トリップ・ホップという言葉を最近は殆ど聞かないけれど、20数年前ならば、それは新しい音楽ジャンルの象徴だった。ヒップホップとは一味違ったアヴァンギャルドなトラックに聴いたこともないような音色の選定、つぶやくようなヴォーカルに浮遊感たっぷりのクールかつダークな雰囲気。そう、トリップホップはイギリスならではの音楽ムーヴメントであった。
一般にトリップホップ御三家(誰が言いだしたのだろう)という呼称で知られていたのが、マッシヴ・アタック、トリッキー、そしてポーティスヘッドである。
彼らは寡作なので、現在まで出ているCDって4枚しかない。内1枚はライヴだし。
マッシヴとトリッキーに関してはこちらで以前書いてます。
ヴォーカルである年齢不詳のベスの歌声は、強く訴えてくる一方でどこか悲しげであり、架空の映画のサウンドトラックを意識して作られたとかいうポーティスヘッドのダークで物憂いバックトラックにうまく溶け込んでいた。
特にこちらの2曲は初期の彼らの人気を決定づけた傑作だ。「SOURTIMES」は名曲中の名曲!ご存知ない方は是非お聴きを!CD欲しくなりますよ!
ノーバディラヴズミー・・・イッツトゥルー
こちらの「GRORY BOX」はトリッキーが勝手にサンプリングしてアルバムに収録したとかでポーティスヘッドが怒ったらしい。
そのトリッキーの「GRORY BOX」をサンプルした曲。サンプルというか、ほぼそのまま使ってるじゃん。僕これを当時聴いたときこんなのアリ?って思ったよ。
とにかく1STの「DUMMY」アルバムはロック/ポップス史上に残る傑作と言っていいだろう。
センスのよいサンプリングとリズム、低音のベース、ボーンボーンという金属を叩くようなスネアの音など今聴いても素晴らしい。素晴らしいアルバムというのは大体そうなんだけど、5曲目くらいまでの流れと完成度が圧倒的なのだ。次から次へと美しくも暗く、心の底に響くような曲が連なっている。
同時代的にも様々な方面から評価を受けていたはずだ。というのも、当時KORNのビデオを見ていたら、ギターのMUNKEYのインタビュー中、ステレオから大音量でポーティスヘッドが流れていたのだ。僕はそれを聴いて少なからず感動した。彼らと同じ感覚で音楽を選んでいる僕は間違っていない、と思えたからだ。
その革新的な音はすぐさま様々なフォロワーを生んだ。例えばこちらのモロコとか。
(こちらの方は特に無理に聴かなくてもいいと思いますが参考までに)
僕はこのジャケットが可愛くてレコードを買ったはいいものの、肝心の曲はトリップホップとしては特に特筆すべき点は無く、別に買わなくても良かったなあ、と思ったものだ。でもまだやってるんすかね。よく知らなくてごめんなさい。
他にもRUBYとか
(こちらの方は特に無理に聴かなくてもいいと思いますが参考までに)
lumbとか
(こちらの方は特に無理に聴かなくてもいいと思いますが参考までに)
こういうトリップホップ系ユニットが次々と現れた。まあlumbなんかは何枚も出していてその都度買ったりしていたけれどやっぱり聴かないんだなあ。雰囲気だけ真似てもな・・・。
あとポーティスヘッドというよりはマッシヴアタックに近い感じでディフィニションオブサウンドとかいた。この曲のためにCD買ったけど、他一切聴いてない。
サビの部分、「ブンブン、オクサン」って聴こえる
(こちらの方は特に無理に聴かなくてもいいと思いますが参考までに)
そういうフォロワーの中でもこのALPHAだけは別格だった。
こちらはぜひお聴きください。オススメ。
ああ、いい曲だなあ!聞いた瞬間にいい曲だとわかるタイプ。
このアルバムは傑作なのでアマゾンで安くどうぞ。
彼らは御三家には及ばないけれど、独自の世界を確立していた。だから僕は結構気に入って彼らのアルバムを出るたびに揃えていた。まあ、流石に最近は聴いてないんだけど。
ポーティスヘッドはセカンドアルバムを出してからしばらく沈黙していたんだけど、2008年に三枚目、その名も「サード」を出す。
こちらのアルバムはややバンド色が強くなっている。彼らのギタリスト、エイドリアンが大分フューチャーされているな、という印象があった。一曲目がこれ。ギターがキュッキュッキュッってすごい。なんかわざとヘタに弾いているのか?僕いつもそう思うんだよね。まあ彼らにしか作れない曲だ。このアルバムもよく聴いたなー。
こちらはライヴ。
マッシヴアタックもそうなんだけど、レコーディングはコンピュータをかなり駆使しているはずなのに、ライヴは基本的には生音なんだよね。実際このアルバムは曲によってはシンプルすぎるものもある。「マシンガン」て曲なんか、3人で演奏できちゃうし。これ10分くらいで作ったんじゃないの?
でも最近は全然活動してないみたい。思い出したようにアルバム出してくれないかなあ。
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