちらはメタリカですけどね