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ジオストーム観ましたよ トンチンカン大味ディザスタームーヴィーの予感?!

  観てきたよ、最新型ディザスタームーヴィーの雄、『ジオストーム』を。

     倒置法を使って言うほどのことではない。とにかくスケールはでかい

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Geostorm - O.S.T.

Geostorm - O.S.T.

 

 

 監督はかのインディペンデンス・デイシリーズでお馴染みのローランド・エメリッヒと組んで僕のようなボンクラ映画ファンを長年楽しませてくれてきたディーン・デヴリン(絶対この名前で馬鹿にしてる人いるだろうな)。意外にも今作が初監督作品。

 

     鑑賞前、前知識なしの僕が考えたジオストームのあらすじ

 

 近未来、人類は科学の力で気候をコントロールしていたが、ある日気象衛星が暴走し始め、次々と地球が危機に見舞われる。その原因はコンピュータのAIが自我を持ち始めたからで、そのAIを止めるため、宇宙にジェラルド・バトラーが飛んでいき、ヒーコラと苦労の末コンピュータをやっつけて自己犠牲でジ・エンド!

 

      そういう頭で鑑賞しましたが、実際はどうだったのか?

 

        注意!ネタバレありますよ!

 

 近未来、人類は異常気象の続く地球を革新的な気象コントロール衛星、通称「ダッチ・ボーイ」によって正常な環境に戻すことに成功する。(ここまでは予想通り!)

 その開発の中心人物であるジェイク(ジェラルド・バトラー/300のレオニダス王)はその粗暴かつ、歯に衣着せぬ物言いが災いし、よりによって上司である弟ジム(マックス・ローソン)にクビにされてしまう。

 

 しかし3年後、突然ダッチボーイが異常作動し、アフガニスタンのとある村を氷漬けにしてしまう。砂漠に突如現れる凍りついた村は中々ショッキングだ。

 その修理のために再びジェイクはサムに頼まれ、ダッチボーイを管理する宇宙ステーションへと向かうことになる。

 ここで取ってつけたような、インターステラーばりのジェイクと娘との別れのシーンがあるのだが、娘持ちの僕はこんな陳腐なシーンにも何故かウルッときてしまいそうになり、自分を疑う。あと、何故か最初と最後のシーンだけ娘のナレーションが入る。そんなに物語に関わりはないのに。

 

 NASAのケープカナベラルからスペースシャトルで飛び立つ描写はロケット好きとしては胸が踊るシーン。それにしても、この映画では本来コスト高のはずのスペースシャトルが復活しており、何台ものシャトルが軽く宇宙へ行き来している。乗合バスじゃないんだから!一回の打ち上げにいくらかかると思ってるんだ!

 ステーションはステーションで乗組員が突然爆発に巻き込まれ宇宙に放り出されるなど不穏な空気に包まれている。一癖も二癖もあるクルーと故障した衛星の調査に乗り出すジェイクだが、故障した衛星を回収した途端、ステーション内のロボットアームが暴走し、衛星は滅茶苦茶、データは消滅してしまう。

 地球では香港のダッチボーイ管理担当が香港の衛星にアクセスできないことに気づく。それを政府で働くジムに伝えたあと、香港が火の海に包まれ、ほぼ壊滅!まあ、香港が選ばれたのは明らかに中国市場意識ですな。東京も壊滅するけど、あれ、どこなんでしょうね?銀座あたり?

 あと、リオ・デ・ジャネイロも見事に凍っていた。リオは最近「キングスマン」でも暴徒が登場する舞台になっていたけれど、トレンドなのか?

 とにかくこのまま衛星を放っておいたら地球は壊滅的な災害「ジオ・ストーム」に見舞われてしまうという。そしてなぜか知らないがそれが起こるまでにカウントダウンが開始される。

 

 で、実は早々に事故の原因はAIなどではなく、明らかに人為的なものだということを嗅ぎつけるジェイクとサム兄弟。このあたりからサスペンス風味が加味され、黒幕探しに焦点が移る。

 ジェイクは宇宙ステーションの外に引っかかっているデータ板を取りに自ら宇宙服を着て出て行く。そんな危険なこといきなりするの?そうしてどういうわけか突然宇宙服ジェットパックが噴出し、宇宙の彼方に飛ばされそうになるジェイク!

 こういう描写、「ゼロ・グラヴィティ」あたりで見たことあるなー。

 一方地球では弟のサムに黒幕を伝えようとした香港ボーイがサムの目の前で突き飛ばされて交通事故死!こんな衆人環視の中で、いかにも怪しそうな男に突き飛ばされて!サムの恋人で、シークレットサービスのサラは現場にいたのにみすみす取り逃しているし。ちなみにこのサラを演じた、往年のシャロン・ストーンの雰囲気を持ったアビー・コーニッシュという女優さん、どこかで見たことあるなあ、と思ったらリブート版『ロボコップ』でマーフィーの妻役だった。

 この映画で最も輝いていたのが彼女だと僕は思うのだけれどどうでしょ。特にクライマックスのカーアクションと躊躇なく拳銃をぶっぱなす彼女の姿にしびれっぱなし!彼女のスピンオフ作ってくれ!

 

 さて、どうやら巨大な権力による陰謀を感じさせる展開になり、ジェイクは黒幕はなんとアメリカ大統領である!という結論に達する。そして弟のサムにそれを伝える。しかしこのあたり、ストーリーはかなり底抜け。

 最初は通信はオープンになっているから面倒な暗号でサムに自分の推論を伝えていたジェイクだったが、後半になると弟のサム、勝手に秘密で通信室を使って同僚の女性にプロテクトさせてガンガン意見の交換。セキュリティ低!

 

 そうして、観客をミスリードさせたままクライマックスでは世界中が異常気象に見舞われ、予告編でも見られる砂漠に津波とか、リオの海が一瞬で氷漬けとか、ドバイが津波に襲われるとかありえない災害のつるべ打ち!

        あってもなくてもいいような少年と犬の絆が描かれていた

  

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  ドバイが嵐に見舞われるシーンでは、金持ちのいるビルがなぎ倒されて格差を風刺するのかと思いきや、傾いただけで中の富豪は無傷!なんだそれ!

 

 まあ、結局のところ黒幕は大統領ではなく側近のデッコム(エド・ハリス!)で、大統領を嵐のドサクサで殺して自分がその後釜になろうとしていたとのこと。しかし、いくらなんでもそんな野望すぐにバレそうなのですが・・・

       大統領(アンディ・ガルシア!)を連れて逃げるクライマックス

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 ダッチボーイはウィルスに犯されて暴走していたのでそれをリセットして手動で再起動する必要があるんだと。しかし、宇宙ステーションはいきなり自爆スイッチが入り、ジェイクが一人残り、再起動をするというアルマゲドン的展開。しかし最後の再起動させる部屋へ入るコードが分からない!そこへ超ご都合主義でステーションで一緒に活動していた女性科学者がやってきて二人で協力してあと1秒というところで再起動成功!

 まあ、そうなるよね。そしてやはりハリウッド映画、崩壊が始まったステーションでものすごい勢いで四散する宇宙ゴミをモノともせず、交換衛星で脱出する二人。そして待ってましたとばかりに回収するシャトル・・・。少ししらける。

 ただ、地上で泣きながら見ていた娘との再開のシーンがあったらヤバイな・・・と思っていたのだけれど弟のジムとの抱擁でおしまい。なんだよ!号泣する準備が出来ていた僕、スカされる。AIが出てきて暴走という予想もまるハズレ!

 

 まあ、なんだかんだ言ったけど、実は僕この映画気に入ってます。楽しめた。海外では酷評の嵐らしいけれど、こういう映画は人生に必要だ!

 

 あと、どういうわけなのかこの映画、宣伝の一環として、寿湯という銭湯とコラボしている。

 オフィシャルサイトからどうぞ。地終嵐湯(ジオストーム湯)という名前で期間限定で展開されていたらしいです。行きたかった

wwws.warnerbros.co.jp

 

こちらも暇つぶしによかったら。

kakuyomu.jp