音楽と本

僕のカルチャーセレクトショップ

ブラインド・メロン/BLIND MELON ギターカシャカシャ

                 リリース枚数はこれだけでも素晴らしいバンドだった

            f:id:otominarukami:20180331002406j:plain

 

  僕は20代の半ばまで、京王線初台駅最寄りの、とある会社でアルバイトをしていた。倉庫のような場所で毎日資料をダンボールに詰めては発送する、という誰にでもできる仕事だった。そこにはパートのおばちゃんとか、中国人の女の子とか、僕と同年代の若者が何人かいて、テキトーに業務をこなしてはだらだらと時間を過ごし、5時になったら帰宅するという毎日を繰り返していた。

 

 その頃の僕はいつかバンドで成功するのだという甘い見通しの人生設計を抱えた、今思えば身の程知らずの甘ちゃんであり、せっかく大学を卒業したのに就職もせず親に迷惑がかかっていることも一切気にかけず、若さから来る根拠無い楽天主義にささえられて日々を無為に過ごしていたただのプータローだった。

 

  そうしてそこには僕と同じようなプーが何人もいて、中には30歳を超えた人もいた。その人の名前は失念してしまったが、毎日同じ服装で(ベージュのチノパンにダンガリーシャツという出で立ち)、毎日必ず昼には「緑のたぬき」を食すという恐るべき習慣の持ち主だった。昼になり、コンビニへ行き絶対に「緑のたぬき」を買うのだ。何があろうと昼は「緑のたぬき」なのだ。1年くらいその人はいたかもしれないけれど、その間の彼の昼食は絶対に「緑のたぬき」だった。バイト仲間うちでは最初笑っていたのだが、あんまり毎日それが続くので、そのうち皆不気味に思うようになった。

 昼になり例のスープの匂いが漂うと

「また緑のたぬきだよ、ムカつく!」

 などと、彼にしてみればいわれのない憤りを彼に対して感じているパートのおばちゃんなどもいた。

 ああ、あのころの思い出を書くとキリがなくなりそうなのでまた別の機会にしますが、いろいろな人がいたものだ。

 

 そうそう、ブラインドメロンの枕なんですよ、この話は。

 僕はこの職場に3~4年くらいいたかな、そこにある日双子の若者がやってきた。彼等はまだ19歳で横田基地のそばに住んでいるとのことだった。2人共留学経験があり、再び留学するために彼等はバイトを始めたとのことだった。

 僕は彼らとはそこそこ歳は離れていたが(多分5~6歳くらい彼らの方が下)かなり仲が良くなり、横田基地のイベントなどを案内してもらったりもした。留学経験のある彼らは洋楽を聴いていて、僕がスーサイダル・テンデンシーズを教えてあげると喜んでくれたっけ。一緒に渋谷のどっかのクラブにも行った記憶もある。

 

 さてその彼らが留学資金を貯めてアメリカへ渡った後、一度だけ手紙をもらったのだけれど、その中に「僕のルームメイト、ムチャクチャグランジだよ。あと、最近のお気に入りはBLIND MELON」と書いてあったのだ。

 当時僕はいろいろグランジオルタナバンドを聴いていたけれど、BLIND MELONなるバンドは知らなかった。アメリカの生の情報に間違いはないと思った僕はすぐに新宿レコファンへ行き、「B」のコーナーを物色したところ、あった。運の良いことにライヴ盤のおまけがついた限定版デジパック仕様だった。

 

               こちらが表側    

   f:id:otominarukami:20180331003125j:plain

 

                裏返すとこう

   f:id:otominarukami:20180331003213j:plain

 

            さらに中身を開くとこう。豪華!

   f:id:otominarukami:20180331003304j:plain

 

            こちらはデジパックではありません・・・ 

              

  

 グランジといえばニルヴァーナみたいなディストーションバリバリの激しめのモノだとハナっから思っていた僕は全く違うサウンドに肩透かしを食らったが、同時にこれはなんてカッコイイんだ!と思ったものだ。

              まさにこれぞブラインドメロンスタイル

     www.youtube.com    

    www.youtube.com

 ブラインドメロンの構成はヴォーカル/ギター×2/ベース/ドラムというオーソドックスな編成なのだが、このギター2本の絡み具合が非常に斬新だったのだ。

 シングルコイルのストラトがカシャカシャと子気味良いカッティングを奏でる一方で、もう一本はアドリブと思しきフレーズを弾き続け、それが微妙に絡み合って独特の個性として成立していたのだ。そこに硬質のベースが絡んでタイトなドラムがそれを引き締め、あの個性的な声質をもったシャノン・フーンのヴォーカルが載るのだ。

          この曲はアコースティックにまとまって泥臭さたっぷり

    www.youtube.com

 人気のきっかけはガンズとの関わりであったようだけど、僕はそういうことはあまり良く知らず、このアルバムの完成度だけに、ただただ圧倒された。

              泥臭さ、というより泥そのもの!

    www.youtube.com

 

 僕はすぐに影響されて彼らのパターン、二本のギターが別々のことをやりながら複雑に絡む曲を作ったりもした。

 

 彼らと比べるのはおこがましいですが。こちらで公開しているのですが驚く程再生されていない

soundcloud.com

 

 余計なものをぶち込んですいません。

 「BLIND MELON」アルバムの完成度が高いうえに、僕が手に入れたバージョンはおまけのライヴアルバムが非常に良くて、かわりばんこにしょっちゅう聴いていたのだが、ある日突然ライブCDの方が聴けなくってしまった!不審に思い盤面を見たらなんだこれ!?何をした覚えもないのにこの状態。

            わかりますか?最初宇宙人の仕業かと思った

         f:id:otominarukami:20180331003626j:plain

 

 今もってどうしてこんなふうになってしまったのか見当もつかない。それで急に今思い立ってアマゾンで探したら1400円くらいする・・・。1円だったら買うんだけどなあ・・・。

 

 どうでもいい話で明日につなげます。明日もどうでもいい話からです

kakuyomu.jp